Exchange 2010 SP1 のユニファイド メッセージングおよびボイス メールの新機能
適用先: Exchange Server 2010 SP1
トピックの最終更新日: 2016-11-28
Microsoft Exchange Server 2010 Service Pack 1 (SP1) では、ユニファイド メッセージング サーバーの役割が改善され、新しい機能が追加されました。これらの新しい機能を使用するには、MicrosoftOffice Communications Server 2007 R2 または Microsoft Lync Server 2010 (次世代の Office Communications Server) を環境に正しく展開する必要があります。ここでは、Exchange 2010 SP1 のインストールによって追加される新しい機能と強化された機能について説明します。
Exchange 2010 SP1 の UM 機能
次の一覧は、Exchange 2010 ユニファイド メッセージング (UM) の新機能およびその説明です。
Exchange コントロール パネルでの UM 管理 Exchange コントロール パネルの UM 管理ユーザー インターフェイスを使用すると、ユニファイド メッセージングのすべてのコンポーネントを Web ブラウザーで管理できます。UM ダイヤル プラン、UM メールボックス ポリシー、UM IP ゲートウェイ、および UM 自動応答を作成し、ユーザーでユニファイド メッセージングを有効にできます。(専門家とも呼ばれる) テナント管理者、および社内外にまたがる Exchange 環境の管理者が、この機能を使用できます。詳細については、「管理者および専門家ユーザーの管理」を参照してください。
管理者は Exchange コントロール パネルを使用して、社内および社内外にまたがるタスクの一部を管理することもできます。次の一覧は、すべてのサーバーの役割において、Exchange コントロール パネルで使用できる追加の管理機能の一部です。たとえば次のような機能があります。
テキスト メッセージングの統合
ボイス メッセージングの統合
複数のメールボックスの検索
メールボックスに対する追加のプロキシ アドレス
配布リストの配信に関するモデレートと承認
また、エンド ユーザーがヘルプデスクのサポートなしで、Exchange コントロール パネルで一般的な管理タスクを実行することができます。これによりエンド ユーザーの生産性が向上し、サポート コストを削減できます。
Exchange 管理者は、社内外にまたがる環境で、Exchange コントロール パネルを使用してユニファイド メッセージングを管理できます。ただし、UM コンポーネントを作成および構成する場合、ベスト プラクティスとしては Exchange 管理コンソールと Exchange 管理シェルを使用することをお勧めします。
UM レポート Exchange 2010 SP1 で追加された UM レポート機能には、UM が有効なユーザーの呼び出しの概要、統計、および詳細が含まれます。これらのレポートは Exchange コントロール パネルに表示されます。ユニファイド メッセージング統計レポートには EMC の [呼び出しの統計] を使用してアクセスでき、呼び出しログには同じく EMC の [ユーザー呼び出しのログ] を使用してアクセスできます。どちらのツールもツールボックス ノード下にあります。これらのツールは、UM サーバーに対する呼び出しおよび UM が有効なユーザーに対する呼び出しについて、集計された統計情報を提供します。EMC の UM レポート ツールをサポートするために、SP1 では以下のコマンドレットが追加されています。
Get-UMCallSummaryReport
Get-UMCallDataRecord
EMC ツールボックスでは、UM サーバーが転送または発信した呼び出しに関する集約された統計情報が [呼び出しの統計] に表示されます。組織の Exchange 2010 ユニファイド メッセージング サーバー全体の統計情報を知りたい管理者は、[呼び出しの統計] を使用できます。EMC で要求する呼び出しの統計レポートの結果は、Exchange コントロール パネルのユーザー インターフェイスに表示されます。これをフィルター処理し、過去 90 日間、または UM が組織に展開されてから現在までの統計情報を、月単位や日単位で表示することができます。次に、組織内の UM ダイヤル プランおよび UM IP ゲートウェイでこれらの結果をフィルター処理できます。
呼び出しの統計レポートには、次の内容が表示されます。
呼び出しの種類別に整理された呼び出しの合計数 (不在着信、Outlook Voice Access の呼び出し、FAX 呼び出しなど)
呼び出しの受け付けまたは拒否
平均音質
レポートに含まれる日や月、またはすべての呼び出し
呼び出しログを Microsoft Office Excel テンプレートにエクスポートするか、または呼び出しの統計をクリップボードにコピーして別のアプリケーションに貼り付けることができるようにします。[音質の詳細] ボタンを使用して、呼び出しに関する次のような特定情報を表示できます。
日付
UM ダイヤル プラン
UM IP ゲートウェイ
