Azure Storage に関する Build 2015 での発表

このポストは、4 月 29 日に投稿された Build 2015: Azure Storage Announcements! の翻訳です。

Azure Storage チームは BUILD 2015 の期間中にいくつかの魅力的な新機能を発表しました。これらの新機能が Azure Storage での強力なアプリケーションの作成にさらにお役に立てば幸いです。この記事では、Azure Storage 関連サービスの一般提供開始の発表、各プレビュー プログラムの最新情報、その他の取り組みについてご紹介します。

Azure Storage 関連サービスの一般提供開始について

Premium Storage の一般提供を開始

先日、Azure Premium Storage の一般提供が開始されました。Premium Storage では、データを SSD (ソリッド ステート ドライブ) に保存することにより、Azure Virtual Machines で実行されている入出力負荷の高いワークロードでパフォーマンスを向上させると共に、ディスクのレイテンシを短縮しています。Premium Storage を使用すると、アプリケーションで VM 1 台につき最大 32 TB のストレージをプロビジョニングできるほか、読み取り処理のレイテンシを大幅に短縮し、VM 1 台あたり 64,000 IOPS (1 秒あたりの入出力処理回数) の処理能力を実現します。

Premium Storage の詳細については、Premium Storage の概要をお読みください。

C++ 1.0.0 の一般提供を開始

C++ 用 Microsoft Azure Storage クライアントライブラリ v1.0.0 ( 一般提供 ) がリリースされました。

C++ 用 Azure Storage クライアント ライブラリでは包括的な C++ API が提供されます。この API を Azure Storage で使用すると、次のことが可能です。

  • BLOB コンテナー、Table、Queue の作成/読み取り/削除/リスト作成
  • BLOB の作成/読み取り/削除/リスト作成/コピー、BLOB の範囲の読み取りと書き込み
  • Azure Table のエンティティの挿入/削除/置換/統合/クエリ
  • Azure Queue へのメッセージのエンキューとデキュー
  • コンテナー、BLOB、Table、Queue のリスト作成の遅延処理、エンティティのクエリの遅延処理 (バージョン 1.0.0 より)

新しいリリースの詳細については、C++ 用 Microsoft Azure Storage クライアント ライブラリ v1.0.0 (一般提供) のブログ記事 (英語) を参照してください。

プレビュー プログラムの最新情報

Azure Files のテクニカル サポートの提供を開始

テクニカル サポートをご契約のお客様に、Azure Storage テクニカル サポート担当者による Azure Files のサポートをご利用いただけるようになりました。

Azure Files の詳細については、Azure Files の使用方法のページを参照してください。

Client-Side Encryption のプレビュー

お客様からのご要望として、データを Azure Storage に送信する前に簡単に暗号化できるようにしてほしいという声を多くいただいていました。これを受けて、.NET 用 Azure Storage クライアント ライブラリでクライアント側での暗号化を可能にする、Client-Side Encryption 機能のパブリック プレビューをリリースしました。 これにより、お客様は BLOB データ、Table データ (暗号化するプロパティを選択)、Queue のメッセージを暗号化できるようになりました。また、Client-Side Encryption は Azure Key Vault に統合されており、必要に応じて他のキー管理システムにも統合できます。

Client-Side Encryption では、エンベロープ暗号化を使用して安定的にパフォーマンスを維持します。ほとんどの場合、アプリケーションに数行程度のコードを追加するだけで Client-Side Encryption を使用できます。サーバー側での暗号化と異なり、この機能では暗号化に使用するキーをユーザーが完全に管理することができます。Azure Storage ではこのキーを確認することはできないため、データの暗号化を解除することはできません。

Client-Side Encryption の使用を開始する方法については、Client-Side Encryption に関するブログ記事 (英語) を参照してください。

Xamarin クライアント ライブラリのプレビュー

Xamarin ( 英語 ) 用 Azure Storage クライアント ライブラリのプレビューがリリースされました。

Xamarin では、共有 C# コードベースを使用して iOS、Android、Windows ストアのアプリをネイティブなユーザー インターフェイスで作成できます。

Azure Storage を使用する Xamarin アプリを作成するには、Xamarin での Azure Storage の使用開始に関するチュートリアル (英語) を参照してください。

