[Windows 8] 移動プロファイルでログオンすると、スタート スクリーンのアイコンが少ない問題

こんにちは。

Windows プラットフォーム サポートの丸山です。

最近弊社では、Windows 8 や Windows 8.1 のお問い合わせが増えてきており、盛り上がりを感じておりますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。

さて、本日は、Windows 8 および Windows 8.1 環境にて、移動ユーザー プロファイルにまつわるポリシー設定をおこなった場合に発生する問題について、ご紹介いたします。

まずは以下の画面をご覧ください。


図1 : Windows 8 にログオンした場合


図2 : Windows 8.1 にログオンした場合

これは、Windows 8 や Windows 8.1 に初めてユーザーがログオンしたときの画面なのですが、本来であれば、ログオン時にはスタート スクリーンに多数のタイルが並んでいるところ、この画面には少しのアイコンしかありません。また、ログオンそのものにもいつもより時間がかかるなどの事象が発生するという報告もございます。

この問題について、弊社にて確認しましたところ、この問題は、コンピューターに一時記憶されているプロファイルのコピーを管理者ユーザーが手動で削除した場合などに発生するほか、”一時記憶された移動プロファイルのコピーを削除する” のポリシーが有効な環境でも発生することがわかりました。

“一時記憶された移動プロファイルのコピーを削除する” のポリシー設定は、以下の画面にて設定することができます。


図3 : “一時記憶された移動プロファイルのコピーを削除する” のポリシー設定

問題が発生した場合の対処策について

同様の問題が発生した場合には、お手数ですがまずは “一時記憶された移動プロファイルのコピーを削除する” のポリシー設定を “未構成” に戻していただくことをご検討ください。

また、この場合にはユーザーがログオフしても移動プロファイルのコピーがそのまま残ってしまいますため、移動プロファイルのコピーを削除する必要がある場合には、同じ画面で設定可能な ”システム再起動時に指定した日数を経過しているユーザー プロファイルを削除する” のポリシーを設定していただくか、delprof ツールをご利用いただき、プロファイルの定期的な削除を行うことをご検討ください。

Download User Profile Deletion Utility (Delprof.exe)
https://www.microsoft.com/en-us/download/details.aspx?id=5405

ユーティリティ スポットライト - User Profile Deletion Utility
https://technet.microsoft.com/ja-jp/magazine/2009.05.utility.aspx


図4 : Delprof ツールのヘルプ


図5 : Delprof ツール実行時の画面例

※ Delprof ツールは、弊社 Windows 8、Windows 8.1 検証環境にて期待通りに動作していることを確認していますが、Windows 8、Windows 8.1 環境での正式動作保証はございませんため、ご注意ください。

“一時記憶された移動プロファイルのコピーを削除する” のポリシー設定について

学校のコンピューター室や会社の共有コンピューター、VDI 環境など、ドメインに所属するユーザーがいつも違ったコンピューターにログオンする状況を思い浮かべてみてください。

ログオンするコンピューターが異なってしまうと、デスクトップのアイコンの配列やマイドキュメント、お気に入りやアプリケーションの設定といった情報が、ログオンするコンピューターによって違ってしまうのは不便です。

移動プロファイルを使用することで、ユーザー固有の情報をファイル サーバーに集約し、どのコンピューターにログオンしても同じ設定が行われている状況を維持することができます。

移動プロファイル環境では、ユーザーのログオン時に移動プロファイルが格納されているファイル サーバーからプロファイルのコピーをダウンロードして、ログオフ時には更新があった情報のみをアップロードします。

また、サーバーからダウンロードした移動プロファイルのコピーはログオフ時に削除されず、次回ログオンにも使用されますので、ログオンするたびにすべてのファイルをダウンロードする必要はありません。

これは便利な仕組みなのですが、コンピューターにたくさんのユーザーが入れ代わりログオンするような状況では、時間の経過とともに移動プロファイルの一時記憶情報がどんどん蓄積されてしまいます。

このため、Windows では、ログオフ時に一時記憶された移動プロファイルのコピーを削除するためのポリシー設定を行うことで、多数のユーザーが入れ代わりログオンしても、移動プロファイルのコピーが蓄積されないよう、設定を行うことができます。

最後に

今回ご紹介した事象につきましては、類似の事象についての技術情報も公開されております。

あわせてご参考いただけますと幸いです。

Win8: App: Modern: Application considrations for roaming profiles
https://support.microsoft.com/kb/2795607

 

今後も Windows 8 や Windows 8.1 などの新しい OS に関する情報を積極的に公開していきます。

皆様も末永いお付き合いをどうぞよろしくお願いいたします。

 

Windows プラットフォーム サポート担当

けまるや