チュートリアル : ローカル処理モードでのデータベースデータソースと ReportViewer Windows フォームコントロールの使用

[アーティクル]
09/17/2008

このチュートリアルでは、Microsoft Visual Studio 2008 Windows アプリケーションプロジェクトでレポートを作成する方法と、アプリケーションのユーザーがレポートを表示できるように ReportViewer コントロールを Windows フォームに追加する方法について説明します。

前提条件

このチュートリアルを使用するには、AdventureWorks サンプルデータベースへのアクセス権が必要です。詳細については、「チュートリアル : AdventureWorks データベースのインストール」を参照してください。

Visual Studio Windows アプリケーションプロジェクトにレポートを追加するには、次の手順を実行します。この例では、Microsoft Visual Basic でアプリケーションを作成します。

新しい Windows アプリケーションプロジェクトの作成

Visual Studio 2008 を開きます。[ファイル] メニューの [新規作成] をポイントし、[プロジェクト] をクリックします。
[プロジェクトの種類] ペインで、[Visual Basic] をクリックします。
[テンプレート] ペインで、[Windows アプリケーション] をクリックして Microsoft Windows アプリケーションを作成します。
[名前] ボックスに、プロジェクト名を「ReportWalkthrough」と入力します。
[場所] ボックスにプロジェクトを保存するディレクトリを入力するか、[参照] をクリックしてディレクトリを選択します。Windows フォームデザイナが開き、作成したプロジェクトの Form1.vb が表示されます。

データソース接続と DataTable の定義

[プロジェクト] メニューの [新しい項目の追加] をクリックします。
[新しい項目の追加] ダイアログボックスで、[データセット] をクリックします。
データセットの名前を入力して [追加] をクリックします。これにより、新しい XML スキーマファイルがプロジェクトに追加され、データセットデザイナが開きます。既定の名前は DataSet1.xsd です。
データセットデザイナモードでツールボックスを開き、[TableAdapter] をデータセットデザイン画面にドラッグします。すると、TableAdapter 構成ウィザードが開きます。
[データ接続の選択] ページで、[新しい接続] をクリックします。
[データソース] ダイアログボックスで [Microsoft SQL Server] を選択します。[サーバー名] ダイアログボックスに、AdventureWorks が配置されているサーバーの名前を入力します。データベースのドロップダウンリストから [AdventureWorks] を選択し、[OK] をクリックしてウィザードの次のページに進みます。
[接続文字列をアプリケーション構成ファイルに保存する] ページで、接続文字列の名前を入力するか、既定の [AdventureWorksConnectionString] を受け入れます。[次へ] をクリックします。
[コマンドの種類を選択します] ページで [SQL ステートメントを使用する] を選択します。他のオプションボタンが選択されていないことを確認します。
[SQL ステートメントの入力] ページで、AdventureWorks データベースからデータを取得するための次の Transact-SQL クエリを入力し、[完了] をクリックします。[クエリビルダ] ボタンをクリックし、クエリビルダを使用してクエリを作成し、[クエリの実行] ボタンを使用してクエリをチェックすることもできます。
```
SELECT d.name as Dept, s.Name as Shift, e.EmployeeID as EmployeeID
FROM (HumanResources.Department d
INNER JOIN HumanResources.EmployeeDepartmentHistory e
    ON d.DepartmentID = e.DepartmentID)
INNER JOIN HumanResources.Shift s
    ON e.ShiftID = s.ShiftID
```
クエリから必要なデータが返されない場合は、AdventureWorks の以前のバージョンを使用している可能性があります。SQL Server 2005 バージョンの AdventureWorks データベースのインストールの詳細については、「チュートリアル : AdventureWorks データベースのインストール」を参照してください。
[生成するメソッドの選択] ページで、[メソッド名: Fill] について既定の [DataTable にデータを格納する] を受け入れ、[メソッド名: GetData] については [DataTable を返す] を受け入れます。[次へ] をクリックします。
[ウィザードの結果] ページの [完了] をクリックします。
[データセットデザイナ] ページに、クエリから生成された列を含む DataTable1 が表示されます。[データ] メニューの [データソースの表示] をクリックし、[DataTable1] ノードを展開してその列を表示します。次の手順でレポートにデータをバインドする際は [データソース] ウィンドウと、Dept、Shift、および EmployeeID の各フィールドを使用します。