オーディオ コーデックの種類
NMOS
NMOS の低下
Jitter
パケット損失
ラウンド トリップ時間
バースト損失時間
サンプリングされた呼び出し数
呼び出しに関して入手できる特定情報の詳細については、「ユニファイド メッセージング ツールの使用」を参照してください。
EMC ツールボックスの [ユーザー呼び出しのログ] を使用して、選択した UM が有効なユーザーの呼び出しの統計を表示できます。レポートは、Exchange コントロール パネルに表示されます。このレポートは、UM が有効なユーザーの特定の呼び出しに関する情報を収集し、これを診断したり問題点を修正したりするなど、ヘルプデスクのような処理を行う必要がある場合に役に立ちます。[ユーザーの選択] をクリックしてユーザーを指定すると、選択した UM が有効なユーザーの呼び出しに関して、次の情報が表示されます。
日時
通話時間
呼び出しの種類
呼び出し元の番号
呼び出した番号
UM IP ゲートウェイ
音質
ユーザーの呼び出しの統計をクリップボードにコピーし、これを他のアプリケーションに貼り付けることができます。[音質の詳細] ボタンを使用して、呼び出しに関する次のような特定情報を表示できます。
日付
UM ダイヤル プラン
UM IP ゲートウェイ
オーディオ コーデックの種類
NMOS
NMOS の低下
Jitter
パケット損失
ラウンド トリップ時間
バースト損失時間
呼び出しに関して入手できる特定情報の詳細については、「ユニファイド メッセージング ツールの使用」を参照してください。
UM が有効なメールボックスのフォレスト間の移行 Exchange 2010 SP1 より前のバージョンでは、どの種類の Enterprise のフォレスト間の移行を実行する場合でも、UM が有効なメールボックスを移動元の Exchange 2010 フォレストから移動先の Exchange 2010 フォレストに効率的に移動する方法がありませんでした。これを行う唯一の方法は、まず移動元のフォレストで UM 用のメールボックスを無効にし、それからメールボックスを移動先のフォレストに移動することでした。Exchange Server 2007 メールボックスを移動する際には、Move-Mailbox コマンドレットを使用しました。Exchange 2010 メールボックスを移動する際には、New-MoveRequest コマンドレットを使用しました。そしてメールボックスを移動先フォレストに移動した後、UM 用のメールボックスを有効にしました。
このプロセスに従った結果、いくつかの問題が発生しました。このプロセスでは、完了するまでに処理に時間がかかったり、ユーザーのボイス メールがオフラインになったり、UM が有効なユーザーの PIN がリセットされて Outlook Voice Access 用に新しい PIN の設定が必要になります。
SP1 では、メールボックス レプリケーション サービス (MRS) で New-MoveRequest コマンドレットを使用して、フォレスト内、または社内展開の複数のフォレスト間で UM が有効なメールボックスを移動します。MRS でNew-MoveRequest コマンドレットを使用して UM が有効なメールボックスを移動すると、処理速度が向上し、ユーザーのボイス メールをオンラインのままにしておくことができ、Outlook Voice Access ユーザーが PIN をリセットする必要がなくなります。
Exchange 2010 SP1 で UM が有効なメールボックスを移動するプロセスは次のとおりです。
移動元のフォレストに、同じフォレスト内の UM メールボックス ポリシーに関連付けられている UM が有効なメールボックスがあります。次に、以下の操作を実行します。
移動先のフォレストに UM が有効なメールボックスを移動した後、このメールボックスに関連付ける移動先の UM メールボックス ポリシーを識別します。
Set-UMMailboxPolicy コマンドレットを使用し、移動先のフォレストの UM メールボックス ポリシーで SourceForestPolicyNames パラメーターを使用して、移動元のフォレストの UM メールボックス ポリシーの名前を指定します。
UM が有効なメールボックスを無効にせずに、移動先のフォレストへの移動を開始します。メールボックスの移行時にも、そのメールボックスはボイス メール メッセージおよび電子メール メッセージの受信を継続します。
UM が有効なメールボックスを移行した直後に、MRS が自動的に移動元のフォレストでそのメールボックスを無効にします。
MRS には、移動先のフォレストの UM メールボックス ポリシーのほか、移動したメールボックスを所有していたユーザーに割り当てられている内線番号が必要です。MRS はこの内線番号を使用して、移動先のフォレスト内の UM メールボックス ポリシーで SourceForestPolicyNames パラメーターを検索し、一致する UM メールボックス ポリシーを特定します。内線番号と UM メールボックス ポリシーの名前が見つかると、MRS は移動先のフォレストでメールボックスの UM を有効にします。
注意
MRS では、フォレスト間の移行には RPC over HTTP が、フォレスト内の移行には RPC over TCP が使用されます。
