ラボ 9: Windows (監査モード) から変更を加える

監査モードを使用して、使い慣れた Windows 環境で Windows をカスタマイズすることができます。 監査モードでは、Windows デスクトップ アプリケーションの追加、システム設定の変更、データの追加、スクリプトの実行といった操作を行うことができます。

監査モードで行った変更が回復イメージに含まれていることを確認するには、ScanState を使ってプロビジョニング パッケージにこれらの変更をキャプチャする必要があります。 このイメージは、問題が発生した場合に、変更内容を復元するシステム回復ツールで使用されます。 必要に応じて、圧縮された回復ファイルから直接アプリケーションを実行することによってドライブの領域を節約できます。これは、単一インスタンス作成と呼ばれます。

イメージ内の変更をキャプチャし、他のデバイスに適用する場合は、Sysprep ツールを使用してイメージを一般化する必要があります。

手順1: 展開およびイメージング ツールのコピーを準備する

ADK に含まれている展開およびイメージング ツールの Windows 10 バージョン 1607 に対応したバージョンが必要になります。 これには、ScanState ツールと最新バージョンの DISM が含まれます。

重要 WinPE イメージに既にある DISM ファイルは上書きしないでください。

  1. テクニシャン PC で、展開およびイメージング ツールを、Windows ADK から外部記憶域 (ドライブ文字が D: である記憶域 USB キーなど) にコピーします。

    CopyDandI.cmd amd64 D:\ADKTools\amd64
    

手順 2: 監査モードに移行する

  1. 参照デバイスがまだ起動されていない場合は、そのデバイスを起動します。

  2. デバイスが [言語] 画面または [すぐに作業を開始] 画面で起動する場合は、 Ctrl+Shift+F3 キーを押して、監査モードに入ります。

  3. 監査モードで、デバイスがデスクトップ環境で再起動され、システム準備ツール (Sysprep) が表示されます。 この時点では Sysprep を無視します。

手順 3: 監査モードでPCをカスタマイズする

  • Windows デスクトップ アプリケーションをインストールします。 システム設定を変更します。 データを追加します。 スクリプトを実行します。

例: Microsoft Office 2016 を追加する

  1. テクニシャン PC で、Office 展開ツールを使って USB キーを準備します。

    a. "X21-20432 Office v16.2 Deployment Tool for OEM OPK\Software - DVD\X21-20474 SW DVD5 Office 2016 v16.2.1 Deployment Tool for OEM\X21-20474.img" にある展開ツールの ISO イメージをマウントします。

    b. マウントされたドライブから USB-B キーの E:\OfficeV16.2.1 (E:\ は USB-B のドライブ文字) にファイルをコピーします。

  2. 参照 PC で Office 展開ツール (E:\Officev16.2.1\officedeploymenttool.exe など) を開きます。

  3. ファイルを抽出するフォルダーのパス E:\Officev16.2.1 を指定します。 Setup.exe と configuration.xml が E:\Officev16.2.1 に抽出されます。

    目的の言語で Office v16.2.1 を取得します。このサンプルでは、English X21-20393 Office 2016 v16.2.1 English OPK を使用しています。

  4. "X21-20393 Office v16.2.1 English OPK\Software - DVD\X21-20435 SW DVD5 Office Pro 2016 32 64-bit English C2ROPK Pro HS HB OEM v16.2.1\X21-20435.img" をマウントします。

  5. USB-B の E:\OfficeV16.2.1 (E:\ は USB-B のドライブ文字) に Office フォルダーをコピーします。

    (省略可能) Windows イメージに言語パックを適用した場合は、エンド ユーザー エクスペリエンスの向上のために Office 2016 用の言語パックも追加できます。 以下のサンプルでは、言語パックを適用した場合を示します。

  6. "x21-20487 Office v16.2.1 German OPK" をマウントします。

  7. E:\OfficeV16.2.1 に office フォルダーにコピーします。

  8. ドイツ語の言語だけがコピーされるようにコピーで重複するファイルの置き換えをスキップします。

Microsoft Office 2016: Home and Student エディションをインストールします。

現在の OEM に対する推奨事項は、Office Home Premium ではなく、Office Home and Student 2016 をインストールすることです。 これを行うには、Office v16.2.1 をインストールするために使用する configuration.xml ファイルを編集する必要があります。 詳しくは、Office 16.2.1 に関する情報をご覧ください。