レポートのデザイン

[プロジェクト] メニューの [新しい項目の追加] をクリックします。
[新しい項目の追加] ダイアログボックスで、[レポート] をクリックします。
レポートファイル名を入力します。レポート名は、既定で Report1.rdlc になります。[追加] をクリックします。レポートデザイナが起動し、レポートページを表す網点の画面が表示されます。
ツールボックスを開きます。テキストボックスをクリックし、次にフォームをクリックします。
テキストボックスに「# of Employees per Shift per Dept」というレポートタイトルを入力します。
マトリックス レポートアイテムを、ツールボックスからレポートのテキストボックスの下にドラッグします。
[データソース] ウィンドウで DataTable1 を展開して Dept 列、Shift 列、および EmployeeID 列を表示します。Dept フィールドを、[行] ボックスのマトリックスの最初の列の 2 番目の行にドラッグします。
Shift フィールドを、[列] ボックスのマトリックスの 2 番目の列の最初の行にドラッグします。テキストボックスを選択したら、[TextAlign] プロパティを [右揃え] に設定します。[レポートの書式] ツールバーの [B] アイコンをクリックして太字のフォントを使用します。
マトリックス内のいずれかの場所をクリックしてマトリックスデータ領域を選択します。右クリックして、マトリックスの名前を選択します (既定値は matrix1 です)。マトリックスレポートアイテムが外枠で囲まれて表示されます。外枠を右クリックし、[プロパティ] をクリックします。表示されたダイアログボックスのタイトルが [マトリックスのプロパティ] であることを確認します。
[グループ] タブをクリックします。[列] セクションで [編集] をクリックします。
[並べ替えとグループ化] ダイアログボックスで [並べ替え] タブをクリックします。
[式] の下にある最初のボックス内をクリックしてテキストボックスをアクティブにし、ドロップダウン矢印をクリックして、[=Fields!Dept.Value] を選択します。これにより、レポートデータが部署名で並べ替えられます。
EmployeeID フィールドを、[データソース] ウィンドウから [データ] ボックスのマトリックスの 2 列目の 2 番目の行にドラッグします。このテキストボックスを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。
[プロパティ] ウィンドウの [全般] タブで、式 (fx) ボタンをクリックして式エディタを起動します。
既定の Sum 集計関数を編集して、Count に変更します。式エディタを起動するには、テキストボックスを右クリックして [プロパティ] をクリックします。式は次のようになります。
```
=Count(Fields!EmployeeID.Value)
```

アプリケーションへの ReportViewer コントロールの追加

ソリューションエクスプローラで、Form1.vb を右クリックして [ビューデザイナ] をクリックし、フォームをデザインモードで開きます。
フォームのプロパティウィンドウで、[+] をクリックして、[サイズ] プロパティを展開します。フォームの [高さ] を 700 に設定します。
Visual Studio のツールボックスの [データ] セクションで、[ReportViewer] アイコンをクリックし、フォームをクリックします。フォーム幅と ReportViewer コントロール幅を必要に応じて調整します。
右上隅の三角形をクリックして、ReportViewer コントロールのスマートタグパネルを開きます。[レポートの選択] ドロップダウンリストをクリックし、Report1.rdlc を選択します。レポートを選択すると、そのレポートで使用されているデータソースのインスタンスが自動的に作成されます。DataSet (DataTable の ADO.NET コンテナ)、TableAdapter コンポーネント、およびレポートで使用されている各データソースに対応する BindingSource オブジェクトのインスタンスを作成するコードが生成されます。
開いているスマートタグパネルで、[親コンテナにドッキングする] をクリックします。

アプリケーションのビルドと実行

[ビルド] メニューの [ReportWalkthrough のビルド] をクリックします。ビルドプロセスの一環としてレポートがコンパイルされます。一部のエラー (レポートで使用されている式の構文エラーなど) は、タスク一覧に追加することによって記録されます。
F5 キーを押してアプリケーションを実行し、フォーム内にレポートを表示します。

参照

チュートリアル : ローカル処理モードでのデータベース データ ソースと ReportViewer Windows フォーム コントロールの使用

前提条件

新しい Windows アプリケーション プロジェクトの作成

データ ソース接続と DataTable の定義