このセキュリティ更新プログラムは、非公開で報告された Microsoft Windows の Windows NAT ドライバーの脆弱性を解決します。この脆弱性により、攻撃者が Windows NAT Driver サービスを実行している標的のサーバーに特別に細工された ICMP パケットを送信した場合、サービス拒否が起こる可能性があります。
このセキュリティ更新プログラムは、すべてのサポートされているバージョンの Windows Server 2012について、深刻度は「重要」です。詳細については、このセクションのサブセクション「影響を受けるソフトウェアと影響を受けないソフトウェア」を参照してください。
このセキュリティ更新プログラムは Windows NAT ドライバーサービスが特別に細工された ICMP パケットを処理する場合にメモリ アドレス値を検証する方法を修正することによって脆弱性を解決します。この脆弱性に関する詳細については、次の「脆弱性の情報」のセクションの特定の脆弱性に関するサブセクション「よく寄せられる質問 (FAQ)」を参照してください。
影響を受けないソフトウェア
| オペレーティング システム |
|----------------------------------------------------------------------------------------|
| Windows XP Service Pack 3 |
| Windows XP Professional x64 Edition Service Pack 2 |
| Windows Server 2003 Service Pack 2 |
| Windows Server 2003 x64 Edition Service Pack 2 |
| Windows Server 2003 with SP2 for Itanium-based Systems |
| Windows Vista Service Pack 2 |
| Windows Vista x64 Edition Service Pack 2 |
| Windows Server 2008 for 32-bit Systems Service Pack 2 |
| Windows Server 2008 for x64-based Systems Service Pack 2 |
| Windows Server 2008 for Itanium-based Systems Service Pack 2 |
| Windows 7 for 32-bit Systems Service Pack 1 |
| Windows 7 for x64-based Systems Service Pack 1 |
| Windows Server 2008 R2 for x64-based Systems Service Pack 1 |
| Windows Server 2008 R2 for Itanium-based Systems Service Pack 1 |
| Windows 8 for 32-bit Systems |
| Windows 8 for 64-bit Systems |
| Windows RT |
| Server Core インストール オプション |
| Windows Server 2008 for 32-bit Systems Service Pack 2 (Server Core インストール) |
| Windows Server 2008 for x64-based Systems Service Pack 2 (Server Core インストール) |
| Windows Server 2008 R2 for x64-based Systems Service Pack 1 (Server Core インストール) |
| Windows Server 2012 (Server Core インストール) |
更新プログラムに関する FAQ
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Server Core インストールはこのセキュリティ情報で説明している脆弱性によってどのような影響を受けますか?
この更新プログラムによって解決される脆弱性は、「適用できないソフトウェア」の表に示すように、Server Core インストール オプションを使用してインストールされている Windows Server 2008、Windows Server 2008 R2、または Windows Server 2012 のサポートされるエディションには影響を及ぼしません。このインストール オプションに関する詳細情報は、TechNet の記事「[Managing a Server Core Installation: Overview](https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/ee441255)」(英語)、「[Servicing a Server Core Installation](https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/ff698994)」(英語)、および「[Server Core サーバーとフル サーバーの統合に関するテクニカル プレビュー](https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/hh831758)」を参照してください。
MS13-064 と MS13***-***065 はどちらも ICMP を利用する脆弱性を解決します。これらのセキュリティ更新プログラムには関連性がありますか?
いいえ。これらのセキュリティ更新プログラムには関連性はありません。お客様はシステムにインストールしているソフトウェア用の更新プログラムを適用する必要があります。
このセキュリティ情報で説明しているソフトウェアの旧バージョンを使用しています。どうすればよいですか?
このセキュリティ情報の一覧の影響を受けるソフトウェアのテストを行い、影響を受けるリリースを確認しました。その他のリリースは、サポート ライフサイクルが終了しました。製品のライフサイクルに関する詳細については、[マイクロソフト サポート ライフサイクル](https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=21742)の Web サイトを参照してください。
今後、脆弱性の影響を受けないようにするため、旧リリースのソフトウェアを使用しているお客様は、サポート対象のリリースに移行することを強く推奨します。使用するソフトウェアのサポート ライフサイクルを確認するには、[サービスパック ライフサイクル ポリシー](https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=169555)を参照してください。これらのソフトウェアのリリースのサービス パックの詳細については、[サービスパック ライフサイクル ポリシー](https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=89213)を参照してください。
