ピア ツー ピア トランザクション レプリケーションを構成する方法 (SQL Server Management Studio)

このトピックでは、ピア ツー ピア トポロジ構成ウィザードを使用してピア ツー ピア レプリケーション トポロジを構成および管理する方法について説明します。まず 3 ノード トポロジをウィザードで作成する方法を示し、次にノードおよびノード間の接続を追加および削除する方法を説明します。SQL Server の SQL Server 2008 以降のバージョンでは、システムで処理が行われている間にノードを追加および接続できます。トポロジに SQL Server 2005 ノードが含まれている場合、新しいノードを既存の 1 つのノードに接続できますが、複数のノードに接続するにはシステムを停止する必要があります。システムを停止するときには、すべてのノードでパブリッシュ済みテーブルの利用を停止し、各ノードが他のすべてのノードの変更を受け取っていることを確認します。このプロセスについては、このトピックの最後のセクションで詳しく説明します。

ピア ツー ピア レプリケーション トポロジの作成

次に示す手順は、サーバー Aサーバー Bサーバー C の 3 つのノードで構成されるトポロジを作成する方法の概要です。各手順の詳細については、このセクションで説明します。

  1. トポロジ構成後に、各ノードで SQL Server エージェントが実行されていること、およびログ リーダー エージェントとディストリビューション エージェントが実行されていることを確認してください。SQL Server エージェントについては、「SQL Server エージェントの起動」を参照してください。エージェントの開始方法と停止方法については、「レプリケーション エージェントの起動および停止方法 (SQL Server Management Studio)」を参照してください。

  2. サーバー Aサーバー B、およびサーバー C でディストリビューションを構成します。

    ローカル ディストリビュータまたはリモート ディストリビュータが使用できます。リモート ディストリビュータを使用する場合は、すべてのノードに対して同一のリモート ディストリビュータを使用しないようにしてください。これは、単一地点障害につながるからです。ディストリビュータの詳細については、「レプリケーションのパブリッシング モデルの概要」を参照してください。

  3. パブリケーションの新規作成ウィザードを使用して、サーバー A でパブリケーションを作成します。

  4. [パブリケーションのプロパティ - <Publication>] ダイアログ ボックスを使用して、ピア ツー ピア レプリケーションのパブリケーションを有効にします。

  5. サーバー A のデータベースをサーバー B およびサーバー C に復元するか、または手動で、サーバー B およびサーバー C のスキーマとデータを初期化します。すべてのノードのスキーマは同じである必要があります。

  6. ピア ツー ピア トポロジ構成ウィザードを使用して、サーバー B およびサーバー C をトポロジに追加します。サーバーを追加することにより、各サーバーでパブリケーションが作成され、トポロジ内の他のサーバー上にあるパブリケーションに対するサブスクリプションが作成されます。

    パブリッシュされたテーブルに ID 列がある場合、サーバー B およびサーバー C のテーブルの ID 範囲を再作成する必要があります。

各ノードのディストリビューションを構成するには

  1. SQL Server Management Studio で、サーバー A に接続します。この構成プロセスをサーバー Bサーバー C に対して繰り返します。

  2. サーバー ノードを展開し、[レプリケーション] フォルダを右クリックして、[ディストリビューションの構成] をクリックします。

  3. ディストリビューションの構成ウィザードの [ディストリビュータ] ページで、ディストリビュータを選択します。

    ローカル ディストリビュータを使用するには、['<ServerName>' を独自のディストリビュータとする (SQL Server はディストリビューション データベースとログを作成します)] を選択します。リモート ディストリビュータを使用するには、[以下のサーバーをディストリビュータとして使用する] を選択し、サーバーを選択します。このサーバーは既にディストリビュータとして構成されている必要があり、パブリッシャではこのディストリビュータを使用できるようになっている必要があります。詳細については、「ディストリビュータでリモート パブリッシャを有効にする方法 (SQL Server Management Studio)」を参照してください。

    リモート ディストリビュータを選択した場合、サーバー A からディストリビュータへの接続に対して、[管理パスワード] ページでパスワードを入力する必要があります。このパスワードは、リモート ディストリビュータでサーバー A をパブリッシャとして有効にしたときに指定したパスワードと一致する必要があります。

