データ ソース構成ウィザード

データ ソース構成ウィザードでは、アプリケーションのデータ ソースを作成して編集します。 これらのデータ ソースは、データベース、サービス、またはオブジェクトから作成できます。 また、データを表示するコントロールにバインドすることもできます。 詳細については、「データ ソースの概要」を参照してください。

ウィザードを実行すると、データ ソースが [データ ソース] ウィンドウで利用できるようになります。 データ ソースをデザイン サーフェイスにドラッグすることにより、データ バインド コントロールを作成できます。 詳細については、「Visual Studio でのデータへのコントロールのバインド」を参照してください。

ウィザードの実行

このウィザードは、次のいずれかの方法で実行できます。

  • [データ] メニューの [新しいデータ ソースの追加] をクリックします。

  • [データ ソース] ウィンドウ[新しいデータ ソースの追加] を選択します。

  • 一部のバインドできるコントロールには、[新しいデータ ソースの追加] コマンドが用意されています。

ウィザードでは、まず複数のページのいずれかが表示されます。 特定のページに関する情報については、次の一覧から選択してください。

  • データ ソースの種類の選択

  • データベース モデルの選択

  • データ接続の選択

  • アプリケーション構成ファイルへの接続文字列の保存

  • データベース オブジェクトの選択

  • キャッシュするテーブルの選択

  • サービス参照の追加

  • データ オブジェクトの選択

データ ソースの種類の選択

[データソースの種類を選択] ページに表示されたオプションから、作成するデータ ソースの種類を選択します。 現在サポートされているデータ ソースの種類には、データベース、サービス、およびオブジェクトがあります。 選択したデータ ソースの種類によって、プロジェクトで作成されるデータ オブジェクトが決まります。

次の表に、それぞれの種類を選択した場合の結果を示します。

データ ソースの種類

説明

プロジェクト内の結果

データベース

アプリケーションで、Microsoft SQL Server などのデータベース製品に接続してデータを変更できるようにします。

型指定されたデータセット (.xsd ファイル)。

サービス

アプリケーションで、WCF (Windows Communication Foundation) サービス、WCF Data Services、または Web サービスのデータおよびメソッドに接続し、それらを操作できます。

サービスではさまざまな種類のオブジェクトが返される可能性があるため、作成されるデータ ソースは、サービスから返されるオブジェクトによって異なります。

オブジェクト

アプリケーションで既存のオブジェクトのデータを操作できるようにします。

そのオブジェクトがプロジェクト内にない場合は、選択したオブジェクトへの参照を追加してウィザードに表示されるようにする必要があります。

SharePoint

アプリケーションで SharePoint サイトのデータを操作できます。

SharePoint データ ソースはサービスを介して接続するため、作成されるデータ ソースは、サービスから返される SharePoint オブジェクトによって異なります。

メモメモ
SharePoint データ ソースの作成は、SharePoint 2010 でのみサポートされます。

データベース モデルの選択

[データ ソースの種類を選択] ページからデータベース データ ソースを追加すると、[データベース モデルの選択] ページが表示されます。

データセットまたは EDM (Entity Data Model) の生成を選択します。 詳細については、「ADO.NET の DataSet」および「ADO.NET Entity Framework」を参照してください。

データ接続の選択

接続の一覧から既存の接続を選択するか、新しい接続を作成します。 新しい接続を作成するには、[新しい接続] をクリックして [接続の追加] ダイアログ ボックスと [接続の変更] ダイアログ ボックス (一般) を開きます。

[接続のプロパティ] ダイアログ ボックスで値を設定すると、[接続の詳細情報] 領域に、選択したプロバイダーと接続文字列に関する読み取り専用の情報が表示されます。

アプリケーション構成ファイルへの接続文字列の格納

接続文字列をアプリケーション構成ファイルに格納するには、[次の名前で接続を保存する] をオンにします。 接続の名前を入力するか、あらかじめ入力されている既定の名前を使用します。

接続文字列をアプリケーション構成ファイルに格納すると、アプリケーションを保守するプロセスを簡素化できます。 データベース接続を変更する場合は、アプリケーション構成ファイル内の接続文字列を変更することで対応できます。ソース コードを編集してアプリケーションを再コンパイルする必要はありません。 アプリケーション構成ファイル内の接続文字列を編集する方法については、「方法: 接続文字列を保存および編集する」を参照してください。

セキュリティに関するメモセキュリティに関するメモ

情報は、アプリケーション構成ファイル内にプレーンテキストとして格納されます。 機密情報に対する認証されていないアクセスのリスクを少なくするために、データを暗号化できます。 詳細については、「データの暗号化と復号化」を参照してください。

データベース オブジェクトの選択

ツリー ビューに表示された使用可能なオブジェクトから、アプリケーションに挿入するデータベース オブジェクトを選択します。 [データセット名] ボックスにデータセットの名前を入力します。

