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方法: tcm.exe を使用して自動テストのアセンブリからテスト ケースを作成する

Visual Studio を使用して自動テストを作成した場合、これらのテストをテスト計画の一部として実行できます。 テスト計画を追加することで、テストの進行状況を測定できます。 これらの自動テストの結果と他のすべてのテストの結果の両方をテスト計画で参照し、進行状況を追跡できます。 また、これらのテスト ケースを要件にリンクして、要件の自動テストのステータスを確認できます。 この方法の詳細については、「既存のテスト ケースを要件に関連付ける」を参照してください。

これらのテストをテスト計画の一部として実行するには、コマンド ライン ツール tcm.exe を使用して、アセンブリ内のすべてのテスト メソッドのテスト ケースを作成する、またはテスト カテゴリのテスト メソッド プロパティに基づいてテスト メソッドの一部のテスト ケースを作成します。 テストを既存のテスト ケースに追加する場合、テスト メソッドを直接そのテスト ケースに関連付けることができます。 詳細については、「方法: テスト ケースに自動テストを関連付ける」を参照してください。

旧バージョンの Microsoft Visual Studio 2010 の自動テストが存在する場合は、自動テストが含まれるテスト プロジェクトを Visual Studio 2010 にアップグレードした後で、これらのテストをテスト ケースに関連付けることができます。

テスト メソッドをインポートしてテスト ケースを作成したら、これらのテスト ケースをテスト計画に追加する必要があります。 テスト計画からこれらのテスト ケースを実行するには、物理環境または仮想環境を使用する必要があります。 環境がないと、Microsoft テスト マネージャー を使用して自動テストを実行できません。

自動テスト メソッドを含むテスト プロジェクトをチェックインして、そのテスト プロジェクトがビルド定義の一部となるようにする必要があります。 このビルド定義を使用して作成されたビルドがテスト計画で選択されていることを確認する必要があります。 ビルドのこの情報は、適切なテスト メソッド アセンブリを検索して自動テストの実行に使用するために、Microsoft テスト マネージャー によって使用されます。

テスト プロジェクトおよびチーム ビルドのチェックイン方法の詳細については、「バージョン管理へのファイルの追加」および「アプリケーションのビルド」を参照してください。

テストの設定およびテスト環境を使用して、コマンド ラインから自動テストを実行することもできます。 詳細については、「方法: TCM を使用してコマンド ラインからオートメーションでテスト ケースを実行する」を参照してください。

テスト計画の一部として実行できるテスト ケースを、自動テストのアセンブリから作成するには、次の手順を実行します。

  • 自動テストのアセンブリからテスト ケースを作成し、それらを計画に追加します。

  • チーム ビルドを使用するテスト計画を設定します。

  • テストを実行するためのテストの設定と環境の作成

  • Microsoft テスト マネージャーを使用した自動テストの実行

  • テスト結果の表示と更新

プロシージャの共通のパラメーター

パラメーター

説明

/collection:CollectionURL

チーム プロジェクト コレクションの URI を指定します。 URI の形式は http://ServerName:Port/VirtualDirectoryName/CollectionName です。

仮想ディレクトリを使用していない場合、URI の形式は次のようになります。

http://ServerName:Port/CollectionName

正しいパスがわからない場合は、Team Foundation のシステム管理者に連絡してください。

/teamproject: TeamProjectName

使用するチーム プロジェクト。 このチーム プロジェクトは、/collection パラメーターで指定されているプロジェクト コレクションで定義されている必要があります。

/login: UserName,Password

省略可能です。 Team Foundation Server のアプリケーション層サーバーにログオンしており、コマンド実行のためのアクセス許可を持つユーザーの名前とパスワードを指定します。

