Windows 10 における Sysprep 実行時の注意点 2

本記事の最新版をフォーラムにて紹介しております。

記事の改訂が含まれる場合がございますので、フォーラムの情報を参照してください。
フォーラムへのリンク


皆さん、こんにちは。

日本マイクロソフト Windows サポート チームです。

Windows 10 バージョン 1803 における Sysprep 実行時の注意点について、本ブログでご紹介いたします。

本ブログでは以下の事象について、ご説明いたします。

Windows 10 バージョン 1803 において、マスター イメージに対し IE のプロキシの設定を実施した状態で CopyProfile を有効とし Sysprep を実行すると、Sysprep 完了後の新規ユーザー初回ログオン時の処理が進まない事象が発生いたします。

Windows 10 バージョン 1803 から OS 起動時にプロキシ サーバーの情報を確認する処理が追加されており、こちらの実装が追加されたことによって Sysprep 後の初回起動時にデッドロックが発生するため、本事象が発生いたします。

本事象は以下の設定の組み合わせによって発生するため、いずれかの設定を解除していただくことで回避可能でございます。

- IE のプロキシに関連した設定を行っている
- 応答ファイルの CopyProfile 設定を有効にしている

CopyProfileを使用しないことがご要件上難しい場合には、IE のプロキシの設定のみマスター イメージ対して事前に直接設定せず、以下いずれかの方法を用いてSysprep の処理が完了したタイミングでプロキシの設定を行ってください 。

A. Sysprep 後に各ユーザーが初回ログオンするタイミングで実行させるバッチ ファイルをマスター イメージに組み込む

B. ドメイン コントローラーからグループ ポリシーを配付する

以下に、各設定手順をご案内いたします。

<手順 A : Sysprep 後に各ユーザーが初回ログオンするタイミングで実行させるバッチ ファイルをマスター イメージに組み込む>
1. 以下のようにお客様の環境に合わせて IE のプロキシ設定を行うコマンドを記載したバッチ ファイルを作成し、拡張子を .bat にして保存します。

---------------------------
REG ADD "HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings" /v "AutoConfigURL" /t REG_SZ /d "https://www.example.com" /f del %0
---------------------------
※ 上記コマンドに記載のレジストリは一例となりますため、お客様にて設定されたいプロキシの設定を保持するレジストリに適宜編集いただけますようお願いいたします。

2. 1 で保存したバッチ ファイルを以下のフォルダ配下に保存します。

C:\Users\<Sysprep の実行アカウント名>\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup

例)
C:\Users\Administrator\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup となります。

3. Sysprep を実行し、マスター イメージの作成を行います。

上記手順を実施することで、Sysprep 実施後に各ユーザーが初回ログオンを行うタイミングで、事前に配置したバッチ ファイルが自動的に実行され、各ユーザーのプロキシが自動的に設定されます。

<手順 B : ドメイン コントローラーからグループ ポリシーを配付する>
1. AD サーバーにて、[グループ ポリシー管理エディター] を開きます。

2. グループ ポリシー管理エディターの左ペインから、以下の通り選択します。

[<ポリシー名>]
- [ユーザーの構成]
- [基本設定]
- [コントロール パネルの設定]
- [インターネット設定]

3. [インターネット設定] を右クリックし、[Internet Explorer 10] を選択します。
※ クライアントの環境が Internet Explorer 11 の場合も [Internet Explorer 10] を選択します。

4. "新しい Internet Explorer 10 のプロパティ" というウィンドウが表示されたら、[全般] タブ内のホーム ページを入力する欄にカーソルを合わせ、F8 を押下し、緑色/赤色の点線をすべて赤色にします。
※ インターネット設定では、緑色の印が配布の対象となり、赤色の印は配布の対象となりません。設定の構成時に表示されたタブにおいて緑色の印だったものは値が配布されてしまうため、F8 を押下してすべて赤色とし、不要な設定を配布しないようにします。

なお、緑色/赤色の線は、以下のように変更が可能です。

- 画面上の全項目を有効(全て緑)にする:F5
- 画面上の全項目を無効(全て赤)にする:F8
- 選択中の項目を有効にする(項目のみ緑):項目選択中にF6
- 選択中の項目を無効にする(項目のみ赤):項目選択中にF7

5. [接続] タブを開きます。

このとき、タブ中段の "プロキシ サーバーを構成する必要がある場合は…" の項目に赤線/緑線が表示されていましたら、カーソルを合わせて F7 を押下し、赤線とします。

6. [LAN の設定] を押下します。

7. [ローカル エリア ネットワーク (LAN) の設定] というウィンドウにて、ご要望の設定を構成します。

※ プロキシ サーバーにアドレス等を入力する場合で、例外を設定したい場合には、[詳細設定] を押下し、例外を設定します。

8. 設定後、[OK] を押下し、[ローカル エリア ネットワーク (LAN) の設定] というウィンドウを閉じます。

9. クライアント環境に "一度だけ" 適用したい場合には、[共通] タブを開き、[1度だけ適用し、再適用しない] にチェックを入れます。

10. [適用] - [OK] でウィンドウを閉じます。

- 公開情報
上記インターネット設定については、以下の Blog 記事でも紹介しております。

"Internet Explorer の メンテナンス" 廃止に伴う代替案の紹介 – Part1.基本設定の紹介とプロキシ設定の配布

https://blogs.technet.microsoft.com/jpieblog/2014/08/12/internet-explorer-part1-2641/

上述のプロキシ設定を画像付きで紹介しておりますので、ご参照ください。

各設定手順については以上となります。
ご要件に合わせて、いずれかの設定方法をご検討下さい。

以上となります。
Windows 10 バージョン 1803 において Sysprep を実行する際に、ご参考になれば幸いでございます。

[2018/11/15 追記]
本事象は、Windows 10 バージョン 1809 においても発生いたします。

[2019/3/11 追記]
本事象は以下の更新プログラムで修正されましたので、対象更新プログラム適用の上で Sysprep を実施してください。

- February 19, 2019—KB4487029 (OS Build 17134.619)
URL:https://support.microsoft.com/ja-jp/help/4487029/windows-10-update-kb4487029

- March 1, 2019—KB4482887 (OS Build 17763.348)
URL:https://support.microsoft.com/ja-jp/help/4482887/windows-10-update-kb4482887

該当箇所: Addresses an issue that occurs with the Internet Explorer proxy setting and the out of box experience (OOBE) setup. The initial logon stops responding after Sysprep.

なお、本ブログは予告なく変更される場合がございますので、ご了承下さい。