about_Windows_PowerShell_ISE

適用対象: Windows PowerShell 2.0, Windows PowerShell 3.0

トピック

about_Windows_PowerShell_ISE

概要

Windows PowerShell® Integrated Scripting Environment (ISE) の機能とシステム要件について説明します。

詳細説明

Windows PowerShell ISE は Windows PowerShell 向けのグラフィカルなホスト アプリケーションです。Windows PowerShell ISE では、1 つの Windows ベースのグラフィカル ユーザー インターフェイスで、コマンドの実行とスクリプトの書き込み、テスト、およびデバッグが可能です。その機能には、Intellisense、複数行の編集、タブの完成、自動保存、構文の色分け、選択的な実行、状況依存のヘルプ、Show Command (ウィンドウ内のコマンド構成) が含まれ、さらに 2 バイト文字セットと右から左へ記述する言語をサポートします。

Windows PowerShell ISE は初心者向けの優れたツールです。[Show Command] ウィンドウと新しいリモート PowerShell タブは、順を追ってタスクをガイドするので、初めての操作でも使いこなすことができます。作業中、スニペットとエラー インジケーターが Windows PowerShell 言語の学習を助けます。

上級ユーザーは高度なデバッグ機能、アドオン、および Windows PowerShell ISE オブジェクト モデルを利用できます。

Windows PowerShell 4.0 での Windows PowerShell ISE の新機能

Windows PowerShell ISE は Windows PowerShell 4.0 に 2 つの新しい機能を導入しています。

Windows PowerShell ISE は Windows PowerShell ワークフロー デバッグとリモート スクリプト デバッグの両方をサポートするようになりました。詳細については「see about_Debuggers」を参照してください。

Windows PowerShell Desired State Configuration のプロバイダーおよび構成に IntelliSense サポートが追加されました。

Windows PowerShell ISE の開始

Windows PowerShell ISE はサポートされているすべてのバージョンの Windows にインストールされ、有効にされ、使用準備完了になります。

Windows 8.1、Windows 8、Windows Server 2012 R2、および Windows Server2012 では、[スタート] 画面で PowerShell_ISE と入力し、PowerShell_ISE または Windows PowerShell ISE をクリックします。

Windows Server 2012 R2 および Windows Server 2012 では、サーバー マネージャーの [ツール] メニューで Windows PowerShell ISE をクリックします。

以前のバージョンの Windows では、[スタート]、[すべてのプログラム]、[アクセサリ]、Windows PowerShell の順にクリックし、Windows PowerShell ISE をクリックします。

Windows PowerShell コンソール、Cmd.exe、または Windows の実行または検索ボックスで、「PowerShell_ise.exe」と入力します。また、NoProfile スイッチを含む、コマンド ライン パラメーターを使用することができます。詳細については、PowerShell_ISE.exe コンソール ヘルプ (https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=243055) を参照してください。

対話型コマンドの実行

Windows PowerShell ISE では、Windows PowerShell のすべての式またはコマンドを実行できます。コマンドレット、プロバイダー、スナップイン、およびモジュールを、Windows PowerShell コンソールで使用する場合と同様に使用できます。

対話型コマンドをコンソール ウィンドウに入力するか、または貼り付けることができます。コマンドを実行するには、ボタン、メニュー項目、およびキーボード ショートカットを使用できます。

複数行の編集機能を使用して、コンソール ウィンドウにいくつかの行のコードを一度に入力するか、または貼り付けることができます。上方向キーを押して前のコマンドを呼び戻すと、そのコマンド内のすべての行が呼び戻されます。コマンドを入力するときに Shift キーを押しながら Enter キーを押すと、現在の行の下に新しい空白行が表示されます。

出力の表示

コマンドおよびスクリプトの結果はコマンド ウィンドウに表示されます。キーボード ショートカットまたはツールバーの [コピー] ボタンを使用して結果をコンソール ウィンドウから移動またはコピーし、スクリプト ウィンドウ、コンソール ウィンドウ、またはその他のプログラムに貼り付けることができます。コンソール ウィンドウをクリアするには、[出力ウィンドウをクリアします] ボタンをクリックするか、または次のコマンドのいずれかを入力します。

        Clear-Host
        cls

スクリプトと関数の記述

スクリプト ウィンドウで、スクリプトを開き、作成、編集、および実行が可能です。スクリプト ウィンドウでは、ボタンとキーボード ショートカットを使用して、スクリプトを編集できます。スクリプト ウィンドウとコンソール ウィンドウの間で、テキストのコピー、切り取り、貼り付けも可能です。

選択的な実行機能を使用して、スクリプトの全部または一部を実行できます。スクリプトの一部を実行するには、実行するテキストを選択して、[スクリプトの実行] ボタンまたは F8 キーをクリックします。既定では、F8 キーで現在の行を実行します。

高度な編集機能として、かっこの一致、展開/折りたたみ、行番号、エラー インジケーター、ブロックの編集とインデント、機能豊富なコピー、および大文字/小文字変換があります。

ヘルプの取得

Windows PowerShell ISE には、その使用法を説明するヘルプ トピックが含まれています。さらに、すべてのインストール済みヘルプ ファイルはスクリプトおよびコマンド ウィンドウからアクセス可能です。

Windows PowerShell ISE は状況依存のヘルプもサポートしています。特定のコマンドレット、プロバイダー、またはキーワードに関するヘルプを表示するには、項目の名前にカーソルを置くか、または F1 キーを押します。ヘルプ トピックを検索するには、F1 キーを押し、検索用語を入力します。