Outlook Voice Access の改善点 Exchange 2007 および Exchange 2010 の RTM 版では、UM が有効なユーザーが Outlook Voice Access を使用して自分の音声メッセージを聞くことができます。既定では、ユニファイド メッセージング サーバーによって日単位で音声メッセージが取得され、降順で一覧表示されます。たとえば、2 つの音声メッセージが同日の午前 10 時と午後 1 時に送信された場合、UM はまず午後 1 時に残された音声メッセージを再生し、次にそれより前に残された音声メッセージを再生します。SP1 では、Outlook Voice Access のユーザーが自分の Exchange 2010 メールボックスにサインインする際、未開封のボイス メール メッセージの再生順について、古い順または新しい順のどちらかを選択することができます。ユーザーはこの順を、Outlook Web App の [ボイス メール] タブの使用、Microsoft Outlook 2010 のボイス メール設定の管理、および Outlook Voice Access のメニュー システムの使用により構成することができます。
発信者名の表示 SP1 では、発信者番号の解決が拡張されています。発信者名の表示を使用して、解決されていない番号からの音声メッセージで名前を表示できるようになりました。発信者名の表示を使用すると、IP ゲートウェイや IP PBX によって発信者名情報が SIP FROM ヘッダーの一部として渡されます。米国などのいくつかの国では、公共の電話ネットワークで、発信側の電話番号の登録契約者名が表示される場合があります。これは利用者にサービスを提供する電話サービスのプロバイダーによって管理されます。英数字が使用できる電話では、呼び出しに発信者の登録名が含まれていると、これが表示されます。発信者名の表示を使用すると、ユニファイド メッセージング サーバーから “4255551234 からのボイス メール” の代わりに “Tony Smith からのボイス メール” と表示された音声メッセージを送信することができます。
UM ダイヤル プランの新規作成ウィザードおよび Set-UMServer Exchange 2010 RTM でユニファイド メッセージングを展開する場合、UM ダイヤル プランを作成した後 UM サーバーをこのダイヤル プランに追加したり関連付けたりする必要がありました。SP1 では、UM ダイヤル プランの作成時に UM サーバーをこのダイヤル プランに追加したり関連付けたりすることができます。UM ダイヤル プランの新規作成 ウィザードに新たにページが追加され、UM サーバーをダイヤル プランに追加することができるようになっています。
UM サーバーを UM ダイヤル プランに追加する
Microsoft Lync Server 2010 機能のサポート (社内外にまたがる場合) 社内外にまたがる環境で UM を展開している場合は、Lync Server 2010 を展開する必要があります。UM は Lync Server 2010 で完全にサポートされており、MWI (Message Waiting Indicator) 通知も含めて完全に機能します。
Office Communications Server の移行 (社内外にまたがらない場合) Exchange 2007 から Exchange 2010 に展開または移行中であり、Exchange の展開が Office Communications Server と統合されている場合、Communications Server で使用する SIP URI ダイヤル プランの移行が Exchange 2010 SP1 でサポートされます。また Exchange 2010 SP1 では、SIP URI ダイヤル プランの電話コンテキスト プロパティと同じ名前を持つ Communications Server の場所のプロファイルが不要となりました。
次の表は、Microsoft Exchange、Office Communications Server、および Lync Server 2010 でサポートされている展開の要約です。
サポートされる展開方法
Exchange 2007 SP1、SP2 または SP3 のユニファイド メッセージング
Exchange 2010 RTM のユニファイド メッセージング
Exchange 2010 SP1 のユニファイド メッセージング
Office Communications Server 2007
Enterprise の展開でのみサポートされています。場所のプロファイルの名前と UM ダイヤル プランの電話コンテキストは、一致する必要があります。
Enterprise の展開でのみサポートされています。場所のプロファイルの名前と UM ダイヤル プランの電話コンテキストは、一致する必要があります。
非サポート
Office Communications Server 2007 R2
Enterprise の展開でのみサポートされています。場所のプロファイルの名前と UM ダイヤル プランの電話コンテキストは、一致する必要があります。
Enterprise の展開でのみサポートされています。場所のプロファイルの名前と UM ダイヤル プランの電話コンテキストは、一致する必要があります。
