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カスタマイズの詳細手順

テンプレートを使用して作成するすべてのチーム プロジェクトがチームまたは組織で使用するビジネス プロセスに従うようにするには、プロセス テンプレートをカスタマイズします。以前のリリースから Visual Studio Team Foundation Server をアップグレードし、引き続き使用する既存のプロセス テンプレートに変更を加えた場合、プロセス テンプレートをカスタマイズする場合があります。新しいプロセス テンプレートに対するこれらの変更を追加または現在のリリースに用意されている機能を追加するために古いテンプレートをカスタマイズする場合があります。

プロセス テンプレートをカスタマイズするには、まず、既存または空のプロセス テンプレートをダウンロードし、ファイルを変更または追加して、プロセス テンプレート ファイルをアップロードします。次に、変更を検証します。次の図に、プロセス テンプレートのカスタマイズで実行する主な 5 つのタスクの順序を示します。

プロセス テンプレートのカスタマイズ ワークフロー

プロセス テンプレートのカスタマイズは、反復的作業です。プロセス テンプレートが正しくカスタマイズされているかどうかを確認するには、そのプロセス テンプレートをテストできる Team Foundation Server を実行しているサーバーで定義されたチーム プロジェクト コレクションが必要です。

ここでは、プロセス テンプレートをカスタマイズするアクティビティをサポートするために推奨される手順の順序および操作上のヒントを示します。

[!メモ]

現在のリリースの Team Foundation Server にアップグレードすると、Team Foundation Server と共にインストールされていた Microsoft Solutions Framework (MSF) プロセス テンプレートが新しいバージョンに置き換えられます。古いテンプレートをカスタマイズして同じ名前で保存していた場合、アップグレードの前にダウンロードしておかないと、新しいバージョンで置き換えられ、カスタマイズが失われます。

カスタマイズされたプロセス テンプレートを更新して、最新バージョンの MSF テンプレートに基づくようにする場合は、手動で更新を行う必要があります。詳細については、「カスタマイズされたプロセス テンプレートの更新による新機能の利用」を参照してください。

1.プロセス テンプレートの選択とダウンロード

プロセス テンプレートをカスタマイズする場合は、まず、カスタマイズするプロセス テンプレートを選択します。必要な変更を最小限にするには、チーム プロセスに最も近いテンプレートを選択する必要があります。通常は、作業項目とワークフローの種類に基づいてプロセス テンプレートを選択します。Microsoft Solutions Framework (MSF) のプロセス テンプレートの比較については、「プロセス テンプレートの選択」を参照してください。

MSF プロセス テンプレートおよび Microsoft のパートナーから提供されている追加のテンプレートの詳細については、Microsoft Web サイトの「プロセス テンプレートとツール」を参照してください。

カスタマイズのベースとして使用する既存のプロセス テンプレートをダウンロードします。カスタマイズの程度に応じて、空のテンプレートまたは完全にデザインされたテンプレートをダウンロードできます。プロセス テンプレートをダウンロードするには、プロセス テンプレート マネージャーを使用します。詳細については、「カスタマイズの詳細手順」を参照してください。

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2.プロセス テンプレートのカスタマイズ

プロセス テンプレートのカスタマイズを開始する前に、次のセクションを参照して、その他の指針、推奨される順序、および便利なツールについて確認してください。

  • プロセス テンプレートの変更の計画

  • ファイルの変更またはプロセス エディターの使用

  • 作業の追跡用のオブジェクトの作成またはカスタマイズ

  • プラグイン ファイルのカスタマイズ

  • ルート プロセス テンプレート ファイルのカスタマイズ

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ms243882.collapse_all(ja-jp,VS.110).gifプロセス テンプレートの変更の計画

プロセス テンプレートはチームのプロセスのさまざまな構成要素に関連するので、加える変更を計画、調整、および追跡することをお勧めします。特に、作業項目トラッキング、レポート、Team Foundation ビルド、Team Foundation バージョン管理、Microsoft Test Manager、および Visual Studio Lab Management を変更する前にプロジェクト リーダー、テスト リーダー、開発リーダー、およびリリース マネージャーに確認することをお勧めします。

作業を追跡するためのカスタマイズの指針とカスタマイズできるオブジェクトの概要については、「プロジェクトの追跡データ、フォーム、ワークフロー、その他のオブジェクトのカスタマイズ」を参照してください。便利なチェックリストについては、「チェック リスト: プロセス テンプレートの計画と変更履歴の記録」を参照してください。

また、次の注意事項とヒントを確認してください。

  • ほとんどの Team Foundation オブジェクトの名前またはラベルに制限事項が適用されます。プロセス テンプレート、セキュリティ グループ、区分ノードとイテレーション ノード、作業項目の種類、および作業項目フィールドに適用される名前付けの制限事項の概要については、「Team Foundation の名前付けの制限事項」を参照してください。

