コンテンツ タイプとワークフローを計画する (SharePoint Server 2010)

 

適用先: SharePoint Foundation 2010, SharePoint Server 2010

トピックの最終更新日: 2016-11-30

ここでは、コンテンツ タイプとワークフローについて説明し、それらを Microsoft SharePoint Server 2010 ドキュメント管理ソリューションに統合する方法を計画する場合のガイダンスを示します。

この記事の内容

  • コンテンツ タイプを計画する

  • ワークフローを計画する

  • ワークシート

コンテンツ タイプを計画する

このセクションの内容

  • コンテンツ タイプとは

  • Office リリースとのプロパティの統合

  • 列テンプレート

  • フォルダー コンテンツ タイプ

  • ドキュメント コンテンツ タイプを計画する

  • リスト コンテンツ タイプを計画する

  • ドキュメント変換を計画する

コンテンツ タイプとは

コンテンツ タイプは、リスト アイテム、ドキュメント、またはフォルダーの属性を定義するものです。各コンテンツ タイプでは以下を指定できます。

  • 当該タイプのアイテムに関連付けるプロパティ

  • そのタイプのアイテムと関連付けるメタデータ

  • 当該タイプのアイテムから開始可能なワークフロー

  • 当該タイプのアイテムに関連付ける情報管理ポリシー

  • ドキュメント テンプレート (ドキュメント コンテンツ タイプ用)

  • 利用可能にするドキュメント変換 (ドキュメント コンテンツ タイプ用)

  • ユーザー設定の機能

コンテンツ タイプはリストまたはライブラリに関連付けることができます。その場合、そのコンテンツ タイプのアイテムをリストまたはライブラリが格納できるよう指定し、リストまたはライブラリ内の [新規作成] コマンドによって、そのタイプの新規アイテムをユーザーが作成できるよう指定します。

注意

プロパティ、ワークフロー、ポリシーおよびテンプレートも、リストまたはライブラリに直接関連付けることができます。ただし、これらの関連付けを行うと、関連付けがリストまたはライブラリに限定され、ソリューション全体での再利用ができなくなることがあります。SharePoint Server 2010 では、サイト レベルのワークフローを複数のリストまたはライブラリと関連付けることができます。

ドキュメント ライブラリおよびリストには、複数のコンテンツ タイプを格納できます。たとえば、ライブラリには、プロジェクトに関連するドキュメントとグラフィックスの両方を格納できます。リストまたはライブラリに複数のコンテンツ タイプが格納される場合、以下の説明が当てはまります。

  • 既定では、そのリストまたはライブラリで [新規作成] コマンドを使用すると、ユーザーは新しいアイテムを作成するときに、使用できるすべてのコンテンツ タイプからタイプを選択できます。コンテンツ タイプの所有者は、特定のコンテンツ タイプのみが表示されるように [新規作成] コマンドを構成できます。

  • 利用可能なすべてのコンテンツ タイプに関連付けられている列が表示されます。

カスタム コンテンツ タイプは、サイトのコンテンツ タイプ ギャラリーで定義できます。カスタム コンテンツ タイプは、ドキュメントやアイテムなどの主要なコンテンツ タイプを基にして直接的または間接的に作成する必要があります。あるサイトでカスタム コンテンツ タイプを定義すると、そのサイトとそのサイトの下にあるすべてのサイトでカスタム コンテンツ タイプが利用できるようになります。コンテンツ タイプを、サイト コレクション内の最も広い範囲で利用可能にするには、最上位のサイトのコンテンツ タイプ ギャラリーでコンテンツ タイプを定義します。Managed Metadata Service インスタンスで定義されているコンテンツ タイプ ハブ内にカスタム コンテンツ タイプを作成することもできます。コンテンツ タイプ ハブ内に作成されたコンテンツ タイプは、その Managed Metadata Service インスタンスと関連付けられている Web アプリケーションの一部になっている、その他のサイト コレクションで使用できるようになります。

たとえば、組織内で契約書用テンプレートを使用している場合、サイト コレクション内の最上位サイトのコンテンツ タイプ ギャラリーで、契約書のメタデータ、契約書のテンプレート、契約書の確認と締結に必要なワークフロー、契約書に関連する作業を監査するためのポリシー、契約書を保存しておく保管期間、および印刷された契約書に挿入するラベルを定義するコンテンツ タイプを作成できます。そして、[契約書] コンテンツ タイプを関連付けるサイト コレクション内のドキュメント ライブラリには、前述の定義内容がすべて含まれるため、作成者はテンプレートに基づいて新規契約書を作成できます。