  1. メモ帳を使用して、エディション情報を含む構成ファイル E:\Officev16.2\ConfigureO365Home.xml を作成します。

    次のように、ProductID が HomeStudentRetail であることを確認します。

    <?xml version="1.0"?> 
    <Configuration> 
      <Add OfficeClientEdition="32" SourcePath="\\Server\Share\">
        <Product ID="HomeStudentRetail">
          <Language ID="en-us"/>
        </Product>
      </Add>
      <Display Level="None"/>
    </Configuration> 
    
  2. 参照コンピューターでは、構成ファイルを使って Office 2016 をインストールします。

    D:\Officev16.2\Setup.exe /configure D:\Officev16.2\ConfigureO365Home.xml
    

Microsoft Office 2016: スタート メニューのレイアウトにタイルをピン留めする

スタート メニューに Office のタイルをピン留めする必要があります。 これを行わない場合、Windows は OOBEブート フェーズ中に Office ファイルを削除します。 詳しくは、「ラボ 11: スタート画面のタイルとタスク バーのピン留めを追加する」をご覧ください。

Microsoft Office 2016: ユーザーのセットアップ エクスペリエンスを構成する

デバイスで Office をインストールした後、ユーザーのセットアップ エクスペリエンスを構成する必要があります。 これは、ユーザーがデバイスで初めて Office アプリを開くときにユーザーに表示されるエクスペリエンスです。 また、これは、Office のライセンスが正しく付与され、ライセンス認証されることを確認するものです。

セットアップ モード 説明
OEM このモードでは、ユーザーが既存のアカウント、暗証番号 (PIN)、またはプロダクト キーで Office の試用、購入、ライセンス認証を選択できます。 このモードでは、Activation for Office (AFO) や AFO の遅延バインディングをサポートしていません。 したがって、このモードを選択した場合、ライセンス認証カード (以前はプロダクト キー カードまたは Microsoft プロダクト ID (MPI) カードと呼ばれていました) をユーザーに提供する必要があります。
OEMTA このモードでは、OEM モードの試用、購入、またはライセンス認証のエクスペリエンスに加えて、AFO と AFO の遅延バインディングもサポートします。 このモードでは、デバイスの Windows プロダクト キーによる Office のライセンス認証をサポートしています。つまり、ユーザーは 5x5 桁のプロダクト キー コードを入力する必要がありません。

OEMモード – ライセンス認証カードをユーザーに提供する

  1. コマンド プロンプトで、USB-B\Officev16.2 のドライブ文字に移動します。

  2. 「oemsetup.cmd Mode=OEM Referral=」と入力して実行します。####

OEMTAモード – ライセンス認証はデバイスの Windows プロダクト キーを使って実行される

「oemsetup.cmd Mode=OEMTA Referral=」と入力して実行します。####

注: "Referral" スイッチは省略可能です。OEM パートナーが、OEM 参照 ID 情報の Office インセンティブ プログラムに参加している場合、Office インセンティブ プログラム運用ガイド 2017 をご覧ください。

手順4: 回復ツールの変更をキャプチャする

  1. 外部記憶域 (たとえば、ドライブ文字が D: の記憶域 USB キー) に接続します。

  2. プロビジョニング パッケージに変更をキャプチャします。 これにより、監査モードで追加した、回復ツールで使用できるデスクトップ アプリケーションとドライバーの圧縮コピーを作成します。

    D:\ADKTools\amd64\scanstate.exe /apps /ppkg C:\Recovery\Customizations\usmt.ppkg /o /c /v:13 /l:C:\Recovery\ScanState.log
    

    省略可能: ScanState ログ ファイルを削除します (del C:\Recovery\Scanstate.log)。

手順 5: イメージのキャプチャを準備する

この手順は、他の PC に適用するイメージをキャプチャしている場合に必要です。

  1. エンド ユーザー用のデバイスを準備します。[スタート] ボタンを右クリックし、[コマンド プロンプト (管理者)] を選んで、コマンド プロンプトで次のコマンドを実行します。

    C:\Windows\System32\Sysprep\sysprep /oobe /generalize /shutdown
    

    Sysprep ツールは、デバイスを再シールします。 この処理は数分かかる場合があります。 処理が完了すると、デバイスは自動的にシャットダウンします。

    警告: 孤立プロビジョニング パッケージ (SPP) を使っている場合は、再び監査モード (sysprep/audit) で起動するようにイメージを設定しないでください。 Windows 10 バージョン 1607 には、これを行った場合に、イメージを起動できなくなるという既知のバグがあります。 代わりに、OOBE を起動するように設定し、もう一度監査モードで起動する必要がある場合は、Mode:Audit 設定で応答ファイルを追加します。 これは将来のバージョンで修正される予定です。

