オフライン移行リファレンス

  • [アーティクル]

オフライン移行では、ScanState がファイルと設定を収集している Windows オペレーティング システムではなく、別の Windows(R) オペレーティング システムで ScanState ツールを実行できます。オフラインのシナリオは、主に次の 2 つです。

  • **Windows PE。**ScanState ツールは、Windows PE 内から実行し、そのコンピューターのオフラインの Windows オペレーティング システムからファイルと設定を収集できます。

  • **Windows.old。**ScanState ツールは、Windows がインストールされているパーティションに新たに Windows をインストールしたときに作られる Windows.old ディレクトリから、ファイルと設定を収集できるようになりました。たとえば、ScanState ツールを Windows 8.1 で実行し、Windows.old ディレクトリに含まれている以前の Windows 7 インストールからファイルを収集できます。

ユーザー状態移行ツール (USMT) 5.0 を使ってユーザー状態を収集したり復元したりする場合、オフライン移行では以下の理由で展開のコストを削減できます。

  • **複雑さが軽減される。**コンピューターのリフレッシュのシナリオの場合、Windows.old ディレクトリからの移行ではオペレーティング システムを展開する前に ScanState ツールを実行する必要がなくなるので、複雑さが軽減されます。また、Windows.old ディレクトリからの移行では、ScanState と LoadState を連続的に実行できます。

  • パフォーマンスが向上する。 USMT をオフラインの Windows PE 環境で実行すると、ハードウェア リソースへのアクセス性が向上します。そのため、ハードウェア リソースの制限があり、多くのソフトウェア アプリケーションがインストールされているコンピューターでも、パフォーマンスが向上する場合があります。

  • **新しい回復シナリオをサポートしている。**コンピューターの再起動が正しくできなくなったシナリオでも、Windows PE 内から ScanState ツールでユーザー状態を収集できる場合があります。

このトピックの内容

  • オフラインで移行されるもの

  • サポートされているオフライン環境

  • ユーザー グループ メンバーシップとプロファイル管理

  • コマンド ライン オプション

  • 環境変数

  • Offline.xml の要素

オフラインで移行されるもの

オンラインの移行と同様に、以下のユーザー データと設定がオフラインで移行されます。

  • MigXML で指定されたデータとレジストリ キー

  • ユーザー アカウント

  • アプリケーション設定

  • オペレーティング システム設定の一部

  • EFS ファイル

  • Internet Explorer(R) のお気に入り

オフラインで移行できるものの例外について詳しくは、「USMT によって移行されるもの」をご覧ください。

サポートされているオフライン環境

次の表は、USMT でサポートされている、オンラインとオフラインのオペレーティング システムの組み合わせを示しています。

実行中のオペレーティング システム オフラインのオペレーティング システム

Windows PE 5.0 以降と MSXML ライブラリ

Windows(R) XP、Windows Vista(R)、Windows 7、Windows 8、Windows 8.1

Windows(R) 7、Windows 8、Windows 8.1

Windows.old ディレクトリ

注意

Windows PE を起動する前に Windows BitLocker ドライブ暗号化 を一時停止にすると、ドライブを暗号化したままで ScanState ツールを実行できます。詳しくは、この Microsoft サイトをご覧ください。

ユーザー グループ メンバーシップとプロファイル管理

ユーザー グループ メンバーシップは、オフライン移行では保持されません。Config.xml ファイルの <ProfileControl> セクションを構成して、移行されたユーザーが所属するグループを指定する必要があります。次の例では、移行されたすべてのユーザーを Users グループに所属させています。

<Configuration>
<ProfileControl>
    <localGroups>
      <mappings>
         <changeGroup from="*" to="Users" appliesTo="MigratedUsers">
            <include>
            <pattern>*</pattern>
            </include>
         </changeGroup>
      </mappings>
   </localGroups>
  </ProfileControl>
</Configuration>

Config.xml ファイルの形式について詳しくは、「Config.xml ファイル」をご覧ください。

コマンド ライン オプション

オフライン移行を有効にするには、コマンド ラインで構成ファイルを使うか、次のいずれかのコマンド ライン オプションを使います。

コンポーネント オプション 説明

ScanState.exe

/offline: <offline.xml へのパス>

このコマンド ライン オプションは、オフライン移行モードを有効にします。Offline.xml 構成ファイルへのパスが必要です。

ScanState.exe

/offlineWinDir: <Windows ディレクトリ>

このコマンド ライン オプションは、オフライン移行モードを有効にし、指定された場所から移行を始めます。移行が Windows ディレクトリから始まる Windows PE オフライン シナリオだけで使います。

