Business Intelligence Development Studio の Analysis Services

Business Intelligence Development Studio は、SQL Server 2005 Analysis Services (SSAS) のオンライン分析処理 (OLAP) キューブやデータ マイニング モデルを開発するための環境です。Business Intelligence Development Studio は、ビジネス インテリジェンス ソリューション向けの拡張機能が追加された Microsoft Visual Studio 2005 環境です。Visual Studio 2005 の [新しいプロジェクト] ダイアログ ボックスを使用して新しい Analysis Services プロジェクトを作成すると、Business Intelligence Development Studio が開きます。Business Intelligence Development Studio の全般的な機能の詳細については、「Business Intelligence Development Studio の紹介」を参照してください。

Business Intelligence Development Studio には、Analysis Services プロジェクトに関する作業や、Analysis Services プロジェクトの Reporting Services および Integration Services との統合を可能にする、いくつかの機能が用意されています。このトピックでは、それらの機能について説明します。

ms173709.note(ja-jp,SQL.90).gifメモ :
Analysis Services プロジェクト用の 32 ビット開発環境である BI Development Studio は、IA64 64 ビット アーキテクチャでの実行用にはデザインされておらず、IA64 サーバーにインストールされません。

Business Intelligence Development Studio のデザイン画面は、Analysis Services で作業するオブジェクトに合わせて個別に用意されています。たとえば、データ マイニング モデルを扱うには、データ マイニング デザイナと呼ばれるデザイナを使用します。また、キューブを扱うには、キューブ デザイナと呼ばれるデザイナを使用します。デザイン画面の右側にあるソリューション エクスプローラでは、デザイン画面の間の移動や、プロジェクト内のアイテムの管理を行うためのメカニズムが提供されます。Business Intelligence Development Studio には、配置の進行状況を表示する配置ウィンドウと、選択されたオブジェクトのプロパティを変更できるプロパティ ウィンドウも含まれています。これらのデザイン画面で作業する方法の詳細については、チュートリアルの「SQL Server 2005 Analysis Services のチュートリアル」と「データ マイニングのチュートリアル」を参照してください。

ms173709.note(ja-jp,SQL.90).gif重要 :
ユーザー インターフェイス内でラベルやオブジェクトを右クリックしたときに表示されるショートカット メニューでは、新しい便利なアクションを多数使用できます。このトピックで説明されている Business Intelligence Development Studio と Analysis Services の機能を調べるときには、さまざまなアイテムを右クリックして、これらのオプションを確認するようにしてください。

以下のセクションでは、Analysis Services に固有の Business Intelligence Development Studio コンポーネントについて説明します。

  • ソリューション エクスプローラ
  • デザイナ
  • メニュー
  • [ツール] メニューの [オプション]

Analysis Services ソリューション エクスプローラ

ソリューション エクスプローラを使用すると、プロジェクトのさまざまなコンポーネント間を移動できます。フォルダ内のアイテムをダブルクリックすると、それに関連したデザイナが開きます。フォルダを右クリックすると、新しいアイテムをフォルダに追加できます。

新しい Analysis Services プロジェクトを開く場合、ソリューション エクスプローラには、以下のプロジェクト アイテムが含まれています。

  • [データ ソース] フォルダ。データ ソースは、プロジェクト内の OLAP キューブやデータ マイニング モデルによって共有できる接続を表します。詳細については、「データ ソース ウィザードを使用したデータ ソースの定義」を参照してください。
  • [データ ソース ビュー] フォルダ。データ ソース ビューは、データ ソース内のデータのサブセットを表します。これには、名前付きクエリや名前付き計算を含めることができます。データ ソース ビューは、プロジェクト内の複数の OLAP キューブとデータ マイニング モデルによって共有することもできます。データ ソース ビューのテーブル、ビュー、または名前付きクエリは、OLAP キューブまたはデータ マイニング モデルに対するデータ ソースとして指定できます。詳細については、「データ ソース ビュー ウィザードを使用したデータ ソース ビューの定義」を参照してください。
  • [キューブ]。キューブは、メジャー グループにグループ化され、ディメンションによって階層的に編成されるメジャーのセットを表します。キューブは通常、OLTP データベース、データ ウェアハウス、データ マートなどのリレーショナル データ ソースから取得するデータによって構築されます。詳細については、「キューブとキューブのプロパティの定義および構成」を参照してください。
  • [ディメンション]。ディメンションは、キューブ内のデータを編成するために Analysis Services で使用されます。ディメンションは、階層と属性の組み合わせを使用して、キューブ内の分類レベルを表現します。詳細については、「ディメンション、属性、階層の定義と構成」を参照してください。
  • [マイニング構造]。マイニング構造は、マイニング モデルの作成の基になるデータ ドメインを定義します。1 つのマイニング構造には、同じドメインを共有する複数のマイニング モデルを含めることができます。詳細については、「データ マイニングの操作」を参照してください。
  • [ロール]。ロールは、OLAP とデータ マイニング オブジェクトおよびデータのセキュリティを管理するために Analysis Services で使用されます。詳細については、「ロール (Analysis Services)」を参照してください。
  • [アセンブリ]。Analysis Services には、Analysis Services インスタンスやデータベースにアセンブリを追加する機能があります。アセンブリでは、共通言語ランタイム (CLR) 言語、または任意のコンポーネント オブジェクト モデル (COM) オートメーション言語を使用して、外部のユーザー定義関数を作成することができます。詳細については、「アセンブリ (Analysis Services)」を参照してください。
  • [その他] フォルダ。ドキュメントや画像など、その他の種類のファイルを Analysis Services プロジェクトに追加すると、それらのファイルは [その他] フォルダにグループ化されます。