  2. デバイスで Windows PE を起動します。 これを行うには、デバイスの電源を入れ、デバイスでブート デバイスを選ぶメニューを開くためのキー (Esc キーや Volume Up キーなど) を押すことが必要な場合があります。

    USB フラッシュ ドライブで起動するためのオプションをファームウェアのメニューから選びます。

    警告 Windows が Windows PE 以外で起動を開始した場合は、デバイスをもう一度一般化してから、イメージをキャプチャする必要があります。Windows が起動したら、Ctrl + Shift + F3 キーを押して、監査モードに移行します。 デバイスが再起動します。 デバイスをもう一度一般化: C:\Windows\System32\Sysprep\sysprep /oobe /generalize /shutdownを実行します。

  3. オプション: 電源設定を高パフォーマンスに設定することにより、最適化とイメージ キャプチャの処理が高速化されます。

    powercfg /s 8c5e7fda-e8bf-4a96-9a85-a6e23a8c635c
    
  4. DiskPart を使って、ドライブ文字を検索します。

    diskpart
    DISKPART> list volume
    DISKPART> exit
    

    たとえば、ドライブ文字は、 C が Windows のドライブ、 D がラボ USB キーのドライブ、 E が外部ハード ドライブを表す場合があります。

    一部のパーティションには、ドライブ文字を割り当てることができません。

手順 6: ドライブ領域を節約するためにイメージを最適化する (省略可能)

  1. イメージの単一インスタンス作成によって領域を節約します。 これによって、デスクトップ アプリケーションの元のコピーは削除され、以前に作成した回復プロビジョニング パッケージからこれらのアプリケーションを実行できるように、ポインター ファイルが追加されます。

    DISM /Apply-CustomDataImage /CustomDataImage:C:\Recovery\Customizations\USMT.ppkg /ImagePath:C:\ /SingleInstance
    

    ここで、C は、Windows パーティションのドライブ文字です。

    警告 /ImagePath:C:\ オプションは引用符で囲まないでください。

  2. Windows ファイルをクリーンアップします。

    md temp
    
    DISM /Cleanup-Image /Image=C:\ /StartComponentCleanup /ResetBase /ScratchDir:C:\Temp
    

    ここで、C は、Windows パーティションのドライブ文字です。 Windows 10 バージョン1607 以降では、/Defer パラメーターと /Resetbase を指定することで、実行時間の長いクリーンアップ操作を次回の自動メンテナンスまで延期することができます。 ただし、DISM /Resetbase が完了までに 30 分以上かかる場合にのみ、工場出荷時のオプションとして /Deferを使用することをお勧めします。

手順 7: イメージをキャプチャする

  • Windows パーティションのイメージをキャプチャします。

    dism /Capture-Image /CaptureDir:C:\ /ImageFile:"C:\WindowsWithFinalChanges.wim" /Name:"Final changes"
    

    C は Windows パーティションのドライブ文字、Final changes はイメージ名です。

    DISM ツールが Windows パーティションを新しいイメージ ファイルにキャプチャします。 この処理は数分かかる場合があります。

    トラブルシューティング: USB キーへのファイルのキャプチャやコピーを行っているときに "パラメーターが正しくありません" というエラー メッセージが表示された場合は、ファイルが大きすぎて対象となるファイル システムにキャプチャまたはコピーできない可能性があります。 NTFS でフォーマットされている別のドライブにファイルをコピーしてください。

    1. イメージをネットワーク共有にコピーします。 次に例を示します。 syntax net use N: \\server\share copy C:\WindowsWithFinalChanges.wim N:\Images\WindowsWithFinalChanges.wim

試してみよう

手順 6: イメージを新しい PC に適用するラボ 2: スクリプトを使って Windows を展開する」と同じ手順で、イメージを USB 記憶域ドライブにコピーし、Windows イメージと回復イメージを適用して、起動します。 この手順を簡単に説明すると、次のようになります。

  1. イメージ ファイルを記憶域ドライブにコピーします。
  2. Windows PE USB キーを使って Windows PE で参照デバイスを起動します
  3. ストレージ ドライブのドライブ文字を探します (diskpart, list volume, exit)。
  4. イメージを適用します (D:\ApplyImage.bat D:\Images\install.wim)。
  5. ドライブを切断し、再起動します (exit)。

手順 7: カスタマイズを検証する

  1. PC が起動した後、新しいユーザー アカウントを作成するか、Ctrl キーと Shift キーを押しながら F3 キーを押してビルトイン Administrator アカウントで再起動します (これは監査モードとも呼ばれます)。

  2. 監査モードで加えた変更が反映されていることを確認します。

次の手順: ラボの10: 孤立プロビジョニング パッケージを使ってデスクトップ アプリを追加する