Exchange 2010 のカスタム インストールを実行する

 

適用先: Exchange Server 2010 SP2, Exchange Server 2010 SP3

トピックの最終更新日: 2011-10-31

[カスタム] インストール タイプを使用して Microsoft Exchange Server 2010 をインストールできます。カスタム インストールでは、具体的にどのサーバーの役割をインストールするかを選択できます。カスタム インストールは、ハブ トランスポート サーバー、クライアント アクセス サーバー、およびメールボックス サーバーの役割と Exchange 管理ツールが既定でインストールされる Exchange 2010 の [標準] インストール タイプとは異なります。[標準] インストール タイプで Exchange 2010 のインストールを実行する手順の詳細については、「Exchange Server 2010 のインストール」を参照してください。

Exchange 2010 のカスタム インストールの完了後、次の重要な点についてご注意ください。

  • OAB ダウンロード要求が同時に発生する可能性   組織に最初の Exchange 2010 サーバーをインストールした後に、受信者オブジェクト (メールボックス、連絡先、配布リスト、メールボックス エージェント、メールボックスが有効なパブリック フォルダーなど) を作成した場合、そのオブジェクトには Exchange 2010 サーバーの新しい管理グループに対応する LegacyExchangeDN が割り当てられます。この LegacyExchangeDN のために、Microsoft Outlook は、Exchange 2010 と OAB Version 2 または 3 を使用してメールボックスにログオンするこの組織内の各ユーザーに対して、Outlook サーバーからの完全なオフライン アドレス帳 (OAB) のダウンロードを要求します。このために、多数の OAB ダウンロード要求が同時に発生する可能性があり、それによってネットワーク使用率が高くなります。

  • UM サーバーの役割でシステムの再起動が必要   ユニファイド メッセージング (UM) サーバーの役割をインストールした後、必要な TCP ポートを Microsoft Exchange ユニファイド メッセージング サービスが予約できるように、システムを再起動する必要があります。

前提条件

  • Exchange 2010 のインストール前に、サーバーに必要な前提条件がインストールされていることを確認してください。Exchange 2010 のインストール開始前に、適切なソフトウェアとオペレーティング システムの前提条件がサーバーにインストールされていることを確認する必要があります。すべてのサーバーの役割の前提条件をインストールするには、「Exchange 2010 の前提条件」を参照してください。システム要件の詳細については、「Exchange 2010 のシステム要件」を参照してください。

  • 電子メール メッセージが正しく送受信されるようにするには、同じ Active Directory サイトにメールボックス サーバーの役割とハブ トランスポート サーバーの役割の両方をインストールする必要があります。

  • メールボックス サーバーの役割、ハブ トランスポート サーバーの役割、クライアント アクセス サーバーの役割、およびユニファイド メッセージング サーバーの役割は、同じコンピューターにインストールすることも別のコンピューターにインストールすることもできます。エッジ トランスポート サーバーの役割は、他のサーバーの役割と共存できないため、常に専用ハードウェアにインストールする必要があります。

警告

サーバーに Exchange 2010 をインストールした後は、サーバー名を変更しないでください。Exchange 2010 のサーバーの役割をインストールした後でサーバーの名前を変更することは、サポートされていません。

Exchange 2010 のカスタム インストールを実行する

次の手順を実行するには、これまでに Active Directory スキーマを準備していない場合、使用するアカウントに Schema Admins グループのメンバーシップが委任されている必要があります。

組織に最初の Exchange 2010 サーバーをインストールしている場合は、Enterprise Admins グループのメンバーシップを持つアカウントを使用する必要があります。

既にスキーマを準備していて、組織に最初の Exchange 2010 サーバーをインストールしているのではない場合は、使用するアカウントが 組織の管理 管理役割を委任されている必要があります。

注意

Exchange 2010 の Active Directory の準備については、「Active Directory とドメインを準備する」を参照してください。Exchange 2010 のアクセス許可の詳細については、「役割ベースのアクセス制御について」を参照してください。

  1. Exchange 2010 をインストールするサーバーにログオンします。

    重要

    Exchange 2010 のインストール前に、このトピックと「Exchange 2010 の前提条件」で説明した前提条件のタスクを両方とも完了しておいてください。

  2. Exchange 2010 DVD を DVD ドライブに挿入します (またはインストール先を参照します)。Setup.exe が自動的に開始されない場合は、DVD ドライブに移動して、Setup.exe ファイルのアイコンをダブルクリックします。

  3. [開始] ページで、手順 1 と 2 が完了していることを確認します。これらのコンポーネントがインストールされていない場合は、セットアップによって、必要な前提条件をダウンロードできる Microsoft Web サイトへのリンクが表示されます。Windows PowerShell のインストールの詳細については、「Windows 管理フレームワークをインストールする」を参照してください。

    重要

    Windows Server 2008 R2 に Exchange 2010 をインストールする場合、ダウンロード可能な .NET Framework パッケージは使用しないでください。代わりに、Windows Server 2008 R2 のサーバー マネージャーを使用するか、ServerManagerCmd -i NET-Framework を実行してください。

  4. [開始] ページで、[手順 3:Exchange 言語オプションの選択] をクリックします。言語オプションは手順 3 以下に表示されます。次のいずれかを選択します。