SharePoint Server 2010 に基づくサイトでは、既定のリスト アイテムやライブラリ アイテム ([連絡先]、[タスク]、[ドキュメント] など) にはそれぞれ、サイトのコンテンツ タイプ ギャラリー内に対応するコンテンツ タイプが存在します。コンテンツ タイプの計画を作成するときは、これらのコンテンツ タイプ定義を基礎として使用し、必要に応じて既存のコンテンツ タイプに基づいて新規コンテンツ タイプを作成したり、既定のコンテンツ タイプを修正したりできます。

コンテンツ タイプは、あるコンテンツ タイプが別のコンテンツ タイプから特性を継承できる階層に整理されています。この継承によって、組織全体で特性を共有するドキュメント クラスを実現しつつ、チームは特定のサイトやリスト用に特性を合わせることができます。

たとえば、顧客に配布可能なエンタープライズ内のすべてのドキュメントには、アカウント番号、プロジェクト番号、プロジェクト マネージャーなどのメタデータのセットが必要となる可能性があります。他の顧客配布可能なドキュメント タイプすべての継承元となる、最上位の [顧客配布可能] コンテンツ タイプを作成することにより、アカウント番号、プロジェクト番号などの必要な情報が、組織内の顧客配布可能ドキュメントのすべてのバリエーションに関連付けられます。コンテンツ タイプの所有者は、最上位の [顧客配布可能] コンテンツ タイプに別の必要な列を追加する場合、そのコンテンツ タイプを継承するすべてのコンテンツ タイプに変更を伝達できます。これにより、顧客配布可能なすべてのドキュメントに新しい列が追加されます。

2010 Office リリースとのプロパティの統合

Microsoft Office system では、SharePoint Server 2010 ドキュメント管理サーバーのドキュメントをユーザーが編集する場合、ドキュメントの上部に [ドキュメント情報パネル] が表示されます。[ドキュメント情報パネル] には、サーバーにあるドキュメントのプロパティの編集可能なフォームが表示されます。

SharePoint Server 2010 により、コンテンツ タイプのプロパティ フォームのカスタマイズが容易になります。コンテンツ タイプを構成するときは、Microsoft InfoPath 2010 を起動できます。これにより、コンテンツ タイプのプロパティに基づいた既定のプロパティ フォームが生成されます。既定のフォームには、カスタム フォームが定義されていない場合に InfoPath 2013 が使用するものと同じコントロール、レイアウト、スキーマが含まれます。他の InfoPath 2013 InfoPath フォームのように既定のフォームをカスタマイズして、展開できます。たとえば、会社のロゴ、フォント、および配色のフォームへの追加、カスタム データ ソースへのフォームの接続、条件付きロジックの追加、およびロールに基づいてユーザーに提供可能なフォーム機能の設計を行うことができます。

[ドキュメント情報パネル] でのプロパティの編集に加え、Microsoft Word 2010 を使用する作成者は、サーバー上で定義されているプロパティをドキュメントに挿入できます。たとえば、ドキュメント プロパティにプロジェクト マネージャー名が含まれている場合、この名前をタイトル ページやフッター、またはドキュメント内で名前が使用されている任意の場所に挿入できます。プロジェクトに新しいプロジェクト マネージャーが割り当てられる場合、"プロジェクト マネージャー" プロパティをドキュメント管理サーバーで更新できます。更新後のプロジェクト マネージャー名は、ドキュメントに挿入された "プロジェクト マネージャー" プロパティのすべてのインスタンスに反映されます。

メタデータをコンテンツ タイプと共に使用する

メタデータ (列) は、コンテンツの分類に使用される、ドキュメントに関する情報で、列としてコンテンツ タイプに関連付けられます。メタデータは、ドキュメントを作成者、件名、対象ユーザー、言語などに関連付けることで、ドキュメントに関する文脈上の情報を提供できます。プロパティとは異なり、メタデータは列として格納され、SharePoint 検索エンジンによるインデックスの作成と検索が可能です。

サイト コレクション レベルで追加されたメタデータは、コンテンツ タイプと関連付けることができます。メタデータとコンテンツ タイプを使用すると、サイト コレクション レベルで親のコンテンツ タイプから作成されたメタデータの一部またはすべてを、後続のすべてのコンテンツ タイプに継承できます。その他のメタデータは、ドキュメントなど、より下のレベルで追加できます。

