キャッシュ ホストの構成設定 (Windows Server AppFabric キャッシュ)
Windows Server AppFabric キャッシュ ホストの設定は、2 つの場所に格納されます。つまり、クラスター構成設定のクラスター レベルと、各個別キャッシュ ホストのキャッシュ ホスト レベルです。
クラスター レベルのキャッシュ ホスト設定
クラスター レベルで格納されるキャッシュ ホスト設定は、クラスターのパーティシパントとしてのキャッシュ ホストの実行方法に関連するものです。たとえば、メモリ消費や、通信用のネットワーク ポートの設定などがあります。これらのクラスター レベルのキャッシュ ホスト設定については、「クラスターの構成設定 (Windows Server AppFabric キャッシング)」で説明します。
クラスター レベルのほとんどの設定は、Windows PowerShell ベースのキャッシュ管理ツールでも表示および編集できます。詳細については、「Windows PowerShell を使用した Windows Server AppFabric キャッシュ機能の管理」を参照してください。
ホスト レベルのキャッシュ ホスト設定
各キャッシュ ホストに格納されるキャッシュ ホスト設定は、機能に関係するものであり、ソフトウェアが実行するために必要な設定に関係します。たとえば、キャッシュ ホストがクラスター 構成の保存場所を検索できる場所や、ログ シンクの構成方法などです。
キャッシュ ホストの設定を格納するため、各キャッシュ ホストは DistributedCacheService.exe.config という名前の構成ファイルを使用します。このファイルは自動的に作成され、インストールの間に構成されて、.\Windows\System32\AppFabric フォルダーに格納されます。通常、この構成ファイルで使用される設定は編集できません。このファイルの編集が必要になる可能性のある唯一の場合は、ログ レベルを設定するとき、またはログの場所を変更するときです。
ヒント
ここで説明されていない DistributedCacheService.exe.config ファイルの他の設定は、内部的な操作のために AppFabric によって使用されます。
dataCacheConfig 要素の設定
dataCacheConfig 要素の設定は、キャッシュ クラスターに関してキャッシュ ホストにとって意味があります。クラスター名、クラスター構成の保存場所、キャッシュ ホスト サービスの名前などの設定が、dataCacheConfig 要素に含まれます。
次の表で概要を示す dataCacheConfig 要素の設定は、PowerShell 管理ツールで Use-CacheCluster コマンドをパラメーターなしで使用したときにも使用されます。詳細については、「Windows PowerShell を使用した Windows Server AppFabric キャッシュ機能の管理」を参照してください。
| 設定 | XML による構成箇所 |
|---|---|
キャッシュ サーバー名 |
|
クラスター構成の場所の接続文字列 |
|
ヒント
SQL Server データベースを使用してクラスターの構成設定を格納すると、SQL Server の接続文字列は DistributedCacheService.exe.config ファイルにクリア テキストで保存されます。接続文字列にパスワードが必要にならないように、できるだけ Windows 統合セキュリティを使用してデータベースのセキュリティを保護してください。
例
キャッシュ ホスト構成ファイル DistributedCacheService.exe.config の内容の例を次に示します。
<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>
<configuration>
<configSections>
<!-- Microsoft.ApplicationServer.Caching.Core assembly name is hard-coded -->
<section name="dataCacheConfig" type="Microsoft.ApplicationServer.Caching.DataCacheConfigSection, Microsoft.ApplicationServer.Caching.Core, Version=1.0.0.0, Culture=neutral, PublicKeyToken=31bf3856ad364e35" />
<section name="fabric" type="Microsoft.Fabric.Common.ConfigFile, Microsoft.WindowsFabric.Common, Version=1.0.0.0, Culture=neutral, PublicKeyToken=31bf3856ad364e35" allowLocation="true" allowDefinition="Everywhere" />
<section name="dataCache" type="Microsoft.ApplicationServer.Caching.DataCacheSection, Microsoft.ApplicationServer.Caching.Core, Version=1.0.0.0, Culture=neutral, PublicKeyToken=31bf3856ad364e35" />
</configSections>
<dataCacheConfig cacheHostName="AppFabricCachingService">
<log location="" logLevel="-1" />
<clusterConfig provider="System.Data.SqlClient" connectionString="Data Source=SqlServer1;Initial Catalog=CacheConfigDB;Integrated Security=True" />
</dataCacheConfig>
<fabric>
<section name="param" path="">
<key name="VersionInfoClass" value="Microsoft.ApplicationServer.Caching.ServerVersionInfo, Microsoft.ApplicationServer.Caching.Server" />
<key name="DroppedReplicaKeepDuration" value="0" />
<key name="ClusterStableNodeUpInterval" value="10" />
<key name="ReplicationQueueCapacity" value="128" />
<key name="CopyQueueCapacity" value="2" />
<key name="ReplicationTempListCapacity" value="1024" />
<key name="ReplicationTempListInitialSize" value="128" />
<key name="ReplicationRetryInterval" value="12" />
<key name="ThrowOnAssert" value="true" />
</section>
</fabric>
<dataCache size="Small">
<hosts>
<host replicationPort="22236" arbitratorPort="22235" clusterPort="22234" hostId="1739552749" size="1228" leadHost="true" account="NT AUTHORITY\NETWORK SERVICE" name="localhost" cacheHostName="AppFabricCachingService" cachePort="22233" />
</hosts>
</dataCache>
<runtime>
<gcServer enabled="true" />
</runtime>
<startup>
<supportedRuntime version="v4.0.30125" />
</startup>
</configuration>
関連項目
概念
アプリケーション構成設定 (Windows Server AppFabric キャッシング)
クラスターの構成設定 (Windows Server AppFabric キャッシング)
Windows Server AppFabric キャッシュのトラブルシューティング
Windows PowerShell を使用した Windows Server AppFabric キャッシュ機能の管理
Windows Server AppFabric のキャッシュの概念
キャッシュ クライアントを開発する (Windows Server AppFabric キャッシュ)
2011-12-05