ファイル ダンプ モードで Eseutil /M を実行する方法

 

Eseutil で /m スイッチを使用すると、Eseutil の実行時に指定する各種のデータベース ファイルのファイル ダンプ (つまり書式付き出力) を作成できます。

Eseutil /m の構文は次のとおりです。

ESEUTIL /m mode-modifier file_name [options]

Eseutil で使用される最も一般的なモード修飾子を次に示します。

  • h - データベース ヘッダーのダンプ (既定値)
  • k - チェックポイント ファイルのダンプ
  • l - ログ ファイルまたは一連のログ ファイルのダンプ
note注 :
Eseutil のその他のオプションを一覧表示するには、コマンド プロンプトで「eseutil /?」と入力し、Enter キーを押します。

Eseutil のファイル ダンプ モードの詳細については、「Eseutil /M ファイル ダンプ モード」を参照してください。

Eseutil /M を実行する方法

ファイル ダンプ モードで Eseutil を実行すると、次のことが可能です。

  • トランザクション ログ ファイルおよびデータベース ページのヘッダーの表示
  • トランザクション ログ ファイルの検証
  • メタデータおよび領域の使用状況のチェック

ファイルおよびページ ヘッダーの表示

チェックポイント ファイル、トランザクション ログ ファイル、およびデータベース ファイルのヘッダーは、各ファイルの最初の物理的なページです。一部のファイルには "シャドウ" ヘッダーがあります。これは、ファイルの 2 番目のページにあるヘッダーのコピーです。ファイル ヘッダーには、ファイルに関する重要な状態および診断情報が含まれています。さまざまなファイルのヘッダー情報を関連付けることによって、それらのファイルが同じ場所に属しているかどうかを判断できます。

各種のファイル ヘッダーを表示するためのスイッチが別々に存在します。正しいファイルの種類に対応した正しいスイッチを使用するようにしてください。そうしないと、出力が無効になります。

データベース ファイルのヘッダーおよびページ ヘッダーを表示するには

  • データベース、ストリーミング データベース ファイル、またはオンライン バックアップ パッチ ファイルのヘッダーを表示するには、次のコマンド ライン構文を実行します。

    ESEUTIL /MH {filename.edb | filename.stm | filename.pat}
    
  • チェックポイント ファイルのヘッダーを表示するには、次のコマンド ライン構文を実行します。

    ESEUTIL /MK filename.chk
    
  • トランザクション ログ ファイルのヘッダーを表示するには、次のコマンド ライン構文を実行します。

    ESEUTIL /ML filename.log
    
  • データベース ページのヘッダーを表示するには、次のコマンド ライン構文を実行します。

    ESEUTIL /M database_filename.edb /Plogical_page_number
    
    note注 :
    /P とページ番号の間にスペースはありません。

トランザクション ログ ファイルの検証

Exchange 2000 より前のバージョンでは、次の点を判断するには一連のトランザクション ログ ファイルを詳細に調べる必要がありました。

  • これらのファイルがすべて同じシーケンスからのものかどうか
  • ログのシーケンスにギャップがあったかどうか
  • これを行うには、各ファイル ヘッダーの調査と比較が必要でした。トランザクション ログ ファイルが破損していないことを確認する方法は存在しませんでした。Exchange 5.5 のトランザクション ログ ファイルにはチェックサムが適用されていませんでした。

Exchange 2000 Server からは、/ml スイッチを使用して、一連のログ ファイルのシーケンスと整合性の両方を確認できるようになりました。

一連のログ ファイルのシーケンスと整合性を確認するには

  • 次のコマンド ライン構文を実行します。

    ESEUTIL /ML Enn

    たとえば、次のようにします。

    ESEUTIL /ML E00

    note注 :
    特定のログ ファイル名ではなく、ログ ファイルのプレフィックスのみを指定すると、現在のフォルダ内のすべてのログ ファイルがスキャンおよび検証されます。このコマンドは、それらのログ ファイルが存在するフォルダから実行する必要があります。各ログ ファイルの処理には数秒かかります。実行中のストレージ グループ内の現在のログ ファイルを処理するには、ストレージ グループ内のすべてのデータベースのマウントを解除する必要があります。

メタデータおよび領域の使用状況のチェック

メタデータのコマンドと領域の使用状況のコマンドの出力は非常によく似ています。領域の使用状況のダンプは、メタデータ ダンプに、領域の使用状況とストリーミング データベースの統計情報の列を追加したものになります。メタデータ ダンプは、領域の使用状況のダンプよりも速く完了します。したがって、pgnoFDP 値や objidFDP 値などのテーブル情報を目的としていて、領域の使用状況には関心がない場合は、メタデータ ダンプを使用してください。

メタデータ ダンプを表示するには

  • データベースのメタデータ情報を表示するには、次の基本的なコマンド構文を実行します。

    ESEUTIL /MM database_filename.edb

    また、テーブルの名前を指定することにより、単一のテーブルのデータを表示することもできます。たとえば、Msg テーブルまたは添付ファイル テーブルを表示するには次のようにします。

    ESEUTIL /MM database_filename.edb /t1-23

    note注 :
    Exchange 200x データベースの添付ファイル テーブルは、テーブル 1 ~ 23 です。
    note注 :
    領域の使用状況のダンプを表示する場合の構文は、スイッチ /MM の代わりに /MS が使用されることを除き、メタデータの場合と同じです。

データベース内の空きページの総数は、領域の使用状況のダンプの最後の行に表示されます。この数にデータベースのページ サイズを掛けることにより、最適化によって再生利用される可能性のある領域の概数値がわかります。

note注 :
標準的なデータベースでは、メタデータ ダンプは複数の画面にわたります。出力をファイルに保存するには、たとえば次のように、コマンド ラインの最後にリダイレクト コマンドを追加します。
ESEUTIL /MM database_filename.edb > filename.txt

コマンド ライン リファレンス

次に示すのは、Exchsrvr\bin フォルダから Eseutil /? を実行し、「M」を入力したときに表示されるコマンド ライン リファレンスです。

FILE DUMP:
    DESCRIPTION:  Generates formatted output of various database file types.
         SYNTAX:  ESEUTIL /m[mode-modifier] <filename> [options]
     PARAMETERS:  [mode-modifier] - an optional letter designating the type of
                                    file dump to perform. Valid values are:
                                    h - dump database header (default)
                                    k - dump checkpoint file
                                    l - dump log file or set of logs
                                    m - dump meta-data
                                    s - dump space usage
                                    u - dump undefined codepoint fixup table
                  <filename>      - name of file to dump. The type of the
                                    specified file should match the dump type
                                    being requested (eg. if using /mh, then
                                    <filename> must be the name of a database)
        OPTIONS:  zero or more of the following switches, separated by a space
                  /p<pgno>   - dump the specified page from the database
                  /s<file>   - set streaming file name (default: NONE)
                  /t<table>  - perform dump for specified table only
                  /v         - verbose
                  /8         - set 8k database page size (default: auto-detect
                  /o         - suppress logo

詳細情報

詳細については、『Exchange Server データベース ユーティリティ ガイド』の以下のトピックを参照してください。

/ml スイッチと /mh スイッチの詳細については、Eseutil.exe の例に関するページ (英語ページの可能性があります)を参照してください。