Share via


浮動小数点数の精度の低下

通常、浮動小数点 10 進値には正確な 2 進表現がありません。これは、CPU による浮動小数点データの表現方法に起因するものです。このため、精度が減少したり、浮動小数点演算で予期しない結果になることがあります。

この動作は、次のいずれかの原因によって生じます。

  • 10 進数の 2 進表現が正確ではない。

  • 使用した数値の型が一致しない (たとえば、float 型と double 型の混在)。

これを解決するために多くのプログラマは、必要な値より大きい、またはより小さい値を確保するか、精度を維持する 2 進化 10 進数 (BCD: Binary Coded Decimal) ライブラリを入手して使用します。

浮動小数点値の 2 進表現は、浮動小数点計算の有効桁数および精度に影響を与えます。Microsoft Visual C++ では、IEEE 浮動小数点形式を使用しています。

使用例

// Floating-point_number_precision.c
// Compile options needed: none. Value of c is printed with a decimal 
// point precision of 10 and 6 (printf rounded value by default) to 
// show the difference
#include <stdio.h>

#define EPSILON 0.0001   // Define your own tolerance
#define FLOAT_EQ(x,v) (((v - EPSILON) < x) && (x <( v + EPSILON)))

int main() {
   float a, b, c;

   a = 1.345f;
   b = 1.123f;
   c = a + b;
   // if (FLOAT_EQ(c, 2.468)) // Remove comment for correct result
   if (c == 2.468)            // Comment this line for correct result
      printf_s("They are equal.\n");
   else
      printf_s("They are not equal! The value of c is %13.10f "
                "or %f",c,c);
}
  
  

コメント

EPSILON には、1.192092896e-07F として定義された float 用の定数 FLT_EPSILON か、または 2.2204460492503131e-016 として定義された double 用の定数 DBL_EPSILON を使用できます。これらの定数を使用するには、float.h をインクルードする必要があります。これらの定数は、x+1.0 が 1.0 に等しくならないような正の最小の数値 x として定義されています。これは極度に小さい数値なので、大きな数値を含む計算を行う場合は、ユーザー定義の許容値を使用する必要があります。

参照

概念

コードの最適化