マイクロソフト セキュリティ情報 MS16-068 - 緊急
Microsoft Edge 用の累積的なセキュリティ更新プログラム (3163656)
公開日:2016 年 6 月 15 日
バージョン: 1.0
概要
このセキュリティ更新プログラムは、Microsoft Edge の脆弱性を解決します。最も深刻な脆弱性が悪用された場合、ユーザーが特別に細工された Web ページを Microsoft Edge を使用して表示すると、リモートでコードが実行される可能性があります。攻撃者によりこの脆弱性が悪用された場合、攻撃者が現在のユーザーと同じユーザー権限を取得する可能性があります。コンピューターでのユーザー権限が低い設定のアカウントを持つユーザーは、管理者ユーザー権限を持つユーザーよりもこの脆弱性による影響が少ないと考えられます。
このセキュリティ更新プログラムは、Windows 10 上の Microsoft Edge について、深刻度が「緊急」と評価されています。詳細については、「影響を受けるソフトウェア」のセクションを参照してください。
この更新プログラムは次の方法で脆弱性を解決します。
- Edge Content Security Policy (CSP) がドキュメントを検証する方法を修正する
- Chakra JavaScript スクリプト エンジンがメモリ内のジェクトを処理する方法を変更する
- Windows が .pdf ファイルを解析する方法を変更する
脆弱性の詳細については、「脆弱性の情報」を参照してください。
この更新プログラムの詳細については、マイクロソフト サポート技術情報 3163656 を参照してください。
影響を受けるソフトウェア
次のソフトウェア バージョンまたはエディションが影響を受けます。一覧にないバージョンまたはエディションは、サポート ライフサイクルが終了しているか、この脆弱性の影響を受けません。ご使用中のソフトウェアのバージョンまたはエディションのサポート ライフサイクルを確認するには、Microsoft サポート ライフサイクルの Web サイトを参照してください。
**オペレーティング システム** | **コンポーネント** | **最も深刻な脆弱性の影響** | **総合的な深刻度** | **置き換えられる更新プログラム** |
**Microsoft Edge** | ||||
[Windows 10 for 32-bit Systems](https://support.microsoft.com/ja-jp/kb/3163017)[1] (3163017) | Microsoft Edge | リモートでコードが実行される | 緊急 | [3156387](https://support.microsoft.com/ja-jp/kb/3156387) |
[Windows 10 for x64-based Systems](https://support.microsoft.com/ja-jp/kb/3163017)[1] (3163017) | Microsoft Edge | リモートでコードが実行される | 緊急 | [3156387](https://support.microsoft.com/ja-jp/kb/3156387) |
[Windows 10 Version 1511 for 32-bit Systems](https://support.microsoft.com/ja-jp/kb/3163018)[1] (3163018) | Microsoft Edge | リモートでコードが実行される | 緊急 | [3156421](https://support.microsoft.com/ja-jp/kb/3156421) |
[Windows 10 Version 1511 for x64-based Systems](https://support.microsoft.com/ja-jp/kb/3163018)[1] (3163018) | Microsoft Edge | リモートでコードが実行される | 緊急 | [3156421](https://support.microsoft.com/ja-jp/kb/3156421) |
注: Windows Server 2016 Technical Preview 5 が影響を受けます。このオペレーティング システムを実行しているお客様は、Windows Update から入手できる更新プログラムを適用することをお勧めします。
更新プログラムに関する FAQ
CVE-2016-3201、CVE-2016-3203、および CVE-2016-3215 で説明されている特定のシステムおよび Microsoft Edge の構成の脆弱性を解決するのはどの更新プログラムですか?
このセキュリティ情報 (MS16-068) でリリースされる CVE-2016-3201、CVE-2016-3203、および CVE-2016-3215 用の更新プログラムは、Microsoft Edge を実行しているシステムを対象として脆弱性を解決します。これらの CVE は、MS16-080 のオペレーティング システム コンポーネントも対象として解決されます。MS16-068 および MS16-080 は、今月の Windows 10 の累積的な更新プログラムによって解決されます。
この更新プログラムには、機能に対する追加のセキュリティ関連の変更が含まれていますか?
