Windows PE を読み込むように PXE サーバーを構成する

適用対象

  • Windows 10

概要

このチュートリアルでは、ネットワークからクライアント コンピューターを起動して、Windows PE を読み込むように PXE サーバーを構成する方法について説明します。 Windows PE ツールと Windows 10 イメージ ファイルを使用して、ネットワークから Windows 10 をインストールできるようになります。

前提条件

  • 展開コンピューター: Windows アセスメント & デプロイメント キット (ADK) (Windows ADK) がインストールされたコンピューター。
  • DHCP サーバー: PXE クライアント要求に応答するように構成された DHCP サーバーまたは DHCP プロキシが必要です。
  • PXE サーバー: Windows PE ブート ファイルをホストできる TFTP サービスを実行しているサーバー。このブート ファイルはクライアントによってダウンロードされます。
  • ファイル サーバー: ネットワーク ファイル共有をホストしているサーバー。

上記の 4つ の役割すべてを、同一のコンピューターでホストすることができます。または、それぞれの役割を個別のコンピューターでホストすることもできます。

手順 1: Windows PE ソース ファイルをコピーする

  1. 展開コンピューターで、[スタート] ボタンをクリックし、「展開」と入力します。

  2. [展開およびイメージング ツール環境] を右クリックし、[管理者として実行] をクリックします。 展開およびイメージング ツール環境のショートカットからコマンド プロンプト ウィンドウが開き、すべての必要なツールを示す環境変数が自動的に設定されます。

  3. 次のコマンドを実行して、Windows PE の基本ファイルを新しいフォルダーにコピーします。 スクリプトには、ハードウェア アーキテクチャとコピー先の場所の 2 つの引数が必要です。 <architecture> の値には x86amd64arm を指定できます。<destination> は、ローカル ディレクトリへのパスです。 ディレクトリがまだに存在しない場合は、作成されます。

    copype.cmd <architecture> <destination>
    

    たとえば、次のコマンドは amd64 アーキテクチャのファイルを C:\winpe_amd64 ディレクトリにコピーします。

    copype.cmd amd64 C:\winpe_amd64
    

    スクリプトによってコピー先のディレクトリ構造が作成され、そのアーキテクチャに必要なすべてのファイルがコピーされます。 上の例では、次のディレクトリが作成されます。

    C:\winpe_amd64
    C:\winpe_amd64\fwfiles
    C:\winpe_amd64\media
    C:\winpe_amd64\mount
    
  4. DISM ツールを使用して、Windows PE の基本イメージ (winpe.wim) を \mount ディレクトリにマウントします。 イメージ ファイルをマウントするとファイルの内容がフォルダー内に復元されるので、これらを直接変更したり、DISM などのツールで変更したりできます。 次の例をご覧ください。

    Dism /mount-image /imagefile:c:\winpe_amd64\media\sources\boot.wim /index:1 /mountdir:C:\winpe_amd64\mount
    

    "The operation completed successfully" (操作が正常に完了しました) というメッセージが表示されることを確認します。 注: 現在マウントされているイメージを表示するには、「dism /get-MountedWiminfo」と入力します。

  5. ネットワーク共有を PXE/TFTP サーバーの TFTP ルート ディレクトリにマップし、\Boot フォルダーを作成します。 TFTP サーバーのドキュメントを調べて、TFTP サーバーのルート ディレクトリを確認します。その後で、このディレクトリの共有を有効にして、ネットワークでアクセスできることを確認します。 次の例では、PXE サーバー名が PXE-1 で、TFTP ルート ディレクトリが \\PXE-1\TFTPRoot というネットワーク パスを使用して共有されます。

    net use y: \\PXE-1\TFTPRoot
    y:
    md boot
    
  6. PXE ブート ファイルを、マウントしたディレクトリから \boot フォルダーにコピーします。 次に例を示します。

    copy c:\winpe_amd64\mount\windows\boot\pxe\*.* y:\boot
    
  7. boot.sdi ファイルを PXE/TFTP サーバーにコピーします。

    copy C:\winpe_amd64\media\boot\boot.sdi y:\boot
    
  8. 起動可能な Windows PE イメージ (boot.wim) を \boot フォルダーにコピーします。

    copy C:\winpe_amd64\media\sources\boot.wim y:\boot
    
  9. (省略可能) True Type フォントを \boot フォルダーにコピーします。

    copy C:\winpe_amd64\media\Boot\Fonts y:\boot\Fonts
    

手順 2: ブート設定を構成し、BCD ファイルをコピーする

  1. bcdedit.exe を使用して、BCD ストアを作成します。

    bcdedit /createstore c:\BCD
    
  2. RAMDISK 設定を構成します。

    bcdedit /store c:\BCD /create {ramdiskoptions} /d "Ramdisk options"
    bcdedit /store c:\BCD /set {ramdiskoptions} ramdisksdidevice boot
    bcdedit /store c:\BCD /set {ramdiskoptions} ramdisksdipath \boot\boot.sdi
    bcdedit /store c:\BCD /create /d "winpe boot image" /application osloader
    

    最後のコマンドでは、次のような GUID が返されます。

    The entry {a4f89c62-2142-11e6-80b6-00155da04110} was successfully created. 
    

