SharePoint タイマ ジョブ リファレンス (Office SharePoint Server)

この記事の内容 :

  • 既定のタイマ ジョブ

  • 共有サービス プロバイダのタイマ ジョブ

タイマ ジョブは、Microsoft SharePoint 製品とテクノロジの 1 つに対して特定の Windows サービスの実行を開始するトリガです。タイマ ジョブには、実行するサービスの定義が含まれ、開始するサービスの頻度が指定されます。Windows SharePoint Services Timer サービス (SPTimer) ではタイマ ジョブが実行されます。SharePoint 製品とテクノロジの機能の多くで、タイマ ジョブが使用され、スケジュールに従ってサービスが実行されます。

タイマ ジョブの状態を確認し、タイマ ジョブの定義を編集できます。

すべてのジョブの一般的な管理のために、SharePoint サーバーの全体管理 Web サイトには、[タイマ ジョブの状態] ページと [タイマ ジョブの定義] ページが用意されています。これらのページは、サーバーの全体管理の [サーバー構成の管理] ページの、[グローバル構成] セクションにあります。

[表示] メニューからは、次のレベルでタイマ ジョブをフィルタできます。

  • [すべて] : ファームのすべてのタイマ ジョブを表示します。

  • [サービス] : 特定のサービスのすべてのタイマ ジョブを表示できます。このコマンドを選択する場合は、[サービス] メニューを使用して、一覧表示されるジョブをフィルタするサービスを選択します。

  • [Web アプリケーション] : Web アプリケーションのすべてのタイマ ジョブを表示できます。このオプションを選択する場合は、[Web アプリケーション] メニューを使用して、一覧表示されるジョブをフィルタする Web アプリケーションを選択します。

SharePoint Service Timer サービス (SPTimer) は、グレゴリオ歴を使用してスケジューリングを行います。スケジュールするすべてのジョブについて、24 時間形式で示したジョブの開始時刻を指定する必要があります。時刻は、世界協定時 (UCT) からのオフセットではなく、ローカル時刻で指定する必要があります。時刻は指定した形式で格納されます。スケジュールの他の指定 (曜日など) はすべて省略できます。他の指定を行わない場合は、毎日、スケジュールした時刻にジョブが実行されます。一部のタイマ ジョブのスケジュールは、Stsadm コマンド ライン ツールを使用して指定することができます。詳細については、「タイマ ジョブ : Stsadm プロパティ (Office SharePoint Server)」を参照してください。

既定のタイマ ジョブ

Windows SharePoint Services 3.0 の既定のタイマ ジョブ

次の表では、Windows SharePoint Services 3.0 の既定のタイマ ジョブを示します。

タイマ ジョブのタイトル 説明 スケジュールの種類

CEIP データ収集

カスタマ エクスペリエンス向上プログラムのファーム データを収集します。

毎日

変更ログ

タイマ ジョブが最後に実行された日時以降に、Web アプリケーションのサイトとページに対して行われた変更を記録します。

毎日

データベースの統計

コンテンツ データベースの SQL Server クエリ最適化統計データを更新します。このジョブは、データベース インデックスの再構築の目的もあり、Windows SharePoint Services 3.0 Service Pack 2 (SP2) で大幅に変更されました。このジョブでは次のタスクが実行されます。 

  • Windows SharePoint Services 3.0 SP2 をインストールしていない場合、このジョブにより、実行されるたびにキー テーブルのフル スキャンが実行されてクエリの最適化統計データが更新されます。これにより、大量のリソースが必要とされることがあります。

  • Windows SharePoint Services 3.0 SP2 をインストールしている場合 :

    • このジョブでは、フル スキャンを実行するのではなく、実行されるたびにキー テーブルをサンプリングしてクエリ最適化統計データが更新されます。

    • Microsoft SQL Server 2005 または Microsoft SQL Server 2008 を実行している場合、ジョブが実行されるたびに、コンテンツ データベース内のすべてのインデックスが再構築されます。

    • SQL Server 2005 または SQL Server 2008 の Enterprise Edition を実行している場合、ジョブによってほとんどのインデックスがオンラインで再構築されます。

    • SQL Server 2005 または SQL Server 2008 の Standard Edition を実行している場合、ジョブによってインデックスがオフラインで再構築されます。

    • Microsoft SQL Server 2000 を実行している場合、ジョブによってインデックスは再構築されません。

"毎日 22:00:00 ~ 05:00:00"