  4. [スナップショット フォルダ] ページで、スナップショット フォルダを指定します。

    スナップショット フォルダは、共有として設定されているディレクトリです。このフォルダに対して読み取りと書き込みを行うエージェントには、フォルダにアクセスするための十分な権限が必要です。このディレクトリには最初のノードでのレプリケーションに必要なオブジェクトが格納されます。このディレクトリは、他のノードでのピア ツー ピア レプリケーションでは使用されませんが、ディストリビュータの構成には必要です。このフォルダを適切に保護する方法の詳細については、「スナップショット フォルダのセキュリティ」を参照してください。

  5. [ディストリビューション データベース] ページで、ディストリビューション データベースの名前を指定します。

    ディストリビューション データベースには、トランザクション、メタデータ、および履歴データが格納されます。

  6. [パブリッシャ] ページで、必要に応じて、他のパブリッシャがサーバー A をリモート ディストリビュータとして使用できるように指定します。

    他のパブリッシャがサーバー A をリモート ディストリビュータとして使用できるようにした場合は、パブリッシャからディストリビュータへの接続に使用するパスワードを [ディストリビュータ パスワード] ページで入力する必要があります。

  7. [ウィザードのアクション] ページで、必要に応じて構成設定のスクリプトを作成できます。詳細については、「レプリケーションのスクリプト作成」を参照してください。

最初のノードでパブリケーションを作成するには

  1. SQL Server Management Studio でサーバー A に接続し、サーバー ノードを展開します。

  2. [レプリケーション] フォルダを展開し、[ローカル パブリケーション] フォルダを右クリックします。

  3. [新しいパブリケーション] をクリックします。

  4. パブリケーションの新規作成ウィザードの [パブリケーション データベース] ページで、パブリッシュするデータベースを選択します。

  5. [パブリケーションの種類] ページで、[トランザクション パブリケーション] を選択します。

  6. [アーティクル] ページで、パブリッシュするデータベース オブジェクトを選択します。

    アーティクルのプロパティを表示および変更するには、[アーティクルのプロパティ] をクリックします。次のプロパティは変更しないでください。

    • [対象オブジェクト名]。

    • [対象オブジェクトの所有者]。

    • [<ACTION> 配信形式] オプション (ACTION は、INSERT、UPDATE、または DELETE のいずれか) は、[<ACTION> ステートメント] または [列リストのない <ACTION> ステートメント] には設定できません。

  7. ピア ツー ピア パブリケーションのフィルタ選択はサポートされていないため、[テーブル行のフィルタ選択] ページでフィルタを定義することはできません。

  8. [スナップショット エージェント] ページで、[スナップショットをすぐに作成する] チェック ボックスをオフにします。

  9. [エージェント セキュリティ] ページで、スナップショット エージェントおよびログ リーダー エージェントの資格情報を指定します。

    各エージェントで必要な権限の詳細については、「レプリケーション エージェントのセキュリティ モデル」および「レプリケーション セキュリティの推奨事項」を参照してください。

  10. [ウィザードのアクション] ページで、必要に応じてパブリケーションのスクリプトを作成できます。詳細については、「レプリケーションのスクリプト作成」を参照してください。

  11. [ウィザードの完了] ページで、パブリケーションの名前を指定します。パブリケーション名はトポロジ全体で同じにする必要があります。これは、ピア ツー ピア トポロジ構成ウィザードで、パブリケーションが各ノードで作成されるときにこの名前が使用されるためです。

ピア ツー ピア レプリケーションのパブリケーションを有効化するには

  1. サーバー A の**[レプリケーション]** フォルダを展開し、[ローカル パブリケーション] フォルダを展開します。

  2. 作成したパブリケーションを右クリックして、[プロパティ] をクリックします。

  3. [パブリケーションのプロパティ - <Publication>] ダイアログ ボックスの [サブスクリプション オプション] ページで、プロパティ [ピア ツー ピア サブスクリプションを許可] に対して [True] の値を選択します。

  4. [OK] をクリックします。

各ノードでスキーマおよびデータを初期化するには

  • 次のいずれかの方法でサーバー Bサーバー C を初期化します。

    • Integration Services (SSIS)、スクリプト、またはその他の方法で、サーバー A からサーバー B およびサーバー C にスキーマとデータを手動でコピーします。サーバー B およびサーバー C をピアとして構成する前に、これらのサーバーのスキーマとデータがサーバー A のものと同じであることを確認してください。

