Vbc タスク

実行可能ファイル (.exe)、ダイナミック リンク ライブラリ (.dll)、またはコード モジュール (. netmodule) を作成する vbc.exe をラップします。 vbc.exe の詳細については、「Visual Basic のコマンド ライン コンパイラ」を参照してください。

パラメーター

Vbc タスクのパラメーターの説明を次の表に示します。

パラメーター

説明

AdditionalLibPaths

省略可能な String[] 型のパラメーターです。

References 属性で指定されたアセンブリを検索する追加のフォルダーを指定します。

AddModules

省略可能な String[] 型のパラメーターです。

指定ファイルからのすべての型情報をコンパイル中のプロジェクトで使用できるようにします。 このパラメーターは、vbc.exe コンパイラの /addmodule スイッチに相当します。

BaseAddress

省略可能な String 型のパラメーターです。

ダイナミック リンク ライブラリ (DLL: Dynamic Link Library) のベース アドレスを指定します。 このパラメーターは、vbc.exe コンパイラの /baseaddress スイッチに相当します。

CodePage

省略可能な Int32 型のパラメーターです。

コンパイルですべてのソース コード ファイルに使用するコード ページを指定します。 このパラメーターは、vbc.exe コンパイラの /codepage スイッチに相当します。

DebugType

省略可能な String[] 型のパラメーターです。

コンパイラでデバッグ情報が生成されます。 このパラメーターには、次の値を指定できます。

  • full

  • pdbonly

既定値は、実行中のプログラムにデバッガーをアタッチできる full です。 pdbonly を指定すると、プログラムがデバッガーで開始されたときにはソース コードをデバッグできますが、実行中のプログラムをデバッガーにアタッチしたときはアセンブリ言語コードしか表示されません。 詳細については、「/debug (Visual Basic)」を参照してください。

DefineConstants

省略可能な String[] 型のパラメーターです。

条件付きコンパイル定数を定義します。 シンボルと値のペアを、セミコロン (;) で区切って、次の構文で指定します。

symbol1=value1;symbol2=value2

このパラメーターは、vbc.exe コンパイラの /define スイッチに相当します。

DelaySign

省略可能な Boolean 型のパラメーターです。

true に設定すると、アセンブリに公開キーが格納されます。 false に設定すると、アセンブリに完全な署名が行われます。 既定値は false です。このパラメーターは、KeyFile パラメーターまたは KeyContainer パラメーターと一緒に使用しない場合は無効になります。 このパラメーターは、vbc.exe コンパイラの /delaysign スイッチに相当します。

DisabledWarnings

省略可能な String 型のパラメーターです。

指定された警告の出力を抑制します。 必要なのは、警告 ID の数値を指定することだけです。 複数の警告を指定するときは、セミコロン (;) で区切ります。 このパラメーターは、vbc.exe コンパイラの /nowarn スイッチに相当します。

DocumentationFile

省略可能な String 型のパラメーターです。

ドキュメント コメントを指定された XML ファイルに出力します。 このパラメーターを指定すると、GenerateDocumentation 属性がオーバーライドされます。 詳細については、「/doc」を参照してください。

EmitDebugInformation

省略可能な Boolean 型のパラメーターです。

true に設定すると、デバッグ情報が生成され、.pdb ファイルに置かれます。 詳細については、「/debug (Visual Basic)」を参照してください。

ErrorReport

省略可能な String 型のパラメーターです。

タスクで内部コンパイル エラーを報告するかどうかを指定します。 このパラメーターには、次の値を指定できます。

  • prompt

  • send

  • none

prompt を指定すると、内部コンパイル エラーが発生した場合に、エラー データをマイクロソフトに送信するかどうかを確認するメッセージが表示されます。

send を指定すると、内部コンパイル エラーが発生した場合に、このタスクによってエラー データがマイクロソフトに送信されます。

既定値は none です。この場合、エラーはテキストが出力されるだけです。

このパラメーターは、vbc.exe コンパイラの /errorreport スイッチに相当します。

FileAlignment

省略可能な Int32 型のパラメーターです。

出力ファイルでセクションを揃えるサイズをバイト単位で指定します。 このパラメーターには、次の値を指定できます。

  • 512

  • 1024

  • 2048

  • 4096

  • 8192

このパラメーターは、vbc.exe コンパイラの /filealign スイッチに相当します。

GenerateDocumentation

省略可能な Boolean 型のパラメーターです。

true に設定すると、ドキュメント情報が生成されます。この情報は、このタスクで作成している実行可能ファイルまたはライブラリの名前を付けた XML ファイルに格納されます。 詳細については、「/doc」を参照してください。

