HTML へのレンダリング (レポート ビルダー)

XML 表示拡張機能では、ページ分割されたレポートが XML 形式で返されます。 また、完全な HTML ページを生成することも、他の HTML ページに埋め込むための HTML の一部分を生成することもできます。 すべての HTML は、UTF-8 エンコードで生成されます。

HTML 表示拡張機能は、SQL Server 2016 (13.x) Reporting Services 以降 (SSRS) の Web ポータルで実行する場合など、ブラウザーで表示されるレポートの既定の表示拡張機能です。 HTML 表示拡張機能を使用すると、HTML を部分的に表示することも、完全な HTML ドキュメントとして表示することもできます。 HTML がフラグメントの場合、HTML ドキュメントの HEADタグ、 HTMLタグ、および BODY タグが削除されています。 表示されるのは、 BODY タグの内容のみです。 これは、他のアプリケーションによって生成された HTML に HTML を埋め込む場合に役立ちます。

状況によっては、レポート パラメーターを使用して、レポートが HTML で表示される際にスクリプト インジェクション攻撃を開始することも可能であることを意味します。 レポートのセキュリティ保護の詳細については、「レポートとリソースの保護」を参照してください。

ブラウザーの詳細については、Reporting Services のブラウザー サポートに関する記事を参照してください。

注意

ページ分割されたレポートの定義ファイル (.rdl) は、Microsoft レポート ビルダー、Power BI レポート ビルダー、または SQL Server Data Tools のレポート デザイナーを使用して作成および変更できます。

MHTML でのレンダリング

HTML 表示拡張機能を使用すると、MHTML (MIME Encapsulation of Aggregate HTML Documents) でレポートを表示することもできます。 MHTML は、HTML を拡張して、画像などのエンコードされているオブジェクトを HTML ドキュメントに埋め込むことができるようにしたものです。 MHTML 表示拡張機能を使用すると、画像、ドキュメント、その他のバイナリ ファイルなどのリソースを、レポート HTML 内部の MIME 構造として単一のファイルに埋め込むことができます。 また、MHTML レポートは、すべてのリソースがレポートの中に含まれるので、電子メール メッセージに埋め込むのにも役立ちます。 実際には MHTML をレンダリングする HTML レンダリング拡張機能ですが、この機能は MHTML レンダリング拡張機能とも呼ばれます。

ブラウザーのサポート

この表示拡張機能では、次のブラウザー バージョンをサポートしています。

  • Internet Explorer 5.5 以降

  • Firefox 1.5 以降

  • Safari 3.0 以降

ブラウザ間の考慮事項により、表示されるレポートはブラウザーによって多少異なる場合があります。 たとえば、テキスト ボックスには WritingMode というプロパティが表示されます。 このプロパティは Firefox ではサポートされていません。

HTML 固有のレンダリング ルール

表示する際は、次の HTML 固有の規則が適用されます。

  • ReportItems コレクション内にアイテムが複数存在する場合は、レンダラーによって、すべてのアイテムを格納するための HTML テーブル構造が構築されます。

  • テーブル構造内の各アイテムは 1 つのセルを占有します。

  • 空のセルをできる限りまとめて HTML のサイズを小さくします。

  • ブラウザーでテーブルを表示する速度を上げるために、上端に空のセルの行が追加され、左端に 1 列が追加されます。

  • テーブルのアイテムが格納されていない行や列、つまりアイテムの間隔は、幅と高さが固定されています。

  • その他すべての行と列は、各レポート アイテムのサイズに応じて拡張できます。

  • すべての座標とレポート アイテム サイズはミリメートルに変換されます。 スタイル プロパティなどの他のすべてのサイズは、元の単位のままになります。 0.2 mm に満たないサイズや位置の差は 0 mm として扱われます。

対話機能

HTML では、いくつかの対話型要素がサポートされています。 次のセクションでは、具体的な動作について説明します。

表示と非表示

表示の切り替えが可能なレポート アイテムは、切り替えイメージの展開 (+) と折りたたみ (-) と共に表示され、選択できます。 アイテムを選ぶと、変更後の表示または非表示状態で出力を再表示するために、サーバーへのコールバックが行われます。

見出しマップ

ドキュメント マップ ラベルが表示されると、ビューアー コントロールのドキュメント マップを使用することでそのラベルに移動できます。 データ領域のヘッダーが省略される場合、ラベルは最初の子セルに表示されます。 子セルが存在しない場合、ラベルはその前にある子に表示されます。

ブックマーク

ブックマーク リンクは、ハイパーリンクとして表示されます。 ブックマーク対象が表示されると、ブックマーク リンクを選ぶことでその対象に移動できます。 ブックマーク リンクが選択されると、レポートはターゲット ブックマーク ラベルの最初の出現箇所に移動します。 その後、可能な場合はブラウザーがスクロールされ、ブックマーク リンクがウィンドウの上部に表示されます。 HTML アンカー (<a>) タグは、ブックマーク対象にマークを付けるために使用されます。

対話的な並べ替え

テキスト ボックスでユーザーによる並べ替えが定義されている場合、HTML 表示拡張機能により、テキスト ボックス内で各項目の右側に並べ替えアイコンが表示されます。 ユーザーの並べ替えが定義されているテキスト ボックスがレポートに含まれている場合は、JavaScript がレンダリングされます。 並べ替えイメージが選択されると、JavaScript によってサーバーへのポストバックが発生します。

ハイパーリンクとドリルスルー リンクは、これらのリンクが定義されているアイテムを HTML アンカー (<a>) タグで囲むことにより、レポート アイテムのハイパーリンクとしてレンダリングされます。

検索機能を使用すると、ユーザーは、レポート内で文字列を検索することができます。

さらに多くの検索機能は、ReportViewer Web フォーム コントロールによって提供されます。

クライアント コンピューターでのフォント

レポート内でカスタム フォントが使用されている場合、レポートが正しく表示されるためには、レポートの閲覧に使用するコンピューター (クライアント コンピューター) にカスタム フォントがインストールされている必要があります。 クライアント コンピューターにフォントがインストールされていない場合、レポートにはカスタム フォントの代わりにシステムのデフォルのフォントが表示されます。

デバイス情報設定

デバイス情報設定を変更することによって、このレンダラーに関する既定の設定の一部 (表示モードなど) を変更することができます。 詳細については、「 HTML デバイス情報設定」を参照してください。