Enterprise の展開でのみサポートされています。場所のプロファイルの名前と UM ダイヤル プランの電話コンテキストは、一致する必要はありません。
Lync Server 2010
Enterprise の展開でのみサポートされています。場所のプロファイルの名前と UM ダイヤル プランの電話コンテキストは、一致する必要があります。
Enterprise の展開でのみサポートされています。場所のプロファイルの名前と UM ダイヤル プランの電話コンテキストは、一致する必要があります。
社内外にまたがる展開、または Enterprise の展開でのみサポートされています。場所のプロファイルの名前と UM ダイヤル プランの電話コンテキストは、一致する必要はありません。
注意
Exchange Server 2010 SP1 のユニファイド メッセージングでは、Office Communications Server 2007 はサポート対象外となりました。Office Communications Server 2007 R2 または Microsoft Lync Server 2010 を使用する必要があります。
セカンダリ UM ダイヤル プランのサポート SP1 では、UM が有効なユーザー向けにセカンダリ UM ダイヤル プランを追加できます。セカンダリ UM ダイヤル プランを使用すると、UM が有効なユーザーに対して、管理者が 2 つの内線番号を割り当てることができます。または、1 台の PBX や IPX PBX 上で UM が有効なユーザーのプライマリ ダイヤル プラン内で主内線番号を割り当て、別の PBX や IPX PBX 上に存在するセカンダリ ダイヤル プラン内でそのユーザーに二次的な内線を割り当てることもできます。
Exchange 2007 または Exchange 2010 ユーザーのメールボックスで UM が有効である場合、管理者は内線番号および UM メールボックス ポリシーを指定する必要があります。内線番号は、ユーザーが Outlook Voice Access に電話をかけて自分のメールボックスにアクセスする際に、UM サーバーがユーザーを特定するために必要となります。UM メールボックス ポリシーには、構成プロパティのコレクションが含まれます。このコレクションには、UM メールボックス ポリシーに関連付けられている UM が有効なメールボックスに対して適用するために UM が使用する値が含まれます。UM メールボックス ポリシーのプロパティの 1 つが UM ダイヤル プランです。このダイヤル プランには、番号付けプランを含む一連の構成可能なプロパティも含まれます。UM ダイヤル プランで定義される番号付けプランでは、重複する内線番号は許可されません。これは、内線番号がダイヤル プラン内で一意であることを保証します。UM ダイヤル プラン内のユーザーに内線番号を関連付けることにより、ユニファイド メッセージングは UM が有効なユーザーを組織内で一意に識別します。
新しい UM 言語パック ユニファイド メッセージングの言語パックを使用すると、Exchange 2010 UM サーバーが発信者に対して別の言語で対応したり、発信者が自動音声認識 (ASR) を使用していたり音声メッセージがトランスクリプト化されていたりする場合に、この UM サーバーが英語 (米国) (en-US) 以外の言語を認識したりできるようになります。現在入手可能ですが、ボイス メール プレビューがサポートされていない追加の UM 言語パックの一覧は次のとおりです。
カタルニア語 (ca-ES)
中国語 (香港) (zh-HK)
デンマーク語 (デンマーク) (da-DK)
英語 (インド) (en-IN)
フィンランド語 (フィンランド) (fi-FI)
ノルウェー語 (ブークモール) (nb-NO)
ロシア語 (ru-RU)
現在入手可能であり、ボイス メール プレビューがサポートされている追加の UM 言語パックの一覧は次のとおりです。
英語 (カナダ) (en-CA)
ポーランド語 (pl-PL)
ポルトガル語 (ポルトガル) (pt-PT)
スペイン語 (スペイン) (es-ES)
注意
スペイン語 (スペイン) (es-ES) の UM 言語パックの RTM 版では、ボイス メール プレビューがサポートされていませんでした。SP1 で、ボイス メール プレビューのサポートが追加されました。ボイス メール プレビューの詳細については、「エンド ユーザーのボイス メール プレビュー」を参照してください。
既定で、Exchange 2010 ユニファイド メッセージング サーバーの役割をインストールすると、サポートされた UM 言語パックがインストールされていれば、サーバーは UM が有効なユーザーにボイス メール プレビューを送信します。
ボイス メール プレビュー機能の拡張トランスクリプションをサポートする、Exchange 2010 ユニファイド メッセージングのボイス メール プレビュー パートナーがいます。これらのパートナーには、自動音声認識 (ASR) によって作成されたボイス メール トランスクリプションを修正する担当者がいます。各ボイス メール プレビュー パートナーは、Exchange 2010 ユニファイド メッセージングとの相互運用の認定を受けるための一連の要件を満たしている必要があります。