列テンプレート

コンテンツ タイプに関連付けられているメタデータの各アイテムは列となっており、リスト内の情報格納場所となっています。リストまたはライブラリは情報の列としてグラフィカルに表示されることがよくあります。ただし、リストに関連付けられているビューによっては、カレンダー表示の日付などの場合のように、列が別のフォームで表示されることがあります。リストまたはライブラリに関連付けられているフォームでは、列はフィールドとして表示されます。

複数のコンテンツ タイプで使用する列を定義できます。このような列を定義するには、[列テンプレート] ギャラリーで列を作成します。[列テンプレート] ギャラリーは、サイト コレクション内の各サイトに存在します。コンテンツ タイプの場合と同様に、サイトの [列テンプレート] ギャラリーで定義された列は、そのサイト、およびそのサイトの下にあるすべてのサイトで利用できます。

フォルダー コンテンツ タイプ

フォルダー コンテンツ タイプは、リストまたはライブラリ内のフォルダーに関連付けられるメタデータを定義します。リストまたはライブラリにフォルダー コンテンツ タイプを適用する場合、そのリストまたはライブラリの [新規作成] コマンドにはフォルダー コンテンツ タイプが含まれ、ユーザーはそのタイプのフォルダーを作成できるようになります。

特定のコンテンツ タイプのフォルダー内でのみ使用可能なビューをリストまたはライブラリに定義できます。これは、特定タイプのドキュメントを格納するフォルダーが必要な場合や、そのフォルダーのビューでフォルダーに格納されるドキュメント タイプに関連する列のみを表示させる場合に便利です。

SharePoint Server 2010 オブジェクト モデルを使用して、フォルダー コンテンツ タイプについて [新規作成] コマンドをカスタマイズできます。カスタマイズすることにより、ユーザーがそのタイプの新規フォルダーを作成する際に、サーバーに保存されているテンプレートに基づいて、作成したフォルダーに複数のファイルやドキュメントがあらかじめ格納されます。たとえば、これは、単一の配布可能ドキュメントに投稿するために複数のファイルを必要とする複雑なドキュメント タイプを実装する場合に便利です。

ドキュメント セットは SharePoint Server 2010 の新機能で、Microsoft Office 2010 を使用して、複数のドキュメントにわたる作業生産物を管理できるようになります。ドキュメント セットは、1 つの成果物、つまり作業生産物を管理するために使用される特別な種類のフォルダーです。ここには、複数の場所の複数のドキュメントを含めることができます。ドキュメント セットは、SharePoint Server 2010 に付属する、拡張可能なテンプレートを使用して作成します。組織に関連する作業生産物を表すように、ドキュメント セット テンプレートをカスタマイズすることもできます。ドキュメント セットにはバージョン管理も含まれていて、この機能によって、ドキュメントのライフ サイクル中のさまざまな時点で、ドキュメント セット全体の状態を取得できるようになっています。

ドキュメント コンテンツ タイプを計画する

記事「ユーザーを特定し、ドキュメントの使用状況を分析する」を使用して入力したドキュメント使用状況の分析ワークシートを使用して、ソリューション用のドキュメント コンテンツ タイプの計画を作成します。新規のコンテンツ タイプごとの決定事項を記録するには、「Content Type Worksheet (英語)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=165878&clcid=0x411) を使用します。

ドキュメント コンテンツ タイプはそれぞれ、ドキュメント コンテンツ タイプから直接、またはドキュメント コンテンツ タイプに由来するコンテンツ タイプから設定を継承します。これにより、タイトル、作成者など、ドキュメント タイプの基本的な列が含まれ、テンプレートをコンテンツ タイプに関連付けられるようになります。

ドキュメント コンテンツ タイプの計画の第一段階は、ドキュメント使用状況の分析ワークシートに示されているドキュメント タイプをそれぞれ確認し、そのタイプのドキュメントに対して既存のコンテンツ タイプが適切に機能するかどうかを判別することです。既定のコンテンツ タイプ (ドキュメントなど) で十分な場合は、ドキュメント使用状況の分析ワークシートの [Content Type] 列にコンテンツ タイプ名を入力します。

ドキュメント タイプの一覧を確認して、既定のコンテンツ タイプを使用可能なものを決定したら、以下の手順を使用して新規のドキュメント コンテンツ タイプの計画を作成します。計画を作成するコンテンツ タイプごとに、別個のコンテンツ タイプ ワークシートに入力します。