Azure Resource Manager: Azure のリソースを強力に管理する新機能をリリース

今後、Azure のリソースのプロビジョニングは新しい Azure Resource Manager (ARM) から行われます。ARM では、テンプレート、RBAC、リソース グループなどの多数の新機能が提供されます。ARM では「リソース プロバイダー」を通じてリソースを提供し、リソースの管理は各リソース プロバイダーが担当します。マイクロソフトは、この ARM 用 Storage Resource Provider (SRP) のリリースを発表しました。

SRP ではストレージ アカウントの管理 (ストレージ アカウントの作成/削除/更新/読み取り、キーの取得/設定など) が可能なほか、ARM のプロビジョニング スタックも使用できます。

SRP の REST API の詳細についてはこちらのページ (英語)、Azure PowerShell の SRP コマンドレットの詳細についてはこちらのページ (英語) をそれぞれ参照してください。

また、Azure Resource Manager の詳細については、こちらの Azure ブログ記事も併せてお読みください。

その他の取り組みについて: 短期的なロードマップ

ここではその他の取り組みについてもご紹介したいと思います。追加操作をすばやく実行できる新しい BLOB である「追加 BLOB」、新しい iOS ストレージ クライアント ライブラリ、SAS の各種機能強化のロードマップについてと、Azure Import/Export サービスの日本とオーストラリアでの提供開始についてです。

新しい BLOB: 追加 BLOB について

追加 BLOB は、既存のブロック BLOB とページ BLOB に並ぶ新しい種類の BLOB で、追加操作をすばやく実行することに最適化されています。追加 BLOB は、ログや監査など、BLOB の既存のコンテンツを変更することなくデータを追加する必要のあるシナリオに適しています。詳細については、Azure Storage の追加 BLOB の概要に関するブログ記事 (英語) を参照してください。なお、追加 BLOB のリリースは 2015 年夏を予定しています。

iOS クライアント ライブラリのプレビュー

マイクロソフトは iOS 用 Azure Storage クライアント ライブラリの開発に取り組んでいます。 ブロック BLOB のパブリック プレビューは 2015 年夏の提供開始を予定しています。パブリック プレビューの詳細と、限定プレビューへの参加方法については、こちらのページ (英語) をご確認ください。

SAS の機能強化

Azure Storage チームは Shared Access Signature (SAS) の機能強化に積極的に取り組んできました。お客様からのフィードバックにお応えして、2015 年夏に 3 つの大きな機能強化を予定しています。

  • ストレージ アカウントでの SAS の使用: 1 つの SAS トークンで、1 つのオブジェクトまたはコンテナーではなく、アカウント全体にアクセスできるようになります。
  • SAS のプロトコル制限: SAS トークンを HTTPS のみに制限できるようになります。ユーザーが Storage クライアント ライブラリを使用している場合、このプロトコルがクライアント側に適用され、SAS トークンが HTTP 経由で送信されなくなります。
  • SAS の IP 制限: SAS トークンで単一の IP アドレスまたは IP アドレスの範囲を指定できるようになります。指定したアドレスまたはアドレス範囲以外からの要求にはエラーが返されます。

これらの機能強化により、さらに広範なシナリオで SAS が開発者や管理者のニーズに対応できるようになり、アカウントの共有キーを使用する必要性が大幅に減少します。

Azure Import/Export

Azure Import/Export が、2015 年夏から日本とオーストラリアでも提供開始になります。 これで Azure Import/Export がすべての Azure リージョンで提供されることになり、日本やオーストラリアでストレージ アカウントをご利用のお客様も他のリージョンではなく、日本国内またはオーストラリア国内の住所にディスクを送付できるようになります。また、今後 Import/Export で最大 6 TB のハード ディスクがサポートされるようになります。

Azure Import/Export の詳細については、こちらのページを参照してください。

Azure Storage をまだお使いでないお客様は、Azure Storage のドキュメント ページ (英語) をご確認ください。新たに、Azure Storage、Azure Premium Storage、Azure Files に関する各 5 分間の説明ビデオをご覧いただけます。

今後とも Azure Storage をよろしくお願いします!

Azure Storage チーム