  • カスタマイズするほとんどのプロセス テンプレート コンポーネントは、プロセス テンプレートを使用して作成したチーム プロジェクトにのみ影響します。この規則の例外は、作業項目の種類に対して定義されているグローバル リスト、リンクの種類、および作業項目フィールドです。これらのオブジェクトは、チーム プロジェクト コレクションに対して定義されます。

  • チーム プロジェクトを作成した後は、プロセス テンプレートのほとんどの機能領域を変更できます。変更できない領域は、テスト ランナーおよび Microsoft Test Manager によって使用されるテスト解決状態だけです。詳細については、「テスト マネージャーの初期構成の定義」を参照してください。

  • 初めてプロセス テンプレートをカスタマイズするときは、わずかな変更のみを行います。変更がテンプレートに及ぼす影響を十分に理解しないまま大量の変更を行うと、複数の誤りが発生する可能性があり、デバッグが困難になります。

  • プロセス テンプレートの最大サイズは 2 GB です。プロセス テンプレートをカスタマイズするときには、変更によってサイズがこの値を超えないよう注意してください。

  • 作業項目の種類を追加または変更することに重点を置いている場合は、プロセス テンプレート全体を変更せずにこの操作を実現できます。既存のチーム プロジェクトを使用して変更を追加およびテストできます。witadmin exportwitimportwitd のコマンドライン ツールを使用すると、作業項目の種類の XML 定義ファイルをダウンロードおよびアップロードできます。

    詳細については、「作業項目の種類の追加とカスタマイズ」および「作業項目の種類のカスタマイズおよび管理 [witadmin]」を参照してください。

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ms243882.collapse_all(ja-jp,VS.110).gifファイルの変更またはプロセス エディターの使用

プロセス テンプレートをカスタマイズするには、1 つ以上のプロセス テンプレート ファイルを変更して、チーム プロジェクト コレクションへのファイルのアップロードを指定するタスクを追加または削除します。プロセス テンプレート ファイルを変更する際は、プラグイン要素間に存在する依存関係とオブジェクトおよび作業項目フィールドの名前付けに関する制限事項の依存関係を理解しておく必要があります。

軽微な変更を行う場合、XML 形式を使い慣れているときは、メモ帳などのテキスト エディターを使用してファイルを変更できます。また、Visual Studio にアドインとしてインストールされるパワー ツールであるプロセス エディターも使用できます。

[!メモ]

Microsoft Web サイトの次のページからのパワー ツールをダウンロードできます: Team Foundation Server のパワー ツール[.]

プロセス エディターには、プロセス テンプレートのさまざまな領域のカスタマイズに使用できるユーザー インターフェイスが用意されています。このエディターを使用して、最新バージョンの MSF プロセス テンプレートを変更できます。具体的には、このエディターを使用すると、次の領域をカスタマイズできます。

  • 作業項目トラッキング:

    • 作業項目の種類の定義を作成および編集します。

    • 作業項目クエリを作成および編集し、クエリをクエリ フォルダーに整理します。

    • リンクの種類を作成および編集します。

    • 作業項目の種類をグループ化するためのカテゴリを作成および編集します。

  • プロジェクトの分類と階層:

    • 製品区分パスを作成および編集します。

    • マイルストーン リリースまたはイテレーション パスを作成および編集します。

    • Microsoft Project のマッピング ファイルを変更します。

  • セキュリティ グループ: Team Foundation Server のグループとアクセス許可を作成および編集します。

  • バージョン コントロール:

    • チェックアウト設定を編集します。

    • チェックイン メモを作成および編集します。

    • Team Foundation Server のグループとアクセス許可を作成および編集します。

  • ポータルとレポート:

    • アップロードするファイルとそのフォルダー構造を確認します。

    • アップロードするファイルを追加します。

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ms243882.collapse_all(ja-jp,VS.110).gif作業の追跡用のオブジェクトの作成またはカスタマイズ

1 つ以上のオブジェクトをカスタマイズして作業項目を追跡することで、チーム オブジェクトの追跡方法をカスタマイズしたり、ワークフロー、作業項目フォーム、およびデータ フィールドを設計したりできます。次の図に示すように、グローバル ワークフローを除くすべての種類のオブジェクトを作成またはカスタマイズできます。これらのオブジェクトに加え、作業項目クエリと作業項目インスタンスを定義できます。

作業項目トラッキング オブジェクト

これらのオブジェクトを定義またはカスタマイズする方法の詳細については、次のトピックを参照してください。

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ms243882.collapse_all(ja-jp,VS.110).gif分類と作業項目クエリの依存関係

