モバイル デバイス用のプレインストール可能なアプリ

プレインストール アプリをモバイル イメージに追加するには

プレインストール可能なアプリを作成するプロセスは、標準的なアプリの場合とさほど変わりません。 Windows 10 Mobile イメージにプレインストールしたいアプリを開発者が Windows 10 デベロッパー センターから提出します。 アプリの提出後、このトピックの説明に従って、プレインストール パッケージをリクエストし、ダウンロードしてイメージに追加できます。

プレインストール可能なアプリを追加するには、次の操作を実行する必要があります。

  • プレインストール パッケージをリクエストする
  • プレインストール可能なアプリの .provxml を作成する
  • カスタマイズ応答ファイルを使用してイメージにアプリを追加する
  • イメージをビルドする

プレインストール パッケージをリクエストする

デベロッパー センターにアプリを追加した開発者は、そのプレインストール パッケージをリクエストできます。 受け取ったプレインストール パッケージは、提携する OEM に直接提供できます。 そのアプリを OS イメージに追加する OEM は、アプリケーションの開発者に、アプリケーション パッケージをダウンロードして、ダウンロードした ZIP ファイルを OEM に提供するよう依頼することになります。 OEM がその開発者のアカウントに直接アクセスすることはできません。 プレインストール パッケージを入手したら、残りの手順に進むことができます。 開発者が OEM 向けのプレインストール パッケージを生成する方法について詳しくは、「OEM 向けのプレインストール パッケージの生成」を参照してください。

プレインストール可能なアプリの .provxml ファイルを作成する

プレインストールされたアプリを Windows 10 Mobile OS イメージに追加するためには、インストール パラメーターと Windows 10 Store カタログ識別子を指定する .provxml 構成ファイルが必要です。 具体的には、.appx ファイルのパス、ライセンス ファイルのパス、Store カタログ ID を指定する必要があります。 アプリが更新プログラムをチェックするために Store サービスに接続するときに、この情報が使用されます。 エラーの可能性を最小化するために、開発者ポータルには、アプリ用の適切な XML が用意されています。 以下に示したのは、実際の .provxml の例です。

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" ?>
<wap-provisioningdoc>
   <characteristic type="AppInstall">
      <characteristic type="AppXPackage">
         <parm name="ProductID" value="{09f2d20a-7076-4970-80ac-1bc24c171d2e}"/>
         <parm name="AppXPath" value="c:\Programs\CommonFiles\Xaps\SampleApp.appx"/>
         <parm name="LicensePath" value="c:\Programs\CommonFiles\Xaps\SampleAppLicense.xml"/>
         <parm name="InstanceID" value="{03e9a435-3000-11db-89ca-0019b92FFFFF}"/>
         <parm name="OfferID" value="{03e9a435-3000-11db-89ca-0019b92FFFFF}"/>
         <parm name="PayloadID" value="{03e9a435-3000-11db-89ca-0019b92FFFFF}"/>
         <parm name="UninstallDisabled" value="false"/>
         <parm name="FullyPreInstall" value="false"/>
         <parm name="ForceUpdate" value="false"/>
      </characteristic>
   </characteristic>
</wap-provisioningdoc>

Note

プレインストール アプリの provxml ファイルは、所定の名前付け規則に従う必要があります。 MPAP__.provxml 形式を使用してください。name と index には任意の文字列を使用できます。 通常、name は、プレインストール アプリを含んだ更新プログラム パッケージの名前、index は、同じ名前の provxml ファイルを区別する文字列です。 多くの場合、index は数値で表されます (01 など)。