    • トポロジを構成する前に、各ノードに初期データが存在する必要があります。SQL Server のバックアップと復元の機能を使用して、トポロジの各ノードでパブリケーションのデータを初期化します。バックアップ元は最初に構成されたノード (この場合はサーバー A) であることが必要です。バックアップは、サーバー A でパブリケーションを作成し、ピア ツー ピア レプリケーションを有効にした後に、作成する必要があります。ここでは、新規ノードがすべて追加されるまで、どのノードでも処理が行われないことを前提としています。したがって、各ノードの初期化に同一のバックアップを使用できます。

      新規ノードがすべて追加される前にいずれかのノードで処理が行われた場合は、各ノードを追加してサーバー A と少なくとも 1 回同期した後に、新しいバックアップを作成する必要があります。これにより、サーバー A からのバックアップに他のすべてのノードに関するメタデータが含まれるようになります。たとえば、サーバー Bサーバー C を追加する場合に、これらのノードで処理が実行されているとします。この場合、サーバー A からのバックアップでサーバー B を初期化した後に、サーバー B を構成して同期します。次に、サーバー A から新しいバックアップを作成し、この新しいバックアップでサーバー C を初期化した後に、サーバー C を構成して同期します。

      データベースのバックアップと復元を行う方法の詳細については、「SQL Server でのデータベースのバックアップおよび復元」を参照してください。

      重要な注意事項重要

      データベースを復元する場合、KEEP_REPLICATION オプション (Transact-SQL) または [レプリケーションの設定を保存する] オプション (SQL Server Management Studio) は指定しないでください。ピア ツー ピア トポロジ構成ウィザードを実行すると、レプリケーションによってデータベースが適切に構成されます。

      バックアップにはデータベース全体が含まれるため、各ピアのデータベースを初期化すると、パブリケーション データベースの完全なコピーが取り込まれます。バックアップには、パブリケーションのアーティクルとして指定されていないテーブルが含まれている場合があります。バックアップを復元した後に不要なオブジェクトやデータを削除するのは、管理者またはアプリケーションの責任です。以後の同期では、アーティクルとして指定されたテーブルに適用される場合にのみ、データの変更がレプリケートされます。

トポロジを構成するには

  1. サーバー A で作成したパブリケーションを右クリックし、[ピア ツー ピア トポロジの構成] をクリックします。[ピア ツー ピア トポロジの構成] オプションが表示されない場合は、パブリケーション ノードを最新の情報に更新してください。

  2. ピア ツー ピア トポロジの構成ウィザードの [パブリケーション] ページで、サーバー A で作成したパブリケーションが選択されます。

  3. [トポロジの構成] ページで、サーバー B を追加し、サーバー C についてこのプロセスを繰り返します。

    1. ページのデザイン画面を右クリックし、[新しいピア ノードの追加] をクリックします。

    2. [サーバーへの接続] ダイアログ ボックスで、サーバー B に接続します。

    3. [新しいピア ノードの追加] ダイアログ ボックスで、パブリケーション データベースを選択し、[表示されているすべてのノードに接続] を選択します。競合検出が有効になっている (既定の設定) 場合は、[ピア ID] ボックスで各ノードに一意の値を指定します。トポロジで使用されていない値を指定する必要があります。既に使用されている ID を確認するには、Mspeer_originatorid_history システム テーブルに対してクエリを実行します。競合検出の詳細については、「ピア ツー ピア レプリケーションにおける競合検出」を参照してください。

    4. [OK] をクリックします。デザイン画面にサーバー Bサーバー A に接続された状態で表示されます。サーバー C を追加すると、各ノードが他の 2 つのノードに接続されます。

  4. [ログ リーダー エージェントのセキュリティ] ページで、各ノードのログ リーダー エージェントの資格情報を指定します。

    ログ リーダー エージェントで必要な権限の詳細については、「レプリケーション エージェントのセキュリティ モデル」および「レプリケーション セキュリティの推奨事項」を参照してください。

  5. [ディストリビューション エージェント セキュリティ] ページで、各ノードのサブスクリプションにサービスを提供するディストリビューション エージェントの資格情報を指定します。

    ピア ツー ピア トポロジ構成ウィザードによって、サブスクリプションごとに独立したエージェントのプッシュ サブスクリプションが作成されます (ディストリビューション エージェントはディストリビュータ側で実行されます)。3 ノード トポロジでは、各ノードは他の 2 つのノードのサブスクリプションを持つため、各ディストリビュータで 2 つのディストリビューション エージェントが実行されます。