このセキュリティ情報で説明されている脆弱性について記載されている変更のほか、この更新プログラムにはセキュリティ関連機能を改善する多層防御の変更が含まれています。
深刻度および脆弱性識別番号
次の深刻度の評価は、脆弱性の影響が最も深刻な場合を想定しています。深刻度の評価およびセキュリティ上の影響に関連して、このセキュリティ情報の公開から 30 日間でこの脆弱性が悪用される可能性に関する情報については、6 月のセキュリティ情報の概要の Exploitability Index (悪用可能性指標) を参照してください。
深刻度の評価および影響の表で、「緊急」、「重要」、および「警告」という値が明記されている場合、それらは深刻度の評価を示します。詳細については、セキュリティ情報の深刻度評価システムを参照してください。表内で使用される次のキーで示される省略形は、最も大きな影響があることを示しています。
省略形 | 最も大きな影響 |
RCE | リモートでコードが実行される |
EoP | 特権の昇格 |
ID | 情報漏えい |
SFB | セキュリティ機能のバイパス |
**脆弱性の深刻度の評価および影響** | ||
**CVE 番号** | **脆弱性のタイトル** | **Microsoft Edge** |
[CVE-2016-3198](https://www.cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=cve-2016-3198) | Microsoft Edge のセキュリティ機能のバイパス | Windows クライアント: **重要/SFB** Windows サーバー: **注意/SFB** |
[CVE-2016-3199](https://www.cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=cve-2016-3199) | スクリプト エンジンのメモリ破損の脆弱性 | Windows クライアント: **緊急/RCE** Windows サーバー: **警告/RCE** |
[CVE-2016-3201](https://www.cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=cve-2016-3201) | Windows PDF 情報漏えいの脆弱性 | Windows クライアント: **重要/ID** Windows サーバー: **注意/ID** |
[CVE-2016-3202](https://www.cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=cve-2016-3202) | スクリプト エンジンのメモリ破損の脆弱性 | Windows クライアント: **緊急/RCE** Windows サーバー: **警告/RCE** |
[CVE-2016-3203](https://www.cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=cve-2016-3203) | Windows PDF のリモートでコードが実行される脆弱性 | Windows クライアント: **緊急/RCE** Windows サーバー: **警告/RCE** |
[CVE-2016-3214](https://www.cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=cve-2016-3214) | スクリプト エンジンのメモリ破損の脆弱性 | Windows クライアント: **緊急/RCE** (Windows 10 Version 1511 のみが影響を受けます) Windows サーバー: **警告/RCE** |
[CVE-2016-3215](https://www.cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=cve-2016-3215) | Windows PDF 情報漏えいの脆弱性 | Windows クライアント: **重要/ID** (Windows 10 Version 1511 のみが影響を受けます) Windows サーバー: **注意/ID** |
[CVE-2016-3222](https://www.cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=cve-2016-3222) | Microsoft Edge のメモリ破損の脆弱性 | Windows クライアント: **緊急/RCE** (Windows 10 Version 1511 のみが影響を受けます) Windows サーバー: **警告/RCE** |
脆弱性の情報
Microsoft Edge のセキュリティ機能のバイパス - CVE-2016-3198
Edge Content Security Policy (CSP) が特定の特別に細工されたドキュメントを適切に検証しない場合に Microsoft Edge にセキュリティ機能のバイパスが存在します。攻撃者がバイパスを悪用した場合、ユーザーを誘導して悪意のあるコンテンツが含まれるページを読み込ませる可能性があります。
バイパスを悪用するには、攻撃者が、ユーザーを誘導して悪意のあるコンテンツが含まれるページを読み込ませるか、悪意のある Web サイトにアクセスさせる必要があります。攻撃者が、侵害された Web サイトまたは広告ネットワークに悪意のあるページを挿入する可能性もあります。この更新プログラムは、Edge CSP がドキュメントを検証する方法を修正することでバイパスを解決します。
次の表には、Common Vulnerabilities and Exposures リストの各脆弱性の標準のエントリへのリンクが含まれています。
脆弱性のタイトル | CVE 番号 | 一般に公開 | 悪用 |
Microsoft Edge のセキュリティ機能のバイパス | CVE-2016-3198 | なし | なし |
脆弱性のタイトル | CVE 番号 | 一般に公開 | 悪用 |
スクリプト エンジンのメモリ破損の脆弱性 | CVE-2016-3199 | なし | なし |
スクリプト エンジンのメモリ破損の脆弱性 | CVE-2016-3202 | なし | なし |
スクリプト エンジンのメモリ破損の脆弱性 | CVE-2016-3214 | なし | なし |
Microsoft Edge のメモリ破損の脆弱性 | CVE-2016-3222 | あり | なし |
脆弱性のタイトル | CVE 番号 | 一般に公開 | 悪用 |
Windows PDF 情報漏えいの脆弱性 | CVE-2016-3201 | なし | なし |
Windows PDF 情報漏えいの脆弱性 | CVE-2016-3215 | なし | なし |
脆弱性のタイトル | CVE 番号 | 一般に公開 | 悪用 |
Windows PDF のリモートでコードが実行される脆弱性 | CVE-2016-3203 | なし | なし |
セキュリティ更新プログラムの展開の詳細については、ここで参照されているマイクロソフト サポート技術情報の「概要」を参照してください。
謝辞
マイクロソフトでは、協調的な脆弱性の公開によるお客様の保護に際して、セキュリティ コミュニティの方々からいただいたご助力に感謝いたします。詳細については、謝辞を参照してください。
免責
マイクロソフト サポート技術情報に含まれている情報は、いかなる保証もない現状ベースで提供されるものです。Microsoft Corporation およびその関連会社は、市場性および特定の目的への適合性を含めて、明示的にも黙示的にも、一切の保証をいたしません。さらに、Microsoft Corporation およびその関連会社は、本文書に含まれている情報の使用および使用結果につき、正確性、真実性など、いかなる表明・保証も行いません。Microsoft Corporation、その関連会社およびこれらの権限ある代理人による口頭または書面による一切の情報提供またはアドバイスは、保証を意味するものではなく、かつ上記免責条項の範囲を狭めるものではありません。Microsoft Corporation、その関連会社およびこれらの者の供給者は、直接的、間接的、偶発的、結果的損害、逸失利益、懲罰的損害、または特別損害を含むすべての損害に対して、状況のいかんを問わず一切責任を負いません。結果的損害または偶発的損害に対する責任の免除または制限を認めていない地域においては、上記制限が適用されない場合があります。
更新履歴
- V1.0 (2016/06/15): このセキュリティ情報ページを公開しました。
Page generated 2016-06-08 09:32-07:00.