【IIS7】 [HOW TO] 無償の簡易 Web 負荷ツール WCATの使い方

WCATに興味がある方が多いようなので、英語提供のものの日本語翻訳を少し載せてみました。 

// はじめに

無償のツールとして以前はWAST(Web Application Stress Tool)という名前のものがあったり、Visual Studio 2003に付属のApplication Center Testなどが簡易的に使えるツールとして注目されていました。もちろんTCP/IPのポートをどのように使うかなどかなりの制御を行いたい場合にはもっと他の有償(しかも普通かなり高価)ツールが必要なのですが、単純に環境のベンチマークをしたり、比較を簡易的に行いたい場合にはこの辺りの無償ツールが役に立つわけです。今回ご紹介するWCAT(Web Capacity Analysis Tool)はWindows開発部門のパフォーマンス部隊やIISの開発チームが実際に負荷かけに使用しているもので無償でご提供しているツールの割に結構使えると思います。

// WCATの入手方法

今の最新バージョンは6.3で https://www.iis.net のサイトから入手できます。

x86環境用
https://www.iis.net/downloads/default.aspx?tabid=34&g=6&i=1466

x64環境用
https://www.iis.net/downloads/default.aspx?tabid=34&i=1467&g=6

実はIIS 6.0 Resource Kitに収録されているツールだったりするので下記でも前のバージョンが得られます。

IIS 6.0 Resource Kit
https://www.iis.net/downloads/default.aspx?tabid=34&g=6&i=1352

私が中身を理解するのにいつもご紹介しているのが下記の記事の内容なんですが、ここで登場するThomas Demlが作成したパフォーマンススクリプトをそのまま使うには6.3ではなくIIS 6.0 Resource Kitの方を使わないとパスが違ったりしてすぐに動かないのでこの記事の動きをみたいだけであればリソキの方を使いましょう。

https://blogs.iis.net/bills/archive/2006/10/31/PHP-on-IIS.aspx

// 実際の動かし方

動作確認をするのであれば是非 上記のBill Staples(IIS開発チーム責任者)のブログ記事を参考に動かしましょう。それが一番の早道だと思います。

// V6.3付属ドキュメントの翻訳(奥主 見解)

●Readme.txt

WCATを使い始めるには

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- ドキュメンテーション

必要な環境やコンフィギュレーションの理解を早めるためにWCATのドキュメントを読むことを推奨します。ドキュメントはインストール後の doc フォルダの下に置かれます。

- WCAT をインストールする

前提条件:WCATが動作するすべてのマシンで有効な管理者アカウントが必要で、すべて共通のパスワードである必要があります。

1. WCAT コントローラのマシンに管理者でログオンする。

2. wcat.msi をWCATコントローラのマシンにインストールする。

3. WCATエクステンション DLLが利用される場合にはWCATのインストール先にコピーしておく。

 通常 c:\Program Files\WCAT になる。

4. コマンドプロンプトを開き、WCATフォルダへ移動する。

5. cscript //h:\Cscript を実行する。

6. wcat.wsf -terminate -update -clients [カンマ区切り、スペースなしのWCATクライアントマシンのリスト] を実行する。

 注意:WCATコントローラのマシンもWCATクライアントを兼ねる場合にはリストに localhost(マシン名でもOK) を含めること。

 注意:WCATがWCATクライアントにインストールされたことがなく初めての場合、再起動が必要になる。

- WCATを実行する

1. WCATコントローラに管理者でログオンする

2. wcat.wsf –terminate –run –clients {comma separated client list} –t {scenario file} –f {settings file} –s {name of the Web Server} –singleip -x を実行する

3. 出力はカレントディレクトリに生成され、log.xmlという名前。これを変更したい場合には -o パラメータを使用する。
 wcat.wsf に渡すパラメータのオプションについては wcctl.exe -? でヘルプを参照する。

●wcat.doc

59ページあるので時間を見つけないと翻訳が難しいですが、詳細については是非このドキュメントも読みましょう。
c:\Program Files\WCAT\doc\WCAT.doc

何かUpdateがあればコメントしようと思います。