レポート デザインとレポート配置の計画

SQL Server Reporting Services には、ページ分割されたレポートの作成と配置に関していくつかのアプローチが用意されています。 レポートの作成とレポート サーバーを併用する環境を計画する方法について説明します。

この記事では、Reporting Services のコンポーネントでサポートされているレポート定義の概要を示します。 レポート定義は、レポート定義言語 (RDL : Report Definition Language) またはクライアント向けレポート定義言語 (RDLC : Report Definition Language for Clients) で記述された XML ファイルです。 どちらのレポート定義も、そのファイルの冒頭に指定された特定のスキーマ バージョンに準拠しています。

RDL ファイルは、SQL Server Data Tools - Business Intelligence プロジェクトと Report Builder のレポート デザイナーで作成されます。 RDLC ファイルは、Visual Studio に搭載されている ReportViewer コントロールを使用して作成します。

RDL スキーマのバージョン

次の表は、利用できるスキーマ バージョンとその省略形の対応表です。この記事の説明には、以降、これらの省略形を使用します。

省略形 スキーマ バージョン
2016 RDL https://schemas.microsoft.com/sqlserver/reporting/2016/01/reportdefinition
2010 RDL https://schemas.microsoft.com/sqlserver/reporting/2010/01/reportdefinition
2008 RDL https://schemas.microsoft.com/sqlserver/reporting/2008/01/reportdefinition
2005 RDL

2005 RDLC
https://schemas.microsoft.com/sqlserver/reporting/2005/01/reportdefinition
2000 RDL https://schemas.microsoft.com/sqlserver/reporting/2003/10/reportdefinition

RDL と RDL スキーマの詳細については、次のリソースを参照してください。

ReportViewer コントロールの詳細については、「ReportViewer コントロール (Visual Studio)」を参照してください。

レポート サーバーと RDL スキーマのサポート

レポート定義ファイルは、次の方法で SQL Server 2016 (13.x) Reporting Services 以降 (SSRS) レポート サーバーにデプロイできます。

  • レポート デザイナー: SQL Server Data Tools - Business Intelligence のレポート デザイナーからレポートを展開します。

  • レポート ビルダー: レポート ビルダーからレポート サーバーにレポートを保存します。

  • Web ポータル: Web ポータルからネイティブ モード レポート サーバーにレポートをアップロードします。

  • SharePoint: SharePoint モード レポート サーバーで構成された SharePoint サイトにレポートをアップロードします。
  • プログラムを使用する: プログラムから SOAP API インターフェイスを使用してレポート サーバーにレポートを発行します。 詳細については、「 Report Server Web Service」を参照してください。

次の表は、サポートされる RDL スキーマのバージョンをレポート サーバーのバージョン別に示したものです。

レポート サーバーのバージョン RDL スキーマのバージョン
SQL Server 2016 2016 RDL

2010 RDL

2008 RDL

2005 RDL

2000 RDL
SQL Server 2014 (12.x)

または

SQL Server 2012 (11.x)

または

SQL Server 2008 R2 (10.50.x)
2010 RDL

2008 RDL

2005 RDL

2000 RDL
SQL Server 2008 (10.0.x) 2008 RDL

2005 RDL

2000 RDL

レポート定義をレポート サーバーにアップロードするか、既存のレポートが保存されたレポート サーバーをアップグレードすると、レポート定義は元の形式のまま維持されます。 レポート サーバー データベース内のレポートは、初回使用時にレポート サーバーによってバイナリ形式へとアップグレードされて初めて、閲覧が可能となります。 レポート定義 (.rdl) そのものはアップグレードされません。

レポート サーバーからレポート定義ファイル (.rdl) の読み取り専用コピーを抽出できます。 ネイティブ モード レポート サーバーで、Web ポータルを参照し、[ダウンロード] を選択します。

SharePoint モードの配置で、ドキュメント ライブラリを参照し、レポートを選択して、 [コピーのダウンロード] を選択します。

レポート定義をアップグレードするには、アップグレードするレポートをレポート作成環境 (SQL Server Data Tools、レポート ビルダーなど) で開いて保存する必要があります。

レポートのアップグレードと、サポートされているスキーマ バージョンの詳細については、「 レポート (SSRS) のアップグレード」を参照してください。

レポートの作成と配置のサポート

レポート作成環境は、SQL Server Data Tools - Business Intelligence プロジェクトと Report Builder のレポート デザイナーです。 レポート作成環境では、次のようなレポートにおいてさまざまなサポートを提供します。

  • アップグレード
  • デザイン
  • ローカル モードでのレポート プレビュー
  • レポート サーバー上のレポート プレビュー :
  • 展開。

次の表は、各種スキーマ バージョンのレポート定義の作成と配置に関するサポート状況をまとめたものです。

作成環境 作成される RDL バージョン 配置用の RDL バージョン 配置先レポート サーバーのバージョン
SQL Server 2016 レポート ビルダー Authors 2016 RDL

旧バージョンの RDL を 2016 RDL にアップグレードします
2016 RDL SQL Server 2016
SQL Server 2016 Data Tools のレポート デザイナー - Business Intelligence for Microsoft Visual Studio 2015 Authors 2016 RDL

旧バージョンの RDL を 2016 RDL にアップグレードします
2016 RDL SQL Server 2016
SQL Server 2014 Data Tools のレポート デザイナー - Business Intelligence for Microsoft Visual Studio 2012

または

SQL Server 2012 Data Tools のレポート デザイナー - Business Intelligence for Microsoft Visual Studio 2012

または

SQL Server 2012 (11.x) Data Tools のレポート デザイナー。SQL Server 2012 (11.x) に含まれています。
2010 RDL を作成

旧バージョンの RDL を 2010 RDL にアップグレードします
2010 RDL SQL Server 2014 (12.x)

SQL Server 2012 (11.x)

SQL Server 2008 R2 (10.50.x)
SQL Server 2008 R2 (10.50.x) Business Intelligence Development Studio のレポート デザイナー 2010 RDL を作成

旧バージョンの RDL を 2010 RDL にアップグレードします
2010 RDL SQL Server 2008 R2 (10.50.x)
SQL Server 2008 (10.0.x) Business Intelligence Development Studio のレポート デザイナー 2008 RDL を作成

旧バージョンの RDL を 2008 RDL にアップグレードします
2008 RDL SQL Server 2008 (10.0.x)

SQL Server Data Tools (SSDT) の詳細については、次のリソースを参照してください。

ReportViewer コントロール (ReportViewer control)

Visual Studio の ReportViewer コントロールは、ローカル プレビュー モードまたはリモート モードで .rdlc レポートを表示できるほか、Reporting Services レポート サーバーでホストされている .rdl ファイルを表示できます。 次の表は、ローカル処理 (.rdlc) 用の ReportViewer コントロールでサポートされている RDL バージョンの一覧です。 サーバー側の RDL のサポートについては、「レポート サーバーと RDL スキーマのサポート」にまとめられています。

製品の ReportViewer コントロール ローカル プレビュー用の RDL のバージョン
Visual Studio 2015

または

Visual Studio 2013

または

Visual Studio 2012

または

Visual Studio 2010
2008 RDL
Visual Studio 2005

または

Visual Studio 2008
2005 RDL

詳細については、次のリソースを参照してください。