休止サイトの削除

サイトの自動クリーンアップが有効になっていると、特定の期間内に使用されなかったサイトが削除されます。

毎日

ディスク クォータの警告

記憶域のクォータを超えたサイトを検索します。

毎日

即時の通知

即時の通知とスケジュールされた通知を送信します。

ごみ箱

ごみ箱内のコンテンツを検索し、次のステージに移動するか、または削除します。

毎日

利用状況分析

ログを処理し、各サイトの利用状況データを集約します。

毎日

ワークフロー

遅延など、スケジュールされたアイテムのテーブルにあるワークフロー イベントを処理します。

ワークフローの自動クリーンアップ

ワークフロー インスタンス テーブルで、*n* 日以上にわたって完了済みとマークされているワークフローのタスクとインスタンスを削除します。*n* はワークフローの関連付けで指定されます。タスクおよびワークフロー インスタンス テーブルをクロールします。

毎日

ワークフローのフェールオーバー

失敗し、再試行するようにマークされているワークフローのイベントを処理します。

サイト コレクション : 削除

サイト コレクションの段階的な削除を実行するために、4 月の累積的な更新プログラムに追加されました。操作で段階的な削除を使用すると、サイト コレクションはすぐに削除済みとマークされ、そのコンテンツにはそれ以降アクセスできなくなります。次に、このタイマ ジョブによって、削除済みサイト コレクションのデータが一度にすべて削除されるのではなく、時間の経過と共に段階的に削除され、Windows SharePoint Services 3.0 および SQL Server のパフォーマンスへの影響が軽減されます。段階的な削除が利用できるのは、stsadm -o deletesite 操作および stsadm -o mergecontentdbs 操作です。 

毎日

Office SharePoint Server 2007 の既定のタイマ ジョブ

次の表では、Microsoft Office SharePoint Server 2007 の既定のタイマ ジョブを示します。

タイマ ジョブのタイトル 説明 スケジュールの種類

アプリケーション サーバーの管理サービス タイマ ジョブ

高い特権を必要とする操作を実行することができる共有サービス インスタンスを管理します。SharePoint Administration service が実行されている必要があります。Search サービス インスタンスは、スタンドアロンのサーバー展開以外の展開で、このジョブによって管理されます。  

アプリケーション サーバー タイマ ジョブ

高い特権を必要とする操作を実行しない共有サービス インスタンスを管理します。Search サービス インスタンスは、スタンドアロン サーバー展開で、このジョブによって管理されます。

ワークフロー タスクの一括処理

ワークフロー タスクの完了を一括処理します。

毎日

CEIP データ収集

カスタマ エクスペリエンス向上プログラムのファーム データを収集します。

毎日

変更ログ

タイマ ジョブが最後に実行された日時以降に、Web アプリケーションのサイトとページに対して行われた変更を記録します。

毎日

子ファームのコンテンツ ソースの検出

すべてのファームで作成されますが、子ファームとして指定されたファームのみで実行されます。子ファームの Web アプリケーションを検出し、親ファームの共有サービス プロバイダ (SSP) にその Web アプリケーションを登録します。

15 分

データベースの統計

コンテンツ データベースの SQL Server クエリ最適化統計データを更新します。このジョブは、データベース インデックスの再構築の目的もあり、Microsoft Office SharePoint Server 2007 Service Pack 2 (SP2) で大幅に変更されました。このジョブでは次のタスクも実行されます。 

  • Office SharePoint Server 2007 SP2 をインストールしていない場合、このジョブにより、実行されるたびにキー テーブルのフル スキャンが実行されてクエリの最適化統計データが更新されます。これにより、大量のリソースが必要とされることがあります。

  • Office SharePoint Server 2007 SP2 をインストールしている場合 :

    • このジョブでは、フル スキャンを実行するのではなく、実行されるたびにキー テーブルをサンプリングしてクエリ最適化統計データが更新されます。

    • SQL Server 2005 または SQL Server 2008 を実行している場合、ジョブが実行されるたびに、コンテンツ データベース内のすべてのインデックスが再構築されます。

    • SQL Server 2005 または SQL Server 2008 の Enterprise Edition を実行している場合、ジョブによってほとんどのインデックスがオンラインで再構築されます。

    • SQL Server 2005 または SQL Server 2008 の Standard Edition を実行している場合、ジョブによってインデックスがオフラインで再構築されます。

