レポートへのデータの追加 (レポート ビルダー 3.0 および SSRS)

データをレポートに追加するには、データセットを作成します。それぞれのデータセットは、データ ソースに対してクエリ コマンドを実行することによって取得された結果セットを表します。結果セット内の列は、フィールドのコレクションです。結果セット内の行は、データです。データセットには、実際のデータは含まれていません。データセットには、データ ソースから特定のデータのセットを取得するために必要な情報が含まれています。

データセットには、埋め込みと共有の 2 種類があります。埋め込みデータセットは、レポート内で定義され、そのレポートでのみ使用されます。共有データセットは、レポート サーバーまたは SharePoint サイトで定義され、複数のレポートで使用できます。レポート ビルダーでは、共有データセット モードで共有データセットを、レポート デザイナー モードで埋め込みデータセットを作成できます。Business Intelligence Development Studio のレポート デザイナーでは、プロジェクトの一部として共有データセットを、レポートの一部として埋め込みデータセットを作成できます。

  • 埋め込みデータセット。   ワークシート内で直接データを操作する Microsoft Office Excel などのアプリケーションとは異なり、レポート ビルダーまたはレポート デザイナーでは、レポートが処理されたときに取得されるデータを表すメタデータを操作します。埋め込みデータセットを作成するには、データのソースを選択し、クエリを指定します。データセットを作成した後は、レポート データ ペインを使用してフィールド コレクションを表示します。データセットのデータは、テーブルやグラフなどのデータ領域に表示できます。それぞれのデータ領域では、グループ化、フィルター処理、および並べ替えを行ってデータを整理できます。レポートのレイアウトをデザインしたら、レポートを実行して実際のデータを表示します。

    次の図のレポート データ ペインには、AdventureWorks2008R2 という名前のデータ ソース、DataSet1 という名前のデータセット、データセット フィールド コレクション内の 5 つのフィールドが表示されます。レイアウト ペインには、最上部の行が列ヘッダーで、最下部の行にテキストを含むテーブル セルが含まれるテーブルが表示されます。プレースホルダー テキスト [Name] は、フィールド Name のメタデータです。レポートを実行すると、プレースホルダー テキストは実際のデータ値に置き換えられます。テーブルは、すべてのデータを表示するために、必要に応じて拡張されます。

    [デザイン] ビュー : レポート データ ペイン、レイアウト ペイン、プレビュー ペイン

  • 共有データセット。   1 つのデータセットを複数のレポートで使用する場合は、共有データセットを作成します。共有データセットを作成してレポート サーバーまたは SharePoint サイトに保存するには、レポート ビルダーを共有データセット デザイン ビューで使用します。サーバーまたはサイトに配置できるプロジェクトの一部として共有データセットを作成するには、レポート デザイナーを使用します。

    次の図に、レポート ビルダーの共有データセット デザイン ビューを示します。ここでは、データ接続、データセット プロパティ、クエリ、フィルターを選択または変更し、必要に応じてフィルターをパラメーターとしてマークし、クエリ結果を表示できます。変更内容は、サーバーまたはサイトに保存します。

    共有データセット デザイン ビューのレポート ビルダー

詳細については、「埋め込みデータセットと共有データセット (レポート ビルダー 3.0 および SSRS)」および「埋め込みデータ接続/データ ソースおよび共有データ接続/データ ソース (レポート ビルダー 3.0 および SSRS)」を参照してください。

また、依存するデータセットを含むレポート パーツを追加することによって、データセットをレポートに追加することもできます。レポート パーツは自己完結型のレポート アイテムで、レポート サーバーに保存され、他のレポートに含めることができます。レポート パーツ ギャラリーでパーツを参照し、選択したパーツをレポートに追加するには、レポート ビルダーを使用します。レポート パーツをレポート パーツ ギャラリーで使用できるように保存するには、レポート デザイナーまたはレポート ビルダーを使用します。詳細については、microsoft.com Web サイトの「レポート パーツ (レポート ビルダー 3.0 および SSRS)」および「レポート デザイナーでのレポート パーツ (SSRS)」を参照してください。

SQL Server データベースのデータを表示するレポートの作成方法については、「チュートリアル : 基本的なテーブル レポートの作成 (レポート ビルダー 3.0)」を参照してください。独自のデータを含むレポートを作成する方法については、「チュートリアル : オフラインでのクイック グラフ レポートの作成 (レポート ビルダー 3.0)」を参照してください。

注意

レポート定義 (.rdl) は、Business Intelligence Development Studio のレポート ビルダー 3.0 およびレポート デザイナーで作成および変更できます。これらの作成環境では、レポートおよび関連アイテムの作成方法、開く方法、および保存方法が異なります。詳細については、microsoft.com Web サイトの「レポート デザイナーとレポート ビルダー 3.0 でのレポートのデザイン (SSRS)」を参照してください。

この記事の内容

レポート データの追加

レポート パーツを含むデータの追加

クエリとクエリ デザイナー

操作方法に関するトピック

このセクションの内容

レポート データの追加

レポート ビルダーでは、レポート データを次の方法で追加できます。

  • レポート パーツをレポート サーバーからレポートに追加します。各レポート パーツは自己完結型で、依存データセットを含んでいます。データセットは事前に定義されています。

  • テーブル/マトリックス、グラフ、マップの各種ウィザードを使用します。ウィザードからは、共有データ ソースと共有データセットを選択するか、または新しいデータセットを作成し、レポートのデザインを続行できます。