Windows の資格情報に適切なアクセス許可がない場合、基本認証を使用する場合、またはドメインに接続されていない場合はこのオプションを使用します。

/? または help

コマンド プロンプト ウィンドウにコマンドのヘルプを表示します。

手順

自動テストのアセンブリからのテスト ケースの作成

自動テストのアセンブリからテスト ケースを作成するには

  1. Visual Studio のコマンド プロンプトを開きます。

    これを行うには、[スタート] ボタンをクリックし、[すべてのプログラム] をポイントします。次に [Microsoft Visual Studio 2010] をポイントし、[Visual Studio Tools] をポイントして、[Visual Studio 10.0 コマンド プロンプト] をクリックします。

    コマンド プロンプトで <ドライブ>:\Program Files\Microsoft Visual Studio 10.0\VC フォルダーが開きます。

  2. テスト プロジェクトからビルドされたアセンブルが含まれているフォルダーにディレクトリを変更します。

    これを行うには、まず、ディレクトリをソリューション フォルダーに変更します。 次に、コマンド プロンプトで次のコマンドを入力して、ディレクトリをテスト プロジェクトのフォルダーに変更します。

    cd <プロジェクト名> \bin\Debug

  3. アセンブリからすべてのテスト メソッドをインポートするには、コマンド プロンプトで次のコマンドを入力します。

    tcm testcase /collection:<CollectionURL> /teamproject: <チーム プロジェクト名> /import /storage: <アセンブリの名前> .dll

    結果は、次のようになります。

    Modification Title

    ---------------- ------------------

    Added <Name of test method>

    Added <Name of test method>

    Summary

    ------------

    Added 2

    Updated 0

    Total 2

    注意

    作成されるテスト ケースは、インポートしたテスト メソッドと同じ名前になります。

  4. (省略可能) テスト カテゴリに基づいてアセンブリからインポートされるテスト メソッドを制限できます。 テスト カテゴリの詳細については、「テスト カテゴリの定義によるテストのグループ化」を参照してください。 たとえば、次のコマンドは ShoppingCart カテゴリと SmokeTest カテゴリの両方に含まれるテストをインポートする方法を示しています。

    tcm testcase /collection:<CollectionURL> /teamproject: <チーム プロジェクト名> /import /storage: <アセンブリの名前> .dll /category:"ShoppingCart&SmokeTest"

  5. (省略可能) テスト メソッド プロパティに基づいてアセンブリからインポートされるテスト メソッドを制限できます。 たとえば、次のコマンドは優先順位が 0 または 1 に設定されたすべてのテスト メソッドをインポートする方法を示しています。

    tcm testcase /collection:<CollectionURL> /teamproject: <チーム プロジェクト名> /import /storage: <アセンブリの名前> .dll/maxpriority:1

  6. Microsoft テスト マネージャーを開きます。

    注意

    Microsoft テスト マネージャーのウィンドウを表示するには、[スタート] ボタンをクリックし、[すべてのプログラム] をクリックします。 [Microsoft Visual Studio 2010] をポイントし、[Microsoft Test Manager 2010] をクリックします。

  7. テスト計画を選択するために、センター グループ スイッチャーの下向きの矢印をクリックし、[テスト センター] をクリックします。

  8. センター グループ メニュー バーで、[計画] をクリックします。

  9. (省略可能) 他のテスト計画を選択するには、右上隅のテスト計画名のハイパーリンクをクリックするか、[ホーム] アイコンをクリックします。

  10. テスト ケースを新しいテスト スイートまたは既存のテスト スイートに追加できます。 テスト ケースを計画に追加するには、[内容] をクリックして、テスト スイートの階層構造内のテスト スイートを選択するか、新しいテスト スイートを追加します。 テスト スイートの詳細ペインで [追加] をクリックします。

    [テスト ケースをスイートに追加] ダイアログ ボックスが表示されます。

    メモ   テスト計画内のテスト スイートの詳細については、「テスト スイートを使用したテスト ケースの整理」を参照してください。

  11. 作成したテスト ケースを選択します。 これらのテスト ケースは、テスト アセンブリ内のテスト メソッドと同じ名前になります。 次に、[テスト ケースの追加] をクリックします。

