Office 2010 を展開した後に言語パックを追加または削除する
適用先: Office 2010
トピックの最終更新日: 2011-01-06
既存の Microsoft Office 2010 インストールの言語パックを追加または削除できます。ここでは、これらを行うために使用できる 2 つの方法と、インストールされている言語の一覧を表示する方法を説明します。
この記事の内容 :
概要
はじめに
既存のインストールを変更する
言語パックを展開する
言語パックを削除する
インストールされている言語を特定する
概要
Office 2010 で最もよく展開される言語は製品と同時にリリースされますが、その他の多くの Office 2010 言語パックは順次リリースされます。Office 2010 Multi-Language Pack には使用できるすべての言語パックが含まれていますが、すべての個別の言語パックがリリースされるまでリリースされません。ただし、すべての言語パックがリリースされる前に、多言語を使用する組織を Office 2010 にアップグレードする場合、後で言語を追加または削除できます。Office 2010 の Office 2010 Multi-Language Pack CD および Office 2010 Proofing Tools Kit CD は、Microsoft ボリューム ライセンス プログラムを通じて購入できます。
Office 2010 を展開した後で言語を追加するには、次の 2 つの方法を使用できます。
既存のインストールを変更する方法。推奨されているこの方法を使用すると、言語が、Office 2010 の展開に追加する 1 つの機能として扱われます。この方法では、Config.xml ファイルを変更して該当の言語を追加し、Setup.exe を再実行します。この方法の場合、ユーザーのコンピューターにインストールされている製品に必要な言語部分のみがインストールされます。たとえば、Microsoft Office Professional 2010 のインストールに日本語を追加する場合、日本語の Microsoft Visio 2010 リソースはインストールされません。ただし、コンピューターに Office Professional 2010 と Visio 2013 がインストールされている場合は、2 つの個別の操作を通じて、それぞれの製品の日本語リソースを追加する必要があります。
言語パックを個別の製品として展開する方法。この方法を使用する場合は、少なくとも 1 つの Office 2010 製品がコンピューターにインストールされている必要があります。この方法では、インストールする Office 2010 言語パックの Setup.exe を実行して、完全な言語パックがコンピューターにインストールされるようにします。この方法は、Office 2010 のどの製品セットがユーザーのコンピューターにインストールされているか不明な状態で、Office 2010 の展開後に言語を追加するのに適しています。
はじめに
展開の開始に際して、使用する言語を決めることが重要です。初期展開後にユーザーの構成を変更し、カスタマイズの一部として追加の言語を含める場合は、まず、展開するすべての Office 2010 言語パックを、Office 製品のファイルを格納するネットワーク インストール ポイント (たとえば、\\サーバー\共有\Office14) にコピーする必要があります。インストール ソースに含まれる製品の静的リストは、カスタマイズ .msp ファイルの初期作成時にのみ作成されます。後で言語をインストール ソースに追加する場合、既存の .msp ファイルは、この変更を反映するようには更新されません。この問題に対処するには、次の手順を実行します。
Office カスタマイズ ツール (OCT) を使用して新しいカスタマイズ ファイルを作成します。
OCT の [ファイル] | [インポート] コマンドを使用して、既存のカスタマイズ .msp ファイルをインポートします。
必要なカスタマイズを追加し, .msp ファイルを保存します。
追加の言語でインストール ソースを更新した後、新しい .msp ファイルをユーザーに展開します。
既存のカスタマイズ .msp ファイルへの変更は、追加した言語には適用されないため、新しい .msp ファイルの作成および展開が正しく行われないと、予期しない動作が発生する可能性があります。新しい .msp ファイルを作成し、そのファイルに既存の .msp ファイルをインポートしない場合、ラボのテストでは展開が正しく動作することもありますが、ユーザーの Office 2010 アプリケーションには新しい言語が表示されなかったり、言語機能の一部しか表示されなかったりすることがあります。詳細については、「Office 2010 のセットアップ カスタマイズ ファイルをインポートする」の「カスタマイズ .msp ファイルをインポートして既存のインストールに言語を追加するには」および「Office 2010 のインストール後にユーザーの構成を変更する」を参照してください。
複数言語のネットワーク インストール ポイントを作成する方法の詳細については、「Office 2010 の言語のセットアップと設定をカスタマイズする」を参照してください。
言語タグの一覧については、「Office 2010 の言語識別子と OptionState ID 値」を参照してください。
既存のインストールを変更する
Office 2010 の既存のインストールに言語を追加するには、セットアップを再度実行し、既存の Office インストールを変更する方法が推奨されています。元のインストールを変更しているだけなので、[コントロール パネル] の [プログラムの追加と削除] に新しいエントリは表示されません。
最初のインストールでインストールされたシェル ユーザー インターフェイス (シェル UI) の言語を置き換えることはできません。シェル UI には、ファイル名拡張子、ツール ヒント、右クリック メニュー項目など、オペレーティング システムに登録される Office のコア要素が含まれます。
複数言語のインストールを更新する場合は、新しい言語がローカル コンピューターで設定されたユーザー ロケールに一致することを指定できます。たとえば、英語ユーザーとロシア語ユーザーがいる組織では、最初に全員に英語を展開します。後でロシア語の言語パックが利用可能になったら、次の行を Config.xml に追加します。
<AddLanguage Id="match" />
