パフォーマンス カウンタのデータの分析

更新 : 2007 年 11 月

パフォーマンス カウンタ データの分析とは、システムが各種の動作を実行している間に報告されたカウンタ値を調べることです。この分析によって、どのプロセスが最もアクティブか、およびどのプロパティやスレッドがリソースを占有しているかがわかります。このようなパフォーマンス データの分析によって、システムが作業負荷からの要求に対してどのように応答しているかを理解できます。

この分析の結果、ある時点ではシステムのパフォーマンスが十分でも、別の時点では不十分であることが判明する場合があります。このような変動の原因や差異の程度に応じて、是正措置を行うか、この変動を許容してリソースの調整やアップグレードを先延ばしにするかを選択できます。

システムが標準的な作業負荷を処理し、すべての必要なサービスを実行しているときに許容できるレベルのシステム パフォーマンスが、ベースラインとなります。ベースライン パフォーマンスは、管理者が作業環境に基づいて決定する主観的な基準です。これは、ある特定の範囲のカウンタ値に対応し、一時的に許容範囲を超える場合はあっても、一般には管理者の固有の条件の下で実現可能な最高のパフォーマンスを示しています。

カウンタに対する許容値の決定

標準的なシステムにおける各カウンタの通常の動作範囲は、さまざまな要素によって決定されます。さまざまな条件でシステムを稼動させることにより、装置の通常の動作範囲に関する感覚を養う必要があります。これらの標準的な値は、後で参照できるようにログ ファイルに記録することをお勧めします。それにより、作業負荷やハードウェアを変更したときに、以前の経験をベースラインとして参照できます。

一般に、パフォーマンス値が許容できるかどうかを決定することは、ユーザー環境の変化によって大きく変わる主観的な判断です。組織のベースラインとして設定した値が、比較のための最も適切な基準となります。アプリケーションをリリースする前にストレス試験を行って、問題を引き起こすパフォーマンスのしきい値を決定する必要があります。アプリケーションを実稼動サイトにリリースした後は、パフォーマンスを監視して、しきい値に達した場合には適切な処置を取ることができます。

参照

概念

パフォーマンスしきい値の監視の概要

パフォーマンス カウンタの値の取得