Office 2010 のインストール後にユーザーの構成を変更する

 

適用先: Office 2010

トピックの最終更新日: 2016-11-29

ここでは、Microsoft Office 2010 の既存のインストールを変更する方法について説明します。

この記事の内容

  • 概要

  • 既存の Office のインストールのカスタマイズ

  • カスタマイズのしくみ

概要

ユーザーのコンピューターに Office 2010 をインストールした後、当初のインストールのカスタマイズに使用したツールを使用してインストールを変更できます。Office カスタマイズ ツール (OCT) を使用してセットアップ カスタマイズ ファイル (.msp ファイル) を作成または編集することにより、Office のインストールをカスタマイズできます。たとえば、機能を追加または削除したり、ユーザー設定を変更したり、ファイルやレジストリのエントリを追加または削除したりできます。

Office 2010 では、2 種類のアーキテクチャ別の OCT を使用できます。1 つは 32 ビット版 Office 2010、もう 1 つは 64 ビット版 Office 2010 です。64 ビット版の OCT は、Office 2010 の 64 ビット版クライアント エディションをサポートし、32 ビット版の OCT と同じユーザー インターフェイス、機能、および構成可能な設定を備えています。同じコマンドを使用して、32 ビット版または 64 ビット版の OCT を実行します。たとえば、32 ビット版 OCT を実行する場合は、次の例に示すように、x86 (32 ビット) フォルダーから setup.exe /admin コマンド ラインを実行します。\\server\share\Office14\x86\setup.exe /admin。64 ビット版 OCT を実行するには、x64 (64 ビット) フォルダーから setup.exe /admin コマンド ラインを実行します。64 ビット版 Office 2010 の詳細については、「64 ビット版の Office 2010」を参照してください。OCT の詳細については、「Office 2010 の Office カスタマイズ ツール」を参照してください。

注意

Office 2010 製品 (たとえば Microsoft Office Professional Plus 2010) 用の初期セットアップ カスタマイズ ファイル (.msp ファイル) を作成してあり、後でインストールを変更して言語パックを追加する必要がある場合は、OCT のインポート機能を使用して実現できます。このような場合は、最初に、Office 製品のソース ファイルが格納されているネットワーク インストール ポイントに、言語パックを追加します。次に、ネットワーク インストール ポイントのルートから OCT を実行して、同じ製品に対する新しいセットアップ カスタマイズ ファイルを作成し、以前に Office Professional Plus 2010 用に作成した元のカスタマイズ .msp ファイルをインポートします。詳細については、「Office 2010 のセットアップ カスタマイズ ファイルをインポートする」の「.msp カスタマイズ ファイルをインポートして既存のインストールに言語を追加するには」を参照してください。ネットワーク インストール ポイントについては、「Office 2010 のネットワーク インストール ポイントを作成する」を参照してください。

Outlook プロファイルの更新

Microsoft Outlook では、OCT を使用してインストールを変更する方法以外に、新しい Outlook プロファイル ファイル (.prf) を配布して Outlook プロファイルを更新することもできます。たとえば、Microsoft Outlook 2010 をインストールするときに、ユーザーの Outlook プロファイルの構成が含まれる .prf ファイルを保存した場合、プロファイルを少し変更するには, .prf ファイルで変更を行って、そのファイルをユーザーに配布できます。PRF ファイルを使用してプロファイルを更新する方法の詳細については、「Outlook プロファイル (PRF) ファイルを使用して Outlook プロファイルをカスタマイズする」を参照してください。

既存の Office のインストールのカスタマイズ

Office 2010 の既存のインストールをカスタマイズするには、次の手順に従います。

インストールをカスタマイズするには

  1. ソース ファイルが格納されているネットワーク インストール ポイントのルートからコマンド ライン \\server\share\setup.exe /admin を実行して、OCT を起動します。

  2. [製品の選択] ダイアログ ボックスで、カスタマイズする製品を選択し、[OK] をクリックします。

  3. 左側のウィンドウでカスタマイズの項目を選択し、カスタマイズするオプションをクリックしてから、右側のウィンドウでインストールをカスタマイズします。

    たとえば、Microsoft Access 2010 をインストールから削除する場合は、左側のウィンドウで [機能] を探し、[機能のインストール状況の設定] をクリックします。次に、右側のウィンドウで、[Microsoft Office] を展開し、[Microsoft Office Access] を右クリックして、[インストールしない] をクリックします。