    次に示す一連のコマンドで使用するために、この GUID をコピーします。 各コマンドでは、"GUID1" をコピーした GUID に置き換えてください。

  3. Windows PE イメージの新しいブート アプリケーション エントリを作成します。

    bcdedit /store c:\BCD /set {GUID1} device ramdisk=[boot]\boot\boot.wim,{ramdiskoptions} 
    bcdedit /store c:\BCD /set {GUID1} path \windows\system32\winload.exe 
    bcdedit /store c:\BCD /set {GUID1} osdevice ramdisk=[boot]\boot\boot.wim,{ramdiskoptions} 
    bcdedit /store c:\BCD /set {GUID1} systemroot \windows
    bcdedit /store c:\BCD /set {GUID1} detecthal Yes
    bcdedit /store c:\BCD /set {GUID1} winpe Yes
    
  4. BOOTMGR 設定を構成します (3 番目のコマンドの GUID1 をコピーした GUID に置き換えることに注意してください)。

    bcdedit /store c:\BCD /create {bootmgr} /d "boot manager"
    bcdedit /store c:\BCD /set {bootmgr} timeout 30 
    bcdedit /store c:\BCD -displayorder {GUID1} -addlast
    
  5. BCD ファイルを TFTP サーバーにコピーします。

    copy c:\BCD \\PXE-1\TFTPRoot\boot\BCD
    

これで PXE/TFTP サーバーが構成されました。 構成した BCD 設定を表示するには、コマンド bcdedit /store <BCD ファイルの場所> /enum all を使用します。 次の例を参照してください。 注: GUID は、次に示されているものとは異なります。

C:\>bcdedit /store C:\BCD /enum all
Windows Boot Manager
--------------------
identifier              {bootmgr}
description             boot manager
displayorder            {a4f89c62-2142-11e6-80b6-00155da04110}
timeout                 30

Windows Boot Loader
-------------------
identifier              {a4f89c62-2142-11e6-80b6-00155da04110}
device                  ramdisk=[boot]\boot\boot.wim,{ramdiskoptions}
description             winpe boot image
osdevice                ramdisk=[boot]\boot\boot.wim,{ramdiskoptions}
systemroot              \Windows
detecthal               Yes
winpe                   Yes

Setup Ramdisk Options
---------------------
identifier              {ramdiskoptions}
description             ramdisk options
ramdisksdidevice        boot
ramdisksdipath          \boot\boot.sdi

ヒント

PXE ブート プロセスを開始したが、「PC のブート構成データが見つからないか、またはエラーがあります」というエラーが表示された場合、\boot ディレクトリが正しい TFTP サーバーのルート ディレクトリにインストールされていることを確認します。 ここで使用されている例では、このディレクトリの名前は TFTPRoot ですが、お使いの TFTP サーバーでは異なる場合があります。

PXE ブート プロセスの概要

PXE クライアントのブート プロセスの概要を次に示します。

以下の概要は、DHCP オプション 67 (ブート ファイル名) が "boot\PXEboot.n12" に構成されており、ユーザー操作なしで PXE を直接起動できることを前提としています。 ネットワーク ブート用の DHCP オプションについて詳しくは、「Managing Network Boot Programs」(ネットワーク ブート プログラムの管理) をご覧ください。

  1. クライアントは、DHCP オプション 066 と 067 によって、boot\PXEboot.n12 を TFTP サーバーからダウンロードするように指示されます。
  2. PXEboot.n12 によって、直ちにネットワーク ブートが開始されます。
  3. クライアントは、boot\bootmgr.exe と boot\BCD ファイルを TFTP サーバーからダウンロードします。 注: BCD ストアは、TFTP サーバーの \boot ディレクトリに存在し、BCD という名前である必要があります。
  4. Bootmgr.exe は、BCD オペレーティング システム エントリを読み取り、boot\boot.sdi と Windows PE イメージ (boot\boot.wim) をダウンロードします。 ダウンロードできるオプションのファイルには、True Type フォント (boot\Fonts\wgl4_boot.ttf) と休止状態ファイル (\hiberfil.sys) があります (これらのファイルが存在する場合)。
  5. Bootmgr.exe では、Windows PE イメージ内の winload.exe を呼び出すことによって、Windows PE を起動します。
  6. Windows PE が読み込まれ、コマンド プロンプトが開き、wpeinit.exe が実行されて、Windows PE が初期化されます。
  7. Windows PE クライアントでは、Windows PE コマンド プロンプトを使用して、imagex、diskpart、bcdboot などのツールにアクセスできます。 これらのツールを Windows 10 イメージ ファイルと共に使用すると、展開先のコンピューターは、完全な Windows 10 オペレーティング システムを読み込むように、適切にフォーマットされます。

関連項目

概念

Windows PE のチュートリアル