方法 : 行の変更時にデータを検証する

データ検証とは、アプリケーション データに入力される値をチェックする処理です。 基になるデータ ストアに更新を送信する前に、このような値をチェックすることをお勧めします。 これは、チェックによってアプリケーションとデータ ストアの間で生じる可能性のあるラウンド トリップの回数を減らすことができるためです。

注意

データセット デザイナーで作成される部分クラスにおいて、データセットに検証ロジックを追加できます。 このデザイナーで生成されるデータセットによって、部分クラス内のコードが削除または変更されることはありません。

RowChanging イベントに応答することにより、データ行の値の変更時にデータを検証できます。 このイベントが発生すると、現在の行の各列に対して指定されている値を含むイベント引数 (e.Row) が渡されます。 e.Row の各列の内容に基づいて、次の操作が可能です。

  • 何もせずに、指示された値を受け入れます。

  • 行変更イベント ハンドラーで列エラー (SetColumnError) を設定して、指定された値を拒否します。

  • オプションで ErrorProvider コントロールを使用して、ユーザーにエラー メッセージを表示します。 詳細については、「ErrorProvider コンポーネント (Windows フォーム)」を参照してください。

ColumnChanging イベントを使用して、個別の列の変更中に検証を実行することもできます。 詳細については、「方法 : 列の変更時にデータを検証する」を参照してください。

RowChanging イベントでのデータ検証

検証する各列にアプリケーションの要件を満たすデータが格納されていることを検証するコードを記述できます。 指定された値が受け入れられない場合、エラーがあることを表すように該当する列を設定します。 Quantity 列が 0 以下の場合に列エラーを設定する例を次に示します。 行変更イベント ハンドラーは、次のように記述します。

行の変更時にデータを検証するには (Visual Basic)

  1. データセット デザイナーでデータセットを開きます。 詳細については、「方法 : データセット デザイナーでデータセットを開く」を参照してください。

  2. 検証するテーブルのタイトル バーをダブルクリックします。 この操作により、データセットの部分クラス ファイルに DataTableRowChanging イベント ハンドラーが自動的に作成されます。

    ヒント

    テーブル名の左側をダブルクリックして、行変更イベント ハンドラーを作成します。 テーブル名をダブルクリックすると、テーブル名を編集できます。

    Private Sub Order_DetailsDataTable_Order_DetailsRowChanging(
        ByVal sender As System.Object, 
        ByVal e As Order_DetailsRowChangeEvent
      ) Handles Me.Order_DetailsRowChanging
    
        If CType(e.Row.Quantity, Short) <= 0 Then
            e.Row.SetColumnError("Quantity", "Quantity must be greater than 0")
        Else
            e.Row.SetColumnError("Quantity", "")
        End If
    End Sub
    

行の変更時にデータ検証するには (C#)

  1. データセット デザイナーでデータセットを開きます。 詳細については、「方法 : データセット デザイナーでデータセットを開く」を参照してください。

  2. 検証するテーブルのタイトル バーをダブルクリックします。 この操作により、DataTable の部分クラス ファイルが作成されます。

    注意

    データセット デザイナーでは、RowChanging イベントのイベント ハンドラーが自動作成されません。 RowChanging イベントを処理するメソッドを作成し、このイベントをフックするコードをテーブルの初期化メソッドで実行する必要があります。

  3. 部分クラスに次のコードをコピーします。

        public override void EndInit()
        {
            base.EndInit();
            Order_DetailsRowChanging += TestRowChangeEvent;
        }
    
        public void TestRowChangeEvent(object sender, Order_DetailsRowChangeEvent e)
        {
            if ((short)e.Row.Quantity <= 0)
            {
                e.Row.SetColumnError("Quantity", "Quantity must be greater than 0");
            }
            else
            {
                e.Row.SetColumnError("Quantity", "");
            }
        }
    

参照

処理手順

方法 : データベース内のデータに接続する

方法 : 列の変更時にデータを検証する

チュートリアル: Windows フォームでのデータの表示

参照

[データ ソース] ウィンドウ

イベント (C# プログラミング ガイド)

概念

データ アプリケーション開発の新機能

TableAdapter の概要

データセット デザイナー

データ ソースの概要

その他の技術情報

データに関するチュートリアル

データの検証