Windows Server バックアップによる Hyper-V Host Component のバックアップと復元について

いつも弊社製品をご利用いただきまして誠にありがとうございます。

Windows プラットフォーム サポートの宮澤です。

 

OS 標準で搭載されている Windows Server バックアップを用いた "ベア メタル回復" や "システム状態" のバックアップについてはよく耳にされると思います。

今回は、そんな Windows Server バックアップのバックアップ項目にある Hyper-V Host Component についてご紹介させていただきます。

 

Hyper-V Host Component とは

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Windows Server バックアップ (カスタム) から個別に選択しバックアップ取得が可能です。

Host Component には一部の Hyper-V の設定と 仮想 SAN マネージャーの情報が含まれます。

 

Hyper-V Host Component バックアップと復元

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 ■ Wbadmin コマンドで実行する場合は、以下のコマンドにて取得可能です。

 >wbadmin start backup -backuptarget:E: -hyperv:"Host Component"

 

 ■ Wbadmin get versions コマンドで取得された状態を確認します。

 >wbadmin get versions

バックアップ時間: 2015/03/12 18:59

バックアップ対象: 固定ディスク ラベル付き ボリューム(E:)

バージョン識別子: 03/12/2015-09:59

回復可能: ボリューム, ファイル, アプリケーション, 仮想マシン

スナップショット ID: {b40a17f6-c8ef-425d-8df2-a6326e58bc3b}

 

■ wbadmin get items コマンドで詳しい情報を確認します。

>wbadmin get items -version:03/12/2015-09:59

 

wbadmin 1.0 - バックアップ コマンド ライン ツール

(C) Copyright 2013 Microsoft Corporation. All rights reserved.

 

ボリューム ID = {bc78a36a-a1dc-11e4-80b8-806e6f6e6963}

ボリューム ''、C: にマウント

ボリューム サイズ = 74.16 GB

回復可能 = 選択されたファイル

 

アプリケーション = HyperV

VM 名: Host Component

VM キャプション: Host Component

VM 識別子: Host Component

合計サイズ: 50.51 KB KB

 

 ■ wbadmin start recovery コマンドで復元します。

 >wbadmin start recovery -version:03/12/2015-09:59 -itemtype:hyperv -items:"Host Component"

 

wbadmin 1.0 - バックアップ コマンド ライン ツール

(C) Copyright 2013 Microsoft Corporation. All rights reserved.

 

警告: 別の場所に回復しようとしている仮想マシンが、このホストからバックアップされたものである場合、この操作により、元の仮想マシン (まだ存在する場合)は削除され上書きされます。

 

アプリケーション HyperV の回復を選択しました。

次のコンポーネントが回復されます:

 

警告: 回復後にネットワークの設定が異なっていると、仮想マシンが起動しない場合があります。回復が完了したら、起動する前に、Hyper-V マネージャーを使用して仮想マシンのネットワーク設定を確認してください。

 

VM 名: Host Component

VM キャプション: Host Component

VM 識別子: Host Component

 

アプリケーション HyperV を回復しますか?

[Y] はい [N] いいえ y

 

回復するコンポーネント Host Component を準備しています...

コンポーネント Host Component のファイルを回復中に、(0%) をコピーしました。

コンポーネント Host Component のファイルを回復中に、(100%) をコピーしました。

コンポーネント Host Component を回復しています。

コンポーネント Host Component が正常に回復されました。

回復操作が完了しました。

正常に回復されたファイルのログ:

C:\Windows\Logs\WindowsServerBackup\ApplicationRestore-12-03-2015_10-48-39.log

 

回復操作の概要:

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コンポーネント Host Component が正常に回復されました。

  

※ Windows Server バックアップ GUI 画面からのもちろん操作も可能です。

  

Hyper-V Host Component で復元される内容

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実際には以下のフォルダが復元されます。

 

C:\ProgramData\Microsoft\Windows\Hyper-V

└─InitialStore.xml

└─Resource Types

        ├─4EA4F71F-16E6-4250-99A8-A2315332CC64.xml

        ├─06FF76FA-2D58-4BAF-9F8D-455773824F37.xml

        ├─6A45335D-4C3A-44B7-B61F-C9808BBDF8ED.xml

        ├─70BB60D2-A9D3-46AA-B654-3DE53004B4F8.xml

        ├─78AA0C27-B2BD-45BA-83D1-5F2A8C4C6656.xml

        ├─118C3BE5-0D31-4804-85F0-5C6074ABEA8F.xml

        ├─146C56A0-3546-469B-9737-FCBCF82428F4.xml

        ├─353B3BE8-310C-4CF4-839E-4E1B14616136.xml

        ├─7951A5ED-8DC5-42D7-AA8C-9F14C54CEB84.xml

        ├─19839BFF-6F04-4B24-B4B5-1AFCCBE729DE.xml

        ├─72027ECE-E44A-446E-AF2B-8D8C4B8A2279.xml

        ├─4764334E-E001-4176-82EE-5594EC9B530E.xml

        ├─B637F347-6A0E-4DEC-AF52-BD70CB80A21D.xml

        ├─BDE5D4D6-E450-46D2-B925-976CA3E989B4.xml

        ├─D92D268E-9AA8-49DD-8C7D-821CEFB5F597.xml

        ├─D45268DA-37C5-44DA-B827-B0C55CCB3BDC.xml

        ├─DACDCF3F-6F67-4EB8-A4D0-5D93B48A2468.xml

        └─F6293891-F32F-4930-B2DB-1A8961D9CB75.xml

 

Hyper-V マネージャーで設定された SAN接続 や Ethernet の構成、ライブ マイグレーションなど多くの設定は、ホスト側や他のサーバーへも影響があるため、レジストリなどへ保存されます。

 

Host Component のみを復元した場合、Hyper-V マネージャー上の各項目に復元される内容は以下の3 項目のため、Hyper-V マネージャー上の設定を復元する場合は、Host Component と併せてシステム状態も復元の実行をお願いいたします。

または、"ベアメタル回復" での復元をご検討ください。

 

■ Hyper-V Host Component のみで復元される Hyper-V マネージャ上の項目

 ・ Hyper-V の設定 > [物理GPU] 内の [この GPU を RemoteFX で使用する]

     ※ ホストサーバーへ 3D グラフィックス等 GPU 対応のグラフィック カード搭載時のみ

・ Hyper-V の設定 > [記憶域の移行] 内の [記憶域の同時移行] の数

・ 仮想 SAN マネージャー > [仮想ファイバー チャネル SAN] の名前