Imports

省略可能な ITaskItem[] 型のパラメーターです。

指定されたアイテム コレクションから名前空間をインポートします。 このパラメーターは、vbc.exe コンパイラの /imports スイッチに相当します。

KeyContainer

省略可能な String 型のパラメーターです。

暗号化キー コンテナーの名前を指定します。 このパラメーターは、vbc.exe コンパイラの /keycontainer スイッチに相当します。

KeyFile

省略可能な String 型のパラメーターです。

暗号化キーを格納しているファイルの名前を指定します。 詳細については、「/keyfile」を参照してください。

LangVersion

省略可能な [String] 型のパラメーターです。

言語のバージョン ("9" または "10") を指定します。

LinkResources

省略可能な ITaskItem[] 型のパラメーターです。

出力ファイル内に .NET Framework リソースへのリンクを作成します。リソース ファイル自体は、出力ファイルに含まれません。 このパラメーターは、vbc.exe コンパイラの /linkresource スイッチに相当します。

MainEntryPoint

省略可能な String 型のパラメーターです。

Sub Main プロシージャを含むクラスまたはモジュールを指定します。 このパラメーターは、vbc.exe コンパイラの /main スイッチに相当します。

ModuleAssemblyName

省略可能な String 型のパラメーターです。

このモジュールが含まれるアセンブリを指定します。

NoConfig

省略可能な Boolean 型のパラメーターです。

コンパイラで vbc.rsp ファイルを使用しない場合に指定します。 このパラメーターは、vbc.exe コンパイラの /noconfig スイッチに相当します。

NoLogo

省略可能な Boolean 型のパラメーターです。

true に設定すると、コンパイラの開始メッセージが表示されなくなります。 このパラメーターは、vbc.exe コンパイラの /nologo スイッチに相当します。

NoStandardLib

省略可能な Boolean 型のパラメーターです。

コンパイラが標準のライブラリを参照しないよう指定します。 このパラメーターは、vbc.exe コンパイラの /nostdlib スイッチに相当します。

NoVBRuntimeReference

省略可能な Boolean 型のパラメーターです。

内部使用のみ。 true に設定すると、Microsoft.VisualBasic.dll への自動参照は行われなくなります。

NoWarnings

省略可能な Boolean 型のパラメーターです。

true に設定すると、警告は出力されません。 詳細については、「/nowarn」を参照してください。

Optimize

省略可能な Boolean 型のパラメーターです。

true に設定すると、コンパイラの最適化が有効になります。 このパラメーターは、vbc.exe コンパイラの /optimize スイッチに相当します。

OptionCompare

省略可能な String 型のパラメーターです。

文字列比較の方法を指定します。 このパラメーターには、次の値を指定できます。

  • binary

  • text

binary を指定すると、タスクでバイナリでの文字列の比較を行います。 text を指定すると、タスクでテキストでの文字列の比較を行います。 このパラメーターの既定値は、binary です。 このパラメーターは、vbc.exe コンパイラの /optioncompare スイッチに相当します。

OptionExplicit

省略可能な Boolean 型のパラメーターです。

true を設定した場合は、変数を明示的に宣言する必要があります。 このパラメーターは、vbc.exe コンパイラの /optionexplicit スイッチに相当します。

OptionInfer

省略可能な Boolean 型のパラメーターです。

true に設定すると、変数の型の推論が可能になります。

OptionStrict

省略可能な Boolean 型のパラメーターです。

true に設定すると、暗黙の型変換を制限するために、厳密な型指定規則が適用されます。 このパラメーターは、vbc.exe コンパイラの /optionstrict スイッチに相当します。

OptionStrictType

省略可能な String 型のパラメーターです。

警告を生成する厳密な型指定規則を指定します。 現在サポートされているのは "custom" だけです。 このパラメーターは、vbc.exe コンパイラの /optionstrict スイッチに相当します。

OutputAssembly

省略可能な String 型の出力パラメーターです。

出力ファイルの名前を指定します。 このパラメーターは、vbc.exe コンパイラの /out スイッチに相当します。

Platform

省略可能な String 型のパラメーターです。

出力ファイルで対象とするプロセッサ プラットフォームを指定します。 このパラメーターの値には、x86x64Itanium、または anycpu を指定できます。 既定値は anycpu です。 このパラメーターは、vbc.exe コンパイラの /platform スイッチに相当します。

References

省略可能な ITaskItem[] 型のパラメーターです。

タスクで、指定したアイテムから現在のプロジェクトに、パブリック型の情報をインポートする場合に指定します。 このパラメーターは、vbc.exe コンパイラの /reference スイッチに相当します。

RemoveIntegerChecks

省略可能な Boolean 型のパラメーターです。

true に設定すると、整数のオーバーフローのエラー チェックが無効になります。 既定値 false です。 このパラメーターは、vbc.exe コンパイラの /removeintchecks スイッチに相当します。