  1. ドキュメント使用状況の分析ワークシートを元にしてドキュメント タイプを入力します。

  2. 新規のコンテンツ タイプを定義するサイト URL を入力します。コンテンツ タイプが定義されているサイトおよびそのサイトの下のすべてのサイトでコンテンツ タイプが利用可能になることに注意してください。

  3. 親コンテンツ タイプの決定   Content Type Worksheet の [Parent Content Type] フィールドに親コンテンツ タイプを入力します。ここで入力するコンテンツ タイプは、既定のコンテンツ タイプか、または既に計画済みのカスタム コンテンツ タイプです。

  4. 列の決定   Content Type Worksheet の [Plan Columns] テーブルで、次の作業を行います。

    1. 親コンテンツ タイプから継承した各列を入力します。[New?] 列で、各エントリについて「いいえ」と入力します。

    2. その他の各列について、定義済みの列の名前または作成する列の名前を入力します。列の名前は、列の目的を伝える働きがあるため重要です。そのため、必要なタイプの列が仮にサイト コレクション列ギャラリーで既に定義されている場合であっても、類似した列はアプリケーションとの関連がさらに明確にわかる名前を使用して定義すると便利です。追加する列の名前に加え、そのタイプを入力し、新規かどうかを指定します。

  5. テンプレートの決定   ワークシートの [Plan Template] セクションに、タイプ (.Docx など) に加えて、このコンテンツ タイプに関連付けられているテンプレートの名前、およびテンプレートの目的の簡単な説明を入力します。そのテンプレートが、親コンテンツ タイプから継承されたものでない場合は、New? フィールドに「いいえ」と入力します。

  6. ワークフローの決定   ワークフローは、ドキュメントおよびリスト アイテムにビジネス ロジックを付加します。利用可能なワークフローであればコンテンツ タイプに関連付けることができます。ワークフローは、関連付けたコンテンツ タイプの任意のドキュメント上で開始できます。ワークフローを確認し、利用可能にするワークフローを決定したら、Content Type Worksheet の [Plan Workflows] テーブルに各ワークフローを入力し、コンテンツ タイプと関連付けます。ワークフローが親コンテンツ タイプから継承されていない場合は、その情報を [New?] 列に入力します。

  7. ポリシーの決定   ポリシーとは、あるコンテンツ タイプ向けのルールの集まりで、あるコンテンツ タイプのアイテムが印刷可能かどうか、アイテムに対するどの作業に監査を行うかなど、各ルールの詳細を実現するポリシー機能で構成されています。ポリシーの計画作成の詳細については、「情報管理ポリシーの計画 (SharePoint Server 2010)」を参照してください。ポリシーを確認し、利用可能にするポリシー機能とポリシー テンプレートを決定したら、Content Type Worksheet の [Plan a Policy] セクションで、以下を実行します。

    1. 親コンテンツ タイプにポリシーが設定されている場合、そのポリシーは新規に作成するコンテンツ タイプにそのまま適用されます。これにより、ポリシーを一度設定すれば、関連するすべてのコンテンツ タイプにそのポリシーが適用されます。現在のコンテンツ タイプがポリシー設定を親コンテンツ タイプから継承している場合は、Content Type Worksheet の [Plan a Policy] セクションで、[Is the policy defined in the parent content type?] という質問に「はい」と回答します。

    2. 現在のコンテンツ タイプが親コンテンツ タイプに基づいたポリシーを継承している場合は、[Plan a Policy] セクションの Record the Policy Name フィールドに、ポリシー テンプレートの名前を入力します。同様に、現在のコンテンツ タイプがポリシーを継承しておらず、ポリシー テンプレートを適用する場合は、[Plan a Policy] セクションの Record the Policy Name フィールドに、ポリシー テンプレートの名前を入力します。

    3. 現在のコンテンツ タイプが 1 つ以上のポリシー機能を親コンテンツ タイプから継承している場合は、コンテンツ タイプの計画ワークシートの [Plan a Policy] セクションにある Feature テーブルに各ポリシー機能を入力します。逆に、現在のコンテンツ タイプがポリシーを継承しておらず、ポリシー機能を現在のコンテンツ タイプに関連付ける場合は、Feature テーブルに関連付けるポリシー機能を入力します。個別のポリシー機能と名前別のポリシーの両方をコンテンツ タイプに関連付けることはできないことに注意してください。