    ディストリビューション エージェントで必要な権限の詳細については、「レプリケーション エージェントのセキュリティ モデル」および「レプリケーション セキュリティの推奨事項」を参照してください。

  6. [新しいピアの初期化] ページで、[ピア データベースを手動で作成したか、バックアップの実行後、変更されなかった元のパブリケーション データベースのバックアップを復元した] を選択します。

  7. ウィザードを完了します。[ピア ツー ピア トポロジを構築しています] ページで、サーバー A について既に存在しているログ リーダーまたはパブリケーションに関する警告が生成される場合があります。これは情報メッセージであり、操作は必要ありません。

  8. パブリッシュされたテーブルに ID 列がある場合は、復元後に、サーバー A のテーブルに割り当てた ID 範囲がサーバー B およびサーバー C のテーブルでも使用されます。それぞれに異なる ID 範囲が使用されるようにするには、DBCC CHECKIDENT を使用してサーバー B およびサーバー C のテーブルを再作成する必要があります。

    ID 範囲を管理する方法の詳細については、「ID 列のレプリケート」の「手動で ID 範囲を管理する場合の範囲の割り当て」を参照してください。

既存のトポロジへの SQL Server 2008 以降のバージョンを実行するノードの追加

SQL Server 2008 以降のバージョンを実行するノードを既存のトポロジに追加するプロセスは、初期構成にノードを組み込む操作と同じです。既存のトポロジにノードを追加するには、次の手順を実行します。

  1. サーバー D でディストリビューションを構成します。

  2. サーバー A のデータベースをサーバー D に復元することによって、サーバー D のスキーマとデータを初期化します。

  3. ピア ツー ピア トポロジ構成ウィザードを使用して、サーバー D をトポロジに追加します。

新規ノードのディストリビューションを構成するには

  • このトピックの「各ノードのディストリビューションを構成するには」を参照してください。

新規ノードを初期化するには

  • サーバー D で、サーバー A からのパブリケーション データベースの最新のバックアップを復元します。サーバー B またはサーバー C からのバックアップも使用できますが、サーバー D を追加するときに、ピア ツー ピア トポロジ構成ウィザードの [パブリケーション] ページでサーバーとデータベースを選択する必要があります。

ノードをトポロジに追加するには

  1. サーバー A で作成したパブリケーションを右クリックし、[ピア ツー ピア トポロジの構成] をクリックします。

  2. ピア ツー ピア トポロジの構成ウィザードの [パブリケーション] ページで、サーバー A で作成したパブリケーションが選択されます。

  3. [トポロジの構成] ページのデザイン画面に、サーバー Aサーバー B、およびサーバー C が表示されます。

    1. デザイン画面を右クリックし、[新しいピア ノードの追加] をクリックします。

    2. [サーバーへの接続] ダイアログ ボックスで、サーバー D に接続します。

    3. [新しいピア ノードの追加] ダイアログ ボックスで、パブリケーション データベースを選択します。

    4. 4 つのノードすべての間に接続を作成する場合は、[表示されているすべてのノードに接続] をオンにします。一部のノードの間に手動で接続を追加する場合は、このチェック ボックスをオフにしてください。

    5. [OK] をクリックします。

    6. [表示されているすべてのノードに接続] をオンにした場合は、各ノードが他の 3 つのノードに接続されます。このチェック ボックスをオフにした場合は、手動で接続を追加します。ノードを右クリックし、[新しいピア接続の追加] をクリックして、接続の矢印を別のノードまでドラッグします。このプロセスを、サーバー D と他のノードの間に確立する接続ごとに繰り返します。

