BUILD で発表された Azure SQL Database プレビューの大規模な更新

このポストは、4 月 29 日に投稿された Azure SQL Database previews major updates for BUILD の翻訳です。

Azure SQL Database が更新され、SaaS とエンタープライズ アプリケーションが新たにサポートされました。ある調査では Azure SQL Database をご利用のお客様が 406% の投資回収率を記録したという実績が得られていますが、今回の更新では、Azure をデータ用およびアプリケーション用の最適なプラットフォームとする取り組みにおいて、さらに新たな進歩を遂げました。昨年 (英語)、マイクロソフトは Azure SQL Database に多数の新機能 (英語) やテクノロジを導入して安全性や信頼性を向上させ、最新のミッションクリティカルなクラウド アプリケーションのニーズに対応してきました。今回実施された変更では、安全性、パフォーマンス、生産性が向上したほか、新たに SaaS アプリケーションを開発するための機能がサポートされました。

これらの更新の成果により Azure SQL Database のユーザー数は増加し、現在では 100 万以上のデータベースが Azure で実行されています。あるお客様の場合、約 90 TB のデータを約 2,000 のデータベースで運用し、1 日に約 380,000 回のログインを処理しています。また、20 TB を超す量のデータを約 225,000 のデータベースで運用し、1 日に 200 万回を超すログインを処理しているお客様もいらっしゃいます。

Azure SQL Database の主な用途としては、Azure で新しいクラウド ベースのサービスやビジネスを構築する場合、およびミッションクリティカルな SQL ワークロードを Azure に移行する場合の 2 つが挙げられます。ユーザーの皆様は日常的に Azure SQL Database を生産性向上とクラウド ベースのビジネスの拡大に活用しており、マイクロソフトはこの分野に重点を置いて継続的に取り組んでいます。

企業が Azure SQL Database を採用する 3 つの新しい理由

1) Azure SQL Database は業界最高レベルの堅牢性と柔軟性を持つデータベースであり、パフォーマンス要件が予測可能な場合と予測不可能な場合のどちらのワークロードにも対応します。

  • 今回、Azure SQL Database Elastic Database テクノロジ ( 英語) のプレビューが発表されました。これにより、SaaS (サービスとしてのソフトウェア) アプリケーションの開発者は、SQL Database によって爆発的成長と利益率の高いビジネス モデルに同時に対応することができます。リソース消費量を予測できないワークロード向けには、この Elastic Database テクノロジによって、データベース プールを作成し、リソースを割り当ててそのプール内で共有することができます。ピーク時の需要に対応できるよう過剰にプロビジョニングするのではなく、Elastic Database のプールを利用して、予算の範囲内で数百または数千単位のデータベースでリソースを活用することができます。また、複数の Elastic Database 全体のコストとパフォーマンスを制御できる購入モデルにより、コスト効率を高めることができます。
  • 単純な管理タスクも、データベースの規模が数千以上になると複雑になり、これが爆発的な成長に対応する際の課題となります。ビジネスが成長するにつれて、SaaS 開発者は、スキーマやポリシーの変更、その他の管理操作に対応するための複雑なロジックの作成に長い時間を費やすことになります。しかし、Elastic Database を使用すればこれに簡単に対応することが可能です。スクリプトを作成してジョブとして送信すると、Azure SQL Database が残りの処理を担当して、多数のデータベースに対してスクリプトを実行します。この詳細については、Elastic Database Jobs (英語) のページをお読みください。
  • 多数のデータベースにわたるスケーリングに対応したアプリケーションの開発と管理を簡略化するために、Elastic Database Tools も提供しています。データベースが 1 つの場合でも数千以上の場合でも同様に、使い慣れた T-SQL や ADO.NET のプログラミング モデルを使用してアプリケーションを簡単に作成することができます。
  • その他に、多数のデータベースに対するレポート生成やデータ抽出などのクエリ操作を一元的に実行して、1 つの結果セットに統合して返すこともできます。

2) SQL Server の機能との互換性がほぼ完全になったことで、高負荷のワークロードの実行が可能になり、堅牢かつミッションクリティカルなクラウド アプリケーションを構築したり、既存のオンプレミス SQL Server のデータベースを Azure SQL Database に移行するためのプログラム可能な領域が提供されます。

  • 本日より、Azure SQL Database 用 Transparent Data Encryption (英語) のプレビュー版を追加費用なしでご利用いただけるようになりました。1 月にもお伝えしたとおり (英語)、Transparent Data Encryption により、長年にわたって信頼されている SQL Server の暗号化テクノロジを最新バージョンの SQL Database (Version 12) のデータベースで利用できます。これにより、保存されているお客様のデータベースを暗号化して、悪意のある活動の脅威に対する保護がさらに強化されます。Transparent Data Encryption では、リアルタイムでのデータベース、関連するバックアップ、トランザクション ログ ファイルの暗号化/暗号化解除を実行します。Transparent Data Encryption は、Row-level Security および Dynamic Data Masking のプレビュー版と共にマイクロソフトの最新のセキュリティ テクノロジとして提供され、クラウド上でのデータやアプリケーションの管理の信頼性をさらに強化します。
  • 大量のデータを管理するアプリケーションでデータを操作する方法として、検索は一般的な方法になっています。今回、Azure SQL Database に保存されているテキスト データを管理するアプリケーション向けに、Full-Text Search のプレビュー版の無料提供を開始しました。このプレビュー版ではデータベース プラットフォームに統合された高速で堅牢な検索機能が提供されます。SQL Database でフルテキスト検索を使用できるようになったことにより、SQL Server アプリケーションの SQL Database への移行がさらに簡単になります。

3) Azure SQL Database を使用すると、ビジネスの生産性が向上すると共に全体的なコストが削減されます。

  • 先日、マイクロソフトの依頼により IDC が実施した SQL Database のビジネス価値に関する調査 (英語) の結果が公開されました。この調査では、オンプレミス環境またはホスト環境でデータベースを実行した場合と比較して、Azure SQL Database の投資回収率はデータベースあたり 406% となり、回収期間は 8.6 か月という結果が得られました。お客様へのインタビューによると、Azure SQL Database はオンプレミスまたはホスト環境のデータベースと比較して 53% 以上低コストで、IT 担当者の業務効率は約 47% 向上したということです。
  • 今回発表された Service Tier Advisor (英語) のプレビューでは、提供が終了した Web Edition および Business Edition の各サービスの簡単なアップグレード パスが提示されます。Service Tier Advisor では、ユーザーのデータベース使用状況の履歴からニーズに合った適切なサービス レベルとパフォーマンス レベルを提案するため、アップグレード作業を迅速かつ効率的に実施できます。

マイクロソフトのデータ サービス

Azure SQL Database により得られる価値は、マイクロソフトが提供する他のデータ サービスと併用することで何倍にも高まります。これらのサービスでは、信頼性の高いクラウド環境で任意のツールや言語、フレームワークを使用することが可能で、あらゆる種類や規模のデータに簡単に対応できます。マイクロソフトでは、オンプレミスでもクラウドでもお客様の要件に応じてデータをご活用いただけるように、Azure HDInsightAzure DocumentDBAzure Machine Learning (英語)Power BI (英語) などの各種製品を通じて、非常に広範囲なデータ プラットフォームをサポートすることに取り組んでいます。