Office のオブジェクトおよびオブジェクト モデルを理解する

Microsoft Office 2000/Visual Basic プログラマーズ ガイド   

Microsoft® Office の各アプリケーションには、関連するタスクを実行するためにデザインされたパワフルなツール セットが含まれています。たとえば、Microsoft Access ではデータ管理およびクエリ処理の優れたツール、Microsoft Excel では表計算、分析、およびレポート作成ツール、Microsoft Outlook® では電子メールの送受信、スケジュール管理、およびアドレス帳やタスク管理を実行するツールを使用できます。また、Microsoft Word では、文書の作成および管理、複数のユーザーが文書で作業する場合のバージョン管理、およびフォームやテンプレートの作成を行うことができます。これらのツールと Office に含まれるその他のアプリケーションは単独でもパワフルな機能を発揮しますが、複数の Office アプリケーションの機能を統合して、ユーザーのニーズに合わせたソリューションを作成することも可能です。

各 Office アプリケーションをプログラミング可能にし、Office ソリューションとしての統合を可能にする主要なテクノロジは、"オートメーション" (旧 OLE オートメーション) として知られるコンポーネント オブジェクト モデル (COM) です。オートメーションでは、開発者は、Microsoft Visual Basic® for Applications (VBA) コードを使用して、アプリケーション、DLL (ダイナミック リンク ライブラリ)、またはプログラミング可能なインターフェイスをサポートする ActiveX® コントロールにより公開されるソフトウェア オブジェクトを作成および制御することができます。VBA とオートメーションを併用することにより、各 Office アプリケーションがプログラミング可能になります。たとえば、Word で自動的に文書を作成して書式を設定するプロシージャを作成したり、ホスト アプリケーションからほかのアプリケーションを起動することができます。また、Excel の隠しインスタンスを Access から実行し、Access データに対して計算処理および分析を行うことも可能です。オートメーションを理解するためには、オブジェクトおよびオブジェクト モデルが何であるか、それぞれがどのように動作するか、併用時にどのように動作するかを理解することが大切です。この章および第 5 章「Office アプリケーションを使用する」には、カスタム Office ソリューションを作成するために必要な基本的情報が記載されています。

Office ソリューションにおけるオートメーションの使用を完全に習得するには、統合するアプリケーションについての実践的な知識が必要です。この章およびこのドキュメントは、特定の Office アプリケーションの習得を目的としたものではありません。実践的な知識および経験は、各アプリケーションのトレーニングおよび実際の作業を実行する過程で習得することができます。

目次

Office 統合ソリューションを開発する

オブジェクトおよびコレクションを理解する

その他の Office アプリケーションを自動化する

その他の参考資料