Resources

省略可能な ITaskItem[] 型のパラメーターです。

.NET Framework リソースを出力ファイルに埋め込みます。 このパラメーターは、vbc.exe コンパイラの /resource スイッチに相当します。

ResponseFiles

省略可能な ITaskItem[] 型のパラメーターです。

このタスク用のコマンドが格納されている応答ファイルを指定します。 このパラメーターは、vbc.exe コンパイラの @ (応答ファイルの指定) オプションに相当します。

RootNamespace

省略可能な String 型のパラメーターです。

すべての型宣言のルート名前空間を指定します。 このパラメーターは、vbc.exe コンパイラの /rootnamespace スイッチに相当します。

SdkPath

省略可能な String 型のパラメーターです。

mscorlib.dll および microsoft.visualbasic.dll の位置を指定します。 このパラメーターは、vbc.exe コンパイラの /sdkpath スイッチに相当します。

Sources

省略可能な ITaskItem[] 型のパラメーターです。

1 つ以上の Visual Basic ソース ファイルを指定します。

TargetCompactFramework

省略可能な Boolean 型のパラメーターです。

true に設定すると、.NET Compact Framework がこのタスクのターゲットになります。 このパラメーターは、vbc.exe コンパイラの /netcf スイッチに相当します。

TargetType

省略可能な String 型のパラメーターです。

出力ファイルのファイル形式を指定します。 このパラメーターに指定できる値は、コード ライブラリを作成するための library、コンソール アプリケーションを作成するための exe、モジュールを作成するための module、および、Windows プログラムを作成するための winexe のいずれかです。 既定値は library です。 このパラメーターは、vbc.exe コンパイラの /target スイッチに相当します。

Timeout

省略可能な Int32 型のパラメーターです。

タスク実行を終了するまでの時間をミリ秒単位で指定します。 既定値は Int.MaxValue であり、タイムアウト期限がないことを示します。

ToolPath

省略可能な String 型のパラメーターです。

基になる実行可能ファイル (vbc.exe) を読み込む場所を指定します。 このパラメーターを指定しないと、MSBuild を実行しているフレームワークのバージョンに対応する SDK インストール パスが使用されます。

TreatWarningsAsErrors

省略可能な Boolean 型のパラメーターです。

true に設定すると、すべての警告はエラーとして扱われます。 詳細については、「/warnaserror (Visual Basic)」を参照してください。

UseHostCompilerIfAvailable

省略可能な Boolean 型のパラメーターです。

タスクでインプロセス コンパイラ オブジェクトを使用するよう指定します (可能な場合)。 Visual Studio によってのみ使用されます。

Utf8Output

省略可能な Boolean 型のパラメーターです。

コンパイラ出力を UTF-8 エンコーディングでログに記録します。 このパラメーターは、vbc.exe コンパイラの /utf8output スイッチに相当します。

Verbosity

省略可能な String 型のパラメーターです。

コンパイラ出力の詳細度を指定します。 詳細度には、QuietNormal (既定)、または Verbose を指定できます。

WarningsAsErrors

省略可能な String 型のパラメーターです。

エラーとして扱う警告の一覧を指定します。 詳細については、「/warnaserror (Visual Basic)」を参照してください。

このパラメーターは、TreatWarningsAsErrors パラメーターをオーバーライドします。

WarningsNotAsErrors

省略可能な String 型のパラメーターです。

エラーとして扱わない警告の一覧を指定します。 詳細については、「/warnaserror (Visual Basic)」を参照してください。

このパラメーターは、TreatWarningsAsErrors パラメーターを true に設定した場合にのみ有効です。

Win32Icon

省略可能な String 型のパラメーターです。

出力ファイルにファイル エクスプローラーの目的の外観を与えるアセンブリに .ico ファイルを挿入します。 このパラメーターは、vbc.exe コンパイラの /win32icon スイッチに相当します。

Win32Resources

省略可能な String 型のパラメーターです。

Win32 リソース ファイル (.res) を出力ファイルに挿入します。 このパラメーターは、vbc.exe コンパイラの /win32resource スイッチに相当します。

解説

上記のパラメーター以外に、このタスクは ToolTaskExtension クラスからパラメーターを継承します。このクラス自体は、ToolTask クラスから継承されます。 これらの追加のパラメーターの一覧とその説明については、「ToolTaskExtension 基本クラス」を参照してください。

使用例

Visual Basic プロジェクトをコンパイルする例を次に示します。

<VBC
   Sources="@(sources)"
   Resources="strings.resources"
   Optimize="true"
   OutputAssembly="out.exe"/>

参照

概念

MSBuild タスク

その他の技術情報

Visual Basic のコマンド ライン コンパイラ

MSBuild タスク リファレンス