  4. インストールのカスタマイズが終了したら、[ファイル] メニューの [名前を付けて保存] をクリックします。

  5. ファイル拡張子 .msp を付けて一意のカスタマイズ ファイル名を指定し、[保存] をクリックします。

  6. ユーザーのコンピューターにセットアップ カスタマイズ ファイル (.msp) を展開して適用します。詳細については、「既存インストールへのセットアップ カスタマイズ .msp ファイルの適用」を参照してください。

後で、既存のインストールにさらに変更を加える必要が生じた場合は、OCT を使用して新しい保守用カスタマイズ .msp ファイルを作成できます。たとえば、既存の機能のインストール状況を変更できます。

Office 2010 の既存インストールで既存機能のインストール状況を変更する最善の方法としては、新しいセットアップ カスタマイズ .msp ファイルを作成し、実装する必要のある変更のみを行うことをお勧めします。予期しない結果を防ぐには、必要な変更だけを指定する必要があります。たとえば、初期インストールの後でセットアップ カスタマイズ .msp ファイルを作成して Access 機能を追加するには、OCT を起動し、製品用の新しいカスタマイズ .msp ファイルを作成します。OCT の左側のウィンドウで [機能] を探し、[機能のインストール状況の設定] をクリックします。右側のウィンドウで、[Microsoft Office] を展開し、[Microsoft Office Access] を右クリックして、[マイ コンピューターから実行] をクリックします。[ファイル] メニューの [名前を付けて保存] をクリックし, .msp カスタマイズ ファイルのパスとファイル名を指定します。

カスタマイズのしくみ

OCT によって作成されるセットアップ カスタマイズ ファイルは Windows インストーラー パッケージ (.msp) なので、ソフトウェアの更新プログラムの適用と同様の手順で、ユーザーのコンピューターにファイルを適用できます。.msp ファイルで定義されているカスタマイズの設定を使用して、Office のインストールが変更されます。以下では、カスタマイズ .msp ファイルを既存の Office インストールに展開する方法を説明し、カスタマイズの修正プログラムのシーケンス番号を示します。

既存インストールへのセットアップ カスタマイズ .msp ファイルの適用

セットアップ カスタマイズ (.msp) ファイルを既存のインストールに適用するには, .msp ファイルをユーザーのコンピューターに直接適用する必要があります。.msp ファイルを Updates フォルダーに格納してユーザーのコンピューターで再びセットアップを実行する方法や、コマンド ラインでカスタマイズ ファイルを指定してセットアップを実行する方法では、既存のインストールにカスタマイズ ファイルを適用できません。

たとえば, .msp ファイルをダブルクリックすることで、または次の例で示すようにコマンド プロンプトで /p オプションを指定して msiexec を実行することで、セットアップ カスタマイズ .msp ファイルを適用できます。

msiexec.exe /p \\server\share\custom.msp

Windows インストーラーのコマンド ライン オプションの詳細については、「Windows Installer Command-Line Options (英語)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=162945\&clcid=0x411) (英語) を参照してください。

Microsoft System Center Configuration Manager 2007 などの展開管理プログラムを使用して、セットアップ カスタマイズ ファイルを展開することもできます。詳細については、「System Center Configuration Manager TechCenter」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=162933\&clcid=0x411) の Web サイトを参照してください。

Windows Server Update Services (WSUS) を使用してソフトウェアの更新プログラムを展開できますが、WSUS を使用してセットアップ カスタマイズ .msp ファイルを展開することはできません。

カスタマイズの修正プログラムのシーケンス番号

OCT でカスタマイズ .msp ファイルを保存するたびに、そのカスタマイズ ファイルの修正プログラムのシーケンス番号が現在のコンピューターのタイム スタンプによって更新され、新しい修正プログラムのグローバル一意識別子 (GUID) が生成されます。OCT .msp ファイルは、ファイルのタイム スタンプに従って時間順に適用されます。

シーケンス番号のしくみを説明するために、次の .msp 保守用ファイルを作成しているものとします。

  1. Microsoft Office Access を [インストールしない] に設定した、uninstall-access.msp という名前の OCT .msp ファイル。このファイルは事前に保存されるため、修正プログラムのシーケンス番号はより若く、スタンプの日時はより古いものとなります。この .msp ファイルには事前に番号が付けられ、Access はユーザーのコンピューターで [インストールしない] に設定されます。

  2. Microsoft Office Access を [マイ コンピューターからすべて実行] に設定した、install-access.msp という名前の OCT .msp ファイル。このファイルは最後に保存されるため、修正プログラムのシーケンス番号はより大きくなり、スタンプの日時はより新しいものとなります。この .msp ファイルには、最初の OCT .msp ファイル uninstall-access.msp よりも後に番号が付けられます。したがって、Access はユーザーのコンピューターで [マイ コンピューターからすべて実行] に設定されます。