キャッシュ クライアント開発環境の準備 (Windows Server AppFabric キャッシュ)

このトピックでは、キャッシュが有効なアプリケーションの開発を開始できるように Visual Studio プロジェクトを準備する方法について説明します。 以下の手順では、Windows Server AppFabric を既にインストール済みであり、1 台以上のキャッシュ サーバーに、または開発ワークステーションに AppFabric キャッシュ機能を構成済みであると想定しています。 詳細については、『Windows Server AppFabric インストール ガイド』 (https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=169172) を参照してください。

AppFabric キャッシュ機能をインストールする以外にも、キャッシュ クライアントからキャッシュにアクセスできるようにするために、以下の手順を実行する必要があります。

  • Windows PowerShell で、Use-CacheCluster を使用してコンテキストをターゲット キャッシュ クラスターに設定します。

  • New-Cache コマンドを使用して必要な名前付きキャッシュを作成します。

  • Grant-CacheAllowedClientAccount コマンドを使用して、キャッシュ クライアントの Windows アカウントにアクセス権を付与します。

  • Start-CacheCluster コマンドを使用してキャッシュ クラスターを起動します。

Windows PowerShell およびここに示したコマンドの使用方法の詳細については、「Windows PowerShell を使用した Windows Server AppFabric キャッシュ機能の管理」を参照してください。

開発コンピューターの準備

AppFabric キャッシュ機能を使用するアプリケーションを開発するために必要なセットアップ要件は、AppFabric のキャッシュ クライアント機能をインストールすることだけです。 他の AppFabric キャッシュ機能がインストールされているキャッシュ ホストで開発することは可能ですが、開発ワークステーションではキャッシュ クライアント機能が唯一の要件です。

Visual Studio プロジェクトの準備

キャッシュが有効なアプリケーションの開発に必要なアセンブリは、グローバル アセンブリ キャッシュ (GAC) にインストールされます。 これらのアセンブリを使用する Visual Studio .NET アプリケーションを開発するには、プロジェクトからアセンブリを参照する必要があります。

.NET Framework の正しいバージョンを選択するには

  1. Visual Studio .NET プロジェクトを開きます。

  2. ソリューション エクスプローラーで、プロジェクト名を右クリックし、[プロパティ] を選択します。

  3. [プロジェクトのプロパティ] ダイアログの [アプリケーション] タブを選択します。

  4. 対象フレームワークのバージョンが .NET Framework 2.0 以降であることを確認します。

    重要

    対象フレームワーク バージョンの Client Profile を使用しないでください。 Visual Studio 2008 では、[クライアント専用 Framework サブセット] チェックボックスをオフにします。 Visual Studio 2010 では、"Client Profile" を指定しない .NET Framework のバージョンを選択します。

AppFabric キャッシュ アセンブリへの参照を追加するには

  1. Visual Studio .NET プロジェクトを開きます。

  2. ソリューション エクスプローラーで、プロジェクト名を右クリックし、[参照の追加] を選択します。

  3. [参照の追加] ダイアログの [参照] タブを選択します。

  4. .\Windows\System32\AppFabric ディレクトリに移動します。

    ヒント

    64 ビット オペレーティング システムでは、AppFabric ディレクトリを直接表示することはできません。 この問題の対応策として、System32 のディレクトリ名を SysNative という名前に置き換えます。 その結果、この手順では C:\Windows\SysNative\AppFabric ディレクトリに移動します。

  5. Microsoft.ApplicationServer.Caching.Client.dll および Microsoft.ApplicationServer.Caching.Core.dll という 2 つのアセンブリへの参照を追加します。

  6. 必要に応じて、コード ファイルの先頭に using ステートメント (Visual Basic へのインポート) を追加して、Microsoft.ApplicationServer.Caching 名前空間を参照します。

キャッシュ クライアントを構成するには

  1. クライアント アプリケーションに対して適切なクライアント設定を決定します。 キャッシュ クライアントの種類の詳細については、「キャッシュ クライアントとローカル キャッシュ (Windows Server AppFabric キャッシング)」を参照してください。