ユーザーに送信されたボイス メール プレビューが十分に正確ではないと判断した場合、「Microsoft PinPoint」Web ページに掲載されているボイス メール プレビューの認定パートナーの 1 つに連絡して契約することができます (追加料金が必要になります)。詳細については、「Exchange 2010 のボイス メール プレビュー アドバイザー」を参照してください。
Exchange 2010 SP1 用の UM 言語パックは、Microsoft ダウンロード センターからダウンロードできます。詳細については、「ユニファイド メッセージング言語パックの UM サーバーへのインストール」を参照してください。
重要
インストールした UM 言語パックですべてのユニファイド メッセージング機能を使用できるようにするには、ダイヤル プラン内の UM サーバーごとに Exchange 2010 クライアントおよびサーバーの言語パックをインストールする必要があります。クライアントとサーバーの言語パックをインストールしないと、一部の機能が期待通りに機能しない場合があります。ボイス メール プレビューなどの一部の機能は、UM 言語パックがインストールされている場合にのみ、ダイヤル プランで構成されている言語で動作します。ただし、Outlook Voice Access およびユーザー インターフェイス テキストなどの機能は、UM 言語パックおよびクライアントとサーバーの言語パックが両方ともインストールされていないと、そのユーザーの言語で動作しません。組織のサーバーに、追加のクライアントとサーバーの言語パックをダウンロードしてインストールするには、「Microsoft Exchange Server 2010 SP1 言語パック バンドル (英語)」を参照してください。
通話応答ルールの改善点 通話応答ルールを使用すると、エンド ユーザーが着信呼び出しの処理方法を制御できます。受信トレイ ルールが受信電子メール メッセージに適用されると同じだけ、通話応答ルールが着信呼び出しに適用されます。詳細については、「通話応答ルールについて」を参照してください。
Exchange 2010 SP1 には、呼び出し応答規則について 2 つの更新が含まれています。
RTM 版では、通話応答ルールの応答後に発信者がボイス メール オプションを選択し、UM サーバーからは着信側のボイス メール応答メッセージを流す前に、まず発信者に対して音声メッセージを残すよう指示が出されていました。このような方法は、ユーザーがカスタムの案内応答を作成していた場合は混乱を招きます。Exchange 2010 SP1 では、発信者が通話応答ルールの構成で音声メッセージを残すことを選択していた場合、ボイス メール応答メッセージがスキップされます。
Exchange 2010 SP1 では、着信呼び出しが Find Me 機能によって着信側に届いたり、呼び出しが転送されたり、音声メッセージが残されたりした場合、不在着信通知が残りません。
Unified Communications Managed API/音声プラットフォームの改善 Exchange 2010 SP1 以降、UM サーバーでは基盤となる SIP 信号および音声処理に関して、Unified Communications Managed API v. 2.0 (UCMA) に依存しています。この依存のため、Exchange 2010 UM SP1 のインストールまたはアップグレードの前に、UCMA プラットフォームおよび前提条件を UM サーバーにインストールする必要があります。詳細については、「ユニファイド メッセージングの概要」を参照してください。
この UCMA との統合の一部として、UM と Lync Server 2010 が統合されていると、次のような利点があります。
ユニファイド メッセージングは QoE (Quality of Experience) データを Lync Server 2010 Quality of Experience Monitoring (QMS) サーバーに報告します。これは社内および社内外にまたがる統合環境の両方で使用可能です。
UM サーバーへの最初の呼び出しが、インターネットに接続しているエンタープライズ ボイス ユーザーから行われている場合は、UM が最初の着信呼び出しをドロップすることはありません。
以前のバージョンの Office Communications Server では、Office Communications Server プールに関連付けられた A/V エッジ リソースは、特定の呼び出しに対し特定の UM サーバーと通信しませんでした。これにより、メディア品質が最適とならない場合がありました。SP1 では、特定の UM サーバーとやり取りする際のすべての呼び出しで使用される Office Communications Server プールおよび関連付けられている A/V エッジ サーバー リソースを、UM サーバーごとに設定できます。
UM 自動応答の更新 Exchange 2010 の RTM 版では、UM 自動応答によって勤務時間外の案内応答および祝日の祝日案内応答が再生されていました。SP1 では、UM 自動応答によって祝日の祝日案内応答のみが再生されます。