以前のソフトウェアに関するカスタム サポートが必要なお客様は、担当営業、またはマイクロソフト アカウント チームの担当者、担当テクニカル アカウント マネージャー (TAM)、またはカスタム サポート オプションのマイクロソフト パートナー担当者までご連絡ください。プレミア契約をお持ちでないお客様は、マイクロソフト サポート契約センター (営業時間 9:30-12:00 13:00-19:00 土日祝祭日を除く TEL:0120-17-0196 FAX:03-5388-8253) までお問い合わせください。連絡先の情報は、[Microsoft Worldwide Information](https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=33329) Web サイトの Contact Information のプルダウン リストから国を選択し、\[Go\] ボタンをクリックすると、連絡先の電話番号が表示されます。お問い合わせの際、お住まいの地域のプレミア サポート営業担当にご連絡ください。詳細については、[マイクロソフト サポート ライフサイクル ポリシー FAQ](https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=169557) を参照してください。
### 脆弱性の情報
深刻度および脆弱性識別番号
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次の深刻度の評価は、脆弱性の影響が最も深刻な場合を想定しています。深刻度の評価およびセキュリティ上の影響に関連して、このセキュリティ情報の公開から 30 日間でこの脆弱性が悪用される可能性に関する情報については、[8 月のセキュリティ情報の概要](https://technet.microsoft.com/ja-jp/security/bulletin/ms13-aug)の Exploitability Index を参照してください。詳細については、[Microsoft Exploitability Index](https://technet.microsoft.com/ja-jp/security/cc998259) (悪用可能性指標) を参照してください。
影響を受けるソフトウェアごとの脆弱性の深刻度および最大のセキュリティ上の影響
影響を受けるソフトウェア
Windows NAT サービス拒否の脆弱性 - CVE-2013-3182
総合的な深刻度
Windows Server 2012
重要
サービス拒否
重要
Windows NAT サービス拒否の脆弱性 - CVE-2013-3182
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Windows NAT ドライバーにサービス拒否の脆弱性が存在するため、標的となったコンピューターが再起動するまで応答しなくなる可能性があります。
Common Vulnerabilities and Exposures のリストの標準のエントリとしてこの脆弱性を確認するには、[CVE-2013-3182](https://www.cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=cve-2013-3182) を参照してください。
#### 問題を緩和する要素
マイクロソフトは、この脆弱性の問題を緩和する要素を確認していません。
#### 回避策
マイクロソフトは、この脆弱性の回避策を確認していません。
#### よく寄せられる質問
この脆弱性により、どのようなことが起こる可能性がありますか?
これは、サービス拒否の脆弱性です。
何が原因で起こりますか?
この脆弱性は、Windows Server 2012 の Windows NAT ドライバー サービスが特別に細工された ICMP パケットを正しく処理せずにメモリが破損するために起こります。
Windows NAT ドライバー サービスとは何ですか?
Windows NAT ドライバー (winnat) サービスは、Windows のネットワーク アドレス変換 (NAT) を提供します。このサービスは、Windows Server 2012 で実行する DirectAccess などのリモート アクセス機能によって使用されます。
インターネット 制御メッセージ プロトコル (ICMP)とは何ですか?
インターネット制御メッセージ プロトコル (ICMP) は、すべての IP の実装に不可欠と考えられているエラー レポートおよび診断ユーティリティです。詳細については、[サポート技術情報 170292](https://support.microsoft.com/kb/170292/ja) を参照してください。
この脆弱性により、攻撃者は何を行う可能性がありますか?
認証されていない攻撃者にこの脆弱性が悪用された場合、標的となったシステムが再起動するまで応答しなくなる可能性があります。
攻撃者はこの 脆弱性をどのように悪用する可能性がありますか?
認証されていない攻撃者が、特別に細工された ICMP パケットを標的となったサーバーに送信する可能性があります。
主にどのコンピューターがこの脆弱性による危険にさらされますか?
Windows Server 2012 サーバーは、この脆弱性による影響を受けます。
この更新プログラムはどのように問題を修正しますか?
この更新プログラムは Windows NAT ドライバーサービスが特別に細工された ICMP パケットを処理する場合にメモリ アドレス値を検証する方法を修正することによって脆弱性を解決します。
このセキュリティ情報の公開時に、この脆弱性は一般に知られていましたか?
いいえ。マイクロソフトは協調的な脆弱性の公開を通して、この脆弱性に関する情報を受けました。
このセキュリティ情報の公開時に、マイクロソフトはこの脆弱性が悪用されたという報告を受けていましたか?
いいえ。マイクロソフトは、このセキュリティ情報が最初に公開された際に、この脆弱性が一般で悪用され、お客様が攻撃されていたことを示す情報を受けていませんでした。
### 更新プログラムに関する情報
検出および展開ツールとガイダンス
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管理者がセキュリティ更新プログラムを展開するときに役立つリソースがいくつかあります。
- Microsoft Baseline Security Analyzer (MBSA) を使用して、管理者はローカル システムとリモート システムの不足しているセキュリティ更新プログラムと一般的な誤ったセキュリティ構成をスキャンできます。
- Windows Server Update Services (WSUS)、Systems Management Server (SMS)、および System Center Configuration Manager (SCCM) は、管理者がセキュリティ更新プログラムを配布するときに役に立ちます。
- Application Compatibility Toolkit に含まれている Update Compatibility Evaluator コンポーネントは、インストールされているアプリケーションに対する Windows の更新プログラムのテストおよび確認を効率化する手助けをします。
利用可能なこれらのツールおよび他のツールの詳細については、「[セキュリティ ツール](https://technet.microsoft.com/ja-jp/security/cc297183)」を参照してください。
セキュリティ更新プログラムの展開
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影響を受けるソフトウェア
影響を受けるソフトウェア用の特定のセキュリティ更新プログラムについては、該当リンクの情報を参照してください。
#### Windows Server 2012 (すべてのエディション)
参照表
次の表では、このソフトウェア用のセキュリティ更新プログラムの情報を記載しています。
セキュリティ更新プログラムのファイル名
すべてのサポートされているエディションの Windows Server 2012:
Windows8-RT-KB2849568-x64.msu