Azure CLI を使用して Azure 仮想ネットワーク内の IPv4 アプリケーションに IPv6 を追加する

この記事では、Standard Load Balancer に対して Azure 仮想ネットワーク内の IPv4 パブリック IP アドレスを使用しているアプリケーションに、Azure CLI を使用して IPv6 アドレスを追加する方法を示します。 インプレース アップグレードには、仮想ネットワークとサブネット、IPv4 + IPV6 フロントエンド構成の Standard Load Balancer、IPv4 + IPv6 構成の NIC を含む VM、ネットワーク セキュリティ グループ、パブリック IP が含まれます。

前提条件

  • Azure Cloud Shell で Bash 環境を使用します。 詳細については、「Azure Cloud Shell の Bash のクイックスタート」を参照してください。

  • CLI リファレンス コマンドをローカルで実行する場合、Azure CLI をインストールします。 Windows または macOS で実行している場合は、Docker コンテナーで Azure CLI を実行することを検討してください。 詳細については、「Docker コンテナーで Azure CLI を実行する方法」を参照してください。

    • ローカル インストールを使用する場合は、az login コマンドを使用して Azure CLI にサインインします。 認証プロセスを完了するには、ターミナルに表示される手順に従います。 その他のサインイン オプションについては、Azure CLI でのサインインに関するページを参照してください。

    • 初回使用時にインストールを求められたら、Azure CLI 拡張機能をインストールします。 拡張機能の詳細については、Azure CLI で拡張機能を使用する方法に関するページを参照してください。

    • az version を実行し、インストールされているバージョンおよび依存ライブラリを検索します。 最新バージョンにアップグレードするには、az upgrade を実行します。

  • この記事では、Azure CLI のバージョン 2.0.28 以降が必要です。 Azure Cloud Shell を使用している場合は、最新バージョンが既にインストールされています。

IPv6 アドレスを作成する

Standard Load Balancer に対して az network public-ip create を使ってパブリック IPv6 アドレスを作成します。 次の例では、PublicIP_v6 という名前の IPv6 パブリック IP アドレスを myResourceGroupSLB リソース グループに作成します。

az network public-ip create \
--name PublicIP_v6 \
--resource-group MyResourceGroupSLB \
--location EastUS \
--sku Standard \
--allocation-method static \
--version IPv6

IPv6 ロード バランサー フロントエンドを構成する

次のように az network lb frontend-ip create を使用して、新しい IPv6 IP アドレスが割り当てられたロード バランサーを構成します。

az network lb frontend-ip create \
--lb-name myLoadBalancer \
--name dsLbFrontEnd_v6 \
--resource-group MyResourceGroupSLB \
--public-ip-address PublicIP_v6

IPv6 ロード バランサー バックエンド プールを構成する

次のように、az network lb address-pool create を使用して、IPv6 アドレスが割り当てられた NIC のバックエンド プールを作成します。

az network lb address-pool create \
--lb-name myLoadBalancer \
--name dsLbBackEndPool_v6 \
--resource-group MyResourceGroupSLB

IPv6 ロード バランサー規則を構成する

az network lb rule create を使用して IPv6 ロード バランサー規則を作成します。

az network lb rule create \
--lb-name myLoadBalancer \
--name dsLBrule_v6 \
--resource-group MyResourceGroupSLB \
--frontend-ip-name dsLbFrontEnd_v6 \
--protocol Tcp \
--frontend-port 80 \
--backend-port 80 \
--backend-pool-name dsLbBackEndPool_v6

IPv6 アドレス範囲の追加

次のように、ロード バランサーをホストする仮想ネットワークとサブネットに IPv6 アドレス範囲を追加します。

az network vnet update \
--name myVnet  \
--resource-group MyResourceGroupSLB \
--address-prefixes  "10.0.0.0/16"  "fd00:db8:deca::/48"

az network vnet subnet update \
--vnet-name myVnet \
--name mySubnet \
--resource-group MyResourceGroupSLB \
--address-prefixes  "10.0.0.0/24"  "fd00:db8:deca:deed::/64"  

NIC に IPv6 構成を追加する

次のように az network nic ip-config create を使用して、IPv6 アドレスが割り当てられた VM NIC を構成します。

az network nic ip-config create \
--name dsIp6Config_NIC1 \
--nic-name myNicVM1 \
--resource-group MyResourceGroupSLB \
--vnet-name myVnet \
--subnet mySubnet \
--private-ip-address-version IPv6 \
--lb-address-pools dsLbBackEndPool_v6 \
--lb-name dsLB

az network nic ip-config create \
--name dsIp6Config_NIC2 \
--nic-name myNicVM2 \
--resource-group MyResourceGroupSLB \
--vnet-name myVnet \
--subnet mySubnet \
--private-ip-address-version IPv6 \
--lb-address-pools dsLbBackEndPool_v6 \
--lb-name myLoadBalancer

az network nic ip-config create \
--name dsIp6Config_NIC3 \
--nic-name myNicVM3 \
--resource-group MyResourceGroupSLB \
--vnet-name myVnet \
--subnet mySubnet \
--private-ip-address-version IPv6 \
--lb-address-pools dsLbBackEndPool_v6 \
--lb-name myLoadBalancer

Azure portal で IPv6 デュアル スタック仮想ネットワークを表示する

次のようにして、Azure portal で IPv6 デュアル スタック仮想ネットワークを表示することができます。

  1. ポータルの検索バーに「仮想ネットワーク」と入力し、

  2. [仮想ネットワーク] ウィンドウで [myVNet] を選びます。

  3. [設定][接続されているデバイス] を選び、接続されているネットワーク インターフェイスを表示します。 デュアル スタック仮想ネットワークには、IPv4 と IPv6 の両方の構成を持つ 3 つの NIC が表示されます。

    Screenshot of connected devices settings displaying IPv4 and IPv6 addresses on network interfaces.

リソースをクリーンアップする

必要がなくなったら、az group delete コマンドを使用して、リソース グループ、VM、およびすべての関連リソースを削除できます。

 az group delete --name MyAzureResourceGroupSLB

次のステップ

この記事では、IPv4 フロントエンド IP 構成を持つ既存の Standard Load Balancer をデュアル スタック (IPv4 および IPv6) 構成に更新しました。 また、バックエンド プール内の VM の NIC に IPv6 構成も追加しました。 Azure 仮想ネットワークでの IPv6 サポートの詳細については、Azure Virtual Network の IPv6 の概要に関するページを参照してください