この場合、ユーザー ロケールがロシア語に設定されているすべてのコンピューターに、ロシア語の言語要素がインストールされます。ユーザー ロケールが英語のユーザーには影響はありません。
Office のインストール後に追加の言語を展開するには
新しい言語パックのファイルおよびフォルダーをソース メディアから元のネットワーク インストール ポイントにコピーします。セットアップ ファイルを上書きするかどうかの確認メッセージが表示されたら、[いいえ] をクリックします。
各言語パックには、Office 2010 内のすべての製品の言語固有の要素が含まれています。ただし、セットアップによってインストールされるのは、更新する Office 製品の言語固有の要素だけです。
更新する製品のコア製品フォルダーで、Config.xml ファイルを探します。
たとえば、Microsoft Office Professional Plus 2010 のインストールに言語を追加する場合は、ProPlus.WW フォルダーで Config.xml ファイルを探します。
メモ帳などのテキスト エディターで Config.xml を開きます。
<AddLanguage>
要素を検索します。開始タグ<!--
と終了タグ-->
を削除して行のコメントを解除します。Id
属性の値を、インストールする言語に対応する言語タグに設定します。追加の<AddLanguage>
要素および属性を含めることによって、複数の言語を指定できます。たとえば、ロシア語パックを追加するには、次の例のように設定します。
<AddLanguage Id="ru-ru" />
Config.xml に複数の言語を追加する場合は、1 つの言語をシェル UI の言語として指定する必要があります。次に例を示します。
<AddLanguage Id="ru-ru" ShellTransform="yes" /> <AddLanguage Id="en-us" />
最初のインストールで設定された ShellUI 言語がセットアップによって変更されない場合であっても、ShellUI 言語を指定する必要があります。
Config.xml ファイルを保存します。Setup.exe を実行し、変更した Config.xml ファイルのパスを指定します。
完全修飾パスを使用する必要があります。たとえば、\\server\share\Office14\setup.exe /config \\server\share\Office14\ProPlus.WW\Config.xml のように指定します。
Office14 はネットワーク インストール ポイントのルートです。
セットアップも言語パックを個別の製品として認識するため、言語パックではなく、更新する Office 製品の Config.xml ファイルを指定する必要があります。
新しい Office 2010 インストールのこれらの言語を展開するには、「Office 2010 の言語のセットアップと設定をカスタマイズする」の「インストールする言語を指定する」を参照し、既存のカスタマイズ .msp ファイルを新しいカスタマイズ .msp ファイルにインポートします。インストール ソースに含まれる製品の静的リストは、カスタマイズ ファイルの初期作成時にのみ作成されます。後で別の言語をインストール ソースに追加する場合、既存のカスタマイズ ファイルは、この変更を反映するようには更新されません。詳細については、「Office 2010 のセットアップ カスタマイズ ファイルをインポートする」の「カスタマイズ .msp ファイルをインポートして既存のインストールに言語を追加するには」を参照してください。
言語パックを展開する
組織内に複数の Office 2010 製品が展開されており、言語サポートを追加する必要がある場合、言語パックを個別の製品として展開できます。この場合、セットアップは、Office 2010 のすべての製品の言語固有の要素をインストールします。どの製品がインストールされていても、追加の言語バージョンにアクセスできます。
この展開方法を使用する場合は、少なくとも 1 つの Office 2010 製品が展開先のコンピューターにインストールされている必要があります。
言語パックを個別に展開する場合、ユーザーのコンピューターに必要なディスク容量を検討する必要があります。言語パックで必要なハード ディスク容量は、800 MB ~ 1.5 GB の範囲です。
Microsoft Project 2010 と Microsoft Visio 2010 の言語固有の要素は個別にインストールされます。各言語パックでは、Project 2010 のコア製品フォルダーは PMUI.ll-cc です。Visio 2013 のコア製品フォルダーは VisMUIll-cc です。
言語パックを展開するには
新しい言語パックのすべてのファイルおよびフォルダーをソース メディアからネットワーク上の場所にコピーします。Office 2010 Multi-Language Pack を使用している場合は、インストールする言語のファイルとフォルダーのみをコピーできます。セットアップ ファイルを上書きするかどうかの確認メッセージが表示されたら、[いいえ] をクリックします。
インストールする言語パックのコア製品フォルダーで、Config.xml ファイルを探します。
たとえば、ロシア語の言語パックをインストールする場合は、OMUI.ru-ru フォルダーで Config.xml ファイルを探します。
Office 2010 Multi-Language Pack または Office 2010 言語パックのネットワーク インストール ポイントのルートから言語パックのセットアップを実行し、Config.xml ファイルのパスをコマンド ラインで指定します。次に例を示します。
\\server\share\Office14\LP\Setup.exe /Config \\server\share\Office14\LP\RU\OMUI.ru-ru\Config.xml
Office14\SLP は言語パックのネットワーク インストール ポイントのルート、RU は言語フォルダーの名前です。
インストールする言語ごとに、上記の手順を実行します。