コンピューター上のヘルプ トピックを更新するには、[ヘルプ] メニューの [Windows PowerShell ヘルプの更新] 項目を使用します。この項目により、現在の UI カルチャで、現在のセッション中のモジュールのヘルプが更新されます。これはパラメーターを指定せずに Update-Help コマンドレットを実行することと同等です。Windows PowerShell に付属しているコマンドレットのヘルプを更新するには、[管理者として実行] オプションを使用して Windows PowerShell ISE を開始します。

また、Windows PowerShell コンソールで使用する場合と同様に、Get-help、Save-help、および Update-help コマンドレットを Windows PowerShell ISE で使用できます。ただし、Windows PowerShell ISE では、Help 関数により、一度に 1 ページではなくヘルプ トピック全体が表示されます。

スクリプトのデバッグ

Windows PowerShell ISE デバッガーを使用して、Windows PowerShell のスクリプトまたは関数をデバッグできます。スクリプトをデバッグする場合、メニュー項目とショートカット キーを使用して、Windows PowerShell コンソールで実行するものと同じタスクの多くを実行できます。たとえば、スクリプト中に行のブレークポイントを設定するには、コードの行を右クリックし、[ブレークポイントの切り替え] をクリックします。

デバッグ中にスクリプトをステップ移動する際、デバッグ蛍光ペンによって、コマンドのどの部分を実行しているのかが正確に示され、呼び出される関数とスクリプトを含むファイルが自動的に開きます。

既定では、[ブレークポイントの切り替え] メニュー項目によって、スクリプト中の行全体にブレークポイントが設定されますが、変数またはコマンド名にブレークポイントを設定できます。また、行と列の番号によってコマンド上にブレークポイントを設定することも可能で、長いパイプライン コマンドのデバッグが容易になります。

多くの場合、Windows PowerShell ISE でスクリプト ファイルを開くだけで、スクリプト中の構文エラーをデバッグできます。エラー インジケーターは構文エラーを特定し、アウトライン表示機能を使用してスクリプトの複数の部分を折りたたみ、問題のある箇所に注目することができます。

Windows PowerShell デバッガー コマンドレットを、コンソールで使用する場合と同様にコマンド ウィンドウで使用できます。

リモート コマンドの実行

新しいリモート PowerShell のタブ機能により、永続的なユーザー管理の Windows PowerShell セッション (「PSSession」) をローカル コンピューターまたはリモート コンピューターに簡単に確立できます。このコマンドを使用すると、コンピューター名およびリモート コンピューター上でコマンドを実行する権限を持つユーザー アカウントの入力を求めるポップアップ ウィンドウが開きます。

ビューのカスタマイズ

Windows PowerShell ISE 機能を使用して、コンソール ウィンドウとスクリプト ウィンドウの移動およびサイズ変更が可能です。一方のウィンドウの表示と非表示を切り替えたり、すべてのウィンドウ内のテキストのサイズを変更したりすることができます。

オプション ウィンドウを使用して、Windows PowerShell ISE の外観と動作をカスタマイズすることもできます。さらに、Windows PowerShell ISE には $psISE というカスタム ホスト変数があり、メニューおよびメニュー項目の追加など、Windows PowerShell ISE のカスタマイズに使用できます。

Windows PowerShell ISE プロファイル

Windows PowerShell ISE には、独自の Windows PowerShell プロファイルである Microsoft.PowerShellISE_profile.ps1 があります。このプロファイルに、Windows PowerShell ISE で使用する関数、別名、変数、およびコマンドを格納できます。

Windows PowerShell AllHosts プロファイル (CurrentUser\AllHosts および AllUsers\AllHosts) の項目は、任意の Windows PowerShell ホストプログラムと同様に Windows PowerShell ISE でも使用可能です。ただし、Windows PowerShell コンソール プロファイル内の項目は Windows PowerShell ISE では使用できません。

プロファイルの移動と再構成を行う手順は、Windows PowerShell ISE のヘルプおよび「about_Profiles」で参照できます。

注意事項

Windows PowerShellISE は、Windows のクライアントとサーバーのバージョンで既定で有効になっている、オプションの Windows 機能です。Windows のクライアント バージョンで Windows PowerShell ISE を有効および無効にするには、コントロール パネルにある Windows 機能のオンとオフを使用します。Windows のサーバー バージョンで Windows PowerShell ISE を有効および無効にするには、サーバー マネージャーで、役割と機能の追加ウィザードを使用します。

Windows PowerShell ISE にはユーザー インターフェイスが必要なので、Windows Server の Server Core インストールでは機能しません。ただし、Windows PowerShell ISE 機能を追加した場合、インストールによって自動的に GUI のあるサーバーに変換されます。

Windows PowerShell ISE は Windows Presentation Foundation (WPF) 上に構築されます。Windows PowerShell ISE のグラフィカルな要素がシステム上で正常にレンダリングされない場合、「WPF ハードウェア アクセラレータを無効にする」グラフィックのレンダリング設定をシステムに追加または調整することによって問題を解決できる可能性があります。詳細については、MSDN ライブラリの「グラフィックス レンダリング レジストリ設定」(https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=144711) を参照してください。

関連項目

about_Debuggers

about_Profiles

about_Updatable_Help

Get-Help

Get-IseSnippet

Import-IseSnippet

New-IseSnippet

Save-Help

Show-Command

Update-Help