  4. このトピックの「トポロジを構成するには」で説明した手順に従って、ピア ツー ピア トポロジ構成ウィザードを終了します。

トポロジからのノードの削除

トポロジからノードを削除するには

  1. ピア ツー ピア トポロジ構成ウィザードの [トポロジの構成] ページで、ノードを右クリックし、[ピア ノードの削除] をクリックします。

  2. このトピックの「トポロジを構成するには」で説明した手順に従って、ピア ツー ピア トポロジ構成ウィザードを終了します。

2 つのノード間の接続の削除

トポロジ内のノード間の接続を削除するには

  1. ピア ツー ピア トポロジ構成ウィザードの [トポロジの構成] ページで、ノードまたはデザイン画面を右クリックし、[ピア接続の削除] をクリックします。

  2. このトピックの「トポロジを構成するには」で説明した手順に従って、ピア ツー ピア トポロジ構成ウィザードを終了します。

トポロジ内のノードの非表示

トポロジに多数のノードがある場合は、1 つ以上のノードを非表示にすると作業しやすくなることがあります。デザイン画面に表示されているノード間にしか接続を追加できないことに注意してください。

トポロジ内のノードを非表示にするには

  1. ピア ツー ピア トポロジ構成ウィザードの [トポロジの構成] ページで、ノードを右クリックし、[表示するノードの選択] をクリックします。

  2. [ピアの追加と削除] ダイアログ ボックスで、デザイン画面に対して追加または削除するノードを選択します。

  3. [OK] をクリックします。

既存のトポロジへの SQL Server 2005 ノードの追加

このトピックで初めに説明したように、SQL Server 2005 ノードを追加する操作と、それより後のバージョンの SQL Server を実行するノードを追加する操作の主な違いは、既存のノードに新しいノードを接続する場合に、SQL Server 2005 ではシステムの停止が必要になる点です。以下の手順では、既存のトポロジに SQL Server 2005 ノードを追加する方法を段階ごとに示します。

  • 第 1 段階では、サーバー Aサーバー D 間にサブスクリプションを作成して、サーバー D を部分的にトポロジに接続します。これにより、変更はサーバー Aサーバー Bサーバー C で発生し続けます。サーバー D での変更は、サーバー Aサーバー D 間にサブスクリプションが作成されるとすぐに開始されます。サーバー B およびサーバー C からの変更は、サーバー A を通じてサーバー D にレプリケートされます。

  • 第 2 段階では、サーバー Bサーバー D の間、およびサーバー Cサーバー D の間にサブスクリプションを作成して、サーバー D を完全にトポロジに接続します。この段階では、システムを停止する必要があります。

    第 2 段階は必須ではありませんが、サーバー Aサーバー D 間に単一の接続しかない場合に比べてフォールト トレランスが向上します。

第 1 段階の手順

新規ノードのディストリビューションを構成するには

  • このトピックの「各ノードのディストリビューションを構成するには」を参照してください。

新規ノードを初期化するには

  • サーバー D で、サーバー A からのパブリケーション データベースの最新のバックアップを復元します。サーバー B またはサーバー C からのバックアップも使用できますが、サーバー D を追加するときに、ピア ツー ピア トポロジ構成ウィザードの [パブリケーション] ページでサーバーとデータベースを選択する必要があります。

トポロジに新規ノードを追加するには (サーバー A とサーバー D 間にサブスクリプションを作成)

  1. サーバー A で作成したパブリケーションを右クリックし、[ピア ツー ピア トポロジの構成] をクリックします。

  2. ピア ツー ピア トポロジの構成ウィザードの [パブリケーション] ページで、サーバー A で作成したパブリケーションが選択されます。

  3. [トポロジの構成] ページのデザイン画面に、サーバー Aサーバー B、およびサーバー C が表示されます。

    1. デザイン画面を右クリックし、[新しいピア ノードの追加] をクリックします。

    2. [サーバーへの接続] ダイアログ ボックスで、サーバー D に接続します。

    3. [新しいピア ノードの追加] ダイアログ ボックスで、パブリケーション データベースを選択します。

    4. [OK] をクリックします。

    5. サーバー Aサーバー D の間の接続を追加します。サーバー A を右クリックし、[新しいピア接続の追加] をクリックして、接続の矢印をサーバー D までドラッグします。

  4. [ログ リーダー エージェントのセキュリティ] ページで、サーバー D のログ リーダー エージェントの資格情報を指定します。

  5. [ディストリビューション エージェント セキュリティ] ページで、サーバー A およびサーバー D のディストリビューション エージェントの資格情報を指定します。

  6. [新しいピアの初期化] ページで、[元のパブリケーション データベースのバックアップを復元し、バックアップ後にパブリケーション データベースを変更した] を選択します。

