Exchange 管理コンソールの相互運用性

 

適用先: Exchange Server 2010 SP2, Exchange Server 2010 SP3

トピックの最終更新日: 2011-04-28

Exchange 管理コンソール (EMC) は、Microsoft 管理コンソール (MMC) ベースのツールで、Exchange 組織の構成を管理するためのグラフィカル ユーザー インターフェイス (GUI) を Exchange 管理者に提供します。また、Exchange 管理コンソール スナップインを MMC ベースのカスタム ツールに追加することもできます。ここでは、Microsoft Exchange Server 2010 と以前のバージョンの Exchange (特に、Exchange Server 2003 と Exchange Server 2007) での EMC 間の相互運用性について説明します。

Exchange 管理コンソールの強化された機能の詳細については、「Exchange 管理コンソールの新しい管理機能」を参照してください。

Exchange 2003 との互換性

Exchange Server 2003 システム マネージャーを使用して Exchange 2010 オブジェクトを管理することはできません。Exchange 2010 の EMC を使用すると、Exchange Server 2003 のルーティング グループ コネクタのような特定のプロパティとオブジェクトを表示できます。Exchange 2010 と Exchange 2003 間でメッセージ追跡構成タスクを実行することはできません。Exchange 2003 内では Exchange 2003 メッセージ追跡ツールを、Exchange 2010 では Exchange 2010 メッセージ追跡ツールを使用する必要があります。

Exchange 2007 との互換性

Exchange 管理コンソール (EMC) は、Exchange Server 2010 と Exchange Server 2007 の両方で利用できます。次に、Exchange 2010または Exchange 2007 で EMC を使用して実行できるタスクと操作の一覧を示します。

  • 新しいメールボックスや新しいオフライン アドレス帳 (OAB) などのオブジェクトを作成する操作は、対象のオブジェクトと同じバージョンの EMC でのみ実行できます。たとえば、Exchange 2007 メールボックス サーバー上にメールボックスを作成するには、Exchange 2007 で EMC を使用して実行する必要があります。次の事項が適用されます。

    • Exchange 2007 メールボックス データベースは、Exchange 2010 の EMC からは管理できませんが、これらのデータベースを表示できます。

    • Exchange 2010 の EMC は、Exchange 2007 ユニファイド メッセージング メールボックスを有効または無効にすることはできません。

    • Exchange 2010 の EMC で Exchange 2007 モバイル デバイスを管理することはできません。

  • オブジェクトを表示する必要がある操作は、次のいくつかの例外を除き、任意のバージョンの EMC から任意のバージョンの Exchange オブジェクトに対して実行できます。

    • Exchange 2010 および Exchange 2007 のトランスポート ルール オブジェクトは、対応するバージョンの EMC からのみ表示できます。

    • Exchange 2010 サーバーと Exchange 2007 サーバーは、対応するバージョンの EMC からのみ表示できます。

    • Exchange 2010 の EMC 内のキュー ビューアー ツールは、Exchange 2007 サーバーに接続してキューまたはメッセージを表示することはできません。

      注意

      Exchange 2007 オブジェクト (ストレージ グループなど) が Exchange 2010 に存在していない場合、Exchange 2010 で認識されないため、相互運用性は予期または提供されません。

  • Exchange 2010 と Exchange 2007 間でメッセージ追跡構成タスクを実行することはできません。Exchange 2007 サーバー内では Exchange 2007 メッセージ追跡ツールを、Exchange 2010 サーバー内では Exchange 2010 メッセージ追跡ツールを使用する必要があります。

以下は、Exchange 2010 専用オブジェクトと Exchange 2007 専用オブジェクトの一覧です。これらのオブジェクトは、対応するバージョンの EMC での表示、管理、作成にのみ利用できます。

注意

Exchange 2010Exchange コントロール パネルでオブジェクトを管理すると、オブジェクトがアップグレードされる可能性があります。その結果、オブジェクトを作成した Exchange 2007 管理ツール (EMC、シェル) で管理できなくなります。

Exchange 2010 で廃止された Exchange 2007 オブジェクト:

  • ストレージ グループ

  • Exchange 管理者

  • WebDAV

Exchange 2010 管理コンソール専用オブジェクト:

  • データベース可用性グループ

  • 証明書の作成

  • データベース コピー

  • フェデレーション信頼

  • 共有関係

  • 共有ポリシー

  • Microsoft Office Outlook Web App mailbox policies

  • カスタマー エクスペリエンス プログラムのプロパティ

連携管理コンソール

EMC の連携機能を使用するには、Exchange 2007 EMC を最初に Exchange 以外の管理コンピューター上に インストールする必要があります。Exchange 2007 EMC をインストールした後、Exchange 2010 EMC をインストールして連携シナリオで実行できます。

注意

Exchange 2010 EMC は、64 ビット コンピューターからのみ管理できます。このため、連携管理では、Exchange 2007 EMC を 64 ビット コンピューターにインストールする必要があります。Exchange Server 2003 管理ツールは、32 ビット コンピューター上でしか実行できないため、Exchange Server 2003 および Exchange 2010 管理ツールの連携管理はサポートされません。ただし、32 ビット Windows PowerShell 2.0 を使用し、Exchange 2010 環境にリモート アクセスできます。

詳細については、「Exchange 2010 管理ツールをインストールする」を参照してください。

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