アジャイル ソフトウェア開発用の MSF プロセス テンプレートに対して定義されている作業項目クエリでは、Classification.xml ファイルで定義されているイテレーション ノードが使用されます。イテレーション ノードの定義を変更する場合は、その定義が依存している作業項目クエリも変更する必要があります。このようなクエリを見つけるには、.wiq ファイルで次のマクロを検索します。

  • イテレーション 1 = @@Iteration%201@@

  • イテレーション 2 = @@Iteration%202@@

  • イテレーション 3 = @@Iteration%203@@

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ms243882.collapse_all(ja-jp,VS.110).gif作業項目オブジェクトの名前付けに適用される制限事項

各作業項目フィールドには、フィールド参照名が関連付けられています。フィールド参照名は各フィールドを一意に識別するもので、割り当てた後で変更することはできません。

また、作業項目フィールドには、レポート名を割り当てることができます。レポート名は、チーム プロジェクト コレクションで定義されたすべての作業項目の種類で一致する必要があります。一致しない場合は、プロセス テンプレートのアップロード時に検証エラーが発生するか、データ ウェアハウス データベースで競合が発生する可能性があります。

作業項目フィールド名、リンクの種類の名前、およびグローバル リストのスコープは、チーム プロジェクト コレクションとなります。これらのオブジェクトのいずれかをカスタマイズすると、変更は、コレクションで定義されているすべてのチーム プロジェクトと、その作業項目フィールドを含む作業項目の種類に反映されます。

詳細については、「作業項目トラッキング オブジェクトの名前付け規則」を参照してください。

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ms243882.collapse_all(ja-jp,VS.110).gifプラグイン ファイルのカスタマイズ

各プラグイン ファイルは、処理する 1 つ以上のタスクを指定し、独自のタスクのセットを実行します。アップロードするファイルを追加または削除する場合は、アップロードするファイルを指定するための対応するプラグイン ファイルでタスクを追加または削除してください。また、プラグイン ファイルで定義されているタスクの中には、依存関係を持つものもあります。変更を行った後でも、必ずすべての依存関係が満たされるようにします。詳細については、「プラグインを処理するタスクの定義」および「プラグイン ファイルのタスク グループとタスクの依存関係の定義」を参照してください。

次の表では、サポートされている 9 個のプラグイン ファイルをカスタマイズする場合に推奨される手順と、関連するタスクとトピックへのリンクを示します。

手順

タスク

メモと依存関係

手順 1.

製品区分とマイルストーン、またはイテレーションを定義する

区分は、作業項目を論理カテゴリ、物理カテゴリ、または機能カテゴリに整理するために定義します。イテレーションは、作業項目をマイルストーンや時間サイクルのカテゴリにグループ化するために定義します。

分類プラグインはすべてのプロセス テンプレートに必要です。

手順 2.

既定のグループ、そのメンバー、およびアクセス許可を定義する

コレクション、プロジェクト、区分やイテレーション パス、およびイベント サブスクリプションには、アクセス許可を設定できます。

グループとアクセス許可のプラグインのタスクは、分類プラグインで定義されたタスクに依存する場合があります。

手順 3.

作業の追跡用オブジェクト、作業項目クエリ、およびアップロードする作業項目インスタンスを指定する

ファイルをアップロードするタスクを指定し、一定の順序でクエリを定義する必要があります (最初にリンクの種類、次に作業項目の種類、続いてクエリ)。これらのオブジェクトの各定義ファイルは、その前にあるタスクで指定された定義に依存します。通常は、カスタマイズしているプロセス テンプレートで定義されているタスクの順序を維持します。

作業項目の種類の定義は、分類プラグイン、グループ、およびアクセス許可の各プラグインに依存する場合があります。

手順 4.

バージョン コントロール用の既定のポリシーおよびアクセス許可を定義する

バージョン コントロールのプラグインをカスタマイズすると、チーム プロジェクトの初期のアクセス許可、チェック アウト ポリシー、およびチェックイン ノートを構成します。

手順 5.

ビルド操作をサポートするための既定のビルド アクセス許可およびタスクを定義する

ビルド プラグインをカスタマイズすると、チーム プロジェクトの初期のアクセス許可および Team Foundation ビルド サービスで使用されるテンプレート ファイルを構成できます。

手順 6.

Microsoft テスト マネージャーの初期構成を定義する

テスト管理プラグインをカスタマイズすると、テスト変数や、テスト変数を組み合わせたテスト構成などの設定を定義できます。また、既定のテスト設定、および有効なテスト解決状態のリストをカスタマイズすることもできます。

手順 7.

Lab Management の初期構成を定義する

ラボのプラグインをカスタマイズすると、チーム プロジェクトの初期のアクセス許可およびテンプレート ファイルを構成できます。

手順 8.