provxml フラグ

provxml で使用できるフラグは次のとおりです。

フラグ 説明
UninstallDisabled プレインストール アプリをユーザーがアンインストールできるかどうかを制御するフラグです。 FALSE (既定値) に設定した場合、ユーザーはプレインストール アプリをアンインストールできます。 TRUE に設定すると、ユーザーはアプリをアンインストールできなくなります。 このフラグは provxml によってのみ設定可能であり、Store の更新によってオーバーライドすることはできません。 更新後の provxml ファイルでデバイスを更新することによってのみ、この値を変更することができます。 理想的には、ユーザー エクスペリエンスを損なうことのないよう、このフラグは、携帯電話の機能に不可欠なアプリでのみ、TRUE に設定するようにしてください。
ForceUpdate このフラグを使用すると、Windows 10 Mobile への更新前の携帯電話に以前からインストールされている既存のバージョンのアプリに対し、OS 更新イメージ内のアプリが上書きを試みることができます。 このフラグの既定値は FALSE です。 アプリの更新が強制されるため、既にインストールされているアプリが、以前のバージョンの OS 向けに開発されていた場合、このフラグを TRUE にすることで、機能のダウングレードを招くおそれがあることに注意してください。 一般に、このフラグの使用は、既にインストールされているバージョンのアプリをダウングレートすることになったとしても、携帯電話の更新直後に Windows 10 Mobile バージョンのアプリが存在しなければならない場合に限定することをお勧めします。
FullyPreinstall アプリの MDIL バインドを、初回起動 (または更新) 時に実行するか、それらの操作の完了後まで先延ばしするかを制御するフラグです。 MDIL バインドを先延ばしすることで、ユーザーは、その携帯電話の使用をすぐに再開できます。スタート画面に事前にピン留めされていないアプリは、これが既定の動作となります。 最初の起動/更新が完了するまでバインドが遅延されると、アプリアイコンは灰色表示され、"インストール中"の状態になり、遅延バインドが完了するまで実行できません。 すべての遅延バインドが完了するまでにかかる時間は、遅延プリロードされたアプリの数とユーザーのアクティビティによって異なります。 フラグの動作は次のとおりです。
  • true: 初回起動 (または更新) の完了前に MDIL バインドが実行されます。
  • false: スタート画面にアプリが事前にピン留めされている場合、初回起動 (または更新) の完了前に MDIL バインドが実行されます。 スタート画面にアプリが事前にピン留めされていない場合、初回起動 (または更新) の完了後まで MDIL バインドが先延ばしされます。
初回起動または OS 更新の直後にアプリを実行できるようにする必要がある場合を除いて、通常、この値は既定値 (FALSE) のままにしておいてください。 次に、このフラグを TRUE に設定すべき状況の例をいくつか示します。
  • OEM 拡張アプリ
  • ダイヤラーでインストールされたアプリ
  • OEMサービスエージェント
  • 重要なシステム設定アプリ

イメージにアプリを追加する

プレインストール アプリは、customizations.xml 応答ファイルを使用して OS イメージに追加されます。 customizations.xml 応答ファイルを作成するには、まず Windows 構成デザイナーをインストールし、プロビジョニング パッケージを作成します。 その後、プロジェクト フォルダーを開くと、customizations.xml ファイルが見つかります。

プレインストール アプリをイメージに追加するには、適切な定義属性を含んだ Application 要素を customizations.xml ファイルに追加する必要があります。 次のコード サンプルは、プレインストールするアプリをカスタマイズ応答ファイルに追加する方法を示したものです。

    <Applications>
      <Application License="$(CAFE_OUTPUT_DIR)\content\App_MobileTV_7e7cc86e_e1c0_476a_ac88_db3c9ffffabb\MobileTV_License.xml" ProvXML="$(CAFE_OUTPUT_DIR)\content\App_MobileTV_7e7cc86e_e1c0_476a_ac88_db3c9ffffabb\MPAP_MobileTV_01.provxml" Source="$(CAFE_OUTPUT_DIR)\content\App_MobileTV_7e7cc86e_e1c0_476a_ac88_db3c9ffffabb\MobileTV.xap"/>
      <Application License="$(CAFE_OUTPUT_DIR)\content\App_AudioSettings_373cb76e_7f6c_45aa_8633_b00e85c73261\audio_License.xml" ProvXML="$(CAFE_OUTPUT_DIR)\content\App_AudioSettings_373cb76e_7f6c_45aa_8633_b00e85c73261\MPAP_audio_01.provxml" Source="$(CAFE_OUTPUT_DIR)\content\App_AudioSettings_373cb76e_7f6c_45aa_8633_b00e85c73261\audio.appx"/>
      <Application License="$(CAFE_OUTPUT_DIR)\content\App_MicrosoftHealthApp_0168b504_ca18_46b8_b60a_0f6fdc271c81\MicrosoftHealthApp_License.xml" ProvXML="$(CAFE_OUTPUT_DIR)\content\App_MicrosoftHealthApp_0168b504_ca18_46b8_b60a_0f6fdc271c81\MPAP_MicrosoftHealthApp_01.provxml" Source="$(CAFE_OUTPUT_DIR)\content\App_MicrosoftHealthApp_0168b504_ca18_46b8_b60a_0f6fdc271c81\MicrosoftHealthApp.appxbundle"/>
    </Applications>

Note

provxml ファイルは "$(runtime.commonfiles)\Provisioning\OEM" ディレクトリに置く必要があります。 ライセンス ファイルとアプリ パッケージ (.xap または .appx) は "$(runtime.commonfiles)\xaps" ディレクトリに置く必要があります。

customizations.xml 応答ファイルを構成したら、Windows 構成デザイナーのコマンド ライン インターフェイスを使用してイメージを作成します。 手順については、「Windows 構成デザイナーのコマンド ライン インターフェイス」を参照してください。

イメージをビルドする

「imggenを使用してカスタマイズされたモバイルイメージを構築する」 の手順に従います。