Office UI のカスタマイズ
更新 : 2008 年 7 月
Visual Studio Tools for Office を使用すると、Microsoft Office アプリケーションのユーザー インターフェイス (UI) をプログラムでカスタマイズできます。カスタマイズできる UI 機能は次のとおりです。
操作ウィンドウとカスタム作業ウィンドウ
ドキュメントのコントロール
カスタム リボン UI
Outlook フォーム領域
スマート タグ
メニューとツール バー
ショートカット メニュー
UI 機能の比較
Microsoft Office プロジェクトでカスタマイズできる主な UI 機能の比較を次の表に示します。
機能 |
サポートされているプロジェクトの種類 |
サポートされている Microsoft Office アプリケーション |
コンポーネントにコントロールを含めることができるか |
|---|---|---|---|
操作ウィンドウ |
ドキュメント レベルのカスタマイズ |
Excel 2003 Excel 2007 Word 2003 Word 2007 |
可能、Windows フォーム コントロール |
カスタム作業ウィンドウ |
アプリケーション レベルのアドイン |
Excel 2007 InfoPath 2007 Outlook 2007 PowerPoint 2007 Word 2007 |
可能、Windows フォーム コントロール |
Outlook フォーム領域 |
アプリケーション レベルのアドイン |
Outlook 2007 |
可能、Windows フォーム コントロールまたは専用の Outlook コントロール |
カスタム リボン UI |
ドキュメント レベルのカスタマイズ アプリケーション レベルのアドイン |
Excel 2007 Outlook 2007 PowerPoint 2007 Word 2007 |
可能、専用のリボン コントロール |
ドキュメントのコントロール |
ドキュメント レベルのカスタマイズ アプリケーション レベルのアドイン (Visual Studio 2008 Service Pack 1 以降) |
Excel 2007 Word 2007 |
可能、Windows フォーム コントロールおよびホスト コントロール |
スマート タグ |
ドキュメント レベルのカスタマイズ アプリケーション レベルのアドイン (Visual Studio 2008 SP1 以降) |
Excel 2003 Excel 2007 Word 2003 Word 2007 |
なし |
メニューとツール バー |
ドキュメント レベルのカスタマイズ アプリケーション レベルのアドイン |
Excel 2003 Outlook 2003 PowerPoint 2003 Project 2003 Visio 2003 Word 2003 |
メニューにコントロールを追加することはできません。 ツール バーにボタンを追加できます。 |
操作ウィンドウとカスタム作業ウィンドウ
作業ウィンドウとは、Microsoft Office アプリケーション ウィンドウのいずれかの端に通常ドッキングされているユーザー インターフェイス パネルです。ほとんどすべての Microsoft Office アプリケーションには、作業ウィンドウが組み込まれています。作業ウィンドウの例として、Word のヘルプ作業ウィンドウがあります。
Visual Studio Tools for Office には、作業ウィンドウをカスタマイズするための次の 2 種類の方法が用意されています。
操作ウィンドウは、ドキュメント レベルのカスタマイズに追加できます。既定では、操作ウィンドウはアプリケーションの右側、つまり文書の右端に表示されますが、文書の左、上、または下に表示することもできます。
カスタム作業ウィンドウは、2007 Microsoft Office system のアプリケーション レベルのアドインに追加できます。ユーザーは、カスタム作業ウィンドウをアプリケーション ウィンドウの別の端にドッキングしたり、ウィンドウ上の任意の場所にドラッグしたりできます。
操作ウィンドウおよびカスタム作業ウィンドウは、データ入力などのユーザーの作業を支援するさまざまなコントロールをホストすることにより、機能を追加します。ツール バーに比べ、操作ウィンドウやカスタム作業ウィンドウにはテキストとコントロールを格納する大きな領域があります。
操作ウィンドウの詳細については、「操作ウィンドウの概要」を参照してください。カスタム作業ウィンドウの詳細については、「カスタム作業ウィンドウの概要」を参照してください。
スマート タグ
スマート タグとは、付随するタイプ情報を持つ文字列です。指定の基準に一致する文字列がドキュメントに存在すると認識され、ユーザーはそのタイプの文字列に対応するアクションを実行できます。たとえば、株式銘柄記号を認識するスマート タグを作成するとします。ユーザーが大文字で 4 文字の文字列を入力した場合に、インターネットで株価を参照するなど株式に関連するアクションの一覧を表示するように設定できます。
Visual Studio Tools for Office では、ドキュメント レベルのカスタマイズの一部である Word 文書や Excel ブックにスマート タグを追加できます。SP1 以降、アプリケーション レベルのプロジェクトを使用して、スマート タグを任意の開いている文書またはブックに追加できます。
