開発環境のインストール

Microsoft Visual Studio 2010 SP1 開発環境を利用すると、SQL Server Compact 4.0 を使用するアプリケーションを開発できます。Visual Studio は、SQL Server Compact 4.0 を使用するアプリケーションの開発と配置を行うための最も簡単な方法です。

Visual Studio では、Visual C# または Visual Basic を使用して、マネージ アプリケーションを作成できます。Visual C++ オプション (以前は Microsoft eMbedded Visual C++ 4.0 と呼ばれていました) を使用して、デスクトップ コンピューターおよびデバイス用のネイティブ アプリケーションを作成することもできます。Visual C++ は、Visual Studio 2010 Service Pack 1 でサポートされています。

注意

  • Visual Studio 2010 SP1 は、SQL Server Compact 3.5 SP2 および SQL Server Compact 4.0 のアプリケーションの開発と配置をサポートしています。

  • Windows デスクトップ (Visual Basic または Visual C#) プロジェクト システムの次のデザイナーは、SQL Server Compact 4.0 では使用できません。

    • データセットを構成するために使用されるデータ ソース構成ウィザード。

    • Sync Framework を使用して、データとスキーマを SQL Server と同期するために使用されるデータ構成の構成ウィザード。

    • SQL Server Compact データベースからエンティティを生成するために使用される Entity Data Model ウィザード。

  • Microsoft eMbedded Visual Basic は、SQL Server Compact 4.0 ではサポートされません。

Visual Studio のファイルの場所と説明

次の表は、Visual Studio 2010 Service Pack 1 を使用する際に開発用コンピューターにインストールされる SQL Server Compact ファイルを場所ごとに示しています。これらのファイルおよびフォルダーは、既定では次の場所に作成されます。

  • SQL Server Compact 4.0 では、%ProgramFiles%\Microsoft SQL Server Compact Edition\v4.0\。以下のセットアップは、32 ビットのオペレーティング システムに対応しています。

場所

内容

%ProgramFiles%\Microsoft SQL Server Compact Edition\v4.0

デスクトップ コンピューター用の SQL Server Compact 4.0 DLL である、sqlcecompact40.dll、sqlceca40.dll、sqlceme40.dll、sqlceoledb40.dll、sqlceqp40.dll、および sqlcese40.dll。エラーの説明を提供する DLL である sqlceer40<lang>.dll も、このフォルダーにインストールされます。このエラー説明用 DLL の名前には、EN、FR などのように、言語ごとに異なる 2 文字のサフィックスが含まれています。このフォルダーには、Readme ファイル、使用許諾契約書、Redist_<lang>.txt なども含まれています。このフォルダーには、SQL Server Compact 4.0 Entity Framework 用のマネージ プロバイダー (System.Data.SqlServerCe.Entity.dll) も含まれています。これが、グローバル アセンブリ キャッシュ (GAC) にインストールされているバージョンです。SQL Server Compact を中心に配置するデスクトップ アプリケーションの構築時、またはデバイス アプリケーションの構築時には、このバージョンのエンティティ フレームワーク プロバイダーを使用してください。SQL Server Compact 4.0 以降で、SQL Server Compact をプライベートに配置するデスクトップ アプリケーション用には、%ProgramFiles%\Microsoft SQL Server Compact Edition\v4.0\Private にあるバージョンのプロバイダーを使用してください。

(i)%ProgramFiles%\Microsoft SQL Server Compact Edition\v4.0\Desktop

&

(ii) %ProgramFiles%\Microsoft SQL Server Compact Edition\v4.0\Desktop\System.Data.SqlServerCe.Entity

(i) SQL Server Compact 4.0 for Desktop 用のマネージ プロバイダーである System.Data.SqlServerCe.dll。SQL Server Compact 4.0 以降、このフォルダーには、SQL Server Compact の中心配置を使用するデスクトップ アプリケーションの構築時に使用するマネージ プロバイダーのバージョンが含まれています。これが、GAC にインストールされているバージョンです。SQL Server Compact をプライベートに配置するデスクトップ アプリケーション用には、%ProgramFiles%\Microsoft SQL Server Compact Edition\v4.0\Private にあるバージョンのプロバイダーを使用してください。

&

(ii) SQL Server Compact 4.0 Entity Framework 用のマネージ プロバイダーである System.Data.SqlServerCe.Entity.dll。

%ProgramFiles%\Microsoft SQL Server Compact Edition\v4.0\Private

SQL Server Compact 4.0 for Desktop 用のマネージ プロバイダーである System.Data.SqlServerCe.dll と、SQL Server Compact 4.0 Entity Framework 用のマネージ プロバイダーである System.Data.SqlServerCe.Entity.dll。このフォルダーは、SQL Server Compact 4.0 で導入されました。このフォルダーには、SQL Server Compact のプライベート配置を使用するデスクトップ アプリケーションの構築時に使用するための、これらのプロバイダーのバージョンが含まれています。