  8. ドキュメント変換の決定SharePoint Server 2010 では、ある形式から別の形式にドキュメントを変換するドキュメント変換コンポーネントをサーバーにインストールできます。ドキュメント変換の概要については、この記事で後述する「ドキュメント変換を計画する」を参照してください。

    1 つ以上のドキュメント コンバーターをコンテンツ タイプに関連付けることができます。たとえば、コンテンツ タイプが .docx というタイプのテンプレートに関連付けられている場合、SharePoint Server 2010 に含まれている [Word 文書から Web ページ] コンバーターをコンテンツ タイプに関連付けることができます。これにより、作成者はそのコンテンツ タイプのドキュメントを Microsoft Office Word 2007 で作成し、Web ページに変換して公開できるようになります。

注意

SharePoint Server 2010 のサーバーの全体管理ページで、ドキュメント コンバーターを有効にし、Web アプリケーションの任意のドキュメント ライブラリで利用できるようにすることができます。このようにしてコンバーターを有効にした場合、Web アプリケーション内のサイトでドキュメント コンバーターを個々のコンテンツ タイプに関連付ける必要はありません。

Content Type Worksheet の [Plan Document Conversions] セクションで、コンテンツ タイプに関連付けるドキュメント コンバーターを記録し、ドキュメント コンバーターが新規かどうかとインストールが必要かどうかを指定し、必要に応じてメモを追加します。

リスト コンテンツ タイプを計画する

リスト コンテンツ タイプの要素には、そのリスト コンテンツ タイプのアイテムに対して実行可能なワークフローと一緒にコンテンツ タイプに関連付けられているメタデータの列があります。リスト コンテンツ タイプは、ソリューション固有のリスト アイテムのタイプを定義します。たとえば、顧客の窓口となり、技術的な問題を調査、解決する専門家を支えるコール センター ソリューションの場合、リスト コンテンツ タイプは、対応するインシデントごとのデータを標準化し、ワークフローを使用してインシデントを追跡するために使用できます。

ワークシートでの作業

以下の手順を使用して、新規のリスト コンテンツ タイプを計画します。計画を作成するリスト コンテンツ タイプごとに Content Type Worksheet に書き込んでいきます。ワークシートの [Document Type] フィールドに、「一覧」と入力します。

  1. 新規のコンテンツ タイプを定義するサイト URL を入力します。コンテンツ タイプは、定義されているサイト、およびそのサイトの下のすべてのサブサイトで利用できます。

  2. 親コンテンツ タイプの決定   Content Type Worksheet の [Parent Content Type] フィールドに親コンテンツ タイプを入力します。ここで入力するコンテンツ タイプは、既定のコンテンツ タイプか、または既に計画済みのカスタム コンテンツ タイプです。

  3. 列の決定   Content Type Worksheet の [Plan Columns] テーブルで、次の作業を行います。

    1. 親コンテンツ タイプから継承した各列を入力します。[New?] 列で、各エントリについて「いいえ」と入力します。

    2. その他の各列について、定義済みの列の名前または作成する列の名前を入力します。追加する列の名前に加え、そのタイプを入力し、新規かどうかを指定します。

  4. ワークシートの [Plan Template] セクションに、「なし」と入力します。

  5. ワークフローの決定   リスト コンテンツ タイプに関連するワークフローが利用できる場合は、必要に応じてそのワークフローをコンテンツ タイプに関連付けることができます。ワークフローは、そのコンテンツ タイプのリスト アイテムに対して開始できます。ワークフローの計画作成の詳細については、この記事で後述する「ワークフローを計画する」を参照してください。ワークフローを確認し、利用可能にするワークフローを決定したら、Content Type Worksheet の [Plan Workflows] テーブルに各ワークフローを入力し、コンテンツ タイプと関連付けます。ワークフローが親コンテンツ タイプから継承されていない場合は、その情報を [New?] 列に入力します。

  6. コンテンツ タイプの計画ワークシートの [Plan a Policy] セクションに、「なし」と入力します。

ドキュメント変換を計画する

SharePoint Server 2010 では、ある形式から別の形式にドキュメントを変換するドキュメント変換コンポーネントをサーバーにインストールできます。変換は、ユーザー インターフェイスを使用して実行することも、カスタム ワークフローから実行するなど、プログラムを使用して実行することもできます。変換元ドキュメントとそれに対応する変換後ドキュメントとの間の関係は維持されます。SharePoint Server 2010 には、Microsoft Office Word 2007 ドキュメントや Microsoft Office InfoPath 2007 フォームから Web ページを作成するコンバーターが含まれます。