詳細については、「スマート タグの概要」を参照してください。
Outlook フォーム領域
カスタム機能を標準の Microsoft Office Outlook 2007 フォームに追加するには、フォーム領域を使用します。追加のフィールドやコントロールで既存のフォームを拡張したフォーム領域を作成できます。Visual Studio Tools for Office を使用して新しいフォーム領域を作成する場合、フォーム領域では Windows フォーム コントロールのみを使用できます。Outlook でデザインしたフォーム領域をインポートした場合は、ネイティブの Outlook コントロールのみを使用できます。
Outlook UI の異なる領域を占有するフォーム領域を作成できます。たとえば、隣接するフォーム領域は、フォームの最初のページの一番下に表示され、隣接する各フォーム領域は折りたたむことができます。また、個別のフォーム領域を追加することもできます。このフォーム領域は完全なフォーム ページとして追加され、既存の標準フォームまたはカスタム フォーム上に表示できます。
詳細については、「Outlook フォーム領域の作成」を参照してください。
ドキュメントのコントロール
Word 文書や Excel ワークシートにはさまざまなコントロールを追加できます。たとえば、ユーザーが標準形式の日付を入力できるよう文書に日付選択コントロールを追加したり、データベースにデータを送信するためのボタンをワークシートに配置したりします。
Excel と Word のドキュメント レベル プロジェクトを開発するとき、Visual Studio デザイナを使用してデザイン時にプロジェクト内の文書またはブックに Windows フォーム コントロールを追加したり、実行時にこれらのコントロールをプログラムで追加したりできます。SP1 以降では、Excel や Word のアプリケーション レベルのプロジェクトの開発において、実行時に任意の開いている文書やブックにコントロールを追加できるようになりました。
詳細については、「ホスト項目とホスト コントロールの概要」および「Office ドキュメントでの Windows フォーム コントロールの概要」を参照してください。
カスタム リボン UI
リボン UI をカスタマイズして、2007 Microsoft Office system のアプリケーションに追加する機能を公開できます。リボンとは、関連するコマンドを見つけやすいように、コントロールの形式で整理するための手段です。独自のリボン タブやリボン グループを作成して、ソリューションに追加する機能にユーザーがアクセスできるようにすることができます。以前のバージョンの Microsoft Office system で、メニューやツール バーを使用してアクセスしていたほとんどの機能には、このリボンを使用してアクセスできます。
詳細については、「リボンの概要」を参照してください。
メニュー
Visual Studio Tools for Office ソリューションのメニュー バーにメニューを追加したり、そのメニュー用にカスタマイズしたキャプションを作成したりできます。新規または既存のメニューに対して、メニュー コマンドを追加および削除できます。ただし、カスタマイズはプログラムで行う必要があります。Visual Studio からデザイン時にメニューまたはメニュー バーを変更することはできません。詳細については、「方法 : Office メニューをプログラムで作成する」を参照してください。
ツール バー
Visual Studio Tools for Office ソリューションにツール バーを追加することにより、ユーザーがツールやその他のドキュメント機能やブック機能に簡単にアクセスできるようになります。組み込みのツール バーの場合と同じように、ボタンの追加や削除によってツール バーをカスタマイズできます。また、ツール バーの位置やドッキングのプロパティをコードを使ってカスタマイズすることもできます。カスタマイズはプログラムで行う必要があります。Visual Studio からデザイン時にツール バーを変更することはできません。詳細については、「方法 : Office ツール バーをプログラムで作成する」を参照してください。
ショートカット メニュー
ショートカット メニューは、Word の文書や Excel のワークシートで右クリックしたときに表示されます。ユーザーがドキュメント、ブック、またはホスト コントロールを右クリックした場合など、ドキュメント内でイベントが発生した場合にショートカット メニューが表示されるように設定できます。メイン メニュー バーのメニューの場合と同じように、さまざまなメニュー コマンドを追加できます。ショートカット メニューの位置やサイズを変更するには、コードを使用します。詳細については、「チュートリアル : ブックマークのショートカット メニューの作成」を参照してください。
参照
処理手順
方法 : アドインのユーザー インターフェイス エラーを表示する
チュートリアル : Windows フォームを使用してデータを収集する方法
概念
Office ソリューションでの WPF コントロールの使用
履歴の変更
日付 |
履歴 |
理由 |
|---|---|---|
2008 年 7 月 |
アプリケーション レベルのアドインを使用したドキュメントへのマネージ コントロールおよびスマート タグの追加に関する情報を追加 |
SP1 機能変更 |