    • SQL Server 2000 を実行している場合、ジョブによってインデックスは再構築されません。

毎週

休止サイトの削除

サイトの自動クリーンアップが有効になっている場合、特定の期間内に使用されていないサイトは削除されます。

毎日

ディスク クォータの警告

記憶域のクォータを超えたサイトを検索します。

毎日

ドキュメント変換

ドキュメント変換をスケジュールして開始します。

有効期限ポリシー

リスト アイテムを列挙し、既に有効期限日を過ぎているアイテムを検索します。これらのアイテムに対して廃棄処理を実行します。廃棄処理では、ほとんどの場合にアイテムが削除されますが、ワークフローの廃棄処理など、他の操作を実行することもできます。

毎日

処理およびレポートの保留

保留リストのアイテムを列挙して保留レポートを生成し、必要に応じてそれらを更新して保留リストから削除します。

毎日

即時の通知

即時の通知とスケジュールされた通知を送信します。

SQL Server のインデックス作成スケジュール管理

スケジュールされたクロールを開始します。

情報管理ポリシー

Web アプリケーションのサイト コレクションのすべてのリストをループ処理して、ポリシーと利用状況データを収集します。

毎日

ライセンス同期プログラム ジョブ

試用版の有効期限ライセンス情報を構成データベースに同期します。

毎時

個人用サイトのクリーンアップ ジョブ

ユーザーが削除されると、そのユーザーの個人用サイトでワークフローを開始します。既定の動作では、削除されたユーザーのサイトへのリンクが記載された電子メール メッセージが管理者に送信されます。このメッセージには、管理者が保持したいと考えているドキュメントまたはデータを移動する要求が含まれています。これは、サイトが将来に削除される可能性があるためです。

毎時

Office SharePoint Server CEIP データ コレクション

カスタマ エクスペリエンス向上プログラムのファーム データを収集します。

毎日

Office SharePoint 利用状況ログのインポート

各サイトの利用状況ログをインポートします。

毎日

Office SharePoint の利用状況分析処理

ログを処理し、各サイトの利用状況データを集約します。

プロファイルの同期

コンテンツ データベースのユーザー情報を、ユーザー プロファイル データから同期します。 

毎時

プロファイルの簡易同期

ユーザー プロファイル データからコンテンツ データベースに新しく追加されたユーザーのユーザー情報を同期します。 

レコード センターの処理

レコード センターの DropOff ライブラリに追加されたレコードを確認し、そこに保存されているファイルをルーティングします。

毎日

ごみ箱

ごみ箱内のコンテンツを検索し、次のステージに移動するか、または削除します。

毎日

承認スケジュール

承認スケジュールが作成されたコンテンツを検索し、プロセスの次のステージに移動します。

ページ レビューのスケジュール

レビュー スケジュールが作成されたページを検索し、プロセスの次のステージに移動します。

毎日

発行取り消しスケジュール

発行取り消しスケジュールが作成されたコンテンツを検索し、削除します。

検索と処理

範囲がサイト コレクションに限定された検索結果を処理し、検索結果を保留にします。

毎日

共有サービス プロバイダ同期ジョブ

SSP を自動的に構成します。SSP の状態が [準備中] の場合、状態を [オンライン] に変更します。状態が [オンライン] の場合、同期を実行します。

共有サービスのタイマ ジョブ

SSP によって登録されているジョブのスケジュールを作成します。ジョブは、SSP Web サービス アカウントのセキュリティ コンテキスト内で実行されます。

SharePoint Services Search の更新

WSS 検索サービスの構成を検証します。

SharePoint ワーカー プロセス グループの更新

WSS_ADMIN_WPG グループを更新します。

1 回

SKU タイプの同期ジョブ

バージョン ライセンス情報 (Standard または Enterprise) を構成データベースに対して同期します。 

毎時

同期スケジューラ

構成されたスケジュールの変更を、プロファイルの同期ジョブおよびプロファイルの簡易同期ジョブに適用します。

利用状況分析

ログを処理し、各サイトの利用状況データを集計します。

毎日

バリエーション ページ伝達ジョブの定義

すべてのターゲット ラベルで承認または発行されたソース ページのピア ページを作成または更新します。作成または更新されたピア ページは未発行の状態になります。

バリエーション サイト伝達ジョブの定義

すべてのターゲット ラベルで作成されたソース サイトのピア サイトを作成します。

Windows SharePoint Services Watson ポリシーの更新

レジストリ キーを設定または削除して、Watson の自動アップロードを有効にします。

1 回

ワークフロー

遅延など、スケジュールされたアイテムのテーブルにあるワークフロー イベントを処理します。

ワークフローの自動クリーンアップ

ワークフロー インスタンス テーブルで、*n* 日以上にわたって完了済みとマークされているワークフローのタスクとインスタンスを削除します。*n* はワークフローの関連付けで指定されます。タスクおよびワークフロー インスタンス テーブルをクロールします。

