Share via


レポートのページ サイズと改ページの定義 (Visual Studio レポート デザイナ)

ページ サイズと改ページは、レポート定義でページ関連のプロパティを指定することによって制御できます。使用するコントロールの種類と、レポートの表示に使用するエクスポート形式は、改ページに影響を与えます。同じレポートでも、表示方法によって改ページが異なります。次の一覧は、さまざまなシナリオでの改ページ動作をまとめたものです。

  • Windows フォーム コントロールでは、既定で GDI (Graphical Device Instrumentation) 形式でレポートが表示されます。この出力形式では、実行時に計算されるソフト改ページ (論理的な改ページ) が使用されます。

  • Web サーバー コントロールでは、HTML 形式でレポートが表示されます。この形式では、実行時に計算されるソフト改ページ (論理的な改ページ) が使用されます。HTML ページは、レポートに返される行数と列数に基づいて計算されます。

  • Excel 出力形式では、実行時に計算されるソフト改ページ (論理的な改ページ) が使用されます。Excel ページは、同一のブック内のワークシートとして計算されます。ブックに 4 つのワークシートが含まれている場合、各ワークシートは 1 ページと見なされます。

  • PDF および画像表示拡張機能は、ページ指向の形式です。このため、PDF または画像 (TIFF) 形式で表示するレポートの改ページ方法を正確に制御するプロパティを設定できます。

HTML および Excel の出力形式は物理的なページに基づいていません。また、HTML レポートは対話形式にすることができます。つまり、レポートでのユーザーの操作によって追加の処理をトリガし、追加のコンテンツに合わせてレポートを横方向または縦方向に拡大できます。レポートに対話機能が含まれている場合、この形式で表示するレポートの改ページを正確に制御することはできません。

改ページを使用したレポート処理パフォーマンスの向上

改ページを使用することによって、大きなレポートの表示時のパフォーマンスを向上させることができます。レポートの表示方法と、コントロールが非同期処理用に構成されているかどうかに応じて、コントロールではビューアにレポートのページを表示すると同時に、残りのページの表示をバックグラウンドで準備します。これにより、ユーザーはレポートの残りのページが利用できるようになるまでの間、最初の数ページを表示することができます。

HTML および Excel 出力では、改ページがない場合、レポートが 1 つのページとして表示されます。InteractiveHeight および InteractiveWidth を指定すると、HTML および Excel の出力形式ではソフト改ページを使用してレポートが表示されます。ソフト改ページは、推定ページ サイズを使用してページに配置されます。このため、レポートのサイズは、ページ サイズをサポートしている出力形式によって生成されるレポートよりも不正確になります。ソフト改ページは、コントロールによって実行時に計算されます。InteractiveHeight を 0 に設定すると、ソフト改ページを無効にできますが、これはお勧めしません。

改ページとページ サイズの指定

改ページによって、レポート ページにコンテンツを収める方法が決まります。レポート アイテムの前後に改ページを設定するには、これらのアイテムのプロパティを設定します。

四角形、テーブル、マトリックス、一覧、グラフ、グループの最初または最後に改ページを追加できます。既定では、レポート アイテムには改ページは使用されません。アイテムの最初または最後に改ページを追加するには、アイテムの PageBreakAtEnd プロパティまたは PageBreakAtStart プロパティを変更します。

また、レポート全体に一定のページ サイズを使用する、ページ指向の表示拡張機能 (PDF や画像など) では、改ページは自動的に行われます。ページ サイズに基づいた改ページを指定するには、次のプロパティを使用します。

  • PageHeight プロパティと PageWidth プロパティは、物理的な測定値に基づいて改ページを規則正しく行うために、PDF および画像の表示拡張機能で使用されます。

  • InteractiveHeightInteractiveWidth は、PageHeight および PageWidth と同等の機能を提供するために HTML 表示拡張機能によって使用されます。HTML 出力形式では、ドリルダウン、ドリルスルー、および表示/非表示の機能に合わせてレポートのサイズが動的に変更されるので、レポート サーバーはさまざまなプロパティを使用して動的なページの改ページをサポートしています。

[!メモ]

レポートの幅は、ページの幅よりも大きく設定できます。指定されたページ サイズよりも幅の大きいレポートが、ページ サイズをサポートする表示拡張機能によって表示される場合、表示されたレポートは、ページ幅に収まりきらなかった部分が別のページに表示される可能性があります。1 ページに収まるようにレポートをデザインしているのに、複数のページにわたってレポートが表示される場合は、レポートの幅がページ幅よりも大きくないことを確認してください。

ページ サイズと改ページの設定の詳細については、「改ページを設定する方法 (Visual Studio レポート デザイナ)」を参照してください。

参照

概念

非同期表示のための ReportViewer の構成
レポートへのページ ヘッダーおよびページ フッターの追加 (Visual Studio レポート デザイナ)