(i) %ProgramFiles%\Microsoft SQL Server Compact Edition\v4.0\Desktop\<lang>

&

(ii) %ProgramFiles%\Microsoft SQL Server Compact Edition\v4.0\Desktop\System.Data.SqlServerCe.Entity\<lang>

&

(iii) %Program Files%\Microsoft SQL Server Compact Edition\v4.0\Private\<lang>

(i) マネージ プロバイダーのローカライズされたリソースである System.Data.SqlServerCe.resources.dll。

&

(ii) SQL Server Compact 4.0 Entity Framework のローカライズされたリソースである System.Data.SqlServerCe.Entity.resources.dll。

&

(iii) プライベート配置のために、このフォルダーは SQL Server Compact 4.0 で導入されました。このフォルダーには、SQL Server Compact のプライベート配置を使用するデスクトップ アプリケーションの構築時に使用するローカライズされたリソースである System.Data.SqlServerCe.Entity.resources.dll および System.Data.SqlServerCe.resources.dll が含まれています。

%ProgramFiles%\Microsoft SQL Server Compact Edition\v4.0\Include

SQL Server Compact 4.0 のネイティブ ヘッダー ファイル (sqlce_sync.h、sqlce_err.h、および sqlce_oledb.h)。

%ProgramFiles%\ Microsoft SDKs\Windows\v7.0A\Bootstrapper\Packages\SQL Server Compact Edition 4.0

Visual Studio の ClickOnce 機能を使用してデスクトップ コンピューターに SQL Server Compact 4.0 を配置するための SQL Server Compact 4.0 のファイルを含む一連のフォルダー。

%ProgramFiles%\Microsoft SQL Server Compact Edition\v4.0\Samples

サンプル データベースである Northwind.sdf が含まれます。また、SQL Server Compact 4.0 サンプル MSI によってインストールされるサンプルである NorthwindOLEDB および IBuySpy も含まれます。

次の表は、アプリケーション フォルダー内で SQL Server Compact のプライベート配置に必要な SQL Server Compact 4.0 バイナリの場所の一覧を示しています。

注意

SQL Server Compact 4.0 が 64 ビット コンピューターにインストールされる際に、下記のフォルダーおよびバイナリも %ProgramFiles (x86)%\Microsoft SQL Server Compact Edition\v4.0 フォルダーにインストールされます。

場所

内容

(i) %ProgramFiles%\Microsoft SQL Server Compact Edition\v4.0\Private\x86

&

(ii) %ProgramFiles%\Microsoft SQL Server Compact Edition\v4.0\Private\x86\Microsoft.VC90.CRT

以下のすべてのネイティブ バイナリは、X86 インストールおよび 32 ビット プラットフォームに固有です。

(i) このディレクトリのファイルは、sqlceca40.dll、sqlcecompact40.dll、sqlceer40EN.dll、sqlceme40.dll、sqlceqp40.dll、および sqlcese40.dll です。

&

(ii) CRT ローカル配置バイナリは、さらに 1 つ下のレベルにインストールされます。このディレクトリのファイルは、Microsoft.VC90.CRT.manifest、msvcr90.dll、および Readme_ENU.txt です。

(i) %ProgramFiles%\Microsoft SQL Server Compact Edition\v4.0\Private\amd64

&

(ii) %ProgramFiles%\Microsoft SQL Server Compact Edition\v4.0\Private\amd64\Microsoft.VC90.CRT

以下のすべてのネイティブ バイナリは、amd64 インストールおよび 64 ビット プラットフォームに固有です。

(i) このディレクトリのファイルは、sqlceca40.dll、sqlcecompact40.dll、sqlceer40EN.dll、sqlceme40.dll、sqlceqp40.dll、および sqlcese40.dll です。

&

(ii) CRT ローカル配置バイナリは、さらに 1 つ下のレベルにインストールされます。このディレクトリのファイルは、Microsoft.VC90.CRT.manifest、msvcr90.dll、および Readme_ENU.txt です。

64 ビット コンポーネントの詳細については、「64 ビット データベース アプリケーションの管理」を参照してください。

ClickOnce 配置

ClickOnce は、SQL Server Compact 4.0 でサポートされるソフトウェア インストール技術で、デスクトップ コンピューターにマネージ アプリケーションを配置するために使用します。ClickOnce を使用すると、Web サーバーまたはネットワーク ファイル共有に Windows ベースのアプリケーションを用意しておいて、デスクトップ コンピューターにそのアプリケーションを容易に配置できるようになります。管理者は、サーバー上のファイルを更新するだけでアプリケーションを配置または更新できます。クライアントごとに更新を行う必要はありません。Visual Studio 2010 Service Pack 1 では、ClickOnce によって配置されたアプリケーションのパブリッシュや更新が完全にサポートされます。ClickOnce 配置は、Visual Basic および Visual C# によって作成されたプロジェクトでは使用できますが、Visual C++ では使用できません。