新しい Office 2010 インストールのこれらの言語を展開するには、「Office 2010 の言語のセットアップと設定をカスタマイズする」の「インストールする言語を指定する」を参照し、既存のカスタマイズ .msp ファイルを新しいカスタマイズ .msp ファイルにインポートします。インストール ソースに含まれる製品の静的リストは、カスタマイズ ファイルの初期作成時にのみ作成されます。後で別の言語をインストール ソースに追加する場合、既存のカスタマイズ ファイルは、この変更を反映するようには更新されません。詳細については、「Office 2010 のセットアップ カスタマイズ ファイルをインポートする」の「カスタマイズ .msp ファイルをインポートして既存のインストールに言語を追加するには」を参照してください。
言語パックを削除する
Office 2010 言語パックが個別の製品として展開されている場合は、Windows のプログラムの追加と削除の機能を使用して、言語パックを削除できます。
Office 2010 言語パックが個別の製品としてではなく、Office 2010 と共に展開されている場合、言語パックを削除する手順は、言語パックを展開する手順に似ています。<AddLanguage>
タグの代わりに、<RemoveLanguage>
タグを使用します。具体的な手順については、次の説明を参照してください。
削除する言語ごとに、次の手順を実行する必要があります。
言語パックを削除するには
言語が、独立した製品としてではなく Office 製品と共に展開されている場合は、更新する製品のコア製品フォルダーで、Config.xml ファイルを探します。
たとえば、Office Professional Plus 2010 のインストールから言語を削除する場合は、ProPlus.WW フォルダーにある Config.xml ファイルを検索します。
メモ帳などのテキスト エディターで Config.xml を開きます。
<Display>
要素を検索します。開始タグ<!--
と終了タグ-->
を削除して行のコメントを解除します。Level
の値を"basic"
または"none"
に、CompletionNotice
を"yes"
に、SuppressModal
を"yes"
に、そしてAcceptEula
を"yes"
に設定します。この行は次の例のようになります。
<Display Level="basic" CompletionNotice="yes" SuppressModal="yes" AcceptEula="yes" />
<AddLanguage>
要素を検索します。ファイル内で要素が見つかったら、その要素を開始タグ<!--
と終了タグ-->
で囲んで行をコメントにします。この行は次の例のようになります。
<!-- <AddLanguage Id="ru-ru" /> -->
<RemoveLanguage>
要素を追加します。Id
属性の値を、削除する言語に対応する言語タグに設定します。たとえば、ロシア語パックを削除するには、次の例のように設定します。
<RemoveLanguage Id="ru-ru" />
Config.xml ファイルを保存します。
コア製品フォルダーで Config.xml ファイルを編集した場合は、Setup.exe を実行して、変更した Config.xml ファイルのパスを指定します。
完全修飾パスを使用する必要があります。次に例を示します。
\\server\share\Office14\Setup.exe /Config \\server\share\Office14\ProPlus.WW\Config.xml
Office14 はネットワーク インストール ポイントのルートです。
\\server\share\Office14\LP\Setup.exe /Config \\server\share\Office14\LP\RU\OMUI.ru-ru\Config.xml
Office14\LP は言語パックのネットワーク インストール ポイントのルート、RU は言語フォルダーの名前です。
削除する言語ごとに、上記の手順を実行する必要があります。
インストールされている言語を特定する
言語パックの初期インストール時、または言語パックの個別のインストール時に、レジストリ内で、Office 2010 用にインストールされている言語のリストを確認できます。
Office 2010 のアプリケーションはすべて、共有のレジストリ データ セットを使用してそれぞれの UI 言語を決定していますが、それらすべてが必ずしも同じ UI 言語で表示されるとは限りません。通常、Office 2010 のアプリケーションは、このレジストリ キーの UILanguage の値で示された UI 言語で表示されます。しかし、場合によってはそのようにならないことがあります。たとえば、展開によっては、Microsoft Word 2010 と Microsoft Excel 2010 がフランス語でインストールされていて、それ以外の Office 2010 アプリケーションが別の言語でインストールされている場合があります。この場合、他のアプリケーションはこのレジストリ キーの UIFallback リストを参照し、インストールされている構成で機能する最初の言語を使用します。
インストールされている言語を特定するには
レジストリを開きます。
レジストリ キー HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\14.0\Common\LanguageResources\EnabledLanguages を展開します。
言語の LCID が表示されます。言語を特定するには、「Office 2010 の言語識別子と OptionState ID 値」を参照してください。
UI 言語を確認するには、次のレジストリ キーを確認し、「Office 2010 の言語識別子と OptionState ID 値」を参照してください。
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\14.0\Common\LanguageResources\HelpLanguage
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\14.0\Common\LanguageResources\UILanguage
フォールバック言語を確認するには、HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\14.0\Common\LanguageResources\UIFallback のレジストリ キー値を確認します。言語を特定するには、「Office 2010 の言語識別子と OptionState ID 値」を参照してください。