  2. プログラムによって、またはアプリケーション構成ファイルを使用してキャッシュ クライアントを構成します。 これを行う方法の例については、「Windows Server AppFabric キャッシュ クライアントの概要」および「Windows Server AppFabric キャッシュ クライアントの概要 (XML)」を参照してください。

次に、アプリケーション構成ファイルを使用して構成したキャッシュ クライアントの例を示します。 この例ではローカル キャッシュを無効化し、 CacheServer1 および CacheServer2 という 2 つのキャッシュ ホストを指定しています。 詳細については、「Windows Server AppFabric キャッシュ クライアントの概要 (XML)」を参照してください。

<?xml version="1.0" encoding="utf-8" ?>
<configuration>
   <!--configSections must be the FIRST element -->
   <configSections>
      <!-- required to read the <dataCacheClient> element -->
      <section name="dataCacheClient"
         type="Microsoft.ApplicationServer.Caching.DataCacheClientSection,
            Microsoft.ApplicationServer.Caching.Core, Version=1.0.0.0, 
            Culture=neutral, PublicKeyToken=31bf3856ad364e35"
         allowLocation="true"
         allowDefinition="Everywhere"/>
   </configSections>

   <dataCacheClient>
      <!-- (optional) specify local cache
      <localCache
         isEnabled="true"
         sync="TimeoutBased"
         objectCount="100000"
         ttlValue="300" /> -->

      <!--(optional) specify cache notifications poll interval
      <clientNotification pollInterval="300" /> -->

      <hosts>
         <host
            name="CacheServer1"
            cachePort="22233"/>
         <host
            name="CacheServer2"
            cachePort="22233"/>
      </hosts>
   </dataCacheClient>
</configuration>

次の例は、クライアントをプログラムから構成する方法を示しています。 この例ではローカル キャッシュを無効化し、1 つのキャッシュ サーバーのみ (CacheServer2) を指定しており、NamedCache1 という名前のキャッシュに対してキャッシュ クライアントを作成しています。 詳細については、「Windows Server AppFabric キャッシュ クライアントの概要」を参照してください。

' Declare array for cache host(s).
Dim servers(0) As DataCacheServerEndpoint
servers(0) = New DataCacheServerEndpoint("CacheServer2", 22233)

' Setup the DataCacheFactory configuration.
Dim factoryConfig As DataCacheFactoryConfiguration
factoryConfig = New DataCacheFactoryConfiguration
factoryConfig.Servers = servers

' Create a configured DataCacheFactory object.
Dim mycacheFactory As DataCacheFactory
mycacheFactory = New DataCacheFactory(factoryConfig)

' Get a cache client for the cache "NamedCache1".
Dim myDefaultCache As DataCache
myDefaultCache = mycacheFactory.GetCache("NamedCache1")
// Declare array for cache host(s).
DataCacheServerEndpoint[] servers = new DataCacheServerEndpoint[1];
servers[0] = new DataCacheServerEndpoint("CacheServer2", 22233);

// Setup the DataCacheFactory configuration.
DataCacheFactoryConfiguration factoryConfig = new DataCacheFactoryConfiguration();
factoryConfig.Servers = servers;

// Create a configured DataCacheFactory object.
DataCacheFactory mycacheFactory = new DataCacheFactory(factoryConfig);

// Get a cache client for the cache "NamedCache1".
DataCache myDefaultCache = mycacheFactory.GetCache("NamedCache1");

関連項目

概念

アプリケーション構成設定 (Windows Server AppFabric キャッシング)
クライアント構成オプション (Windows Server AppFabric キャッシュ)
XML ベースのクライアント構成 (Windows Server AppFabric キャッシュ)
プログラムによるクライアント構成 (Windows Server AppFabric キャッシュ)
基本的なキャッシュ メソッドを使用する (Windows Server AppFabric キャッシュ)
基本的なキャッシュ メソッドを使用する (Windows Server AppFabric キャッシュ)
構成メソッドの使用 (Windows Server AppFabric キャッシュ)
Windows Server AppFabric のキャッシュの概念

その他のリソース

XML によるキャッシュ クライアントの構成

  2011-12-05