SQL Server Compact 4.0 ランタイムのインストール

Visual Studio 2010 Service Pack 1 のインストール後、SQL Server Compact 4.0 をインストールする必要があります。ランタイムのインストールには、exe ファイルを利用できるようになりました。SQL Server Compact 4.0 のインストールの動作は、オペレーティング システム (OS) によって異なるため、2 つのアーキテクチャ (32 ビットの OS と 64 ビットの OS) のために、2 種類の exe があります。

次の表は、SQL Server Compact 4.0 のインストールの動作を示しています。

SQL Server Compact 4.0

オペレーティング システム

32 ビット

32 ビット

成功

64 ビット

エラー

"エラー" となっている組み合わせでは、以下のエラーが表示されます。

  • 64 ビットの SQL Server Compact アプリケーションを 32 ビットのオペレーティング システムにインストールしようとすると、"このインストール パッケージはこの種類のプロセッサでサポートされていません。プロダクト ベンダーに問い合わせてください。" というエラー メッセージが表示されます。

  • 32 ビットの SQL Server Compact アプリケーションを 64 ビットのオペレーティング システムにインストールしようとすると、"SQL Server Compact x86 インストール パッケージは x64 オペレーティング システムではサポートされていません。SQL Server Compact x64 インストール パッケージを使用してください" というエラー メッセージが表示されます。

コンピューターのアーキテクチャを確認するには、「PC で Windows の 32 ビット版または 64 ビット版のいずれを実行しているのかを調べる」を参照してください。

SQL Server Compact インストーラーを実行するためのコマンド ライン オプション

SQL Server Compact インストーラーには、インストールやその他の操作を行うための、さまざまなコマンド ライン オプションが用意されています。以下の操作を実行できます。

  • インストール

  • 展開

  • 表示

  • ヘルプへのアクセス

  • ログ記録

  • 修復

インストール オプション:

以下のインストール パラメーターを使用できます。

  1. </package | /i> - SQL Server Compact ランタイムをインストールまたは構成します。

  2. /a - 管理用インストールを参照して、製品をネットワーク上にインストールします。

  3. /uninstall - 製品をアンインストールします。

展開オプション:

  • /x[:<パス>] - 指定されたパスに msi を展開します。

表示オプション:

  1. /quiet - 自動モードで、ユーザーの操作が不要です。

  2. /passive - 無人モードで、進行状況バーのみが表示されます。

  3. /q[n|b|r|f] – これらのオプションを使用して、ユーザー インターフェイスのレベルを次のように設定できます。

    • n - UI なし

    • b - 基本 UI

    • r - 簡易 UI

    • f - 完全 UI

インターフェイスのレベルを設定しない場合の既定のレベルは、完全 UI です。

ヘルプ オプション:

  • /help | /?- ヘルプ情報をコンソールに表示します。

ログ記録オプション:

これらのオプションを使用して、任意のメッセージ、警告、またはアクセス記録をログ記録できます。

  • /l[i|w|e|a|r|u|c|m|o|p|v|x|+|!|*] <ログファイル>

    • i - ステータス メッセージ

    • w - 深刻ではない警告

    • e - すべてのエラー メッセージ

    • a - 操作の開始

    • r - 特定の操作の記録

    • u - ユーザーの要求

    • c - UI パラメーターの初期値

    • m - メモリ不足または深刻な異常終了の情報

    • o - ディスク領域不足のメッセージ

    • p - ターミナルのプロパティ

    • v - 詳細出力

    • x - 詳細デバッグ情報

    • + - 既存のログ ファイルに追加

    • ! - 各行をログにフラッシュ

    • * - すべての情報 (v および x オプション以外) をログ記録

    • /log <ログファイル> - /l* <ログファイル> と同じ

修復オプション:

さまざまな障害の可能性に対応して、以下の修復オプションを使用できます。

  • /f[p|e|c|m|s|o|d|a|u|v]: 以下のように、製品を修復します。

    • p - ファイルが見つからない場合のみ

    • o - ファイルが見つからないか、古いバージョンがインストールされている場合 (既定)

    • e - ファイルが見つからないか、同じまたは古いバージョンがインストールされている場合

    • d - ファイルが見つからないか、別のバージョンがインストールされている場合

    • c - ファイルが見つからないか、チェックサムが計算された値と一致しない場合

    • a - すべてのファイルを強制的に再インストール

    • u - すべての必須のユーザー固有レジストリ エントリ (既定)

    • m - すべての必須のコンピューター固有レジストリ エントリ (既定)

    • s - すべての既存のショートカット (既定)

    • v - ソースから実行してローカル パッケージを参照

関連項目

参照

アプリケーションの配置 (SQL Server Compact)

概念

ネイティブ アプリケーションの構築 (SQL Server Compact)

その他の技術情報

マネージ アプリケーションの構築 (SQL Server Compact)