Analysis Services デザイナ

Business Intelligence Development Studio では、Analysis Services プロジェクトで以下のデザイナを使用できます。デザイナを使用するには、ソリューション エクスプローラで関連するプロジェクト アイテムを開きます。

  • データ ソース ビュー デザイナ。データ ソース ビュー デザイナは、オブジェクトの追加と削除、論理主キー列の指定、テーブル間のリレーションシップの定義、テーブルと他のテーブルまたは名前付きクエリとの置換、およびデータ ソース ビュー内の既存のテーブルへの名前付き計算の追加を行うために使用できる環境を提供します。詳細については、「データ ソース ビューでのテーブルまたはビューの追加または削除」、「データ ソース ビューにおけるデータ ソース ビュー、DataTable、および DataColumn プロパティの表示または変更」、および「レッスン 3 : メジャー、属性、および階層の修正」を参照してください。
  • キューブ デザイナ。キューブ デザイナは、キューブや、キューブ内のオブジェクトを構成するための環境を提供します。国際化対応アプリケーション用に、Analysis Services オブジェクトの翻訳を追加することができます。処理済みのキューブの場合、キューブ構造を参照し、データを表示することができます。詳細については、「[キューブ デザイナ] (SSAS)」を参照してください。
  • ディメンション デザイナ。ディメンション デザイナは、ディメンションや、ディメンション内のオブジェクトを構成するための環境を提供します。国際化対応アプリケーション用に、ディメンション メタデータの翻訳を追加することができます。処理済みのディメンションの場合、ディメンション構造を参照し、データを表示することができます。詳細については、「ディメンション デザイナ (SSAS)」を参照してください。
  • データ マイニング デザイナ。データ マイニング デザイナは、データ マイニング モデルの作成、探索、操作に使用できる環境を提供します。詳細については、「データ マイニング デザイナ」を参照してください。

Analysis Services メニュー

Business Intelligence Development Studio には、Analysis Services プロジェクトで使用できる、以下のカスタム メニュー項目が含まれています。

  • [データベース][データベース] メニュー オプションは、現在の Analysis Services プロジェクトに関連付けられている Analysis Services データベースに変更を加えるために使用します。詳細については、「Analysis Services データベースの操作」を参照してください。
  • [キューブ][キューブ] メニュー オプションは、キューブ デザイナ内を移動したり、ソリューション エクスプローラで選択されているキューブに固有の操作を実行したりするために使用します。詳細については、「キューブとキューブのプロパティの定義および構成」を参照してください。
  • [ディメンション]。[ディメンション] メニュー オプションは、ディメンション デザイナ内を移動したり、ソリューション エクスプローラで選択されているディメンションを処理したりするために使用します。詳細については、「ディメンション、属性、階層の定義と構成」を参照してください。
  • [マイニング モデル]。[マイニング モデル] メニュー オプションは、データ マイニング デザイナ内を移動したり、デザイナで選択されているタブやオプションに固有のタスクを実行したりするために使用します。詳細については、「データ マイニングの操作」を参照してください。
ms173709.note(ja-jp,SQL.90).gifメモ :
メニュー項目のすべての機能が使用できるのは、関連するプロジェクト アイテムがソリューション エクスプローラで選択されている場合に限られます。

Analysis Services ツールおよびオプション

[オプション] ダイアログ ボックスで、Analysis Services に固有の以下のオプションを設定できます。[オプション] ダイアログ ボックスにアクセスするには、[ツール] メニューの [オプション] をクリックします。

  • [接続タイムアウト] と [クエリ タイムアウト]。Analysis Services インスタンスに接続する際の既定のタイムアウトと、Analysis Services インスタンスに対してクエリを実行する際の既定のタイムアウトを設定するために使用します。タイムアウトは秒単位で指定します。
  • [配置サーバーの既定のエディション]。プロジェクトを配置するサーバーのエディションを設定し、新しいプロジェクトを作成する際の既定値を調整するために使用します。このプロパティに基づいて、エディションに固有のデザイナの検証が行われます。以下のいずれかのオプションを選択できます。
    • Developer
    • Enterprise
    • Evaluation
    • Standard
  • [既定の対象サーバー]。新しいプロジェクトの既定のサーバーを指定します。
  • [データ マイニング ビューア]。データ マイニング ビューアで使用する既定の色を調整するために使用します。

参照

概念

Business Intelligence Development Studio の紹介
ソリューション、プロジェクト、および項目の紹介

その他の技術情報

SQL Server Management Studio の概要

ヘルプおよび情報

SQL Server 2005 の参考資料の入手