Office アプリケーションの種類と動作の差異

こんにちは、Office サポート チームです。

本記事では、Windows 10 で利用できる 4 種類の Office ついて概要をまとめ、ご案内いたします。

 

[Office アプリケーションの種類]

Windows 10 で利用できる最新の Office には大きく分けて、デスクトップ版アプリケーションと、Microsoft ストア アプリ版のアプリケーションの 2 つの分類があります。

デスクトップ版の Office 2016 では、クイック実行形式 (C2R) と Windows インストーラー形式 (MSI) の 2 つの種類 (実行形式) が提供されており、Microsoft ストア アプリ版については、Microsoft ストア アプリ版の Office 2016 と Office Mobile という 2 つの種類が提供されているため、合計すると 4 種類の Office が提供されています。

このうち、クイック実行形式 (C2R) と Windows インストーラー形式 (MSI)、Microsoft ストア アプリ版の Office 2016 の違いや見分け方については、以下のブログ記事にてご紹介しています。
 
クイック実行形式 (C2R) と Windows インストーラー形式 (MSI) を見分ける方法 https://blogs.technet.microsoft.com/officesupportjp/2016/09/08/howto_c2r_or_msi/

Microsoft ストア アプリ版 Office 2016 (Centennial) での開発 – その1 – (DLL の読み込み) https://blogs.msdn.microsoft.com/office_client_development_support_blog/2018/05/15/office-centennial-vol1/

 

- Office Mobile について

Office Mobile は上記 2 つのブログ記事にて紹介されている 3 種類の Office アプリケーションと異なり、Office 2016 の一種ではありません。
Office Mobile はタブレットやスマートフォンでのタッチ操作に最適化された Office アプリであり、Windows 10 の他、Android OS、iOS にも提供されています。

Office Mobile は Microsoft ストア アプリ版 Office 2016 を含めた他の ストア アプリと同様にユニバーサル Windows プラットフォーム (UWP) でパッケージ化されています。
UWP パッケージ化されたアプリは、ファイル システムやレジストリなどが UWP パッケージ独自の構成となります。
 
参考)
ユニバーサル Windows プラットフォーム (UWP) アプリとは /ja-jp/windows/uwp/get-started/universal-application-platform-guide

デスクトップ ブリッジの内側 /ja-jp/windows/uwp/porting/desktop-to-uwp-behind-the-scenes
 
Office Mobile は Office 2016 の一種ではないため、Office 2016 とは動作が異なる点が多くありますが、Office Mobile の特徴のひとつとして、Office ファイルの閲覧という用途であれば、無料で利用できることが挙げられます。
もちろん、Office 365 サービスをご利用いただくことで、Office ファイルの作成や編集も可能となります。
Office ファイルの編集について、文字列の追記など、簡単な編集しか行わないという場合には、端末のディスプレイ サイズが 10.1 インチ以下であれば、簡易な編集機能を無料で利用することもできます。
 
参考)
Office Mobile https://www.microsoft.com/ja-jp/office/pipc/device/tablet/default.aspx

 

補足 : Office Mobile の見分け方

Office 2016 の実行形式は [ファイル]タブ – [アカウント] から確認することができますが、Office Mobile の [ファイル]タブ には [アカウント] という項目はありません。

Office Mobile では、[ファイル]タブ – [設定] – [バージョン情報] が "Excel Mobile" 等、Office Mobile アプリであることがわかる表示になっています。

 

[それぞれの Office の動作差異]

ボリュームライセンス版にて提供されている MSI 形式の Office 2016 は、長期安定稼働版という位置づけから、新機能の追加などは積極的には行われておらず、主にセキュリティ問題への対応や異常終了など重大な問題への対応のための更新が行われます。
一方、Office 365 ProPlus に代表される C2R 形式の Office 2016 は、セキュリティ面での更新に加えて、新機能がリリースされています。

そのため、同じデスクトップ版の Office 2016 であっても、C2R 形式と MSI 形式とでは、機能や動作に異なる点があり、また、C2R 形式の場合は更新の適用状況によっても機能に差異があります。
Office を対象とした製品やプログラムを提供される場合には、このような差異があることをご考慮いただきどちらか片方の実行形式のみで動作を確認するのではなく、それぞれの実行形式について、最新のバージョン/ビルドまで更新を行った環境で個別に検証を行っていただくことを推奨しております。
※ Office 365 ProPlus の新機能の追加は月次チャネルであれば毎月、半期チャネルであれば年 2 度を予定しています。
 
参考)
Office 365 の新機能 https://support.office.com/ja-jp/article/95c8d81d-08ba-42c1-914f-bca4603e1426
 
個別に検証を行っていただくことを推奨しているのは、 Microsoft ストア アプリ版の Office 2016、Office Mobile についても同様です。
Microsoft ストア アプリ版の Office 2016 は、先にご紹介したブログ記事 (※ 1) の通り、C2R 形式や MSI 形式の Office 2016 と異なる動作をすることがあり、Office Mobile では Office 2016 と異なり、特定の拡張子のファイルを開く際や、ファイルを印刷する際に、Microsoft オンライン サービスを利用する必要 (※ 2) があるなど、その動作に異なる点があるためです。
 
※ 1
Microsoft ストア アプリ版 Office 2016 (Centennial) での開発 – その1 – (DLL の読み込み) https://blogs.msdn.microsoft.com/office_client_development_support_blog/2018/05/15/office-centennial-vol1/

※ 2
一部の Office ファイルを変換するのに Microsoft オンライン サービスが必要な理由 https://support.office.com/ja-jp/client/ef8ff042-c40c-4d9f-9d11-0d21f88e4179/
 
今回の投稿は以上です。