Windows Server AppFabric キャッシュ クライアントの概要 (XML)

Windows Server AppFabric では、キャッシュ クライアントをプログラムやアプリケーション構成ファイルを使用して構成できます。 このトピックでは、XML ベースのアプリケーション構成ファイルを使用してアプリケーションのキャッシュ クライアントを構成する手順を説明します。 プログラムによって行う方法の詳細については、「Windows Server AppFabric キャッシュ クライアントの概要」を参照してください。

アプリケーション構成設定の詳細については、「アプリケーション構成設定 (Windows Server AppFabric キャッシング)」を参照してください。

ここで説明する手順では、開発環境が既に整っていて、AppFabric キャッシュ アセンブリへの参照が設定済みであることなどを前提としています。 詳細については、「キャッシュ クライアント開発環境の準備 (Windows Server AppFabric キャッシュ)」を参照してください。

アプリケーション構成ファイルを使用してキャッシュ クライアントを構成するには

  1. Visual Studio で、[プロジェクト] メニューの [新しい項目の追加] をクリックします。

  2. [アプリケーション構成ファイル] をクリックし、「App.config」というファイル名を入力し、[追加] をクリックします。

  3. 作成した App.config ファイルの <configuration> タグで囲まれた部分に、次のセクションにある XML サンプル コードを貼り付けます。 アプリケーション構成ファイルの用途が異なる場合でも、configSections 要素は必ず configuration タグの下の最初の要素として残してください。

  4. キャッシュ ホストの host 要素を、使用する環境に応じて更新または追加します。 ホストごとに、以下を指定します。

    • name 属性を使用して、キャッシュ ホストのコンピューター名を指定します。

    • cachePort 属性を使用して、ホストのキャッシュ ポート番号を指定します。

  5. コード内で、既定のコンストラクターを使用して DataCacheFactory オブジェクトを作成します。 構成パラメーターを DataCacheFactory オブジェクトに渡さないことによって、アプリケーションで App.config ファイルの構成設定が使用されるようになります。

  6. キャッシュ クライアントの使用を開始するには、GetCache メソッドを使用して DataCache オブジェクトを作成します。

次の例のアプリケーション構成ファイルは、CacheServer1 および CacheServer2 という 2 台のサーバーを参照するように構成されています。 この例のサーバー名を、実際のキャッシュ サーバーに置き換えてください。 使用する環境に応じて host タグを追加または削除してください。

リード ホストに指定されているキャッシュ ホストを指定することをお勧めします。 リード ホストは通常、クラスターにインストールされた最初のキャッシュ サーバーです。 リード ホストの詳細については、「Windows Server AppFabric キャッシュの物理アーキテクチャ図」を参照してください。

どのホストがリード ホストであるかは、Windows PowerShell 管理ツールを使用して確認できます。 Windows PowerShell の詳細については、「Windows PowerShell を使用した Windows Server AppFabric キャッシュ機能の管理」を参照してください。

ヒント

Visual Basic では、最初にアプリケーション構成ファイルに要素が自動的に追加されることがあります。 それらの追加要素は AppFabric のキャッシュ機能に必要ではないため、アプリケーションに必要でなければ削除できます。

<?xml version="1.0" encoding="utf-8" ?>
<configuration>
   <!--configSections must be the FIRST element -->
   <configSections>
      <!-- required to read the <dataCacheClient> element -->
      <section name="dataCacheClient"
         type="Microsoft.ApplicationServer.Caching.DataCacheClientSection,
            Microsoft.ApplicationServer.Caching.Core, Version=1.0.0.0, 
            Culture=neutral, PublicKeyToken=31bf3856ad364e35"
         allowLocation="true"
         allowDefinition="Everywhere"/>
   </configSections>

   <dataCacheClient>
      <hosts>
         <host
            name="CacheServer1"
            cachePort="22233"/>
         <host
            name="CacheServer2"
            cachePort="22233"/>
      </hosts>
   </dataCacheClient>
</configuration>

アプリケーション構成ファイルでキャッシュ クライアント構成設定を指定した後は、キャッシュが有効なアプリケーションのプログラミングを開始します。 この例では、既定のコンストラクターを使用して CacheFactory1 という名前の DataCacheFactory オブジェクトを作成します。 DataCacheFactory コンストラクターの最初のパラメーターにキャッシュ クライアント構成設定が渡されないため、キャッシュ クライアントはアプリケーション構成ファイルに指定された設定に基づいて構成されることになります。

ヒント

パフォーマンス向上のため、キャッシュが有効なアプリケーションに作成する DataCacheFactory オブジェクトの数は最小限にすることをお勧めします。 DataCacheFactory オブジェクトは、キャッシュ クライアントを使用するアプリケーションのすべての部分で使用可能な変数に格納します。

次に、GetCache メソッドを使用して DataCache オブジェクトを作成し、myCache1 という名前を付けます。 次に、Add メソッドを呼び出してキャッシュにオブジェクトを追加します。

' Use configuration from the application configuration file.
Dim CacheFactory1 As DataCacheFactory = New DataCacheFactory()

' Get cache client for cache "NamedCache1".
Dim myCache1 As DataCache = CacheFactory1.GetCache("NamedCache1")

' Add an object to the cache.
myCache1.Add("helloKey", "hello world")
// Use configuration from the application configuration file.
DataCacheFactory CacheFactory1 = new DataCacheFactory();

// Get cache client for cache "NamedCache1".
DataCache myCache1 = CacheFactory1.GetCache("NamedCache1");

// Add an object to the cache.
myCache1.Add("helloKey", "hello world");

関連項目

概念

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  2011-12-05