    テスト ケースが、選択したテスト スイートのテストの一覧に表示されます。

    注意

    テスト ケースを静的テスト スイートに直接インポートすることもできます。 この方法の詳細については、「tcm: テスト ケースへの自動テストのインポート」を参照してください。

チーム ビルドを使用するテスト計画の設定

作成した自動テストを実行するためのテスト計画を設定するには、自動テスト メソッドのビルドに使用する適切なビルド定義を選択する必要があります。 これは、ビルド定義の共有の場所で自動テスト アセンブリが検出され、Microsoft テスト マネージャー から実行できるようにするために必要な操作です。

チーム ビルドを使用するテスト計画を設定するには

  1. Microsoft テスト マネージャー を開きます。

    注意

    Microsoft テスト マネージャーのウィンドウを表示するには、[スタート] ボタンをクリックし、[すべてのプログラム] をクリックします。 [Microsoft Visual Studio 2010] をポイントし、[Microsoft Test Manager 2010] をクリックします。

  2. テスト計画を選択するために、センター グループ スイッチャーの下向きの矢印をクリックし、[テスト センター] をクリックします。

  3. センター グループ メニュー バーで、[計画] をクリックします。

  4. 自動テストを実行するためのテスト計画を設定するために、[プロパティ] をクリックし、[ビルドのフィルター] をクリックします。

    [完了ビルドのフィルター処理] ダイアログ ボックスが表示されます。

  5. 自動テストのビルドに使用するビルド定義を選択するために、[ビルド定義] をクリックします。

  6. ビルドごとに固有の値を指定して、ビルドの品質評価を反映できます。 表示できるビルドの品質評価を選択するために、[ビルドの品質評価] をクリックします。

    注意

    ビルド定義およびビルドの品質評価の詳細については、「ビルド処理の定義」を参照してください。

  7. 変更を保存するために、[ビルド フィルターの設定] をクリックします。

  8. 自動テストに対する最新の変更を含む最新のビルドをこのテスト計画で使用するように選択するために、最初に [保存] をクリックして計画を保存し、次に [変更] をクリックします。

    [ビルドの割り当て] アクティビティが表示されます。 現在のビルドを、採用する予定のビルドと比較できます。 関連付けられた項目の一覧に、ビルド間での作業項目の変更内容が表示されます。 これにより、この計画のテストに使用する最新のビルドを割り当てることができます。 ビルドを選択する方法の詳細については、「バグ修正、新機能、要件のあるビルドの確認」を参照してください。

  9. [閉じる] アイコンをクリックして、[ビルドの割り当て] アクティビティを閉じてテスト計画のプロパティに戻ります。

  10. ツール バーの [上書き保存] をクリックして、このテスト計画に対する変更内容を保存します。

テストを実行するためのテストの設定と環境の作成

自動テストを実行するには、物理環境または仮想環境を使用する必要があります。 環境がないと、Microsoft テスト マネージャーを使用して自動テストを実行できません。

テストの設定のロールが含まれている環境を作成し、この環境をテスト計画で使用する必要があります。 環境、ロール、およびテストの設定を作成する方法の詳細については、「テスト コンピューターでのテストの実行またはデータの収集の設定」を参照してください。

注意

デスクトップと対話する自動テストを実行する場合、エージェントをサービスではなくプロセスとして実行されるように設定する必要があります。 詳細については、「方法: テスト エージェントを設定して、デスクトップと対話するテストを実行する」を参照してください。

テストを実行するためのテストの設定および環境を作成するには

  1. 物理環境を作成するには、「テストで使用する物理環境の作成」の手順に従います。

  2. Visual Studio Lab Management を使用している場合、仮想環境を作成できます。 仮想環境を作成するには、「方法: 仮想マシンまたはテンプレートから環境を作成する」の手順に従います。 仮想環境を作成する方法の詳細については、「仮想環境の概念およびガイドライン」を参照してください。

