メディア バイパスの構成

 

トピックの最終更新日: 2012-10-18

このセクションでは、少なくとも 1 台または複数の仲介サーバー (「展開」のドキュメントの「サイト用の仲介サーバーの定義」および「トポロジの公開」または「フロント エンド プールの定義と構成」および「トポロジの公開」でそれぞれ説明しています) が公開および構成されていることを前提に説明を進めます。

また、「サイト用の仲介サーバーのピアの定義」で説明するように、PSTN 接続を可能にするために少なくとも 1 つのゲートウェイ ピアが定義されていなければなりません。ここでは、この作業も完了していることを前提とします。 接続するピアが SIP トランキング プロバイダーの SBC の場合は、プロバイダーが認定プロバイダーであることとプロバイダーがメディア バイパスをサポートしていることを確認します。 たとえば、多くの SIP トランキング プロバイダーが、その SBC に仲介サーバーからのトラフィックを受信することだけを許可します。 その場合は、当該のトランクに対してバイパスを有効にしないでください。 また、組織がその内部ネットワーク IP アドレスを SIP トランキング プロバイダーに公開していなければ、メディア バイパスを有効にすることはできません。

note注:
メディア バイパスは、すべての PSTN ゲートウェイ、IP-PBX、および SBC と相互運用できるとは限りません。マイクロソフトでは、認定パートナーの PSTN ゲートウェイでテストを行い、Cisco IP-PBX でも一定のテストを行いました。SBC の認定は現在進行中です。メディア バイパスは、「Unified Communications Open Interoperability Program - Lync Server」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=214406&clcid=0x411) に記載されている製品とバージョンのみでサポートされます。

ここでは、メディア バイパスを有効にして、仲介サーバーの要求される処理量を削減する方法について説明します。 メディア バイパスを有効にする前に、「計画」のドキュメントの「メディア バイパス」の説明に従い、環境がメディア バイパス サポートの条件を満たしていることを確認してください。 また、「メディア バイパス」に記載されている情報を参照して、メディア バイパスのグローバル設定を有効にして仲介サーバーを常にバイパスするか、仲介サーバーをバイパスするかどうかを決定する際にサイトおよび地域情報を使用するかのどちらかを選択してください。この作業が済んでいるかどうか確認してください。

もう 1 つの高度なエンタープライズ VoIP 機能に当たる、オプションの通話受付管理 (CAC) の構成が済んでいる場合は、通話受付管理が実行する帯域幅の予約がメディア バイパスを採用する通話に適用されないようにしてください。 メディア バイパスが採用されているかどうかの検証は最初に行われます。採用されている場合は、その通話に対しては通話受付管理は使用されません。通話受付管理に対するチェックは、メディア バイパスのチェックが不合格の場合にのみ行われます。 このため、PSTN にルーティングされる特定の通話に対して 2 つの機能がともに適用されることはありません。 メディア バイパスは、通話のメディア エンドポイント間に帯域幅の制約がないことを前提にしているため、2 つの機能が両立しないという論理的結論にたどり着きます。メディア バイパスは、帯域幅制限のあるリンク上では実行できません。 このことから、PSTN の通話には次のいずれかが適用されます。 a) 仲介サーバーをメディア バイパスし、通話受付管理は通話に対して帯域幅を予約しない。または b) 通話受付管理が通話に帯域幅の予約を適用し、メディアはその通話に関わる仲介サーバーで処理される。

次のステップ: トランク接続でのメディア バイパスの有効化

PSTN 接続の初期設定 (ダイヤル プラン、音声ポリシー、PSTN 使用法レコード、発信通話ルート、および変換ルール) の構成が完了したら、「トランク上のメディア バイパスの構成」のステップを参照してメディア バイパスの有効化処理を開始します。