ScanState.exe

/OfflineWinOld: <Windows.old ディレクトリ>

このコマンド ライン オプションは、オフライン移行モードを有効にし、指定された場所から移行を始めます。これは、移行が Windows.old ディレクトリから始まる Windows.old 移行シナリオにのみ対応します。

/offline、/offlineWinDir、/OfflineWinOld コマンド ライン オプションは、いずれか 1 つだけを指定できます。USMT では、複数のオプションを同時に使うことはできません。

環境変数

以下に示すシナリオでは、次のシステム環境変数が必要です。

変数 値 シナリオ

USMT_WORKING_DIR

作業ディレクトリへの完全なパス

USMT バイナリが読み取り専用メディア上にあって、ログ ファイルや一時的な保存場所の作成がサポートされていない場合に必要です。システム環境変数を設定するには、コマンド プロンプトで次のように入力します。

Set USMT_WORKING_DIR=[path to working directory]

MIG_OFFLINE_PLATFORM_ARCH

32 または 64

オフラインでの操作中に、システムが Windows PE と Scanstate.exe のアーキテクチャに一致しない場合、この環境変数はオフライン システムのアーキテクチャを定義します。この環境変数を使うことで、32 ビットの ScanState アプリケーションから 64 ビット アーキテクチャのコンピューターのデータを収集したり、64 ビットの ScanState アプリケーションから 32 ビット アーキテクチャのコンピューターのデータを収集したりできます。これは、移行元システムが 64 ビット バージョンの Windows XP を実行している場合のように、オフライン アーキテクチャの自動検出が正しく機能しないときに必要です。たとえば、このシステム環境変数を 32 ビット アーキテクチャ用に設定するには、コマンド プロンプトで次のように入力します。

Set MIG_OFFLINE_PLATFORM_ARCH=32

Offline.xml の要素

複数の Windows ディレクトリがあるコンピューターで ScanState ツールを実行している場合は、offline.xml ファイルを使います。offline.xml ファイルは、Windows ファイルをスキャンするディレクトリを指定します。/offlineDir オプションで 1 つの Windows ディレクトリ パスを指定する代わりに、/offline オプションで offline.xml ファイルを使うこともできます。

<offline>

この要素には、オフライン移行の実行方法を定義する、他の要素が含まれます。

構文: <offline> </offline>

<winDir>

これは <offline> の必要な子要素であり、オフライン ボリュームを選ぶ方法についての情報を持っています。移行は、有効な Windows システム ボリュームを持っている、<winDir> の最初の要素から行われます。

構文: < winDir > </ winDir >

<path>

これは <winDir> の必要な子要素であり、有効な Windows ディレクトリを指すファイル パスを持っています。相対パスは、ScanState ツールの作業ディレクトリからのパスとして解釈されます。

構文: <path> c:\windows </path>

または

<mappings> 要素と共に使われる場合の構文: <path> C:\, D:\ </path>

<mappings>

これは、<offline> の省略可能な子要素です。指定した場合、<mappings> 要素は、自動的に検出された Windows PE ドライブ マッピングを上書きします。各子 <path> 要素は、システム ボリューム間のマッピングを示します。また、ボリューム全体を特定のフォルダーにマウントすることもできるので、フォルダー間のマッピングも指定できます。

構文: <mappings> </mappings>

<failOnMultipleWinDir>

これは、<offline> の省略可能な子要素です。<failOnMultipleWinDir> 要素を使うと、移行元コンピューターに Windows の複数のインスタンスがインストールされていることが USMT によって検出された場合に、移行が失敗するように指定できます。<failOnMultipleWinDir> 要素がない場合、既定の動作では、移行は失敗しません。

構文: <failOnMultipleWinDir>1</failOnMultipleWinDir> または 構文: <failOnMultipleWinDir>0</failOnMultipleWinDir>

Offline .xml の例

次の XML の例は、このトピックで説明したいくつかの要素の使い方を示しています。

<offline>
     <winDir>
          <path>C:\Windows</path> 
          <path>D:\Windows</path> 
          <path>E:\</path> 
     </winDir>
     <failOnMultipleWinDir>1</failOnMultipleWinDir>
</offline>

関連項目

他のリソース

移行の計画