クライアント上のローカル データベースにデータを格納 (キャッシュ) する場合は、[ローカル データベース キャッシュを有効にする] をクリックし、データセットに含めるすべてのデータベース オブジェクトを選択します。 ウィザードの次のページ ([キャッシュするテーブルの選択] ページ) では、ローカルにキャッシュするテーブルを指定できます。 ローカル データベース キャッシュの詳細については、「接続の頻度があまり高くないアプリケーションの概要」を参照してください。 ローカル データベース キャッシュの使用方法を示すチュートリアルについては、「チュートリアル : データ ソース構成ウィザードを使用した接続の頻度があまり高くないアプリケーションの作成」を参照してください。

キャッシュするテーブルの選択

[データベース オブジェクトの選択] ページで [ローカル データベース キャッシュを有効にする] をクリックした場合、このページが表示されます。

注意

ローカル データベース キャッシュを有効にできるのは、Microsoft Synchronization Services v2.0 がインストールされている場合のみです。 詳細については、「接続の頻度があまり高くないアプリケーション (ローカル データベース キャッシュ)」を参照してください。

クライアントにローカルにキャッシュする 1 つまたは複数のテーブルを選択し、テーブルごとに同期モードを選択します。

SQL Server 2008 データベースに接続する場合は、[SQL Server の変更履歴を使用する] をクリックして、SQL Server 2008 に組み込まれている変更追跡機能を使用できます。 詳細については、「方法 : SQL Server の変更の追跡を使用するようにデータ同期を構成する」を参照してください。

アプリケーションへのローカル データベース キャッシュの組み込みの詳細については、「接続の頻度があまり高くないアプリケーションの概要」を参照してください。

サービス参照の追加

[データ ソースの種類を選択] ページからサービス データ ソースを追加すると、[サービス参照の追加] ページが表示されます。

サービスへの参照を追加するには、[[サービス参照の追加] ダイアログ ボックス] ダイアログ ボックスを使用します。 ダイアログ ボックスの設定を保存すると、データ ソース構成ウィザード[サービス参照の追加] ページに戻ります。 [完了] をクリックしてウィザードを終了します。

ウィザードを完了すると、Visual Studio により、サービスへの参照がプロジェクトに追加されます。 また、サービスによって返されたオブジェクトが [データ ソース] ウィンドウに読み込まれます。 たとえば、サービスから型指定されたデータセットが返された場合、作成されたデータ ソースはデータセットになります。一方、サービスから型が返された場合、データ ソースは返された型になります。

注意

[データ ソース] ウィンドウに表示される項目は、サービスから返される情報に応じて異なります。 サービスによっては、データ ソース構成ウィザードでバインドできるオブジェクトを作成するための十分な情報を提供しないものもあります。 たとえば、サービスから型指定されていないデータセットが返された場合、ウィザードが完了しても [データ ソース] ウィンドウに項目は表示されません。 これは、型指定されていないデータセットからはスキーマが提供されず、したがってウィザードでデータ ソースを作成するための十分な情報が得られないためです。

データ オブジェクトの選択

[データ ソースの種類を選択] ページでオブジェクト データ ソースを追加すると、[データ オブジェクトの選択] ページが表示されます。

このページには、プロジェクト内のオブジェクトと、プロジェクトによって参照されるアセンブリおよびプロジェクト内のオブジェクトを表示するツリー ビューがあります。 バインド先の各オブジェクトの横にあるチェック ボックスをオンにします。 バインド先のオブジェクトをすべて選択したら、[次へ] をクリックします。

バインド先のオブジェクトがツリー ビューに表示されていない場合は、次のいずれかの手順を実行します。

  • オブジェクトがプロジェクトで定義されている場合は、プロジェクトをビルドし直し、データ ソース構成ウィザードを再起動します。

  • オブジェクトが外部のアセンブリまたはプロジェクトで定義されている場合は、[参照の追加] をクリックし、[参照の追加] ダイアログ ボックスを使用してアセンブリまたはプロジェクトへの参照を追加します。 参照を追加すると、アセンブリまたはプロジェクトがツリー ビューに表示されます。

既定では、.NET Framework または Visual Studio の一部であるアセンブリはツリー ビューに表示されません。 これらのアセンブリのオブジェクトにバインドする場合は、[システム アセンブリを表示しない] チェック ボックスをオフにします。

参照

処理手順

方法 : TableAdapter を作成する

方法 : TableAdapter クエリを作成する

概念

TableAdapter の概要

Visual Studio でのデータへのコントロールのバインド

接続の頻度があまり高くないアプリケーションの概要

その他の技術情報

Visual Studio のデータ アプリケーションの概要

Visual Studio でのデータへの接続

アプリケーションでデータを受け取る準備

アプリケーションへのデータのフェッチ

アプリケーションでのデータ編集

データの検証

データの保存