Exchange 2010 UM トラブルシューティング ツール UM サーバー、IP ゲートウェイ、および SIP サーバー間の呼び出しのフローをテストするには Test-ExchangeUMCallFlow コマンドレットを使用します。Test-ExchangeUMCallFlow コマンドレットを使用すると、電話コンポーネント、Exchange 2010 SP1 のユニファイド メッセージングの設定、および社内と社内外にまたがるユニファイド メッセージングの展開の間での接続上の問題に関して、構成エラーを診断できます。
Test-ExchangeUMCallFlow コマンドレットを使用して、通話応答のシナリオ固有の構成エラーを診断したり、社内および社内外にまたがる UM 展開で、Office Communications Server 2007 R2 または Microsoft Lync Server 2010、および Office 以外の Communication Server 2007 R2 や Lync Server 2010 の展開でボイス メールが正しく機能しているかどうかをテストしたりすることができます。このコマンドレットでは、呼び出しをエミュレートし、一連の診断テストを実行して、検出された発生する可能性のある問題の原因および解決方法を出力します。また、ジッターや平均のパケット損失など、ネットワーク接続に関連する音質の問題を診断するための、一般的な音質の指標を出力します。Test-ExchangeUMCallFlow コマンドレットは、セキュリティで保護されている呼び出し、SIP でセキュリティ保護されている呼び出し、およびセキュリティで保護されていない呼び出しでの UM コンポーネントのテストをサポートしており、
GatewayモードまたはSIPClientモードのいずれかで実行できます。重要
Test-ExchangeUMCallFlow コマンドレットは、Service Pack 1 (SP1) がインストールされている Microsoft Exchange Server 2010 ユニファイド メッセージング サーバーのボイス メール機能をテストする場合にのみ使用する必要があります。
Test-ExchangeUMCallFlow コマンドレットは、ローカルのユニファイド メッセージング サーバー、または次のオペレーティング システムを実行するその他の 64 ビット コンピューターにインストールできます。
Windows Vista または Windows 7 オペレーティング システム
Windows Server 2008 または Windows Server 2008 R2 オペレーティング システム
Test-ExchangeUMCallFlow コマンドレットでは、コマンドレットのインストール前に、Windows 7、Windows Vista、または Windows Server 2008 の 64 ビット コンピューターに次のコンポーネントをインストールする必要があります。
Microsoft .NET Framework 3.5 Service Pack 1 (SP1) この Service Pack をダウンロードするには、「Microsoft .NET Framework 3.5 Service Pack 1」を参照してください。
Windows Vista x64 および Windows Server 2008 x64 用 Microsoft .NET Framework 3.5 ファミリの更新プログラム (Windows Vista または Windows Server 2008 コンピューターでツールを実行する場合) 更新プログラムをダウンロードするには、「Windows Vista x64 および Windows Server 2008 x64 用 Microsoft .NET Framework 3.5 ファミリの更新プログラム」を参照してください。
Windows Windows リモート管理 (WinRM) 2.0 および Windows PowerShell V2 (Windows6.0-KB968930.msu) 詳細については、Microsoft サポート技術情報の文書番号 968930「Windows 管理フレームワークのコア パッケージ (Windows PowerShell 2.0 および WinRM 2.0)」を参照してください。
Unified Communications Managed AP1 2.0、コア ランタイム (64 ビット) UcmaRuntimeWebDownloadX64.msi のプログラム ファイルをダウンロードするには、「Unified Communications Managed API 2.0、Core ランタイム (64-bit)」を参照してください。
Test-ExchangeUMCallFlow コマンドレットは Exchange 2010 SP1 DVD や Exchange 2010 SP1 のみのダウンロードには含まれていません。ただし、このコマンドレットは「Microsoft ダウンロード センター (英語の場合があります)」からダウンロードできます。
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