正規表現の用途

一般的な検索処理と置換処理では、検索する文字列を直接指定します。この方法は、静的テキストを単純に検索して置換する作業には向いていますが、柔軟性に乏しいため、動的テキストを検索することは、不可能ではないにしろ、かなり困難になります。

正規表現を使うと、次のことを行えます。

• 文字列内における特定パターンのテスト。たとえば、入力された文字列に特定の電話番号やクレジット カード番号のパターンが見つかるかどうかをテストできます。この処理は "データ確認" と呼ばれます。
• テキストの置換。正規表現を使用すると、ドキュメント内で検索したテキストを、完全に削除したり、別のテキストに置換したりできます。
• パターン マッチに基づいた、文字列の一部 (部分文字列) の抽出。ドキュメントや入力フィールドにおいて、特定のテキストを検索できます。

たとえば、Web サイト全体を検索して、古くなったコンテンツの削除や特定の HTML 書式タグの置換などに、正規表現を使用します。正規表現を使用すると、各ファイル内を検索して目的のコンテンツや HTML 書式タグの有無をテストできます。これにより、削除または変更対象とするコンテンツを含むファイルだけに絞り込むことができます。次に、古くなったコンテンツを削除します。最後に、目的のタグを検索して置換します。これらの処理には、すべて正規表現を使用します。

そのほか、正規表現を使用すると便利な例として、文字列処理機能がそれほど充実していない言語が挙げられます。Visual Basic のサブセットである VBScript は豊富な文字列処理関数を備えていますが、JScript は C 言語と同様、この点に関して十分ではありません。JScript で正規表現を使用すると、文字列処理機能が格段に向上します。また、VBScript の場合でも、1 つの正規表現によって複数の文字列操作を行うことができるようになり、処理を効率化できます。