  3. テストの設定を作成するには、「テスト計画の一部としての自動テストのテスト設定の作成」の手順に従います。

Microsoft テスト マネージャーを使用した自動テストの実行

Microsoft テスト マネージャーを使用して自動テストを実行するには

  1. Microsoft テスト マネージャーを開きます。

    注意

    Microsoft テスト マネージャーのウィンドウを表示するには、[スタート] ボタンをクリックし、[すべてのプログラム] をクリックします。 [Microsoft Visual Studio 2010] をポイントし、[Microsoft Test Manager 2010] をクリックします。

  2. 自動テストを実行するために、センター グループ スイッチャーの下向きの矢印をクリックし、[テスト センター] をクリックします。

  3. センター グループ メニュー バーで、[テスト] をクリックします。

  4. (省略可能) このテスト計画で選択した自動テストの実行に使用するビルド、テストの設定、または環境をオーバーライドする場合は、テストを右クリックし、[オプションを指定して実行] をクリックします。 たとえば、標準のテスト環境ではなく、ステージング環境で実行する場合は、別の環境を選択する可能性があります。 [実行オプション] ダイアログ ボックスでは、これらの設定を変更し、[実行] をクリックして、選択したテストを実行できます。

    注意

    別の環境を選択する場合は、使用するテストの設定で作成した環境と同じロールが設定されている必要があります。

  5. オプションを変更しないで自動テストを実行するには、テストを右クリックし、[実行] をクリックします。

    このテストが含まれているテストの実行の進行状況を示す [テストの実行を分析] アクティビティが表示されます。

    注意

    複数のテストを選択して複数の自動テストを実行できるほか、テスト スイート全体を実行することも選択できます。 スイートを実行するには、テスト スイートを右クリックし、[実行] をクリックします。

テスト結果の表示と更新

テスト結果を表示および更新するには

  1. Microsoft テスト マネージャーを開きます。

    注意

    Microsoft テスト マネージャーのウィンドウを表示するには、[スタート] ボタンをクリックし、[すべてのプログラム] をクリックします。 [Microsoft Visual Studio 2010] をポイントし、[Microsoft Test Manager 2010] をクリックします。

  2. テスト結果を表示するために、センター グループ スイッチャーの下向きの矢印をクリックし、[テスト センター] をクリックします。

  3. センター グループ メニュー バーの [テスト] をクリックし、[テストの実行を分析] をクリックします。

    [テストの実行を分析] アクティビティが表示されます。 これには、このテスト計画に関するすべてのテストの実行が表示されます。

  4. テストの実行をダブルクリックして開き、詳細を表示します。

    テストの実行の詳細が表示されます。

  5. (省略可能) テストの実行のタイトルをわかりやすい名前に変更する場合は、[タイトル] に新しい名前を入力します。

  6. (省略可能) テストが失敗した場合は、失敗の理由を更新できます。 [解決方法] をクリックし、失敗の理由を一覧から選択します。

  7. (省略可能) テスト結果にコメントを追加する場合は、[コメント] アイコンをクリックします。 コメントを入力し、[コメントの保存] をクリックします。

  8. (省略可能) 個別のテストの詳細を表示する場合は、そのテストをダブルクリックします。

    テスト結果が表示されます。 これには、テストの実行の詳細、このテスト結果で収集されたデータの添付ファイル、およびそのテストのテスト結果履歴が表示されます。 このビューを閉じると、テストの実行に戻ることができます。

    注意

    分析の結果、バグがあることがわかった場合は、このビューからバグを作成できます。

  9. ツール バーの [上書き保存] をクリックして、このテストの実行に対する変更内容を保存します。

参照

処理手順

方法: テスト ケースに自動テストを関連付ける

方法: TCM を使用してコマンド ラインからオートメーションでテスト ケースを実行する

その他の技術情報

tcm: テスト ケースへの自動テストのインポート

自動テストの作成