Branch コマンド
branch コマンドは、項目または項目セット (メタデータやバージョン管理履歴も含む) を Team Foundation バージョン管理サーバーおよびローカル ワークスペース内で別の場所にコピーします。
注意
このコマンドの結果は、チェックイン操作を実行するまでは Team Foundation バージョン管理サーバーに反映されません。 詳細については、「保留中の変更のチェックイン」を参照してください。
必要なアクセス許可
branch コマンドを使用するには、コピー元の項目の [読み取り] のアクセス許可とコピー先のフォルダーの [チェックアウト] および [マージ] のアクセス許可が [許可] に設定されている必要があります。 詳細については、「Team Foundation Server のアクセス許可」を参照してください。
tf branch olditem newitem [/version:versionspec] [/noget] [/lock:(none|checkin|checkout)] [/noprompt] [/silent] [/checkin] [/comment:("comment"|@commentfile)] [/author:authorname] [/login:username, [password]]
パラメーター
引数 |
説明 |
|---|---|
olditem |
分岐元のファイルまたはフォルダーの名前を指定します。 olditem には、item;version の形式で、バージョン情報を含めることもできます。 |
newitem |
分岐先のファイル、フォルダー、またはその親フォルダーを指定します。 newitem が既存の Team Foundation バージョン管理サーバー フォルダーである場合、Team Foundation は、その中に分岐項目を作成します。 それ以外の場合は、newitem は、分岐先ファイルまたはフォルダーの名前を示します。 分岐先ファイルまたはフォルダーが既に存在している場合、チェックイン時に競合が発生します。 |
versionspec |
/version オプションに値を指定します。 Team Foundation でバージョン指定を解析してそのスコープ内にある項目を確認する方法の詳細については、「コマンド ライン構文 (バージョン管理)」を参照してください。 |
comment |
分岐についてのコメントを指定します。 |
@commentfile |
分岐に使用されるコメントを含むファイルのパスを指定します。 |
authorname |
/author オプションにユーザーが指定した値。 |
username |
/login オプションに値を指定します。 ユーザー名の値は、DOMAIN\UserName または UserName のいずれかとして指定できます。 |
オプション |
説明 |
|---|---|
/version |
分岐を作成する項目のバージョン。 バージョンは、次のものによって指定できます。
バージョンが指定されていない場合、Team Foundation は、次のロジックを使用して、新しい分岐にコピーする項目のバージョンを決定します。
Team Foundation バージョン管理サーバーの最新バージョンより前のワークスペース バージョンのファイルを分岐した場合、指定されたその前のバージョンでファイルは分岐されます。 |
/lock |
保留中の分岐および関連する変更をチェックインするまでに、他のユーザーがその項目をチェックインしたりチェックアウトしたりできないようにします。 詳細については、「ロックの種類について」を参照してください。 ロック オプション:
|
/noget |
このオプションを指定すると、新しい分岐内のファイルとフォルダーのローカル コピーが、ローカル ワークスペース内に作成されません。 ただし、次回再帰的 Get 操作を実行したときには、ワークスペース内にローカル コピーが取得されます。 .gif "メモ") メモ
ワークスペース フォルダーをクロークすることによって、たとえば /images フォルダー内の内容などの項目を、再帰的 Get 操作または Get Latest 操作中に、ワークスペースに読み込まないようにできます。詳細については、「Workfold コマンド」を参照してください。
|
/noprompt |
入力用のプロンプトを表示しません。 |
/silent |
/noget を意味し、分岐作成時の出力がコマンド プロンプト ウィンドウに書き込まれないように指定します。 |
/checkin |
一度の操作で分岐を作成し、サーバーにチェックインします。 このオプションでは、ローカルのワークスペースに保留中の変更が作成されることはありません。 |
/comment |
新しい分岐にコメントを追加します。 このオプションは、/checkin オプションと共にのみ使用されます。 |
/author |
新しい分岐の作成者を特定します。 このオプションは、/checkin オプションと共にのみ使用されます。 |
解説
c:\00101 などのローカル パスは指定し、versionspec は指定していない場合、Team Foundation は、ローカル ワークスペースのバージョンを基にして、新しい分岐を作成します。
ただし、$/00101/*.cs などのサーバー パスは指定し、versionspec は指定していない場合、Team Foundation は、Team Foundation バージョン管理サーバーの最新バージョンを基にして、新しい分岐を作成します。
tf コマンド ライン ユーティリティの使い方の詳細については、「Tf コマンド ライン ユーティリティのコマンド」を参照してください。
例
次の例は、314.cs の最新ワークスペース バージョンを含む分岐ファイルを作成し、これに 314_branch という名前を付け、このファイルを、ディスク上の現在のディレクトリと、これが割り当てられている Team Foundation バージョン管理サーバー フォルダーに保存します。
c:\projects>tf branch 314.cs 314_branch
次の例は、314.cs のワークスペース バージョンのすべてのファイル (保留中の編集を除く) を、その現在の Team Foundation バージョン管理サーバー フォルダーから testdata Team Foundation バージョン管理サーバー フォルダーにコピーし、さらにディスク上の現在のディレクトリから testdata Team Foundation バージョン管理サーバー フォルダーに割り当てられている作業フォルダーにコピーします。
c:\projects>tf branch C:\314.cs $/testdata
次の例は、testfiles フォルダーおよびこのフォルダーに含まれる、すべての項目に対応するファイルの現在のワークスペース バージョン (保留中の編集を除く) を、その現在の Team Foundation バージョン管理サーバー フォルダーから testfiles_branch Team Foundation バージョン管理サーバー フォルダーにコピーし、さらに c:\testfiles から testfiles_branch Team Foundation バージョン管理サーバー フォルダーに割り当てられているローカル フォルダーにコピーします。
c:\projects>tf branch C:\testfiles $/testfiles_branch
次の例は、314.cs の分岐を、ファイルの変更セット #4 に存在したとおりに作成します。 Team Foundation バージョン管理サーバーと同様に、ディスク上の作業フォルダーに csharp_branch という名前の分岐ファイルが作成されます。
c:\projects>tf branch C:\314.cs;C4 csharp_branch
次の例では、12/12/03 時点の 314.cs の新しい分岐を作成します。 Team Foundation バージョン管理サーバーと同様に、ディスク上の作業フォルダーに 314_branch という名前の分岐ファイルが作成されます。
c:\projects>tf branch 314.cs;D12/12/03 314_branch
次の例は、"Beta1" ラベルを持つ 314.cs のバージョンを分岐し、これに Beta1branch という名前を付け、これを、ディスク上の現在のディレクトリ、およびその現在のディレクトリが割り当てられている Team Foundation バージョン管理サーバー フォルダーに保存します。
c:\projects>tf branch 314.cs;LBeta1 314_Beta1branch