ドキュメント コンバーターをインストールし実行するためのインフラストラクチャをサーバーに提供するのに加え、SharePoint Server 2010 には、サーバー リソース使用を最適化する設定を可能にするロード バランサー サービスが含まれています。ドキュメント変換の計画を作成する過程で、サーバー ファームのチューニングを行って、ドキュメント変換時の負荷バランスを最適化します。

ユーザーがドキュメント変換を利用できるようにするには、コンバーターをサーバー ファームにインストールして、サーバー管理者にそのコンバーターを有効にしてもらう必要があります。コンバーターは、サーバーに対して有効にした後、そのサーバーの変換元ドキュメントに対して実行できるようになります。

ドキュメント コンバーターは以下の手順を使用して構成します。

  1. ユーザーを特定し、ドキュメントの使用状況を分析する」で行ったドキュメント利用の分析で、ドキュメント変換する (ある形式で作成されたドキュメントを別の形式で公開またはアーカイブする) 対象を特定します。

  2. 必要な変換処理ごとに、使用できるコンバーター プログラムを指定し、変換処理をサーバーに実装します。

  3. 必要な場合は、サーバー ファーム内のアプリケーション (中間層) サーバーに変換プログラムをインストールします。

  4. Web サーバーまたはアプリケーション (中間層) サーバー上で起動プログラムとロード バランサー サービスを構成します。

  5. ドキュメント ライフ サイクル内の変換を開始するポイントを特定します。

  6. 変換の実装方法 (手動、または変換を開始するカスタム ソリューションの使用) を特定します。

ワークフローを計画する

ワークフローは、SharePoint Server 2010 のドキュメント、Web ページ、フォーム、およびリスト アイテムにビジネス プロセスを実装します。ワークフローは、ライブラリ、リスト、またはコンテンツ タイプと関連付けることができます。

ドキュメント管理では、各ユーザーがドキュメントの校閲、発行の承認、配置の管理など、ドキュメント管理タスクを実行できるように、ワークフローを使用してユーザー間でドキュメントを回覧します。また、カスタム ワークフローを使用して、サイトまたはライブラリ間でドキュメントを移動します。たとえば、ドキュメントをアーカイブする予定がある場合、サイト間でドキュメントをコピーするワークフローをデザインできます。

SharePoint Server 2010 には、以下のドキュメント管理作業を扱うワークフローがあります。

  • フィードバックの収集   校閲用のドキュメントを送信します。

  • 承認   承認用のドキュメントを送信します。多くの場合、ドキュメント発行の前提条件となります。

  • 廃棄   ドキュメントの期限切れと廃棄を管理します。

  • 署名の収集   署名用のドキュメントを回覧します。

  • 翻訳   1 つ以上の言語へのドキュメントの翻訳を管理します。

  • 東アジアのドキュメントの承認   デジタル署名印とグループ指向の合意プロセスを使用した承認用にドキュメントを回覧します。

コンテンツ タイプの使用時に常にワークフローを使用できるようにする場合、そのワークフローをコンテンツ タイプに関連付けます。たとえば、購入注文コンテンツ タイプでは、トランザクションを完了する前にマネージャーの承認を必要とすることがあります。購入注文の開始時に常に承認ワークフローを使用できるようにするには、購入注文コンテンツ タイプを作成し、承認ワークフローと関連付けます。次に、購入注文が格納されるすべてのドキュメント ライブラリに購入注文コンテンツ タイプを追加します。

ドキュメント管理ソリューションのワークフローの計画を作成するには、実装する予定がある各ドキュメント コンテンツ タイプを分析し、そのタイプのコンテンツに対して実行可能にする必要があるビジネス プロセスを特定します。次に、そのコンテンツで使用可能にする必要があるワークフローを特定します。

ワークシートでの作業

Content Type Worksheet (英語) (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=165878&clcid=0x411) の [Plan workflows] セクションに各ワークフローの名前とその目的を入力し、プロセスの実装に新しい (カスタム) ワークフローが必要かどうかを示します。

契約コンテンツ タイプのワークフローを分析する表の例を以下に示します。

契約プロセス 契約ワークフロー New?

下書きの校閲

フィードバックの収集

いいえ

マネージャーと法務顧問の承認の取得

承認

いいえ

未解決案件の解決

懸案事項の管理

いいえ

署名の取得

署名の収集

いいえ

ワークシート

この記事で説明した情報を記録するには、以下のワークシートを使用します。