strtod、_strtod_l、wcstod、_wcstod_l

文字列を倍精度の値に変換します。

double strtod(
   const char *nptr,
   char **endptr 
);
double _strtod_l(
   const char *nptr,
   char **endptr,
   _locale_t locale
);
double wcstod(
   const wchar_t *nptr,
   wchar_t **endptr 
);
double wcstod_l(
   const wchar_t *nptr,
   wchar_t **endptr,
   _locale_t locale
);

パラメーター

  • nptr
    NULL で終わる変換対象の文字列。

  • endptr
    スキャンの終了位置を示す文字へのポインター。

  • locale
    使用するロケール。

戻り値

strtod 関数は、オーバーフローを引き起こす場合を除き、浮動小数点数の値を返します。オーバーフローの場合は、+HUGE_VAL または –HUGE_VAL を返します。 HUGE_VAL の符号は、表現できない値の符号と一致します。 変換を実行できない場合、またはアンダーフローが発生する場合、strtod 関数は 0 を返します。

wcstod 関数の戻り値は、strtod 関数の戻り値と同じです。 「パラメーターの検証」に説明されているように、両方の関数に対して、オーバーフローまたはアンダーフローが発生し、無効なパラメーター ハンドラーが呼び出された場合、errno は ERANGE に設定されます。

戻り値の詳細については、「_doserrno、errno、_sys_errlist、および _sys_nerr」を参照してください。

解説

各関数は、入力文字列 nptr を double に変換します。 strtod 関数は、nptr を倍精度浮動小数点値に変換します。 strtod 関数は、数値の一部として認識できない文字を最初に見つけた時点で、文字列 nptr の読み取りを終了します。 数値として認識できない最初の文字が、終端の NULL 文字の場合もあります。 wcstod 関数は、strtod 関数のワイド文字バージョンで、nptr 引数はワイド文字列です。 それ以外では、これらの関数の動作は同じです。

汎用テキスト ルーチンのマップ

TCHAR.H のルーチン

_UNICODE および _MBCS が未定義の場合

_MBCS が定義されている場合

_UNICODE が定義されている場合

_tcstod

strtod

strtod

wcstod

_tcstod_l

_strtod_l

_strtod_l

_wcstod_l

現在のロケールの LC_NUMERIC カテゴリの設定に基づいて、nptr の小数点文字が認識されます。詳細については、「setlocale」を参照してください。 _l サフィックスが付いていない関数は、現在のロケールを使用します。_strtod_l は、渡されたロケールを使用することを除いて _strtod_l と同じです。 詳細については、「ロケール」を参照してください。

endptr が NULL 以外の場合は、スキャンを停止させた文字へのポインターを endptr が指す位置に格納します。 変換できなかった場合 (有効な数字が見つからなかった場合、または無効な base を指定した場合) は、nptr の値を endptr が指す位置に格納します。

strtod は、nptr が次の形式の文字列を指すものと想定します。

[whitespace] [sign] [digits] [.digits] [ {d | D | e |E}[sign]digits]

whitespace はスペースやタブで構成され、無視されます。sign はプラス (+) またはマイナス (–) のいずれかで、digits は 1 つ以上の 10 進数字です。 小数点文字の前に数字がない場合は、少なくとも 1 つの数字が小数点文字の後に必要です。 10 進数の後には指数部を指定できます。指数部は、指数部の開始文字 (d、D、e、または E) および必要に応じて符号付き整数で構成されます。 指数部と小数点文字のいずれも指定されない場合は、文字列の最後の数字の後に小数点文字が続くと想定されます。 この形式に一致しない文字を見つけるとスキャンを停止します。

必要条件

ルーチン

必須ヘッダー

strtod, _strtod_l

<stdlib.h>

wcstod, _wcstod_l

<stdlib.h> または <wchar.h>

互換性の詳細については、「C ランタイム ライブラリ」の「互換性」を参照してください。

使用例

// crt_strtod.c
// This program uses strtod to convert a
// string to a double-precision value; strtol to
// convert a string to long integer values; and strtoul
// to convert a string to unsigned long-integer values.
//

#include <stdlib.h>
#include <stdio.h>

int main( void )
{
   char   *string, *stopstring;
   double x;
   long   l;
   int    base;
   unsigned long ul;

   string = "3.1415926This stopped it";
   x = strtod( string, &stopstring );
   printf( "string = %s\n", string );
   printf("   strtod = %f\n", x );
   printf("   Stopped scan at: %s\n\n", stopstring );

   string = "-10110134932This stopped it";
   l = strtol( string, &stopstring, 10 );
   printf( "string = %s\n", string );
   printf("   strtol = %ld\n", l );
   printf("   Stopped scan at: %s\n\n", stopstring );

   string = "10110134932";
   printf( "string = %s\n", string );
 
   // Convert string using base 2, 4, and 8:
   for( base = 2; base <= 8; base *= 2 )
   {
      // Convert the string:
      ul = strtoul( string, &stopstring, base );
      printf( "   strtol = %ld (base %d)\n", ul, base );
      printf( "   Stopped scan at: %s\n", stopstring );
   }
}
  

同等の .NET Framework 関数

System::Convert::ToDouble

参照

参照

データ変換

浮動小数点サポート

マルチバイト文字のシーケンスの解釈

ロケール

文字列を数値に変換する関数

strtol、wcstol、_strtol_l、_wcstol_l

strtoul、_strtoul_l、wcstoul、_wcstoul_l

atof、_atof_l、_wtof、_wtof_l

localeconv

_create_locale

_free_locale