    1. 言語バンドルからすべての言語をインストールする   このオプションを選択すると、バンドル中のすべてのサポート対象言語がインストールされます。セットアップでは、必要な言語バンドルを自動的にダウンロードしたり、以前に言語バンドルをダウンロードした場所 (ハード ドライブやネットワーク共有など) を参照してインストールしたりすることができます。

    2. DVD にある言語のみをインストールする   このオプションを選択すると、英語 (米国) の言語サポートのみがインストールされます。言語バンドルは、サポート対象言語を追加するため、必要に応じて後からインストールすることができます。

  5. 言語のインストールが完了したら、[開始] ページで、[手順 4: Microsoft Exchange のインストール] をクリックします。セットアップによって、Exchange 2010 をインストールするコンピューターのローカルにセットアップ ファイルがコピーされます。

  6. Exchange Server 2010 セットアップ ウィザードの [概要] ページで、[次へ] をクリックします。

  7. [使用許諾契約書] ページで、ソフトウェア ライセンス条項を確認します。条項に同意する場合は、[使用許諾契約書に同意します] をクリックしてから、[次へ] をクリックします。

  8. [エラー報告] ページで [はい] を選択し、[次へ] をクリックします。

  9. [インストールの種類] ページで、[Exchange Server のカスタム インストール] をクリックします。Exchange Server 2010 Service Pack 1 (SP1) の場合、このサーバーに必要な Windows の役割および機能のすべてを自動的にインストールすることを選択できます。Exchange 2010 インストールのパスを変更する場合は、[参照] をクリックし、フォルダー ツリーで適切なフォルダーに移動して、[OK] をクリックします。[次へ] をクリックします。

    [インストールの種類] ページ

    [カスタム インストールの種類] ページ

  10. [サーバーの役割の選択] ページで、コンピューターにインストールするサーバーの役割を選択し、[次へ] をクリックします。

    注意

    1 台のコンピューター上でエッジ トランスポート サーバーの役割と他のサーバーの役割を共存させることはできません。エッジ トランスポート サーバーの役割は、境界ネットワーク内および内部の Active Directory フォレストの外側に展開する必要があります。

  11. [メールボックスの役割][クライアント アクセスの役割][ハブ トランスポートの役割]、および (または) [ユニファイド メッセージングの役割] を選択しており、これが組織で最初の Exchange 2010 サーバーである場合は、[Exchange 組織] のページで Exchange 2010 組織の名前を入力します。Exchange 組織の名前には、以下の文字のみを含めることができます。

    • A ~ Z

    • a ~ z

    • 0 ~ 9

    • スペース (先頭または末尾を除く)

    • ハイフンまたはダッシュ

      注意

      組織名の長さは、64 文字以下です。組織名を省略 (空白に) することはできません。組織名にスペースが含まれる場合は、二重引用符で囲む必要があります。

  12. これが組織で最初の Exchange 2010 サーバーである場合は、[クライアント設定] ページでクライアント コンピューターに基づき適切なオプションをクリックします。

  13. [クライアント設定] ページで、Office Outlook 2003 およびそれ以前を実行しているクライアント コンピューターがあり、[はい] を選択した場合、Exchange 2010 はメールボックス サーバー上にパブリック フォルダー データベースを作成します。すべてのクライアント コンピューターが Outlook 2010 を実行している場合、パブリック フォルダーは Exchange 2010 ではオプションです。[いいえ] を選択した場合、Exchange 2010 はメールボックス サーバーにパブリック フォルダー データベースを作成しません。後からパブリック フォルダー データベースを追加できます。たとえば、Outlook 2003 を実行するクライアント コンピューターを追加し、パブリック フォルダー データベースが必要になった場合は、Exchange 2010 メールボックス サーバー上に作成できます。次に OAB をパブリック フォルダーの配布用に構成して、Microsoft Exchange Information Store サービスを再起動することで、Outlook 2003 およびそれ以前を実行しているクライアント コンピューターがサーバーに接続できるようになります。

  14. [クライアント アクセス サーバーの外部ドメインの構成] ページで、クライアント アクセス サーバーの構成に使用するドメイン名を入力します。

    注意

    クライアント アクセス サーバーがインターネットに直接接続しない場合は、ドメイン名を構成せずに [次へ] をクリックすることができます。クライアント アクセス サーバーの構成の詳細については、「外部クライアント アクセスの管理」を参照してください。[次へ] をクリックします。

  15. [カスタマー エクスペリエンス向上プログラム] ページで、組織向けに適切な選択を行い、[次へ] をクリックします。

  16. [インストールの前提条件の確認] ページで、状態を表示して、組織およびサーバーの役割の前提条件の確認が正しく完了したかどうかを確認します。正常に完了しなかった場合は、Exchange 2010 のインストール前に報告されたエラーをすべて解決する必要があります。前提条件のエラーを解決しているときに、セットアップを終了する必要はありません。報告されたエラーを解決したら、[再試行] をクリックして、再び前提条件の確認を行います。報告された警告も確認してください。準備確認が問題なく完了したら、[インストール] をクリックして Exchange 2010 をインストールします。

  17. [完了] ページで、[終了] をクリックします。

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