アップロードするレポートおよび [Reports] ノードのフォルダー構造を定義する

アップロードする .rdl レポートのセットを変更できます。チーム プロジェクトに [Reports] ノードを作成するには、レポートのプラグインが必要です。

レポートのプラグインでは、チーム プロジェクトを作成するチーム プロジェクト コレクションが SQL Server Analysis Services および SQL Server Reporting Services で構成済みである必要があります。

9

アップロードするドキュメント、作成するドキュメント ライブラリ、およびアクティブにする SharePoint 機能を定義する

アップロードするドキュメントのセット、およびアクティブにする機能は変更できます。チーム プロジェクトに [ドキュメント] ノードを作成するには、ポータルのプラグインが必要です。

ポータルのプラグインでは、チーム プロジェクトを作成するチーム プロジェクト コレクションが、SharePoint 製品で構成済みである必要があります。

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ms243882.collapse_all(ja-jp,VS.110).gifルート プロセス テンプレート ファイルのカスタマイズ

新しいチーム プロジェクト ウィザードで実行されるタスクの順序は、ProcessTemplate.xml ファイルおよびそのファイルで呼び出されるプラグイン ファイルで定義されているグループ化されたタスクの順序によって決まります。詳細については、「プロセス テンプレート プラグイン ファイルを使用したルート タスクの定義」を参照してください。次の表に、MSF 用のプロセス テンプレートで定義されている順序を示します。

アジャイル プラグインの順序

CMMI プラグインの順序

  • Classification.xml

  • GroupsandPermissions.xml

  • WorkItems.xml

  • VersionControl.xml

  • Build.xml

  • Lab.xml

  • TestManagement.xml

  • ReportsTasks.xml

  • WssTasks.xml

  • Classification.xml

  • GroupsandPermissions.xml

  • WssTasks.xml

  • ReportsTasks.xml

  • WorkItems.xml

  • VersionControl.xml

  • Lab.xml

  • TestManagement.xml

  • Build.xml

各プラグイン ファイルで各タスクを配置する順序を依存関係に合わせると、依存関係の欠落に関する問題が発生しなくなります。

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3.プロセス テンプレートのアップロード

プロセス テンプレートは、チーム プロジェクト コレクションにアップロードします。他のチーム プロジェクトで使用されていないチーム プロジェクト コレクションを使用することが理想的です。テスト ベッドのプロジェクト コレクションで作業すると、開発中の既存のチーム プロセスと衝突する可能性がある変更を行わずに済みます。また、プロジェクト ポータルやレポート サイトなど、チーム メンバーにアクセスさせるリソースと同じリソースをチーム プロジェクト コレクションでサポートできます。

プロセス テンプレートの名前は固有のものにします。チーム プロジェクト コレクションからダウンロードして変更を行ったプロセス テンプレートをアップロードする場合は、名前を変更するか、既存のプロセス テンプレートをチーム プロジェクト コレクションから削除する必要があります。

アップロード プロセスでは、検証チェックを実行して XML が有効であることを確認します。プロセス テンプレートをアップロードしようとしてエラーが発生する場合は、加えた変更がエラーの原因となっています。変更を確認し、XML 構文エラーがある場合は修正します。

詳細については、「カスタマイズの詳細手順」を参照してください。

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4.チーム プロジェクトの作成

プロセス テンプレートをアップロードしたら、変更を検証するためにチーム プロジェクトを作成します。新しいチーム プロジェクト ウィザードを実行し、テスト用のチーム プロジェクトを作成します。エラーが発生した場合は、チーム プロジェクト作成ログを確認します。ここには、実行しようとしたタスクのリストが含まれており、どのタスクが失敗したかが示されます。失敗したタスクを XML に対応させて、エラーの原因を調べます。

詳細については、「チーム プロジェクトの作成」を参照してください。

新しいプロセス テンプレートをテストするには、チーム プロジェクトを作成する必要があります。必要がなくなったチーム プロジェクトは、TFSDeleteProject コマンド ライン ツールを使用して削除できます。詳細については、「チーム プロジェクトの削除 [TFSDeleteProject]」を参照してください。

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5.変更の検証

チーム プロジェクトを正常に作成したら、変更が正しいかどうかをそのチーム プロジェクトで検証するという追加手順も行います。レポートを追加した場合は、チーム エクスプローラーにそのレポートが表示されることを確認します。作業項目の種類を削除した場合は、その種類の作業項目が使用できなくなっていることを確認します。

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参照

処理手順

チーム プロジェクトの作成

関連項目

作業項目の種類のカスタマイズおよび管理 [witadmin]

概念

プロセス テンプレート ファイルの操作

プロセス テンプレートの管理

プロセス テンプレートのカスタマイズ