毎日

ワークフローのフェールオーバー

失敗し、再試行するようにマークされているワークフローのイベントを処理します。

サイト コレクション : 削除

サイト コレクションの段階的な削除を実行するために、4 月の累積的な更新プログラムに追加されました。操作で段階的な削除を使用すると、サイト コレクションはすぐに削除済みとマークされ、そのコンテンツにはそれ以降アクセスできなくなります。次に、このタイマ ジョブによって、削除済みサイト コレクションのデータが一度にすべて削除されるのではなく、時間の経過と共に段階的に削除され、Office SharePoint Server 2007 および SQL Server のパフォーマンスへの影響が減ります。段階的な削除が利用できるのは、stsadm -o deletesite 操作および stsadm -o mergecontentdbs 操作です。 

毎日

Office SharePoint Server 2007 と Project Server 2007 に対するタイマ ジョブ

次の表では、ファームに Microsoft Office Project Server 2007 がインストールされている場合に、Office SharePoint Server 2007 のみで使用できるタイマ ジョブを示します。

タイマ ジョブのタイトル スケジュールの種類

ProjectPSISharedApplicationTimerJob

ServerScheduledTimerJob
Subtypes :

  • Notifications : スケジュールされた通知を送信します。

  • Cubeadmin : キューブを作成します。

  • Admin : ERP およびグループ同期を制御する AdSync を送信します。

  • ApplyResourceCapacityTimeRangeJob

  • Admin : イベント構成タイマ ジョブ

  • Admin : スケジュール アーカイブ/バックアップ ジョブ

ProjectServiceCredentialUpdateTimerJob

ProjectServiceCheckerTimerJob

SSP タイマ ジョブ

SSP タイマ ジョブは、SSP が作成されるときに常に既定で作成されるタイマ ジョブです。既定では SSP タイマ ジョブは無効になっているので、有効にする必要があります。これらのタイマ ジョブは、毎日、毎週、または特定の時刻に実行するようにスケジュールされます。

既定の SSP タイマ ジョブ

次の表では、作成されるすべての SSP で既定のタイマ ジョブを示します。

タイマ ジョブのタイトル 説明

ユーザー プロファイルのフル インポート ジョブ

ユーザー プロファイルのすべてのデータをインポートします。

ユーザー プロファイルの増分インポート ジョブ

最後のインポートより後に追加されたユーザー プロファイルのみをインポートします。

ユーザー プロファイルの変更ジョブ

ユーザー プロファイルを変更します。ユーザー権限をユーザー間で移行できます。このタイマ ジョブはユーザーを移行する必要がある場合に使用しますが、以前のユーザー プロファイルは Active Directory ディレクトリ サービスに残っています。

ユーザー プロファイル変更のクリーンアップ ジョブ

ユーザー権限をユーザー間で移行し、ユーザー権限を移行して、そのユーザーを Active Directory からクリーンアップします。主に、Active Directory でユーザー名が変更されるときに使用します。古いユーザー名が新しいユーザー名に置き換えられ、古いユーザー名は Active Directory から削除されます。

対象ユーザーのコンパイル ジョブ

ユーザー プロファイルのプロパティ値、および配布リスト、セキュリティ グループ、レポート構造のメンバシップを検査して、それらが作成された対象ユーザー ルールと一致するかどうかを調べます。対象ユーザーの対象ユーザー ルールと一致するユーザーは、その対象ユーザーに追加され、その対象ユーザーに対する受信コンテンツの対象になります。コンパイル スケジュールを設定できます。

配布リストのインポート ジョブ

異なる複数のユーザー間で使用できるように配布リストをインポートします。

Office SharePoint Server 2007 と Project Server 2007 に対する SSP タイマ ジョブ

次の表では、ファームに Office Project Server 2007 がインストールされている場合に、Office SharePoint Server 2007 のみで使用できる SSP タイマ ジョブを示します。

タイマ ジョブのタイトル 説明

PWASSPSubmitSiteCreationTimerJob

ProjectPSISharedApplicationTimerJob を送信する 1 回限りのタイマ ジョブです。PWA インスタンスの準備および MUI の準備に使用されます。

PWASSPSubmitServerScheduledTimerJob

ServerScheduledTimerJob を送信する 1 回限りのタイマ ジョブです。タスクをスケジュールするためにビジネス オブジェクトによって使用されます。