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移行ストアの種類の概要

移行を計画する際には、ニーズに合った移行ストアの種類を選ぶ必要があります。さらに、移行元コンピューターと移行先コンピューターで ユーザー状態移行ツール (USMT) 5.0 コンポーネントを実行するために必要な容量も検討します。また、移行ストアを作成してホストするために必要な容量と、ローカル共有、ネットワーク共有、記憶装置うちどれを使用するかを決めます。

このトピックの内容

移行ストアの種類

ローカル ストアとリモート ストア

/localonly コマンド ライン オプション

移行ストアの種類

ここでは、USMT で使用できる 3 種類の移行ストアについて説明します。

非圧縮 (UNC)

非圧縮 (UNC) 移行ストアは、移行するフォルダー階層のミラー イメージが含まれる非圧縮ディレクトリです。ローカルのファイル システムで各ディレクトリおよび各ファイルに付与されていたアクセス許可がそのまま保持されます。この種類の移行ストアは、エクスプローラーを使って表示することができます。設定が格納されるカタログ ファイルには、移行先コンピューターでファイルを復元する方法も指定されています。

圧縮

圧縮移行ストアは、移行対象となるすべてのファイルとカタログ ファイルを格納する単一のイメージ ファイルです。多くの場合、このイメージ ファイルは暗号化されてパスワードで保護されており、エクスプローラーで表示することはできません。

ハードリンク

ハードリンク移行ストアは、ハード ディスク上のビットのコレクションがどのようにファイル システムに "接続" されるかを定義するマップとして機能します。この新しい USMT ハードリンク移行ストアを使用できるのは、PC 更新移行シナリオのみです。これは、以前のオペレーティング システムを削除し、新しいオペレーティング システムをインストールする間、ハードリンク移行ストアがローカル コンピューター上で維持されるためです。ハードリンク移行ストアを使うことで、ネットワーク帯域幅の消費を抑え、移行を行うために必要なサーバー利用を最小限にすることができます。

ハードリンク移行ストアを作成するには、コマンド ライン オプションの /hardlink を使います。ハードリンク移行ストアは非圧縮移行ストアと同じ機能を持ちます。ユーザー状態がキャプチャされるとき、ローカル コンピューター上でファイルは複製されません。ユーザー状態が復元されるときも、ファイルは複製されません。詳しくは、「ハードリンク移行ストア」をご覧ください。

次のフローチャートで、ローカル移行ストアとリモート移行ストアにおける処理の違いを示します。この例の場合、ハードリンク移行ストアはローカル ストアに対して使用されています。

移行ストアの比較

ローカル ストアとリモート ストア

十分な容量があり、ユーザー状態を同じコンピューターに移行する場合、サーバー記憶域のコストを削減し、ネットワーク パフォーマンスの問題を避けるために、一般的にはローカル デバイスにデータを格納することをお勧めします。ローカルの別のパーティション、または USB フラッシュ ドライブ (UFD) などのリムーバブル デバイスに、データを格納できます。さらに、使用するイメージ テクノロジによっては、再イメージ化するパーティションにデータを格納することもできます (処理中にデータが削除されないよう保護される場合)。パフォーマンスを向上するには、高速ネットワーク接続が使用される高速ドライブにデータを格納します。また、そのサーバーで実行されるタスクを移行のみに限定することもお勧めできます。

ローカル ディスクの容量が不足している場合、またはユーザー状態を別のコンピューターに移動する場合には、データをリモートに格納する必要があります。たとえば、共有フォルダーや、UFD ドライブなどのリムーバブル メディアにデータを格納します。また、移行先コンピューターにデータを直接格納することもできます。たとえば、移行先コンピューターに C:\store を作成し、共有として設定します。次に、移行元コンピューターで ScanState コマンドを実行して、ファイルと設定を \DestinationComputerName\store に保存します。移行先コンピューターで LoadState コマンドを実行し、ストアの場所として C:\store を指定します。これによって、ファイルをサーバーに保存する必要がなくなります。

重要

可能であれば、ユーザーがデータを %UserProfile%\My Documents フォルダーと %UserProfile%\Application Data フォルダーに保存できるようにします。これによって、USMT のチェック対象になっていないディレクトリにある重要なユーザー データが USMT で見落とされる可能性が減ります。

/localonly コマンド ライン オプション

リムーバブル ドライブのデータと、移行元コンピューターに割り当てられているネットワーク ドライブのデータを除外するには、このオプションを使います。/localonly を指定したときに除外されるデータについて詳しくは、「ScanState の構文」をご覧ください。

関連項目

他のリソース

移行の計画