    このオプションを選択した場合、サーバー A からのバックアップに含まれていない変更は、サーバー D で復元されたデータベースに配信されます。ピア ツー ピア レプリケーションのパブリケーションを有効にしたとき、allow_initialize_from_backup パブリケーション プロパティは True に設定されています。復元後に他のピアが最新の状態になるように、レプリケーションが直ちに開始されてサーバー A のパブリケーション データベースの変更が追跡されています。

  7. [参照] ボタンをクリックして使用するバックアップを選択すると、レプリケーションはバックアップからログ シーケンス番号 (LSN) を読み取ります。サーバー A のパブリケーション データベース内の変更のうち、これより大きな LSN を持つものすべてがサーバー D に配信されます。

  8. ウィザードを完了します。

  9. ID 範囲を含んでいるパブリッシュされたテーブルの場合、サーバー A の各テーブルに割り当てた ID 範囲がサーバー D でも使用されます。システムを停止せず、すべてのノードを完全には接続しない場合は、次の手順でサーバー D の各テーブルに適切な範囲を割り当ててください。すべてのノードを完全に接続する場合は、停止が完了した後で範囲を割り当てることができます。

    1. サーバー Dsp_requestpeerresponse を実行し、出力パラメータ @request_id を取得します。

    2. 既定では、ディストリビューション エージェントが連続的に実行されるように設定されているため、すべてのノードに自動的にトークンが送信されます。ディストリビューション エージェントが連続モードで実行されていない場合は、エージェントを実行します。詳細については、「レプリケーション エージェント実行可能ファイルの概念」または「レプリケーション エージェントの起動および停止方法 (SQL Server Management Studio)」を参照してください。

    3. 手順 b. で取得した @request_id 値を指定して sp_helppeerresponses を実行します。すべてのノードがピア要求を受信するまで待機します。

    4. DBCC CHECKIDENT を使用してサーバー D の各テーブルを再作成し、適切な範囲が使用されていることを確認します。

第 2 段階の手順

トポロジを停止するには

  1. ピア ツー ピア トポロジ内のすべてのパブリッシュされたテーブルでの処理をすべて停止します。

  2. サーバー Aサーバー Bサーバー C、およびサーバー D のデータベースで sp_requestpeerresponse を実行し、出力パラメータ @request_id を取得します。

  3. 既定では、ディストリビューション エージェントが連続的に実行されるように設定されているため、すべてのノードに自動的にトークンが送信されます。ディストリビューション エージェントが連続モードで実行されていない場合は、エージェントを実行します。詳細については、「レプリケーション エージェント実行可能ファイルの概念」または「レプリケーション エージェントの起動および停止方法 (SQL Server Management Studio)」を参照してください。

  4. 手順 2. で取得した @request_id 値を指定して sp_helppeerresponses を実行します。すべてのノードがピア要求を受信するまで待機します。

  5. 必要に応じて新しい ID 範囲を割り当てます。残りのサブスクリプションを追加することによって完全にトポロジに接続することができます。

新規ノードの追加のサブスクリプションを作成するには

  1. サーバー A で作成したパブリケーションを右クリックし、[ピア ツー ピア トポロジの構成] をクリックします。

  2. ピア ツー ピア トポロジの構成ウィザードの [パブリケーション] ページで、サーバー A で作成したパブリケーションが選択されます。

  3. [トポロジの構成] ページのデザイン画面に、サーバー Aサーバー Bサーバー C、およびサーバー D が表示されます。

    1. サーバー B を右クリックし、[新しいピア接続の追加] をクリックして、接続の矢印をサーバー D までドラッグします。

    2. サーバー C を右クリックし、[新しいピア接続の追加] をクリックして、接続の矢印をサーバー D までドラッグします。

  4. [ログ リーダー エージェントのセキュリティ] ページで、サーバー Bサーバー C、およびサーバー D のログ リーダー エージェントの資格情報を指定します。

  5. [ディストリビューション エージェント セキュリティ] ページで、サーバー Aサーバー Bサーバー C、およびサーバー D のディストリビューション エージェントの資格情報を指定します。

  6. [新しいピアの初期化] ページで、[ピア データベースを手動で作成したか、バックアップの実行後、変更されなかった元のパブリケーション データベースのバックアップを復元した] を選択します。すべてのノードにデータがある状態で、このオプションを指定すると、各ノード間に適切なサブスクリプション リレーションシップが確立されます。

  7. ウィザードを完了し、システムでの処理を再開します。