  • レポート サーバーから共有データセットを追加します。共有データセットは事前に定義されており、事前に定義されたデータ ソースから使用するデータを指定します。共有データセットをレポートに追加したら、共有データセット定義を指すデータセット参照を追加します。

レポート ビルダーまたはレポート デザイナーでは、データを次の方法で追加できます。

  • 共有データ ソースに基づいた埋め込みデータ セットを追加します。

  • 埋め込みデータ ソースに基づいた埋め込みデータ セットを追加します。

注意

レポート サーバーでは、共有アイテムは、個別に、またはパブリッシュされるフォルダーから権限を継承することによって、セキュリティで保護されます。保存した共有データセットに他のユーザーがアクセスできるようにするには、権限を付与する方法を理解する必要があります。詳細については、「セキュリティ (レポート ビルダー 3.0)」または「共有データセット アイテムのセキュリティ保護」を参照してください。

レポートにデータを追加した後、データ領域によるレポート ページのデータの編成、レポート パーツの変更、他のユーザーとの変更内容の共有、レポートに表示されるデータの制限または並べ替えを行うことができます。詳細については、次の関連項目を参照してください。

[トップに戻る] リンクで使用される矢印アイコントップに戻る

レポート パーツを含むデータの追加

レポート パーツには、そのレポート パーツが依存するデータセットが含まれています。これらのデータセットは、レポート サーバーで使用可能な共有データ ソースに基づいて構築されます。レポート ビルダーで、レポート パーツをレポートに追加すると、手動で追加した場合と同様に、依存データセットもレポートに追加されます。たとえば、事前に定義されたグラフにデータセットが含まれているとします。データを表示するには、レポートをプレビューします。

注意

レポート パーツは自己完結型のレポート アイテムで、レポート サーバーに保存され、他のレポートに含めることができます。レポート パーツ ギャラリーでパーツを参照し、選択したパーツをレポートに追加するには、レポート ビルダーを使用します。レポート パーツをレポート パーツ ギャラリーで使用できるように保存するには、レポート デザイナーまたはレポート ビルダーを使用します。詳細については、microsoft.com Web サイトの「レポート パーツ (レポート ビルダー 3.0 および SSRS)」および「レポート デザイナーでのレポート パーツ (SSRS)」を参照してください。

レポート パーツ、共有データ ソース、共有データセットは事前に定義され、レポート サーバーに保存されます。これらにアクセスするには、レポート サーバーに接続して、サーバー モードでレポート ビルダーを開く必要があります。レポート サーバーに対する書き込み権限を持っている場合は、これらを使用して独自の新しいバージョンを作成できます。

[トップに戻る] リンクで使用される矢印アイコントップに戻る

クエリとクエリ デザイナー

データ ソースから取得するデータを指定するには、クエリ コマンドを作成します。データ ソースの種類ごとに、クエリの作成に役立つクエリ デザイナーが関連付けられています。クエリ デザイナーには、グラフィカルなものとテキスト ベースのものがあります。グラフィカル クエリ デザイナーでは、外部データ ソースでデータを表すメタデータを表示し、フィールドやエンティティをクエリ デザイン領域にドラッグしてクエリを対話的に構築します。テキスト ベースのクエリ デザイナーでは、外部データ ソースによってサポートされるクエリ構文でクエリを書き込んだりインポートしたりします。

クエリ デザイナーで、サンプル データを表示し、クエリ コマンド構文を検証するクエリを実行できます。結果セットの列名は、レポート データ ペインに表示されるフィールド名になります。結果セットは、データの各行の値の数と同じ数の列と行を持つ、1 つの行セットです。1 つのクエリからの複数の結果セットはサポートされていません。一定の数の列を含まず、各行で異なる数のデータ値を生成する可能性がある不規則階層は、サポートされていません。

クエリを実行するには、デザイン時の資格情報が必要です。詳細については、「レポート ビルダー 3.0 での資格情報の指定」および「データ接続、データ ソース、および接続文字列 (SSRS)」を参照してください。

データ拡張機能と外部データ ソース間の通信は、データ プロバイダーによって処理されます。サポートされているクエリ コマンド構文、クエリ パラメーター、結果セット内の値のデータ型は、各データ プロバイダーによって決まります。詳細については、データ拡張機能の特定の型についてのトピックおよび「クエリ デザイナー (レポート ビルダー 3.0)」を参照してください。

[トップに戻る] リンクで使用される矢印アイコントップに戻る

操作方法に関するトピック

データ接続またはデータ ソースの追加および確認を行う方法 (レポート ビルダー 3.0 および SSRS)

共有データセットまたは埋め込みデータセットを作成する方法 (レポート ビルダー 3.0 および SSRS)

レポート データ ペインでフィールドを追加、編集、更新する方法 (レポート ビルダー 3.0 および SSRS)

リレーショナル クエリ デザイナーでクエリを作成する方法 (レポート ビルダー 3.0 および SSRS)

多次元データのパラメーター値の非表示のデータセットを表示する方法 (レポート ビルダー 3.0 および SSRS)

データセットにフィルターを追加する方法 (レポート ビルダー 3.0 および SSRS)

データ領域にデータがないことを示すメッセージを設定する方法 (レポート ビルダー 3.0 および SSRS)

クエリ パラメーターをレポート パラメーターに関連付ける方法 (レポート ビルダー 3.0 および SSRS)

Analysis Services の MDX クエリ デザイナーでパラメーターを定義する方法 (レポート ビルダー 3.0 および SSRS)

[トップに戻る] リンクで使用される矢印アイコントップに戻る