単純データ型クラス

次のクラスは、C++ の構文を便利に使用できるように、描画座標、文字列、および時間と日付の情報をカプセル化します。 これらのオブジェクトはクラス ライブラリの Windows クラスのメンバー関数のパラメーターとして広く使われます。 CPointCSize、および CRect は、Windows SDK ではそれぞれ、POINTSIZE、および RECT の各構造体に対応しているので、これらの C 言語の構造体を使用できる場所ならどこでもこれら C++ クラスのオブジェクトを使用できます。 このクラスは、メンバー関数を介して役に立つインターフェイスを提供します。 CStringT は、非常に柔軟で動的な文字列を提供します。 CTimeCOleDateTimeCTimeSpan、および COleTimeSpan は、時間と日付の値を表現します。 これらのクラスの詳細については、「日付と時刻」を参照してください。

"COle" で始まるクラスは OLE で提供されるデータ型をカプセル化します。 これらのデータ型は別の OLE 機能が使われているかどうかにかかわらず Windows プログラムで使用できます。

  • CStringT クラス
    文字列を保持します。

  • CTime
    絶対的な時間と日付の値を保持します。

  • COleDateTime
    OLE オートメーション型 DATE のラッパー。 日付と時間の値を表現します。

  • CTimeSpan
    相対的な時間と日付の値を保持します。

  • COleDateTimeSpan
    2 つの COleDateTime 値の差などの相対的な COleDateTime 値を保持します。

  • CPoint
    座標 (x, y) のペアを保持します。

  • CSize
    距離、相対位置、または値のペアを保持します。

  • CRect
    四角形領域の座標を保持します。

  • CImageList
    Windows イメージ リストの機能が用意されています。 イメージ リストはリスト コントロールやツリー コントロールで使われます。 また、同じサイズのビットマップの組の格納や保存にも使用できます。

  • COleVariant
    OLE オートメーション型 VARIANT のラッパー。 VARIANT のデータは、いろいろな形式で格納されます。

  • COleCurrency
    整数部 15 桁、小数部 4 桁の固定小数点の数値型である OLE オートメーション型 CURRENCY のラッパー。

    注意

    Visual C++ .NET 以降では、CRectCSize、および CPoint は、ATL アプリケーション、MFC アプリケーションのどちらにおいても使用できるように修正されています。 さらに、MFC から独立した CString のようなクラスを提供するために、CStringT が追加されています。 共有ユーティリティ クラスの詳細については、「共有クラス」を参照してください。

参照

概念

クラス ライブラリの概要